メルマガ:南米旅行記
タイトル:南米旅行記  2003/07/07


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南米旅行記No.24(2003年6月28日 Sat.)


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こんばんは。エドワルドです。

収入が減ってきたので、株のデイトレで生活費でも稼ごうと会社のパソコンで
売買をするのですが、なかなか儲からせてくれません。

株価が下がってくると、いくら損したからここまで戻すまで「売らない」と頑張
っちゃうとどんどん株価が下がっていく。株価が上がりだすと、ここまで上がる
と売ろうと欲をだすと、株価が反転して下降していく。難しいですね。

ようするに、最初に決めた損切りラインと利益幅どおり売買すればいいのですが
人間というか、私は欲どうし過ぎるようです。

                     エドワルド
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Index
1. 南米旅行記XXV
2. グアテマラからメキシコ経由でアメリカへII
3. ワンポイントスペイン語会話
4. ワンポイントスペイン語文法
5. カナリア諸島からの遺産IV

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南米旅行記XXV

みんなが西海の食堂でくだらない事を止め処なく話している午後。宿泊者の一
人がパンツ一丁と靴下を片方だけ履いて帰ってきた。
みんなが驚いて「どうしたんだい」といっせいに聞いた。
「あの、泥棒市へ一人で行ったんですよ。一人で歩いているとペルー人の集団
に襲われ羽交い絞めにされて、服も、靴も盗られちゃたんですよ」
「それで、お金も盗られたのか」
「少しだけ、靴下の中に入っていたUS100ドルを盗られました」と泣いて
いる。
極0空手初段の山崎君が「仕返しに行こうぜ」と言い出す。
「でも、地元だから、向こうは何人でも来ますよ」と誰かが言った。
「そんなもの、日本人が侮辱されたんだから関係ないですよ」
「そうだ。そうだ」とみんな威きり立っている。
「よおし、みんな武器を探そう」
「一階の駐車場に鉄パイプや棒があったな」
7人の侍が入り口を入ったところにある駐車場兼倉庫から、鉄パイプ、棒、コ
ーラのビンなどを持ち出して、入り口から出て行った。
泥棒市は大通りを隔ててホスピタル ドス デ マヨの斜め向かいにあり、西
海から5分ほどだ。七人の侍は、怒りを露にして武器を持って疾走している。
地元に人々が奇妙なチーノ集団を振り返りながら、珍しそうに見送っている。
泥棒市に入り口を通り過ぎ、奥に向かって「この野郎。日本人の底力を見
せてやる」とウルトラナショナリスト達は、全速力で走っていく。まるで、旧
日本軍の突撃を見ているようだったろう。

ちょうど泥棒市の中ほどまで来たとき、ペルー人が50人ほど棒などの武器を
持って現れ、七人の侍を取り囲んだ。七人の侍は、人間が作る囲みの中に入っ
て悲壮な顔をしている。
私は、ここに三船敏郎扮する菊千代や志村僑扮する〜がいればいいのになあと
思っている。
「おい、みんな絶対に怯むな。バラバラになるな。全員で相手の手薄な所を
ついて突き破るんだ。たたき殺してもいい。やらなきゃ俺たちがやられる
からな」と山崎君が指示している。

七人の侍は、手薄な一箇所を目ざして突進し、栄養の行き届いていないペルー
人たちとぶつかった。鈍い音が「バシバシ」と聞こえてくる。こちら側の戦闘
員も叩かれているようだ。数人のペルー人が吹っ飛び、七人の侍は囲みを突き
破って疾走している。何人かのペルー人は倒れているが、まだ、何十人という
ペルー人が追いかけてくる。大通りを車に轢かれそうになりながら渡りきる
と、体が震えてどうにも止まらない。そのまま走って、西海へ逃げ込んだ。
皆の息がぜいぜい、音をたてているのが聞こえる。
「みんな、大丈夫か」と誰かがきく。
篠原さんが「俺は肩を叩かれたよ。でも大丈夫だ」と答えた。みんな、多かれ
少なかれ傷や打撲を負っているが、致命傷を受けた者はいないようだった。
「あの数はやばいよな。いくら俺が極真でもダメだ」と山崎君が言った。
「まあ、向こうを相当棒で叩いたから、お相子だな」と誰かがいうと、皆がどっ
と笑った。こんな痛烈な思いをしたのは何年ぶりだろうというぐらい気持ちは
爽快だった。

つづく・・・・

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グアテマラからメキシコ経由でアメリカへII

アンティグアで、まず初めにやったことは、スペイン語学校に入る手続きだった。
有名な学校は値段が高かったので、無名で、小さな学校に入ることにした。日本
円にして週500円くらいしか変わらないのだが、貧乏旅行が染み付いてくると、
その少額の違いが気になって仕方がないのである。後で考えると「な〜んだ。
こんな少額で値切っていたのか」と後悔するのだが、安い物を探したり、値切っ
たりするのが習慣化してしまっているから、口から先に値切っている。日本人
としては、たくまし〜い。

スペイン語学校の授業料はプライベートレッスンで毎日4時間を週五日で40ド
ル、ホームスティは食事が日に三食付で週20ドルである。食、住、勉(プラ
イベートレッスン)一ヶ月US240ドル(2万4000円)で済むのだから
とにかく安い。

教師は男女色とりどりなのだが、初めについた教師は男性だった。他の日本人
が可愛い大学生が付いているのに、こちらはおじさんだったので、割り切れな
いものがあった。しかし、語学勉強は一人の先生に習うより、いろんな先生に
習うのが鉄則で、一週間ごとに先生が変わった。言葉は、同じ地方の出身者で
も声質が違うし、人によって使うボキャブラリーが微妙に違うから、
できるだけ多くの人から習うのがいいのである。

何人目かの先生が可愛い女性だった。 彼女は大学生で、一目惚れしてしまっ
たのだが、私は彼女の好みではなかったようだ。世の中、金のようで金でな
いのだ。日本人は金持ちだと思っているけど、やはり、チーノだから、いや
だわというところだろうか。もちろん、かっこいいスポーツカーでも乗り回
していれば話は違ってくるのだろうが、いくら遠くの国から来るための飛行
機の切符を買える人間でも、いつも汚い格好をしていうるのだから、誤解さ
れるのは仕方ないだろう。

素人の女性をゲットできなければ、玄人の女性と趣味と実益を兼ねてコンタク
トをとるのは、貧乏旅行者の本能といえるだろうか。本能を満たすためと、昼
間習ったスペイン語を夜枕越しに実践に使う。まさに一石二鳥である。

街の端のホコテナンゴというところに数件の売春バーがあり、ある日、数人の
日本人と一緒にそこに繰り出す。数件あるバーの中でもお化け屋敷と日本人旅
行者に呼ばれているバーに入った。内部は薄暗く、昔の小学校の机のような、
木で作られたテーブルが数個置かれており、一番奥にジュークボックスが置か
れていた。

 地元の男性に挟まれて、この世のものとは思えない女性がジュークボックスか
ら流れるランチェロ(メキシコ音楽のジャンル)に合わせて歌を歌っている。瞼
に塗られた濃いアイシャドウ、異常に長い付け睫毛。日本的な感覚からした
ら、絶対に近づきたくないような女性だ。だから、ここはお化け屋敷と呼ばれる
のだが、それにしても凄いものがある。

バーには部屋が併設されていて、入り口を入った右側に三つほど部屋がある。そ
こに一番若そうに見える女性と入る。17歳だといっていたが、腹に帝王切開の
跡があり、薮医者が切ったのか幅2センチ、縦20センチくらいのキズになって
いた。
当時、帝王切開をした女性と交渉の持ったことのない私は、ただただ驚いた。
それも通常の何倍も幅が広い傷跡に、性欲が萎えてしまった。

何もしなかったが、交渉料がUS5ドル(当時のレートで5ドル)を渡すと、
彼女は喜んでいた。バーに戻ると私にまとわり付いて離れなかった。中南米
やアメリカでは、性欲が減退したとか客サイドの問題で交渉が旨く行かない
場合、お金を払わないのであろう。そのへんのところを考えると、日本
人は甘いというのか、純粋なのだ。日本人といっても、人に寄るだろうが。

一緒にいったジョンレノンのような眼鏡をかけている小柄の日本人は、部屋か
ら出てきたとき、満足そうな、心配ごとがあるような、複雑な表情を顔に作っ
ていた。

「エドワルドさん、コンドームなしで、やっちったんですけど、大丈夫ですよね」
「何で、使わなかったの」
「できごころで」
ごく常識的な人間でも、いざ女性を前にすると、衝動的にゴムなしでやってし
まうことがある。 「何でやったんだろう」とよく批判する人間が特に危ない。
人間の行動というのは、ギャンブルでもセックスでも、いや人生そのものが、
いつも岐路に立たされて、二者択一を迫られているようなものかもしれない。
「まあ、こんなところは白人旅行者があまりこないから、エィズは大丈夫だろう」
「そうだといいんですが」
「心配ないよ」などと、気休めをいった私だが、頭は自分のエィズ問題でいっぱ
いだった。彼の心配が私の心配を増幅させたらしい。あ〜、悲惨な一日だ。いま
から、一晩中私はこの問題で悩まなければならないのだ。

つづく・・・・

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ワンポイントスペイン語会話

Habla mas despacio, por favor. (もっと、ゆくっり話してください)
アブラ  マス   デスパシオ  ポルファボール

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ワンポイントスペイン語文法

y(と、そして) pan y vino (パンとワイン)
イ               パン イ ウ゛ィノ
0 (あるいは、または) manzana o naranja(りんごかみかん)
オ                   マンサナ     オ ナランハ
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カナリア諸島からの遺産IV

メディナ(多くの路地が交差する旧市街)を歩いていると、日本人らしき東
洋人が歩きながら何かを食べている。地元の人間たちの鋭い目が彼を追って
いる。やばいと思ったので、近づいて声を掛ける。
「君、日本人かい」
「そうですけど」
「いま、ラマダン(断食月)だよ。そんな、堂々と歩きながら食べている
と、殴られちゃうよ」
「そうなんですか」
「俺は殴られかけたよ」
イスラム教徒は、外人が断食月に食べるということには寛容だが、さすがに
立ち食いしながら歩いていると許さない。
「ほんとですか」
「気を付けたほうがいいよ。それでこれからどうするんだい」
「ぶらぶらしているだけで、別に予定はないんですけど」
「それじゃ、今夜は地元の人間の家で夕飯でも食べるか」
「え〜。行ってもいいんですか。 しかし、大丈夫ですかね」
かれは用心深いところを見せたが、結局地元の家庭の様子を見たかったのか、
私に付いてきた。旅に出たらなおさらだが、何事でも一回疑ってみることが大
切である。しかし、過剰防衛をしすぎると地元の人間と接触ができず、肝心な
物を見過ごし何の為に旅行をしているかわからなくなる。
「大丈夫だよ。でも、少しはお金を払わなければならないけどね」

アハメッドの兄は10畳ほどの長方形の部屋に住んでいた。電気は来ている
が、ガスと水道は来ていないようだった。

食事は床に置かれた石油コンロで彼の奥さんによって料理され、その日の料
理はハリラ(スープ)に魚のタジン(ジャガイモや魚を入れて煮たもの)だ
った。日没を知らせるアザーンが食事をしてもよいという合図である。味の方
はあまりよくなかったが、夜明けから何も食べていなかったので何でも美味しく
感じる。よく、「夜に食べているんじゃないか」という人がいるけれども、昼
間の活動時間に食事ができないというのは辛いものである。

食後、アハメッドの兄がハッシーシーを吸いだしたので、少し吸わしてもらう。
彼の歯はハッシーシーの吸いすぎなのだろうか、真っ黒になっている。マリフ
ァナ系は、物や状況によって、ハイになったり、ダウンになったりするのだが、
このときは結構落ち着いていて、昔風の白黒のテレビに見入っていた。何か子供
のころにタイムスリップしたような感じというか、懐かしいものに包まれている
ような感じだった。

しばらくして、かれの部屋を出た。連れの日本人がその夜の列車でカサブラン
カに行くことになっていたので、メディナのマムーク門で別れた。

ホテルの帰りにモロッコ人で混雑しているカフェに入る。一番奥に、鉄パイプに
付いた人形を手で操るサッカーゲーム(昔、日本のゲームセンターにもあった
もの)が置かれていて、みんな熱狂している。

あるモロッコ人が話しかけてきて、ハッシーシーを勧めてきた。別に断る理
由もないし、日本の法律がどうのこうのというのも無粋なので吸った。実際
に先進国オランダのアムステルダムでは、マリファナバーが合法的に運営さ
れていて、メニューには、アフガン、ネパーリ、コナゴールドなど羅列され
ているそうである。日本でマリファナはすべての麻薬の登竜門だという人が
いるが、酒は麻薬の一種だし、マリファナより体に悪いだろう。若者にとっ
て酒も、麻薬の登竜門の一つなのである。マリファナを合法化すれ
ば、酒のように麻薬の登竜門という人間はいなくなるだろう。

少し、ハイになって地元の人間と歓談していると、店で働いている人間が小さ
なプラッチック容器を傾けて振りながら黒ぽい粉(マリファナの葉を粉状に
したもの)を拳骨にした左手を横にして甲の上に載せた。それを鼻に近づけ
て、一気に吸い込んだ。彼の目からは涙が零れている。頼んで少し分けても
らって試しみると、鼻が痛く、涙が出てきて、頭が痺れるような感じがした。
混雑したカフェの中は、時間は止まっているようにゆっくりとしていた。

 つづく・・・・
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