★　４　★　友哉　② 2003/07/25

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タイトル：★　４　★　友哉　② 2003/07/25

★★★★★★★★天使になりたかった私★★★★★★　4　★　②　★★★★★★ ご購読ありがとうございます。咲楽でございます。今回のお話は前回の続きとなっておりますので、先にご挨拶させていただきます。前回を忘れてしまった皆様、このお話を読んでいただく前にもし採っていらっしゃるならば前回のお話を先にまた読んでいただけると嬉しいです。ではどうぞお読みください。 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 　　　私は、彼＝友哉を失ったこと、今でも後悔している・・・・・　　悪魔に変わってしまった私は、もう友哉に愛情なんて少しも残っていなかった。友哉に対するのは「憎しみ」と「恨み」。まさに悪魔にとってはうってつけの黒い心だけだった。　　私は友哉をあからさまに避けていた。家に遊びに来ても、ポケベルに伝言が入っても無視したし、家に電話が入っても、いつもわざとらしい居留守を使っていた。　　それなのにいつもマメに連絡をくれ、会うと優しい笑顔をくれ、いつも私を一番に考え、前とちっとも変わらぬ優しさで接してくれる友哉。ますます私は友哉に反発した。　　友哉の第一志望、東京大学への第一関門、「センター試験」の前日、「ドウシテモ　アイタイ」友哉のベルにそう入れた。本当は別に会いたくなんてなかった。明日の友哉の試験の邪魔をしたいだけだった。絶対に友哉は断る、そしたら泣きじゃくって友哉を困らせてやる！そう思ってベル入れた。　　しかし、友哉は嬉しそうに１５分後バイク飛ばしてやってきた。絶対に断ると思っていたのに・・・「咲楽がまた昔に戻ってくれて嬉しいよ」久々の誘いに友哉は喜び、笑って抱きしめてくれた。　　私は天使の笑顔でその胸でいつまでも眠っていたかった。一瞬そう思った。しかし、「バッカじゃない？」そう友哉を突き飛ばした。そして、無理やり友哉に薬吸わせた。明日の試験なんてうまくいかなければいい、そう心から思っていたのだ。９時からの試験、私はその日の５時まで青ざめていく友哉を帰さなかった。　　試験当日の朝５時、フラフラになりながらバイクを押して帰る友哉に「頑張って！」の一言すら私はかけようともしなかった。帰り道の心配、試験の心配すら悪魔の私はしなかったのだから。　そんな私に怒りもせず、私の１５歳の誕生日には誕生石のピアスを買ってくれた。すっごく嬉しかったのに、もらったその場で真冬の冷たい海に投げ捨てた。「気に入らなかったんだね、ゴメン」そういうと友哉は冷たい海に飛び込み必死で小さなピアスを探した。私は、震える友哉を海に置き去りにし、そのまま後ろを振り返らず家に帰った。　　その後、肺炎で入院しつつ、第２志望の早稲田大学の試験も行かずバイトを続け、１週間後もっと素敵なピアスと、私が以前からほしがっていた指輪を届けてくれた。　　その日、私がそんな友哉の胸に素直に飛び込めたなら、友哉は死なずにすんだのだ。忘れもしない、明日が慶応大学の入学試験だというその日、その日に事件はおきたのだ。　　ピアスと指輪を届けに来てくれた友哉に「すっごく嬉しいわぁ～」気持ちの入ってない言葉を投げかけ、睡眠薬入りのブランデーを渡した。それが死への杯だとも知らず、久々に見せた私の悪魔の微笑みに友哉は素直に喜んでコップを手にした。「明日の試験こそうまく行きませんように・・・」朝まで薬をやらせた先月の２日間のセンター試験。兄貴の話によると、１０００点満点の友哉の自己採点の成績はなんと９割はあったという。そんな悔しさから、今度こそは・・・と私は少しムキになっていた。そしてその日も、試験当日の朝、今度は７時に帰した。試験に遅刻すればいい・・・そんなことを考えつつ・・・　　そしてそれが、私が見た、彼の最後の後姿だった。　　その日の試験後、彼はカエラヌヒトとなった。　　午後３時、試験の疲れか、一睡もしていないせいか、今更私の薬とアルコールが効いたのか、はたまた私へ対しての最後の当てつけの見せしめのためか、試験後家に帰る途中、友哉の乗ったバイクはダンプと衝突し、友哉は即死だった。　　身寄りのない友哉のその事故は、大きな記事やニュースにはならず、「受験でのストレス？」ぐらいに簡単にもみ消され、葬儀も友達同士であっというまに済まされた。　　数日後、彼の部屋にはその日に受けた、もう二度と入ることのできなくなった慶応大学の入学案内書類が届いていた。　　そして今、当時私の右手の中指にピッタリだった友哉のくれた最後の指輪は、悔しいことに左手の薬指にぴったりはまっている。　　　　　　　　私は・・・・私は・・・私は本当は天使になりたかったんだ・・・・・ ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

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