メルマガ:組紐工芸 工房 多津蔵通信
タイトル:「薩摩の夢」 ”多津蔵物語 其の四”  2003/11/01


八月末で閉じてしまい、読む事が出来なくなった、
日記『薩摩の夢』には、848人のアクセスがありました。
振り返ってみると、工房「多津蔵」の説明に、時間を割いている事が分かります。
此の日記が、お読みに為りたい方は、工房「多津蔵」宛てに、お申し込み下さい。
語られたカテゴリーは、近代主義・多元的価値観・南蛮・季節感・記憶・香り・場・組紐・工芸・装い・異なり・村落共同体・様式美等など多義に渡っています。
其の語り口から、多津蔵物語を読んで戴く方と、初めての方では、受け止め方も異なる事でしょうが、敢えて、先に進むことをお許し下さい。
薩摩の土地を選んだ理由は、工房の建物と薩摩の地理的場所に因りました。
700平方メートルの木造二階建と、500平方メートルの二階造りです。
戦後直ぐに建った木造校舎と、十年程前に建った管理棟で構成されています。
此の工房で、始まった事は、組紐工芸と袋物の仕立てなのです。
創めた人は、組紐工芸の店を、百年商っている者です。
伝統に則り、古の在り方に学び、日本の様式美を継承発展させたいのです。
只、単に、伝統を継承するだけでは在りません。
薩摩を選んだ理由に、其の謎は潜んでいます。
詰まり、南方貿易の盛んな交流が在った薩摩には、今でも異文化が棲んでいます。
其の異なりを取り込んで、新しい混じりを生み出してみたいのです。
多津蔵が、試みている事は、此の考え方を基本としています。
工房の生活、暮らし向き、仕事への関わる姿が、普段に問われ続けます。
単色の分かりやすい姿は、都会のコンビニ生活と同じなのです。
交じり合った色相で、グラデーションの輝きを持ち、多色の味わいを生み出せれば、時として見せる単色の世界が、意外な輝きで光るのです。
其の光と影が生み出す世界が、南蛮の香りなのです。
異なる文化の香りを運んでくる風を、大切に受け止められれば、
多津蔵は、豊かな潤いを醸し出す事でしょう。
此の歩みを、多津蔵は、ようやく自覚できつつあります。
”オンリイワン”たった一つの工房を目指して、多津蔵は歩みだしました。

                  工房「多津蔵」デザインルーム

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