メルマガ:南米旅行記
タイトル:南米旅行記  2004/09/05


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南米旅行記No.42(2004年9月5日 Sun.)


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Index
1.今週のコラム
2. 株
3.インカ皇帝継承戦争 
4.メキシコ旅行記XIV
5.南米旅行記XLIII
6.あとがき

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今週のコラム

みなさん、お久しぶりです。
このメルマガは休刊していても、世の中は目まぐるしく動いている
ようです。

ロシアで旅客機が2機落とされ、モスクワの地下鉄の入り口で
爆弾テロがあったと思ったら、北オセニアのべスランの学校が占拠
され、300人以上が死亡したようです。死者の半数が子供だと
いうのですから、最悪の惨事になりました

犯行はチェチェン独立派によって起こされ、一見彼らは悪魔の集団
のように思えますが、チェチェンの首都グロスヌイは廃墟と化し、
100万あった人口のうち20万がロシアとの戦闘で死んだという
のですから、驚きです。

パックインジャーナルで田岡氏(軍事評論家)は、「プーチンはチェチ
ェン人を絶滅させるつもりなんですよ」と言っていましたが、人口の
5分の1を抹殺したのですから、まさにプーチンは、スターリン、毛
沢東、ポルポトの域に達したようです。

テレビのインタビューで「子供たちを対象にしたから、今回のテロは
史上最悪だ。」だとプーチンがコメントしていましたが、「お前は、チ
ェチェンでいったい何万の子供たちを殺したんだ」と叫びたいような
気になりました。

アメリカによるイラク、イスラエルによるパレスチナ、ロシアによる
チェチェンでの大虐殺、どれも大国の小国に対する虐めです。親が、
夫が、子供が征服者に殺されたら、あなたはどうしますか? 指を咥
えてみていますか?

大統領を狙ったらいいという人がいるでしょうが、大国のリーダー
は何千、何万の軍隊によって護られているので手が出せないように
なっているのでしょう。

子供たちをテロの対象に選び、女性が人間爆弾になってテロを起こ
すということは、とことん追い込まれたということでしょう。こ
れからもこの手のテロが頻繁に起こるような気がしてなりません。

プーチンは、自国民のために、チェチェン対策の変更すべきでは
ないでしようか。それとも彼は、スターリンを超えたいのでしょう
か?

                  エドワルド

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最近、世界同時株安なので、このコーナーはお休みにします。

日経平均は10年の後には6倍〜7倍になるという意見もあり
ますので、今、成長企業の株を買えば、億万長者になるのも夢で
はないようです。

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インカ皇帝継承戦争 

資料不足により、休刊します。

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メキシコ旅行記XIV

部屋のベットの上で横になりながら普通の旅行書を見ていると、
つくづく役に立たないと思う。「地球の歩き方」は確かにロンリー
プラネット(欧米のもっとも有名な旅行書)と比べるとホテルや
交通機関の情報などすべてにおいて劣っているけれども、他の日
本の旅行書と比べて優れている。


メキシコ旅行のためにわざわざ日本から購入してきた「地球の歩
き方」を失くしてしまったのだ。ロスのダウンタウンをグレイハ
ウンドのディーポ(当時は7thとLos angelsAve.)へ向って歩いて
いると、ある日本人が親切心から車に乗せてくれた。その時、置き
忘れたらしい。



急に車が止まり
「日本人ですか。どこへ行くの」と訊いてきた。
「グレイハウンドのディーポまでですけど」
「じゃ、乗せていってあげるよ」
「そんなに遠いんですか」
「いや、20分ぐらいだけど、この辺は危険だからね」
「じゃ、お言葉に甘えて、乗せていただきます」

車内には運転している男性の奥さんらしき女性と、3歳ぐらいの女
の子が乗っていた。エドワルドが乗った後ろの席には子供が座って
おり、その子供と遊んでいたのがいけなかった。子供との遊びに集
中していたせいで、「地球の歩き方」を車内に置いてきてしまった。

車を降りてから気付いても遅い。車は遠ざかり、地球の歩き方は手
には握られていない。

「くそ、旅行に一番大事なものを失くしてしまった」と思いながら、
どうしようか迷っていたが、仕方が無いので車で連れて来てもらっ
た道を戻ってリトル東京の旭屋書店へ行くと「地球の歩き方」のメ
キシコ版が置いていない。ディーポとリトル東京の間に日本書店が
在ったことを思い出して行ってみるとやはり置いていない。一瞬、
途方に暮れたが、無いよりましだと思って薄ぺらい日本語で書かれ
たメキシコの旅行書を買った。

ある人の親切心が、親切を与えた人間から必要な物を取り上げ、窮
地に陥らせるとは皮肉なものだと思うが、反面、悪意でやったこと
が、ある人間を生き返らせることもあるのではないかと思うと心が
晴れてきた。


あるベテランの旅行者は「旅をするのに旅行書なんかいらない。バ
スステーションや鉄道の駅のそばにあるホテルに泊まっていればい
い」というが、旅行書は船で言う羅針盤である。羅針盤なしでは、
二度と来ないかもしれない土地で、そこの土地でしか見れないもの
を見逃す可能性がある。

自分の不注意から「地球の歩き方」を無くしてしまった以上、現在
持っている情報をできるだけ有効に使って旅をしていかなければな
らない。

情報量が貧弱な旅行書なので直ぐに読み終わった。手持ち無沙汰に
テレビを見たが何を言っているのか皆目わからない。画面をボーと眺
めいてると昔のことがスローモーションで思い出されて来る。昔の彼
女が笑顔で話しかけてきたと思ったら、次の瞬間、気持ち良さそうな
顔をして呻き声をだしている。その至福の時間を漂っているうちに眠
くなって来た。「明日、何かいいことが起こればいいな」と思いながら
意識は薄れていった。

つづく・・・・
                  エドワルド

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南米旅行記XLIII

クスコに来てマチュピチュヘ行かなければ、何のためにペルーへ行っ
てきたのという人も多いだろう。アメリカに帰って批判されるのが嫌な
ので、若い日本人を二人連れてマチュピチュヘ行くことにする。

クスコからダイレクトにツーリスト列車に乗っていくと往復US80
ドルもかかるというので、小型トラックでオヤンタイタンボというとこ
ろまで行くことにする。真っ赤な日本製の小型トラックの荷台には、多
くのインディオが乗っていた。丘の向こうには日干しレンガで造られた
家々が斜面にへばり付いている。

オヤンタイタンボは、マチュピチュを小さくしたような要塞が山の斜面
に造られており、その周りにトウモロコシを栽培したであろう段々畑の
跡がある。ここは1536年にスペイン人に反旗をひるがえしたマンコ
インカ(インカ皇帝でアタワルパの弟)がスペイン軍を撃退したところと
して有名である。クスコ行きの電車まで、時間があったので要塞に登り、
大きな石が隙間なく組まれて、屏風のようになっている石組みの前で写真
を撮ったりしていた。ふとどき者の日本人が石組みに小便をかけているの
で、日本人にもいろいろいるものだと思い知らされる。

電車の切符は旅行者では買えないので、US1ドルをあげてインディオ
の老女に切符を買ってもらう。わずか、US1ドル50セントほどであっ
た。ツーリスト列車の26分の1で行けるのだから、多くの旅行者がここ
へ来て汽車(ディーゼル車)に乗るのが分かる。

汽車の中は、地元のインディオやメステーソで溢れかえっている。もち
ろん、坐る席などどこにもない。しばらくして、腹の調子が悪くなり便所
に行く。便所は想像を絶するほど汚く、足の踏み場もないほど汚物が散乱
していた。そこで、汚物に触れないように器用に用を足して戻ってくる
と、車掌が切符を調べている。福山君が見つかりUS20ドルほどお金を
払わされるが、まだ正規の運賃より安くついている。もう一人の日本人と
私は知らない顔をして壁側を向いてやり過ごした。

車掌のあとは、インディオの老婆が「Permiso. (すいません)Permiso.
(すいません)」と人を掻き分けて汽車の奥へ進んでくる。何か胡散臭い
ので、私は壁に向かってへばり付いていた。老婆が行って、しばらくし
て、福本君が「上着のポケットの所が切れている。ポケットの中にUS
40ドルぐらい入れていたんですよ」と騒ぎ出した。
「あの、ババーだな」
福本君のジャンパーのポケットは、ざっくりと切られていた。
「プロの仕業だな。まだそこら辺にいるだろう。探そう」と老婆が行
った方に行こうとすると、人がぎゅうぎゅうで奥へ行くことができない。
「この中の誰かは共犯だな」と思うが、証拠がないからどうしようもで
きなし、泥棒軍団を敵に回しては厄介なので、諦めるしかなかった。結
局、福本君はツーリスト列車に乗ったほうが快適で安く付いたことになる。

終着駅アグアス カリエンテに着くと、また腹が痛くなってきて、吐き
そうだ。「これは、何かに当たったかもしれない。昨夜、道の屋台で買い
食いした揚げ物だろう」と思いながらホテルにチェックインする。

腹はどんどん痛くなり、ロビーのソファーに倒れこんだ。激痛が周期
的に来る。世界中のバックパカーが寄ってきて、「どうしたんだ。大丈夫か」
と声を掛けてくれる。中年のフランス男性が薬を持ってきてくれたが、全
然効かない。閉まっている薬局に連れて行ってもらって シャッターのど
んどん叩いた。店主に医者へ行くことを進められたので、診療所のドアを
叩くと、運良く医者がいた。

女医が出てきて、直ぐに食あたりという診断が下る。長さ20センチ、
太さ4センチぐらいある巨大な注射で抗生物質をお尻と足の間の辺りに打
たれそうになったとき、英語で「Is this needle new?」とエィズの可能性
のある人間が叫んでいるのだから、滑稽である。注射は、非常に痛かった。
足を引き摺って歩いていると、「大丈夫よ。あなた大人でしょ。Cobarde
(意気地なし)」といわれたが、何歳に成ろうと、注射は怖いもので、痛い
ものである。特に食当たりの注射は痛い。

夜は、ひとりだけ宿に残り、ランプを電気代わりにしている山小屋のよ
うな部屋で眠りに着いた。

つづく・・・

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あとがき

二ヶ月ちかくもメルマガをスキップして、どうも、すみませんでした。
購読者の数を調べると、あまり減っていないので、ありがたい限りで
す。

最近、ようやく、やる気になっていますので、どんどん面白い旅行記を
書きますよ。こうご期待ください。

                    エドワルド

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