メルマガ:南米旅行記
タイトル:南米旅行記  2005/07/10


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南米旅行記No.53(2005年7月10日 Sun.)


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Index
1.今週のコラム
2.株
3.メキシコ旅行記XXIV
4.南米旅行LIV
5.あとがき

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今週のコラム

ここ数ヶ月、日本中が騒いで自民党が分裂しそうな可能性まで
ささやかれ、僅差で衆議院を通過した郵政民営化とはいったい
どういうものなのでしょうか。

郵便局がやっている仕事には、郵便事業、保険事業、預金事業
の三事業があります。俗に言う郵政三事業です。

郵便事業というのは手紙や小包みを郵送する事業で、先進国の
中でイギリスやドイツでは民営化されているそうです。

イギリスでは2000年に政府が全株式を持つ英国郵便株式会
社が設立されましたが、2002年に地方にある郵便局を維持
するために855億円の財政支出を発表しています。

ドイツでは郵便事業(ドイツポスト)と郵貯会社(ポストバン
ク)に分離して民営化しましたが、同じ店舗にある両会社の対
立が激化、政府の仲介によりドイツポストがポストバンクを子
会社化し郵便と郵貯は再統合されています。そのうえ郵便局が
半減し、シュレーダー政権は減少をくい止めるため1万2千局
の維持する法律を施行したそうです。

上記の二例を見るとこれから日本でやろうとしている郵政民営
化は郵便事業のユニバーサルサービスという視点でみると失敗
する可能性が高いと言えるのではないでしょうか。

郵貯(220兆円)と簡保(130兆円)のお金を合わせて3
50兆円あると言われています。郵貯の預金量は4大銀行の預
金量よりも多く、簡保の資産は業界最大の日本生命の3倍ある
そうです。

アメリカ政府は、自国のヘッジファンド(禿げ鷹ファンド)の
ために、この巨額の預金を狙って日本政府に圧力を掛けて郵政
を民営化させようとしているという説を唱える人々もいます。

ご存知のように郵貯、簡保の資金は財投債や国債に使われ、多
くの道路や橋が建設されたり、予算を組むために税収の足らな
い部分を補ってきました。この巨大な資金が民営化され企業や
機関投資家(禿げ鷹ファンド)に流れると地方銀行の営業を阻
害したり、海外にお金が流失してある国の経済を食い物にする
可能性があります。

日本の不良債権は都市銀行レベルでは解決したようですが、地
方の金融機関はまだ不良債権を抱え苦悩しています。こういう
時期に郵貯が民営化され圧迫すれば、それらが倒産の可能性も
あります。そうなると郵貯が地方の金融機関に代わるだけでな
く、地方の雇用も減少させ、ただでさえ冷え込んでいる地方経
済を崩壊させることになります。

ロシアの経済危機のときに破産したヘッジファンドがありまし
たが郵貯、簡保合わせた金額350兆円を12%の自己資本と
すると3,000兆円近い貸し出しが可能になり、この中の
11.5%が貸し倒れて不良債権になると350兆は泡と消え
てしまうわけです。

こうなると、いままでのように財投債によって景気刺激策を行
ったり予算を組むために税収を補う国債を発行することができ
ず、日本の信用を損ね、国債が暴落、アルゼンチン化(経済の
破綻)する可能性があります。

それに民営化推進派は全公務員の3割を擁する郵便局を民営
化することにより公務員の数を圧縮でき、財政赤字を削減で
きると主張していますが、黒字団体を民営化して公務員の数
を減らし辻褄を合わせても、財政赤字は他の部門から出てき
ているので根本的な解決にはならないのではないだろうか。

小泉は、無駄で、ギャンブル的な政策を弄んでいるような気
がします。一国の総理と言うのは国民を安全な場所に導き、
犠牲者を出来るだけ少なくする義務があるので、アメリカの
言いなりになり、無駄でギャンブル的な手法は避けて欲しい
ものです。

2005年7月9日 エドワルド


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最近、持ち株のパーマンスが悪いので休ませていただきます。

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メキシコ旅行記XXIV

大晦日だからか、爆竹の音がそこら中で鳴っている。爆竹という
と中国系の国のイメージが強いが、ラテンアメリカでもかなりの
国が、大晦日に爆竹を鳴らす。

ソカロ(メキシコの中心的な広場)に行こうかと思ったが、やめ
にした。多くの人が「tres dos uno felisz ano~ Nuevo(3,2,1
 Happy new year)」とカウントダウンをするのを見たい気もす
るが、疲れ過ぎている。

午後11時ごろベットに横になって寝ようとしていると、他の部
屋から大きな音が聞こえてくる。「・・・・・・」スペイン語な
ので何を言っているのかわからないが、呻き声も混ざっているの
でセックスのときの雑音のように思えた。その上、お尻を叩くよ
うな音が「ピシ、ピシ」と聞こえてくる。防音対策が進んでい
る日本のホテルで、こんな大きな呻き声や、お尻を叩く音を聞
いたことがない。メキシコ人もやってくれるわいと思わず笑っ
てしまった。ただ単にサドとマゾのカップルだったかもしれな
いが・・・(笑・・・

そう、このホテルは連れ込みホテルだったのだ。アベックや売春
婦が客を連れて来るので、うるさくて寝ることもできない。日
本でも大晦日は、満室のラブホテルが多いが、メキシコも同じよ
うだ。

時計を見るとすでにAM12時を回っている。カウントダウンは
終わっているだろう。こんなことなら、ソカロに行けばよかった
と思ったが、後の祭りだ。正月から人の生殖する音を聞いてしま
うとは、今年も先きが思いやられそうだ。かといって表に居る立
ちん坊を連れて来ると、もっと悲惨な一年になるような気がする。

テレビを見ながら去年はニューオリンズで年を越して、その前の
年は智美と初詣に行ったな〜などと、取りとめもなく過去を思い
出していた。とにかく、一人で年を越すのは侘しいものだ。

昨夜、寝たのが遅かったので昼頃に起きた。元日なので、損を
したようなみょうな気持ちだ。神社に初詣する代わりに、テン
プロ マヨール(アステカのピラミッドの遺跡)に行くことに
する。ホテルを出てアルバラード通りでカミオネータ(フォルク
スワーゲンのデリバリで庶民の足)を停めた。一度乗ってみた
かったのだ。

英語で「これどこへ行くの」と聞いても、通じない。どうしよ
うかな〜と困惑していると、東洋人風の女性が話しかけてきた。
最初、ピンと来なかったが彼女は日本語を話していたのだ。

そのカミオネータがソカロの近くまで行くというので乗り込む
と、彼女が「私、今日、彼氏にデートの約束をすっぽかされた
のよね」と話し出した。
「彼氏はこっちの人ですか」
「スペイン人なのよ。こっちの学校に行っている時に知り合っ
たの」
「へえ〜。じゃ、スペイン語が上手いんですね」
「通訳をしてるの。今回はニカラグアの援助をする団体の仕事で
来てるのよ」
「ニカラグアて、どんなところなんですか?」
「共産主義の国で、アメリカに経済制裁されているから貧乏な
のよ。だから、援助物資を持っていったんだけど・・・」

世の中にはいろんな国があるものだ。世界にはいったいどれぐ
らいの国があって、どれぐらいの言語があるのだろう。どこで
もいいから知らないところへ無性に行ってみたい衝動にかられた。

「今日は、暇だし、あなたの観光ガイドしてあげるわ」
「でも、この辺りはだいたい観光したんですよ。じゃ、昼飯が
まだでしたら、何か食べませんか。奢りますから」
「そうね。どんなとこがいいの」
「あまり高くなくて、美味しいところがいいですね」
「じゃ、カサ デ アスレーホに行きましょう」

彼女に付いて行くと青色のタイルが壁一面に張られている家の前
に出た。

「ここはね。元貴族の家で支倉常長が泊まったことがあるのよ」
「あの伊達政宗がヨーロッパへ派遣した」
「そう。良く知っているじゃないの」
「歴史が好きですから」
「今は、レストランよ。そんなに高くないから心配しないで」

食事はメキシコ料理を注文してもらった。肉をトルティアで包ん
で油で揚げたものが3本、フリーホーレス(金時豆のようなラテ
ンアメリカ特有の豆)、チーズ。それらにチリソースをかけて食べ
る。メキシコ料理は毎日食べているので、もう独特な臭いは気に
ならない。

「ラテンアメリカでも特に変わったところに行ったことがありま
すか」
「そうね。キューバなんかユニークだったわ。友達が居て昔はよ
く泊めてもらったんだけど、今はソビエトの援助がなくなってき
ているし、アメリカの経済制裁も続いているし、食事事情が悪く
なっているから、遠慮してるのよ。自分の分の食糧を持っていか
なければならないしね。それが結構な量になるのよ」
「キューバってのは、共産主義ですよね。アメリカとどういう関
係があるんですか」
「ソビエトがダメならアメリカに頼らないといけないんだけど、
アメリカはキューバに対して30年ちかくも経済制裁を課して
いるのよ」と彼女はラテンアメリカのことを詳しく話し続けた。

彼女のルックスはまあまあだからやりたいという下心があるの
だが、隙がなさそうだ。しかし、知らない世界のことをいろい
ろと教えてもらったので、ちょっと得した気分だった。

つづく・・・

 エドワルド 

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南米旅行記LIV

 もう、ボリビアで油を売ることはできない。アメリカの学校
に戻るまで1ヶ月しかないし、ブラジルとチリという楽園を見
ずに帰るのも忍びない。

 朝、支度をして福本くんとホテルを出る。空はどんよりと曇
っている。グレー色の曇り日もオシャレだなと思う。

 かまぼこ型のバスターミナルの前で、列車でチリへ行く福本
君と別れる。
 「じゃ、福本君、もう犬に噛まれないようにな」
 彼はチリの北部で、酔っ払って転んだ時に、顔を犬に噛まれ
ている。ラテンアメリカの犬は狂犬病の注射をしていない場合
が多いので、噛まれることは大変危険だ。私も、西海の近くに
ある、高橋是清が滞在したというキンタ(屋敷)を見学したと
き、犬の集団に囲まれ襲われている。ズボンを噛まれたが、走
って逃げて体を噛まれるのは避けられた。
 
「それじゃ、五月女で会おう。気をつけてね」

 ボリビアで3番目に大きな町コチャバンバまで7時間、バス
は今までと違い新型で大型だった。バスの窓から見える風景は
殺風景な土漠である。

 途中でインディオの少女が食べ物を売りに来た。小銭がなか
ったので紙幣を渡して、食べ物を受け取った。後でお釣りを渡
すと言うことで待っていたのだが、お釣りを返さずに少女はバ
スから降りていった。私はバスの運転席へ行って、バスを止め
るようにいうが、断られる。英語で「Fucking ass hole. Moth
er fucker.」と心の中で呟いた。

 日本人は、物を取られても我慢して何も言わないことが多い。
しかし、その態度が日本人は簡単だということで泥棒の標的に
していることは間違いない。だから、物を盗まれた時に、騒が
なければならないのだ。日本人の語学力や習慣では難しいとこ
ろがあるが、騒ぐことが最大の予防になっていることを忘れて
はならない。

 コチャバンバはコロニアル建築の多い綺麗な町だったが、ボ
リビア第二の町、サンタ クルーズへ行くバスの乗り継ぎがう
まくいったので、一時間ぐらいしかみることが出来なかった。

 バスが走る、コチャバンバからサンタ クルーズまでの道程
は、ラテンアメリカの英雄チェ ゲバラがゲリラ活動をした最
後の地である。彼はキューバ革命に参加した後、ソビエト批判
(結局、ソビエトもアメリカ帝国主義と同じではないか)をし
て、キューバにいることができなくなり、ザイールで故カビラ
大統領とのゲリラ活動を経て、このボリビアをゲリラ活動の最
後の拠点に選んだ。結局、ここに11ヵ月もの間潜伏したので
ある。彼のほか殆どのゲリラはキューバからの同士だったが、
キューバに生きて帰った人間は2人だけだったそうだ。それ
だけ、CIAが徹底的に彼らを掃討したということで、彼らを
脅威(ボリビア軍をアメリカの軍事顧問がトレーニングした)と
考えていたことが伺える。スペインで買った彼についての本に、
彼の死体の写真があったが、まるで、イエス キリストのよう
な感じだった。

 彼が活動した暗い大地をバスの窓からいつまでも見ていた。

つづく・・・・



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あとがき

早いもので、前号を配信してから一ヶ月が経ちました。旅行記
はすでに書き終わっていたのですが、郵政民営化で行き詰まっ
ていました。

出来栄えはともかく、なんとかできあがりました。これで整合
性があるでしょうか?(笑・・・間違いがあればメール頂けれ
ばありがたいです。

わたしが郵政を思案している間にロンドンでテロがあり、世の中
はどんどん動いています。北朝鮮の特殊部隊に福岡ドームが襲わ
れる村上龍の「半島で出でよ」という小説が最近出版されました
が、ロンドンでのテロを見てみると、村上氏のシナリオもあなが
ち起こらないとは言い切れないなと思うようになりました。

アルカイダの次の標的はイラクに自衛隊を派遣している日本
かもしれません。自衛隊のイラク派遣は、はたして日本の国益
に適っていたのでしょうか? 郵政民営化法案が参院で通った
しても小泉政権の寿命は案外短いかもしれません。


エドワルド
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