メルマガ:詩と散文の広場
タイトル:詩と散文の広場 52  2003/05/14


  * 詩と 散文の 広場  NO.52 *

◆ 風の歌・・Zより ◆ ♪ ◇ ♪  

 みなさま、お元気でしょうか。夏に向けても 充実の 時間を お過ごし下さい。

個人的な 話ですが、てるりさんには メールが 送れません。なぜでしょうか?

☆ 夕風や 白薔薇の花 皆動く( 正岡 子規 )☆


◆ 詩 ◆ 〜〜〜 CONTENTS 〜〜〜

☆1☆ 「私時間」         さわこさん

☆2☆  White lie    てるりさん

☆3☆  空耳                   美月じゅんさん

     いつか きっと(返詩)     カノンさん

☆4☆ ジェラシー黒猫         美月じゅんさん

☆5☆ 思春期                   南雲翁さん

◆ 短歌・俳句・川柳 ◆ 〜〜〜
☆☆なし

◆  エッセイ ◆  〜〜〜

☆6☆ 人間 と 物語   Z
 
◆  小説 ◆  〜〜〜

☆7☆ 春時雨( はるしぐれ ) Z

◆  編集 後記 ◆  〜〜〜 Z  〜〜〜
◆ 作品募集のお知らせ ◆  〜〜〜
◆ ご紹介コーナー ◆ ご寄稿者のアドレス◆ 〜〜〜

 --- 以上 掲載 順は、編集上の 便宜と、ご理解 頂ければ、幸いです  ---

◆ 詩 ◆ ♪ ◇ ♪ ◇  

☆1☆ 「私時間」   さわこ


私の時間は私が決める。流されるのはとても怖い。

今、こうしている間にも時間は常に流れているんだ。

同じリズムで正確に。秒針の音は非情なまでに同じ

リズムでチク、タク、チク、タク・・。

私の気持ちを知りもしないで。

もっと時間にへばりついて、ねっとり、まったり生きてみたい。

周りで起こるいろんなことを実感しながら生きてみたい。

背中を押されて歩きたくない。私の速度は私が決める。

流されるのがとても怖い。置いてかれるのも本当は怖い。

だけど私はもっと知りたい。分からず進んで行きたくない。

傷を負ったら痛いまんまで実感しながら歩きたい。

できれば本当にそうしたいんだ。

  

☆2☆  White lie    てるり


 嘘をつきましょう 
 愛しき者のために 

 真実よりも 
 あざやかに 

 嘘をつきましょう 
 平和のために 

 誰も傷つかないように 
 そぉーとなめらかに 

 何も見えないように 
 何も聞こえないように 
 何も疑わないように 

 ばれない嘘は嘘ではない 
 それが本人にとっての真実になればいい 

 たとえ自分を守るためだとしても 
 それだけではないと言えるのなら 

 嘘をつきましょう 
 あでやかに 

 愛しきあなたのために 
 愛しき君のために・・・ 



☆3☆       空耳
                            美月じゅん

そっくりな声に
名前を呼ばれて振り向いた
あなたの輪郭が
陽炎のように揺れている
空耳だよね
大好きな波の音さえ
わたしの耳は
聴こえなくなったのだから


    いつか きっと(返詩)
                                     カノン

あなたを呼ぶよ おおきな声で
目を閉じて 胸に きれいな風が吹くから
大切に 何度も あなたを呼ぶよ
街で あなたと同じ車を見たり
偶然 同じ名前を聞いたり…
そんなことが あなたとの絆に思えるから
きらわれていても 会えなくても
その声が聞けなくても…
あなたを呼ぶよ 心をこめて
あなたの名前を呼ぶよ…


 
☆4☆  ジェラシー黒猫  美月じゅん


春が微笑んでくれるのに
まだ涙が止まらない
あたしに棲むジェラシー黒猫
お願いだから爪を立てないで
どうしても引っ掻きたいなら
この胸を傷つけなさい
夏になったら想い出と遊ぼう
あの人が君に似てるなと言った
ミニひまわりの咲く庭で

  

☆5☆    思春期     南雲翁


 好きなんてことじゃない
 でも……

 僕は独り
 まわり道をして少女の家の前を通って
 帰ってゆく夕暮れ
 瞼をはらしていた少女に
 何か一言言ってやりたかったけれども

 好きなんじゃない

 僕は唇をかみしめて
 少女の前でかたくなる自分の態度が
 どうしようもなく歯がゆい
 少女の黒く円らな瞳だけが
 心の中に刻み込まれて
 何も手につかなくなってしまう

 でも好きなんじゃない

 僕が僕であるために何をすればいいのか
 先生にも父にも相談できない
 まして
 からかい半分の友達には話せやしない
 どうしたら
 少女のことを考えずにいられるだろう

 でも……
 美しすぎる夕焼けの空
 僕は理性とはうらはらに
 少女のことを想い出している

 

◆ エッセイ ◆ ♪ ◇ ♪  

☆6☆ 人間 と 物語   Z
 
 
 話は、一応 関連してますが、雑ですので【 】で 見出しを つけました…。


【インドでは 仏教が 1% 以下なんて】

 なぜ 人は 仕事をして 生活をして 趣味で 色々と楽しむのだろう。

改めて思う。そもそも、なぜ、存在しているのかと…。このように、余計なこと

考える人間の僕なのだ。そして、いつも、適当に、結論を出す。楽しければ
いい
のだと。それが生きる理由で、存在する理由だと…。

 だから僕のような人間は、中途半端な生き方に なりやすい気がしている。
それが
怖い。しかし、また、これらは 一般の人の『 問題 』でもあるらしい。

 人はみんな『 幸福 』を追求するから、宗教も 発生し 派生するのだろう。

 BSの番組にて、人気のある キキ・キリンさん(どんな文字でしたか?)が、
仏教の
法華経を愛読しているそうで、インドを旅していた。なんと、インドでは
仏教徒が
1% にも 満たないのだそうだ。83%は ヒンドウー教徒という。驚いた。
5世紀頃には、
イスラームに 生徒が 1万人もいた 仏教大学が 破壊されたり、迫害があった
そうです。

 宗教も、かなりの部分が、その物語性に 人は 魅せられている気もします。


【自然は 優しいのか 酷(むごい)いのか】

 最近『 自然 』こそが、見直されるべき、という世相を 感じます。確かに、
自然は、
神に近く、人生の師に近い、と僕なども 感じます。

 残酷なようだけど、自然淘汰は、真理でもある気がします。死や 滅亡がある
から
生や 誕生があるのでしょう。体の 細胞でさえ、死があるから 新しい細胞の
誕生が
あり、生き生きとした 健康を 保てるのですと、 最新科学も 解明しています。


 死は 極めて 身近な 出来事と思います。だから 僕などは、一見 のんきで、
実際に
気ままな生き方なのですが、しかし また、どこか、遭難者か 難破船に乗る
船員
のような 非常事態な 気分で、文芸や その他の 何でも 関心を 持ちながら、
日常や
世界に 向かっている 気がします。生きるとは 自己管理 そのもののように。  


【さすがの 俳人による 秀句の 的確な定義】
 
 図書館の 俳句の 雑誌で、おもしろい 名文を 見つけました。

「 秀句は 無意識に 記憶を 強(し)いる。強いられて 何等(なんら)抵抗を
感じ
させない。表現力を 得たものだけが 風雪に耐える。その表現は、一見 平明に 
見えて、
きびしく 類型を 拒否する。更(さら)に、解説さえ 無力にしたとき、その句は
大衆の
中に 溶けて、永遠に 新しい 生命を 宿しつづけるだろう 」

( 俳句の魅力・昭和55年 )の中の 俳人 飯田 龍太氏の 言葉です。

 
 俳句も、この世界の 自然淘汰という 厳しい選別に さらされるという
意味にも
なるのでしょうか。俳句や短歌作りなども、結構 盛んな 社会のようですが
秀作や
名作を残すなど、奇跡に 近い気もしますが、何よりも、その過程を 楽しむこと
こそが、
あらゆる 創作行為 または 人生や 仕事や 趣味の 究極の 原点なのでしょうね。
でも
それが また 難しいわけですけど。


【なにかと 話題になる 京都大学名誉教授の 河合隼雄氏】

 さて…、文化庁長官で、心理学者でもある 河合 隼雄(はやお)氏は、

「 物語は 一つじゃない。懸命に 働けば 皆が 豊かになり 成功 物語を 共有
できた
時代は 終わった。1人 ひとりが 自分の 物語を 創るしか すべはない。それに
気付いて
いるのは 右肩上がりの 経済を知らない 30歳代ですよ 」と 日経新聞に
語っていた。

 人は なぜ 物語を 好み 必要とするのか?疑問といえば 疑問ですよね。
しかし
『 時間 』があり『 空間 』があり、人間という不可思議な『 存在 』を
思えば
当たり前のことで ある 気もします。あえて 問うことも 徒労な気がします。


【詩や 小説や エッセイで 活躍の 江國 香織さん】

 また、河合 隼雄氏の 言葉を、江國 香織さんのエッセイ集『 泣かない子供 』
の中の
『 なぜ書くか 』の中に 見つけた。

「 人が どう見ているかは ともかくとして、私は いつも リアルなものを
書いて
いたいのだ。リアルじゃないと 小説は つまらないと思う。私に とって
あらゆる 小説は
ファンタジーなのだ。ファンタジーというのは 河合隼雄さんの 言うところの
『 たましいの
現実 』であり、それが私にとっての リアリティーだと思っている。したがって、
それは
『 ありそうなこと 』か どうか、あるいは『 たくさんの人が さもありなんと
うなずくこと 』
かどうか、と なんの関係もない。そういうのは 錯覚( しかも みんなが 一っぺん
にする錯覚 )
だと思う。リアリティー というのは もっと個人的なものなのだ。そういう 個人的
な真実を
信じられなくなったら おしまいだ。他に 信じられるものなんて 何もない。

少なくとも 私は 信じている 」

 このくらいの 確信というか、思いこみがないと、江國さんの ような 作品は
書けない
とも思う。僕の見解としては、虚構は 事実でないから、つまらないとは 考えたく
ないから、
結局、江國さんの 考えに 近いようだ。虚構も 虚構としての それなりの 現実
として
楽しむことが、心を豊かにするのだと思う。現実としての、生活が 楽しいこと
ばかりなら
ほとんど 文芸も 映画も いらないのかも 知れないけど。


 江國さんの作品に 関心を持ったのは、ここ1週間ほどの あいだでした。

 偶然に、辻 仁成(ひとなり)氏の『 海峡の光 』の解説を、江國さんが 書いて
いるのが
目に止まった。それで 急に 興味をもって、江國さんの 数冊の 新潮文庫を 買
った。
『 つめたいよるに 』の中の『 デューク 』という ムク毛の犬の 短編小説を
2日ほど
前に読んだ。僕の 今回の 拙作『 春時雨 』と 構成が 似ているのには 驚いた。


◆ 小説 ◆ ♪ ◇  ♪  


☆7☆ 春時雨( はるしぐれ )   Z


 めぐみに 初めて 会ったのは、明るい 春の 時雨の 日曜日のことだった。

 私は、ホーム センターで、園芸用の 3キロ入りの 肥料を 2つ買った。

 突然 ぽたぽたと 降り始めた 時雨に あわてながら、 3キロの 肥料を 2つ、
軽自動車の
荷台に 重ねて 載せた。ハッチ バックの ドアが、置きっぱなしの 他の 荷物の
ために、
完全に閉まらない。どこか アバウトな 性格の 私は、ハッチ バックの ドアを
完全に
閉めずに、( いいだろう… )と スーパー マーケット へ クルマを 走しらせた。


 ホーム センター沿いの 狭い道を抜けると、片側1車線の 国道の前で 一時
停止した。
その時だった。クルマの すぐ 右横に 立っている 薄い オレンジ色の ワン
ピースを
着た 女性と目が合った。クルマの ウインドウに ぽたぽた 音を立てて 流れる
雨の滴と、
それを払う ワイパーの向こうに、傘を差して 立っている その女性には、現実
離れをした
モデルか 女優のような 自由で 気ままな 華麗な 漂いが あった。
彼女は
確かに 私を 見つめていた。しかし、まったく 見覚えなど なかった。

 その女性が 強烈に 気になったのだけど、国道の 向かい側の 大駐車場に
クルマを
入れようと、私は アクセルを 踏んで、国道を 横切ろうとした。

 その時、急発進でもなかったのに、ハッチバックの ドアが 開いた感じと 
同時に、
ドタドタと 音がした。運転しながら、私は 振り返えると、国道の 真ん中に
荷台の
荷物が 散乱するという 最悪の事態に 直面してしまったことを 確認した。


「 何て バカなことを… 」 雨の 降りしきる 道路に 散らばる 肥料や 種の袋。
それを、行き交う
クルマは、徐行して よけて 通過する。または 立ち往生して 一時停止する。

 その自分の失態に、「 さっきの 素敵な女性も 見ているはず。恥ずかしい 」
と思い
ながら、とにかく クルマを 停車させて、片付けなければと、国道を 横切ると、
国道の
すぐ脇の、駐車スペースに 雑に 急いで 車を 止めた。

「こんな 最悪な状況になるなんて」と 後悔しながら、国道の 交通を 遮断して
いる
肥料や 種の袋や バケツなどを 片付けようと、私は クルマを飛び出した。


 その時だった。私は、自分の目を疑った。なんと、さっきの オレンジの ワン 
ピースの
すらりとした 若い女性が、傘を 路上に置いて、しゃがんで、3キロもある
重い
肥料を 持ち上げて、私の 手助けしようとしているのだ。小雨に 濡れながら。


「 どうも ありがとうございます。でも それ 僕が 持ちますから 」と 彼女に
駆け寄り、
私は 彼女が 手を かけている肥料を 持ち上げ、周囲の 人の目を 意識しながら、
道路に
散らばった 種の袋とかを、クルマの 荷台に 片付けた。

 それにしても、なんて 心の優しい、しかも 美しい女性なのだろう。その 一瞬

出来事の 最中に、私は 強い 感動を 覚えた。
 

 その騒動が 終わると、ワンピースの 女性は、どこか 優雅に 傘を 差しながら、
やはり
愛らしい 笑顔で、私に近づいてきたのだった。私の 胸の 鼓動は 高鳴った。
何が
起ころうとしてるのだろう…と、わけが わからなかったが、嬉しかった。

「 あの、クルマに 乗せて 頂いて 良いでしょうか 」と 彼女が言った。

「 ええ、どうぞ。どうも ありがとうございました 」私は 醜態を さらして、
恥か
しくもあったが、意外な 彼女の言葉に、動揺しながらも、そう 明るく 答えた。


 彼女は 助手席に、座った。 涼しい 目もとの 印象的な 女性だった。私の
好みだった。
 品の いい香りがする。香水でも つけているのだろう。軽く染めてる 髪は
ショートだが、
くせ毛なのか パーマなのか、かわいらしく 跳ね上がっていて、よく似合う。

 薄い オレンジ色の ワンピースには、淡い ピンク色の 花の 模様があった。
それは
衿(えり)も 袖(そで)もない夏服で、雨に 濡れてしまっていて、胸や 下肢
(かし)に
張り付いてしまい 色っぽく、なんとなく 私は 目の やり場に 困った。

「 あ、この 宇多田ヒカルの カラーズは、わたしも好きよ 」

「 そう。ヒカルちゃんは、いいよね 」

「 わたしは めぐみといいます。あなたのことは 前から 知っているんです 」

「 え、僕のことを。でも なぜ 」私は、ますます、気持ちが 動転した。

「 植樹祭に 参加したり、ボランティアしたり、植物が 好きな 和明さんは、
わたしの
お友達の中では 結構 有名なんですよ。ぜひ 1度、お会いしたい、なんて
言って
いる人もいるくらいなんです 」といって、めぐみは 明るく 笑った。

「 僕の 名前まで 知っているなんて 嬉しいな 」私は、顔を 紅潮させて、興奮
しながらも、
このチャンスを、なんとか いかして、この女性と 交際したいと、心の底から
思った。
この人こそ、優しくて 献身的で、 私が 探し求めていた 理想の女性なのだ…。

 
 私は、森を ふやそうという ボランティアの 緑化 運動に 参加していた。

 先日も、100人ほどの 子供を 含めた 仲間たちと、檜(ひのき)の 伐採
された
国有地に、 欅(けやき)や 櫟(くぬぎ)や 山栗(くり)など、20種類ほどの
苗木を
植樹した。傾斜する 山肌の 草を刈り、目印に 竹を差し、そこに 深さと幅 30
センチ
ほどの 穴を掘ってゆき、苗木を 植えていく。馴れないから 厳しい 作業だ。

 女性や 子供も 参加しているから、20分間ほどの作業に、10分くらいの
休憩を
とりながらマイペースに 作業はする。森の中では、清涼な 空気や 樹木
(じゅもく)の
生々しい香り、 湿った土や 枯葉の匂いに 包まれる。汗も 出るけど、大自然と
ひとつに
解け合うような 歓びには 祭りのような 陶酔感もある。笑顔も あふれる。

『 地球の 温暖化は 危機的であり、それは 森を 失った 結果でもある。森を
失うとき
私たちも滅亡してしまう 』そんな ボランティアの代表の考えに、私は 共感する。

 
 父は、天井の高さが 10メートルの ハウスの工場を持ち、さくらんぼ
作りなどの
農業をしている。今は それを 手伝っている。東京で 勉強や 仕事をしていたが、
何のための
勉強なのか。仕事なのか。競争なのか。考え込むと、私は 嘔吐(おうと)を
感じた。
そんな 自分は 社会的な 脱落者になる気もした。それで 1年ほど 放浪生活を
して、
山梨に戻ってきた。自然が 相手の 農業ならば、やっていけるだろう、と思った。


 めぐみと 私は、その 春時雨(はるしぐれ)の日に、たちまち 恋人 同士
のよに
親密になった。二人とも 植物や 小鳥や 自然が 好きだから、そろいの
ウオーキング
シューーズを 買って、河川敷や 山道や 野原を よく歩いた。それは、時の
立つ
のも 忘れるほどに、幸福な 時間だった。人間は、花や 小鳥や 自然に 囲まれて
生きる
ことが 幸福なのだと思う。

 
 めぐみと 私は、自然の中で 遊ぶ 無垢な 子供たちのように、夏の 日々を
過ごした。

 そして、青空と 白い雲の 輝きの 中にも、秋の風を 感じる日が 来た。

「 ねえ、和明さん。去年、あなたは 病んで 弱り切っていた 桜の木を 大事に
世話
してあげたでしょう。そしたら 今年の春、その桜の木は 元気になって、見事に
花が
咲いたわよね 」と、めぐみは 私の 部屋の ベッドで 耳元に 優しく ささやいた。

 心地よい 疲労感の、別な 世界にいるような 意識の中で、私は 空に向かって
満開に
咲く 桜を 懐かしく 思い出した。それは 近くの 公園にある 桜の木だった。

 よく見ると、その まだ 若い 桜の木の 肌は ザラザラに 荒れていて、酸性雨や
二酸化炭素
にも やられて、害虫にも 食べられていた。

「 助けて下さい。わたしは、すっかり 病んで 弱っているのです 」と、確かに、
そう話しかける、
桜の木の 声を 聞いた。錯覚だろうが、私には よくあることだった。

 夢を見ている感じで、現実感のない 私は、「 そうだ、あの 桜の木。元気に
なって
くれたよね。 今年は きれいに 咲いてくれた。めぐみとも、お花見をしたよね。
あの
公園へ行って、たくさん遊んだよね。楽しかったね 」と、私の 隣りにいる
寝ている
めぐみに 話しかけた。めぐみの 身体(からだ)ぬくもりを 確かに 感じながら。 


「 和明さん、私なんかに 優しくしてくれて、本当に ありがとう。和明さんと、
過ごした
日々は、わたしも 本当に楽しかった。会うことができて 本当に 幸せでした。
けれど、
これ以上、和明さんと 楽しい時間を 過ごすことは、自然界の 掟(おきて)に
違反
するのです。だから、もう、お別れを しなければなりません。だから、どうか、
和明さんも
悲しまないで下さい。そして、いつまでも、変わらない 優しい 和明さんで いて
下さい。
きっと 私たちは、また 出会えます。私たちの 命は 永遠なのですから。
わたしに
優しくして 下さって、本当に ありがとう。さようなら、和明さん 」


「 え、めぐみ。それは、どういうことなの。まさか、君は … あの桜の …  」

めぐみに言って 起きあがろうとするが、私は すぐに現実の世界に 戻れなかった。

 翌朝、日の光に 目覚めた 私の 隣(となり)に、めぐみは いなかった。
うすい
青い シーツには、たくさんの 桜の 花びらが 散っていた。そこには 確かに、
いつもの
めぐみの 品のいい 香りが 残っていた。

 

◆ 編集 後記 ◆ ♪ ◇ ♪  

 あまり 小説など 読まない 僕ですが、たまたま 読んだ 江國さんの、

『 デューク 』を 読んで、拙作『 春時雨 』を 推敲しました。三人称の

( 和明は… )から、一人称( 私は… )に、などなど。(笑)

今回も 作品を ありがとうございました。また10日に 配信します。

◆ ご紹介コーナー ◆ ♪ ◇ ♪ 

☆★☆ お世話になっている・・ ご寄稿者様の 一覧 (アドレス)です・・!!

    ホームページ(HP)などに、遊びに 行きましょう〜〜。(^^)
    **名前の 漏れた 方が あれば、ゴメンナサイね〜〜!!
        **記載に 誤りや 追加事項などが あれば 気軽に ご連絡下さい。

-----  掲載 順は、編集上の 便宜と、ご理解 頂ければ、幸いです  -----

☆1☆    ひろゆきさん   Mail :  hiroxxx@maple.ocn.ne.jp
      HP :「社 -Yashiro-」 http://www26.tok2.com/home/yashiropoem/
☆2☆     木の若芽さん     kinowakame@mm.neweb.ne.jp 宇宙樹の家
           http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ohgai/6063/WOODNOTES.HTML
☆3☆    てるりさん telle357@hotmail.com
☆4☆    江美さん
☆5☆   南雲翁( なぐもの おきな )さん nagokina@mbf.nifty.com
                http://homepage1.nifty.com/m_nagumo
☆6☆   えりりんさん
        http://www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/9564/index.htm
☆7☆   星 美里さん
        http://www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/1507/index2.html
☆8☆   アンジェロさん http://www5a.biglobe.ne.jp/~angelo-k/
☆9☆   Jo ko さん  E-mail :joko@u-station.com
                http://u-station.com/joko/
☆10☆   アモウタビビト(天の羽と旅人)さん
             http://www2.cityfujisawa.ne.jp/~matsuda/forever-love-p
☆11☆   美月じゅんさん
                http://www.poemprincess.com/~jun.mizuki     
☆12☆  太陽法子さん
        http://www.geocities.co.jp/Bookend-Kenji/4757/
☆13☆  ランナーさん      kinya.ueno@tel.co.jp
☆14☆   ジジ( hiroyuki )さん
         http://www4.ocn.ne.jp/~sasurai/index.htm
☆15☆  HATさん  http://www.jomon.ne.jp/~hayato/
☆16☆   はるかさん
☆17☆   ジョナサン Jonathanさん    jonathan@capella.freemail.ne.jp
                 http://www11.freeweb.ne.jp/diary/jon-livs/
☆18☆  時異さん   E-mail :  rafan@geocities.co.jp
☆19☆  遊機さん http://yokohama.cool.ne.jp/an-nown/yu-ki/
                        E-mail :  fwkn5293@mb.infoweb.ne.jp
☆20☆   海月みきさん    mike-j@sf6.so-net.ne.jp
☆21☆  ykさん      http://www.ne.jp/asahi/ykanno/hitokumo/
            E-mail : ykanno@d1.dion.ne.jp
☆22☆   北斗 恵惟さん     E-mail :  mail@hokuto.office.ne.jp
          http://home.intercity.or.jp/users/k-hokuto/
           POETIC ILLUSION(詩的幻想)
☆23☆  九龍さん    http://www.interq.or.jp/kansai/kankou/
☆24☆   村谷 一廣さん マジカルミステリーツアー
          http://maptour.gaiax.com./home/k_jap
☆25☆    海底カステラさん   Kaitei@cam.hi-ho.ne.jp
              http://www.cam.hi-ho.ne.jp/kaitei/
☆26☆  Syouchanさん     syouchan@infoaomori.ne.jp
☆27☆  龍神さん   http://homepege2.nifty.com/utanotanosimi/
☆29☆  瀧  綾音    zag92363@sky.zero.ad.jp
             
♪ ◇ ♪ ◇ ♪

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        (2)不定期 / GO GO WORLD 
                (3)不定期 / Z ’world
         (4)月刊 / 詩と散文の広場         by Z
(1)は、iモード・携帯 対応の 徒然な エッセイ「 現代 の 散策 」。
    一応、週刊ですが、気分で、頻繁に 配信。
(2)僕のメルマガの元祖。エッセイ中心の、(1)の 毎月の 総集。
(3)は、僕の 自選集で、主な 小説や 詩や エッセイ。
(4)は、皆さまの、作品(詩やエッセイや小説など)を中心に編集。
   ** ボクの 一番下記の HP から、ご購読や、閲覧できます。   
  
☆サイト(HP)☆   同人誌「座礁」・・・真摯な 文芸への 情熱が・・。
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                      (2)http://www3.ocn.ne.jp/~sudaa/
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       小説を 書くための 色々・・SAOさんが 精力的に発信。
           http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Himawari/2181/

◆ 作品募集のお知らせ ◆ ♪ ◇

 ☆ 新たに 原稿に関する 規定を決めました。一応、400字詰め原稿用紙で、
 10枚までの作品を、掲載の対象と致します。

 ☆ 発行日は 毎月 10日の予定です。原稿の 募集は 随時ですが
  締め切り日は 発行日の 2日前くらいと、させて 頂きます。なお 編集作業上
 出来るだけ そのまま 張り付けできる「 レイアウト ・ 文字の 配置 」を 
 お願いします。あと「 Subject: 」に お名前を 入れて 下さると
 助かります。また ファイルは お受け出来ません。

 ☆ ご希望の方には HP 等の アドレスを 公開させて 頂いております。  
 ご希望の方は 「 公開 希望 」を 明記して お知らせ下さい。
 
 ☆ 我流 こそ 一流 とか アートか どうかは あとで 考えましょう、とかも、
 言われて おります。( 画家 元永 定正さん の 至言 )
 気軽で 楽しい 言葉で 遊べる「 広場づくり 」を イメージ しております。

◇ ♪ ◇ ♪ 

  詩と 散文の 広場 の 詳細説明ページURL
    http://macky.nifty.com/cgi-bin/bndisp.cgi?M-ID=tankyuu
 詩と 散文の 広場( GO GO WORLD ) ホームページアドレス (URL)
   http://hiroba.gaiax.com/home/gogo
 Z(編集人)のメール・アドレス ( ご寄稿は、ボクへ、お願いします )
   gogo.hiroba@anet.ne.jp
  ** 著作権は、ご本人に 帰属致します。引用は、著作権法 以内です。
   
                      **詩と散文の広場 **

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