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タイトル:[M4 Vision 72]「最終回:私の生活を支配するもの」  2003/11/27


              通巻72号 2003.11.28発行


                  M4 Vision
              「最終回:私の生活を支配するもの」

 私もとうとう長かった20代の終わりをあと数日に控えることになりました。この
「M4 Vision」もFAX通信としてスタートした1994年から約9年間が経ちました。1994
年は日本がCD-ROMを中心としたマルチメディア・ブームに沸いていたころです。私
にとっては、社会に出て初めてのバブルでした。ゲームがマルチメディアだ、と言
われて、映像ばかりが目立つゲーム機が多く登場しました。思えば、私の起業人生
もゲームがスタートです。ただ、任天堂が上場来初の赤字になり、デジキューブが
破産し、あのスクウェアとエニックスがひとつの会社になっていることなどを考え
ると、コンピュータゲームのテスティングから事業をはじめた私からすると、「自
分もゲームをやらないのだから、あたりまえか」などと思ってしまうのです。昔か
ら言っていることですが、日本におけるゲームというものは、ファミコンの発生か
らずっと私の世代「団塊ジュニア」の男子をターゲットにしてきたわけです。その
私が30を目前にしているわけですから、ゲーム人口が減るのはあたりまえです。

 しかし、そんなゲームからずっと遠ざかっていた私の生活を支配するものが最近
になって現れました。携帯電話iMODEでやる「ウェブコンテンツ信長の野望」です。
「信長の野望」はご存知、「三国志」と並ぶコーエーの歴史シミュレーションゲー
ムの代名詞です。きっかけは風邪で寝込んだときに寝ながら携帯をいじっていたと
きのことです。懐かしいと思って暇つぶしに「iアプリコンテンツ信長の野望全国
版」をやりました。これはひとりでやるゲームなので、一晩寝ずに布団の中でずっ
と携帯でコマンドを出していてなんとか全国統一を果たしました。まあ、懐かしか
ったけど、終わってしまえばこんなものだよな、と思ったものです。

 ただ、対戦物もあるのに気がつきました。それが「ウェブコンテンツ信長の野
望」でした。8人の全国の本当の人間のプレイヤーとまずは地方ごとに分かれて城取
りゲームをするのですが、35日間の期限付きで、プレイヤーのほかに東海地方なら
ば、コンピュータが管理する織田信長や徳川家康、今川義元なんかもいる群雄割拠
の戦国時代を生き抜くのです。これが本当に面白い。1日1回のコマンドなので、時
間がそんなに取られないから集中できるのもありますが、何といっても人間対人間
の戦いだからなのでしょう。同盟があり、裏切りがあり、32文字までとは言え、ど
この誰だか分からないプレイヤーとメールの交換もできます。そして、地方版を終
えたら、全国版に進めます。全国版は全国60の城を24人のプレイヤーだけでやるの
です。原則としてコンピュータはいません。シミュレーションゲームというのはコ
ンピュータとプレイしているうちは自己満足にしかならないのです。難易度を設定
できますし、誰も自分の活躍を見ていてくれません。もちろん、人間対人間のゲー
ム自体はPS2のオンラインゲームで増えていることは事実です。「ファイナルファン
タジー」だって、「信長の野望」だってみんなオンラインゲームになっています。
しかし、リアルタイムなオンラインゲームで人間対人間ということになると、ずっ
とプレイしていなくてはならない。みんな待ってくれないのです。よほどの金持ち
で時間を作れるか、かなりの暇人でないと本格的にああいったゲームを楽しむこと
はできないでしょう。少なくとも一日2時間でゲームを中断することなんてできませ
ん。

 さて、なんで今更携帯画面の陳腐な画像しか出ない「ウェブコンテンツ信長の野
望」に、生活を支配されるのでしょうか。それは、前日の11時59分までに出したコ
マンドの結果が翌2時40分ぐらいにアップされるからです。公式には5時にアップす
ることになっているのですが、2時35分ぐらいから2時45分ぐらいにアクセスすると
見られるのです。この時間がかなり微妙で、起きていられてしまう時間です。そこ
から情報集めて、コマンドを処理していると、4時を過ぎてしまいます。旅行中もそ
うです。私はFOMAなので、地方で圏外だったときには、困りました。ゲームのため
にMOVAに切り替えてコマンドを処理しました。それに困ったことが他にもありま
す。海外旅行に行けないのです。新しいボーダフォンは海外でもライブ!に繋がるら
しいですが、海外では通話はできても、iMODEはできません。いつかはパリの凱旋門
を見ながら、コマンドを出したいものです。でも、それだけ面白いのです。

 週末、友達と飲んでいたりすると、この時間がやってきます。私の携帯は2時45分
にアラームがセットされていますから、「ちょっと待って」と携帯を見ながら、一
喜一憂しています。それを見た多くの友達がそれに興味を覚え、次の日にはエント
リーしています。今、団塊ジュニアのピークは既に30歳になろうとしています。仕
事もそこそこやっていないと将来は不安に感じるときでしょう。そんな人たちがや
れるゲームといったら、時間を拘束されず、どこでも携帯でやれて、人間同士が楽
しめるリアルなものしかないのではないでしょうか。環境悪化のゲーム業界の活路
はそこにあると私は信じます。そして、自分自身のひとつの時代の終わりにこのメ
ルマガ「M4 Vision」も最終回とさせて頂き、30歳になったら、また新しいものを発
信して行こうかな、と考えています。一番長い方で9年間、短い方でこれが最初だっ
たかも知れませんが、ひとまずはありがとうございました。

          (こくぶ ひろゆき hk@ihg.jp http://www.ihg.jp/)


■「ウェブコンテンツ信長の野望」
http://www.gamecity.ne.jp/products/keitai/nob/index.htm


追伸) 初めてこのメールマガジンをお送りさせて頂いた方もいらっしゃいますが、
  1994年から(当時はFAXでしたが)不定期に発行しているものです。徒然なるまま
  に思いつきを皆さんにお送りするものですが、ご迷惑でしたら、一番下の解除
  方法で解除できますので、お手数ですが、ご自身でご手配をお願いします。
   なお、バックナンバーについては以下のホームページにあります。
   http://www.spre.ad.jp/new/m4_index.html



◎最近見た映画
「バッドボーイズ2BAD」
http://www.bb2bad.jp/
 フェラーリのカーアクションが凄いです。その他にも、キャディラックCTSなど新
車が出てきたりしますが、中身は特別なんということはありません。麻薬物はハリ
ウッド映画ですごく多いのですが、日本はそんなに麻薬が身近でないので、感覚が
違うからかも知れません。前作の「バッドボーイズ」を見ていったら、もっと感情
移入できるのでしょうか。

「フォーン・ブース」
http://www.foxjapan.com/movies/phonebooth/
 トレイラーを見ていたときから興味があったのですが、結末はなんとも…。81分
と上映時間が短いので、すぐにクライマックスという感じです。普段から威張った
り、嘘をついている人への戒めムービーとして、そういう人を懲らしめるための疑
似体験としては良いかも知れません。

「マトリックス・レボリューションズ」
http://whatisthematrix.warnerbros.com/japan/
 公開初日に地元のオールナイトに見に行ってしまいました。六本木ヒルズは座席
指定なので、ヤフオクにも出ていたとか。都内はほぼ満席が続いたようですね。そ
の後、興行収入の良いニュースを聞きませんが、どうだったのでしょうか。内容は
友達も言っていましたが、「ドラゴンボール」の実写版です。あそこまでいくと、
リアル感が損なわれてしまっているので、ラストの14分に70億円、1秒間に833万円
は使い過ぎじゃないでしょうかね。それはそうと、オープニングにAOLの文字がなく
なっていましたが、「タイムワーナー」に社名変更後初の映画かも知れません。

「キルビル Vol.1」
http://www.killbill.jp/
 まさかVol.1とは思わなかったです。券を購入するときの掲示板が「Vol.1」とな
っていたので、おかしいなー、と思ってはいたのですが。いざ見入って、このまま
でクライマックス迎えるのかと思ったら、「つづく」ということで、タランティー
ノ監督までマトリックスやスターウォーズ、ロードオブザリングのようなハリウッ
ド大作のマネをするのかと思うと興ざめです。ルーシー・リューやユマ・サーマン
の日本語はやっぱり無理がありますね、「ラストサムライ」の真田広之を見習って
欲しいです。ソニー千葉はあれでいいと思いますし、布袋の音楽は好きです。


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國分 裕之 (Hiroyuki Kokubu), Independent Holdings Inc.
E-mail hiroyuki@kokubu.name URL http://www.ihg.jp/

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