メルマガ:M4 Action!!
タイトル:[M4 Action! 5]「唯我独尊の反省」  2005/02/06


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                                                  通巻77号 2004.12.23発行


                  M4 Action!
                    「唯我独尊の反省」

 私も今月で31歳になりました。13年間の社長暦も年明け2月で14年目を迎えます。
最近、大学の研究が滞りつつ、仕事が増えてしまい、メルマガの配信も3ヶ月ぶり
のご無沙汰となります。仕事が忙しくなると、クリエイティビティのセンスにも影
響が出るのか、「電車男」のような無料コミュニティ発マスプロダクトという発想
自体が私の中から消えていたことを非常に悔しく思うほどです。普段からアンテナ
は邪魔でも張っていなければなりませんね。

 私が最初に会社を興したのは、もともと中学のころからやっていたゲームサーク
ルでしたから、みんなが仲間でした。サークルだから、人件費はかかっていませ
ん。さらに上下関係も厳しくない。年齢は私が最年少ですが、それなりのリーダー
シップというものを持っていました。その後、合資会社を高校3年生のときに設立し
ました。その当初は給料を払っていなかったと思います。年商が600万円ぐらいです
から、人件費を払おうものならば、潰れてしまいますし、何より高校生と大学生と
いう未成年の被扶養家族の集まりでした。

 ホームページの制作を受注するようになってから給料のようなもの支払うように
なりました。でも、そのときもみんな被扶養家族だったので、それぞれに合資会社
を作ってもらい、そこに発注する形をとりました。どうせお給料として個人でもら
ったって仕事に必要なパソコンとか買うのだから、経費は使えるけど、給料はもら
わない合資会社ネットワークになりました。その頃からも今までも所謂給料で人を
直接雇ったことがありません。雇われたのも大学が決まってから、仕事が忙しくな
かったときにやっていたアルバイトぐらいです。

 13年間こんな形でやってきて、なかなか社員とか従業員、エンプロイイーの気持
ちというものが分かっていなかったような気がします。当時からの学生の大半は、
既に就職していますが、彼らと話すと、私が思いもよらなかったことが返ってくる
のです。「社長からのメール5分おきに来るんですけど、全部無視です」なんて、あ
り得ない...。確かに私も当時、技術スタッフに「あれやれ」「これやれ」とメール
を出していました。社長は気づいたことをメールしておくと安心なのです。実際に
もらう立場の人がどう思うか、なんて考えたことはなかった。ただの転送もよくし
ます。自分がもらったメールの中でよい情報があると、それを転送する。「調べて
おいて」のような一言を書くならまだいいけど、そのまま転送したりもしていまし
た。それで調べて返事が自動的に返ってくると思っていました。

 しかしです。当時もそうでしたが、そのメールは返って来なかった。仕事は進ん
でいない。社長は従業員がどの仕事で忙しいのか、理解していないのです。すべて
理解できるわけないだろう、という唯我独尊の奢りもあるでしょう。よって、苛立
つ。怒る。責め立てる。「あれは、どうなっているの?」「いま、やっています」と
いうやりとりの連続で、呆れる。コミュニケーションを取らなくなる。居づらくな
る。辞める。

 私はそれで技術者は内部に持つと固定コストばかりかかって言うとおりに仕事は
してくれないから最小限にして、外注とうまく使い分けようということになりまし
た。外注ならば、営業が分かりやすく説明してくれるし、メールも無視したりしま
せんから。でも、社内の人間はそれなりに仕事はしていたんでしょうね。私にはそ
れが理解できませんでした。今では、自分の未熟さを反省するばかりです。

 よく従業員満足を唱えている会社があります。昔は、顧客の前に従業員かよ、な
んて意地悪く思っていましたが、今では「従業員満足なくして、顧客に満足は提供
できない」くらいに思います。前々から「一度雇われてみたまえ」なんて有難いご
忠告を冗談交じりに受けてきたのを無視してきたのがいけなかったのでしょうか。

 もちろん、おセンチに社員博愛を訴えたところで、場を提供する創業者がいなく
ては何も始まりません。でも、場を作れた者だからこそ、高い次元で物事を考え、
従業員という「味方」が、いかに働きやすく満足してもらえるような環境をつくり
続けていくかが、零細企業から大企業へと脱皮できる鍵なのではないかと思いま
す。護送船団で成功しているときには見えないものがそろそろ見え始めているので
はないでしょうか。

 閏年2004年もそろそろ終わりです。よいお年を。Merry X'mas & A Happy New Year!!

          (こくぶ ひろゆき hk@ihg.jp http://www.ihg.jp/)


追伸) 初めてこのメールマガジンをお送りさせて頂いた方もいらっしゃいますが、
  1994年から(当時はFAXでしたが)不定期に発行しているものです。徒然なるまま
  に思いつきを皆さんにお送りするものですが、ご迷惑でしたら、一番下の解除
  方法で解除できますので、お手数ですが、ご自身でご手配をお願いします。
  「おいおい、ふざけんな!」という方はその旨、ご返信下さい。そういう方には
  こちらで対応させて頂きます。
   なお、バックナンバーM4 Visionについては以下のホームページにあります。
   http://www.spre.ad.jp/new/m4_index.html



◎最近見た映画
 映画のコーナーを楽しみにして下さる方も多いので、ブログにまとめています。
 http://spaces.msn.com/members/kokubu/?partqs=cat%3D%25e6%2598%25a0%25e7%2594%25bb&_c11_blogpart_blogpart=blogview&_c=blogpart

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國分 裕之 (Hiroyuki Kokubu), Independent Holdings Inc.
E-mail hk@ihg.jp URL http://www.ihg.jp/

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