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タイトル:南米旅行記  2005/01/30


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南米旅行記No.50(2005年1月30日 Sun.)


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Index
1.今週のコラム
2. 株
3.メキシコ旅行記XXI
4.南米旅行記南米旅行記LI
5.あとがき

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今週のコラム

去年、中島らも氏が階段から落ちて死んだが、その5年も前に
転落死を予告するようなことを「アマニタ・パンセリン」という
本に載せている。問題の箇所は40Pで、「僕は、遠からず死ぬな、
と思っていた。それも、ラリって階段から転げ落ちるか何か、そ
ういったことのように思えた」と偶然の一致かもしれないが、ひ
ょっとしたら言霊があるんじゃないかと思うようなことが書かれ
ている。

他方で、井沢元彦は「逆説の日本史」で、「平安時代の日本は言霊
の国であり、貴族にとって歌を詠むことが政治をとることで、言
葉によってこの国を動かしていた。その伝統を受け継ぐ現在の日
本及び日本人も『平和、非武装』と唱えているだけで、日本人に
とってもっとも大切な防衛問題の本質をいつまで経っても解決しよ
うとしない」というようなことを書いている。ようするに言霊を
批判しているわけだ。

私は井沢氏のファンで「逆説の日本史」は愛読書リストに入れるほ
ど共感していて、母親(うちの母は言霊を強く信じている)に「そ
んなことを言っていると本当になるよ」と言われたときなど、「井
沢が・・・・云々」などとよく反論していたのだが、らも氏がああ
いう死に方をして、それも何年も前からそれを予告するようなこと
を書いている事実を突きつけられると、「言霊恐ろしや」とびびって
しまうのだ。

マーフィー博士の「黄金のルール」は大変有名で、その中で20世
紀に生きたアメリカ人の彼が、言霊信仰に繋がるような潜在意識の
重要性を説いて世界から賞賛されたし、らも氏の件もあるやらで、
日本の言霊信仰もあながち出たら目でないかもしれないと思う今日
この頃なのだ。

2005年1月27日
                  エドワルド

突然、こんな話を持ち出すと変な感じを懐かれる方がおられる
と思いますが、変な奴が戯言を書いていると思って、少しの
時間お付き合い頂ければ、ありがたく思います。

私の母は鹿児島県の徳之島という離島の出身です。子供の頃から
そのことを言うのも嫌でしたし、触れられるのも嫌でした。なぜ
かと言うと、沖縄(徳之島や奄美大島などに住んでいる人々は沖縄
の人と限りなく近い)に関係がある人間は差別されるということ
を肌で感じていたからかもしれません。

最近、大沢在昌氏の「灰屋」という小説を読むと、鹿児島で離島
出身の人間は差別されていてヤクザになる人間が多いと書かれて
いましたので、何か理不尽なものを感じたのです。小説の中の話
ですから、それが事実かどうかわかりませんが、沖縄系統の血を
受け継ぐ私が関西でもその出自を隠そうとしたほどですから、お
そらく、鹿児島での離島差別というのは、凄まじいものがあると
思います。

時間を400年ほど戻して、薩摩のことを書きます。豊臣秀吉の九
州征伐に平伏した島津は、それまで占領した九州の半分近くの領
土から薩摩と大隅の二国に押し込まれてしまいます。

それより以前、広大な領土を持つことになった島津は、それに見合
うだけの侍の数を急増させていました。しかし、このとき領土を減
らされたにも関わらず侍を減らすことをしませんでした。

島津家は鎌倉以来、守護職を務め、頼朝の後落胤かもしれないとい
う名家です。気位がそうさせたのでしょうか、実質36万石しかな
いのに、56万石の禄高があると豊臣政権に届け出てしまったので
す。しばらくして、島津はこのままだともう家臣団を養っていけな
いと石田三成に相談します。石田三成は、大阪の堂島に米市場があ
るから、米が安い時は蔵屋敷に保管して、高い時に売りなさいと助言
します。その助言に従い薩摩は一息つきます。

しかし、名家のなせるわざでしょうか、江戸時代になって、実質36
万石、表高が56万石の領土を72万石として届け出てしまうのです。
こうなると悲惨なもので、侍の半分以上は百姓のように田圃や畑仕事
をしなくてはいけませんし、藩は大名貸しからお金を借りなければ
やっていけませんでした。

それにだめを押したのが、25代藩主島津重豪の放漫財政政策でし
た。藩の財政は以前よりも逼迫し、貧困の最盛期には借財が5百万
両(現在の貨幣価値で6兆円ほどとか)になっていたそうです

薩摩藩の調所広郷が、財政改革の切り札として目を付けたのが、琉
球や南西諸島の黒糖でした。藩最大の収入源であった黒糖は、大変
貴重で高価なものでしたから、わずか10年足らずで、500万両
の借財が返済され、250万両の蓄財ができ、財政再建が成就され
たのです。その陰で琉球や南西諸島の島民たちは、搾取され、悲惨
生活をしいられたのはいうまでもありません。財政再建は彼らの血
と汗の結晶だといってもいいでしょう。

その後、黒糖による蓄財が薩摩藩を雄藩にし、倒幕させ、明治維新
を成し遂げさせたのです。そのお蔭で鹿児島県人は、中央で総理大
臣、県知事、官僚を輩出することになります。

「俺たちは黒糖の恩恵なんか何も受けていないよ。俺たちは中央に
出たわけじゃないしね」と言われる鹿児島人の方がおられるかもし
れませんが、もし明治維新がなければ鹿児島人は東北人と同じよう
に徹底的に東京で馬鹿にされる対象になっていたでしょう。

あの凄い訛りが「カッコいいじゃない」と思われるのは、まさに
明治維新があるからです。その原動力になったのが黒糖ですから、
沖縄人、西南諸島人は、鹿児島人にとって恩人と言っても過言では
ないわけです。一部の歴史を知らない鹿児島人が、離島出身者を差
別するのは、まさに恩人に砂をかけるような行為といえるのではな
いでしょうか。

ほんとうに残念なことです。

2005年1月28日 

                      エドワルド


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久しぶりに株について書きます。

最近、株で大儲けしたければ、やはり、倒産しない、国際、低位
株を長期保有することじゃないかと思うようになりました。

2年ほど前、私はここで、「五洋の夢」という題でアーテクルを書
いたことがあると思いますが、その時の五洋の株価が50円そこそ
こで、現在は190円ほどですから、3.8倍も値上がりしたこにな
ります。

私は5万株(250万円)ほど購入していましたから、そのまま持
っていれば950万円になり、700万円の利益を手にすることに
なっていました。しかし、現実は厳しいもので70円の時に売って
いたのです。残念〜〜〜ん。

日産自動車もそうです。300円の頃に5千株(150万円)ほど
購入したのです。現在では、その株価が1,200円ほどで、その
まま所有していれば450万円の利益を手にしたことになります。
しかし、600円で売っていたのです。残念〜ん。

この失敗から割り出した現在の狙い目は、三菱自動車です。
現在の株価 150円 

三菱銀行、三菱重工、三菱商事から4,900億円の支援を受け
入れ、軽自動車を日産、プジョーシトロエンにOEMで供給する
そうです。

今期の赤字が4700億円の会社ですから、3万、4万株を投資
するのはきついですが、1万株(150万円)ぐらいは購入して
掛けに出るのも面白いと思います。

5年後には、再建を果たし、株価1,500円ということになって
いるかもしれませんよ。1350万円の儲けです。や〜〜〜〜た!

取らぬ狸の皮算用・・・・・伝伝

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メキシコ旅行記XXI

情報の少ない旅行書を見ているとエルタヒンに壁龕(壁が箱形に
なっているという意味だと思う)ピラミッドがあるというので、
行くことする。

ベラクルスからエルタヒンへ行く前進基地であるパパントラまでバ
スで約4時間。二等バスに乗る。バスは、いつものようにボンネ
ットが突き出た骨董ものだ。車内は野菜やニワトリまで乗客にな
っていて立錐の余地すらなく、座ることができない。立っていると
視線が窓の上にあるので風景が見え難い。残念だ。腰を屈めて外
を見ると、椰子の木が等間隔に植えられていて、その根元の方が
白いペンキのようなもので塗られている。虫除けなのだろうか、自
然が破壊されているように思えて悲しい気持ちになる。なんと表
現したらいいのだろう。香港や台湾で極彩色の観音様を見たよう
な感じだ。

湿気の多い貧困地域へ行けばよくあることなのだが、乗客の服から
水カビの臭いが漂ってくる。洗った服を何日も半乾きのまま放置し
ておくからそうなるのだろう。乾燥機が普及しているアメリカや
乾燥しているメキシコ中央高原では、まず嗅げない臭いだ。

パパントラに着くと、ピラミッド行きのバスは出てしまっていた。
次のバスまで何時間も待たなければならないし、ここから12キ
ロほどあるので歩くわけにもいかず、3万ペソ(10ドル)を払
ってタクシーを取った。タクシーにはメーターが付いていないし、
スペイン語の話せない私にはその運賃が高いのか安いのか知りよ
うもない。バス代と比べると20倍以上だ。大阪出身者として6
000ペソ(2ドル)ほど値切ったがメキシコ人はそれ以上にした
たかだから、相場の倍ぐらいは取られているかもしれない。もう少
し、修行が必要だ。

ここのメインは、窓のような窪みが365個もあるピラミッドだ。
この窪みは数でもわかるように一年を表しているらしい。インディ
オ文化らしく、ピラミッドも天文学に従ってできているのだ。各
階層の仕切りが少し屋根のように出っ張っているので、見ようによ
ってはパゴダ(五重塔)を太くしたようにも見える。旅行書による
と、ピラミッドは6世紀〜10世紀に栄えたトトナック文化の遺跡
だということだ。

観光客は私一人しかいなく、寂しいような、嬉しいような。博物館
を一人で借り切ったらこんな感じになるのだろうか。まわりには、
草が生えていて、それを牛が食んでいた。雨上がりで草が濡れてい
て、鮮やかなほど濃い緑を際立たせている。やはり、ここが北回帰線
と赤道の間に位置するからだろうか。

この町は、人間飛行機のような儀式(ボラドードーレス)でも有名
で、30メーターほどの木柱のてっぺんにあるプラットホームに笛
を持った人が立ち、彼が奏でる音楽に合わせて、ロープを体に巻き
付けた4人が小さな太鼓を叩きながら、旋回して降りてくる。もと
もと、雨乞いのための儀式だったらしい。この時、この儀式は見るこ
とができなかったが、メキシコシティのアラメダ公園(ソカロの近
くにある有名な公園)で見た。なかなか壮観だった。

彼らは現金を稼ぐためにメキシコ各地に出稼ぎに行っているそうだ。
大掛かりな大道芸といえるだろう。

つづく・・・

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南米旅行記LI

  静寂に包まれたラパスの昼下がり、人々がノンビリと繁華街を歩
いて、ウインドウショッピングを楽しんでいる。この国が80年代
の前半、ハイペーインフに悩まされたなんて考えも及ばない。

 年配の旅行者が、「ボリビアの経済危機は凄かった。物を買って支
払いするときなんか束になった厚い札束ごと支払うんだ」といって
いたが、ペルーの現状より酷かったのであろう。

 民芸市場に飾られている民芸品は、黒と茶が基調となっており、い
かにも日本人が好む色である。絵画に造詣の深い篠原さんが
「ボリビアの民芸品の色調は、世界に通用するよ」と言っていたこ
とを思い出した。

 エクアドルのインディオは紺と黒を好み、ペルーはケッチゥア族
は五色の原色を好む。そして、ボリビアのアイマラ族は黒と茶を好
み、一概にインディオ文化といってもそれぞれ特徴があるのである。
マスメディアに侵されていない、南米のインディオ社会だからこそ
自分たちの独自の文化を守り、子孫に伝えてきたのかもしれない。
この伝統もいずれ壊れていくのだろうと思うと寂しいような複雑
な気持ちになった。すでに、メキシコなどはインディオの文化が
なくなりつつあり、ユカタン半島のジャングルの中に深く入らない
と、ラカンドン族のような伝統を守っているような部族には会うこ
とは出来ない。

 「福本君、スキヤキ(日本人レストラン)でも行くか」
 「そうですね。偶には、日本食もいいですね」という会話を交わ
して、二人は日本人会館を探す。

 日本人会館は二階建ての建物で、コンクリート造りのしっかりした
建物だった。スキヤキはその二階にあり、客は日本人が数人しかいな
かった。

久しぶりにカレーライスを食べ日本の味を堪能した。
 店の女主人に「ここはペンションもやっていたんじゃない
ですか」と尋ねる。
 「そうなんですけど、お客さんが少ないから、去年閉めちゃっ
たのよ。ここまで来る日本人は少ないわ」
 「ペンションが開いていたら、泊まりましたよ」
 「ごめんね」
 と会話を交わしながら、暇なレストランで暇を潰す。

 ラパスの1950年代のような雰囲気の繁華街を歩いていると、
婦人警官に呼び止められた。「俺、何かしたのかと困惑していると」
「どこから来たのと」と聞かれた。
 「日本ですけど」
 「チーノ」と言って笑った。
 何がチーノだと思いながら、制服(茶色)のスカートの下に見
える黒のストッキングに包まれた足を見ていると、宝刀が元気に
なってきた。
 「仕事が、5時で終わるんだけど、どこかにいかない」と誘わ
れる。
 何だこれは、ひょっとしたら嵌められるかもしれないと思うが、
女を抱きたいという本能を押さえることができない。気持ちは正直
なもので笑顔が自分の顔一杯に現れているのがわかる。
 「いいけど」
 「じゃ、5時にここね」といって行ってしまった。
 「福本君、俺一人で行ってもいいかな」
 「僕は、スペイン語もわからないので、いいですよ」
 私は、小躍りするほどウキウキしていたのはいうまでもない。

 つづく・・・・


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あとがき

メルマガの配信数が伸びないので、「なぜだろう」とずっと考えてい
たのですが、最近、ようやく原因がわかってきました。遅すぎる。

誤字脱字(とくに「てにをは」を間違える)が多いし、主語が同じ文
に二つあったり、欲張り過ぎて形容詞を何個も重ねて使ったり、文
章に脈略がなかったりで、読み難くかったのですね。自分では気が
付かないものなのです。

そんな文章を読んでいると、変な癖がうつりそうで、だれでも読む
のを止めてしまいますよね。わたしも、そんなメルマガだと、直ぐ
に解除するでしょう。現在の登録数が7つのメルマガで478です。
よく、解除せず辛抱して講読し続けて頂けたと、驚きと、感謝の気
持ちでいっぱいです。

いま、みなさまにもっと楽しく読んでいただこうと、同時進行で
10冊ほどの本を読んで、文章の書き方を研究しています。

これからますます精進しますので、ご贔屓のほどをお願いいたします。

                     エドワルド

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