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タイトル:[M4 Action! 11]「師匠をみつけることで救われる」  2006/08/09


                          通巻84号 2006.3.6発行


                 M4 Action!
          「師匠をみつけることで救われる」

 年明け早々、IT業界に激震が走ってからというもの、あるひとつの生き方について、社会が拒否感を持ち始めている。先日も、高校の卒業式に出たら、来賓挨拶の中に「お金で何でも買える」とか「拝金主義」なんていう言葉を耳にするようになっていた。「お金」とは貨幣であり、国家の信用に基づいた紙切れのことだ。円だろうと、ドル、ユーロにしても、国家を信用してるから拝めるのだ。株式会社の株券も、その会社の信用に基づいて発行される紙切れに過ぎない。

 現代の生活にはどちらも不可欠で便利な紙であり、製造業と違って、IT産業は、規模が拡大してもそれに伴って、人件費が増え続ける実は儲からない産業なのだということに気づいてしまえば、株券のように、信用という買う人の一方的な思いで、みんなが買ってくれることの恐ろしさを一時的にアクセラレーター(加速装置)に使いたいと思うIT経営者の判断はごくごく普通であった。そう思わないことを清廉潔白である、と思いたい人々は、信用することによって自らが拝金主義を助長している隠れ拝金主義者に他ならない。

 だからこそ、IT経営者は買収がしたい。IT産業は儲からないから、先がないのを知ってしまった経営者が普通にする戦略である。だから、まともな商売をみんなが信じてくれているうちに買っておきたい。そうすれば、ITがダメになっても、企業としてゴーイング・コンサーンであり続けられるし、結果的に未来の株主はその経営判断を聡明とするのだ。

 犯罪が起こるまでにはダークサイドにいきなり堕ちるわけではない。清廉潔白から徐々にグレーになり、イリーガルになる前にインモラルになるときがある。そのときにその暴走を誰が制するのか。今まで学校の先生でさえ叱れなかった若者を、親も叱責できず、先輩経営者も経済的に負い目を感じ、時の宰相までが賛美してしまう中で、誰がモノ申すことができよう。「人の言うことをよく聞く」と自称する人は多いが、そういう人に限って、ただ聞くだけで効きはしない。

 それなりに能力がある人は、自分が認めた人の言うことしか聞(効)かないものだ。自分が認めた人、それが「師匠」である。最近の大問題を引き起こす人はどれも王様であり、エリートばかり。その決して長いとは言えない人生の中で、信じられるのは自分だけであり、家庭にも学校にも職場にも師匠を持っていない。それが災いしてしまう。あからさまな師弟関係を作ることが必ずしも有効ではないとは思うが、王様でも人間であって、神ではない。何かのときに誰かから制せられなければ、人間ではない。まさか日本の特徴である無宗教が諸刃の剣になるとは。大きな落とし穴であった。

 さて、師匠はどうやってみつけるのか。自分に自信がありすぎる人は、それなりの師匠が必要だ。絶対に抜けないような尊敬できる人を選ぶしかない。歳を重ねれば、例え何か一部分でその師匠を抜いたとしても、まさか師匠を超えたとは思えないものだ。若いうちは、そんな誤解をせぬよう自分がそのときに当分は超えられないような人を選んでおくべきだろう。もちろん、師匠にも弟子を選ぶ権利はあるが、近づけるほど成長をすれば、師匠に直接会えることもあるだろう。それから直接、自分を弟子と認めてくれるかを聞いてもよいのだ。
                            (こくぶ ひろゆき http://lvsh.jp/)



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