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タイトル:南米旅行記  2003/06/23


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南米旅行記No.23(2003年6月23日 Mon.)


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Index

1. グアテマラからメキシコ経由でアメリカへI
2. 南米旅行記XXIV
3. ワンポイントスペイン語会話
4. ワンポイントスペイン語文法
5. カナリア諸島からの遺産V

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グアテマラからメキシコ経由でアメリカへI
 
グアテマラの古都アンティグアは美しい街である。廃墟の教会を初めにして無数
にある教会。碁盤の目状に造られた街は、白に統一されており、青い空の向こう
に聳え立つボルカン デ アグウア(アグア火山)を背景にした景色は何ともい
えないほど素晴らしい。私はドーニャルイサ(アンティグアで一番流行ってい
るカフェテリア)のテラスから富士山と同じ標高で、マッタホルーンのような頂
を持つ山を見るのが好きだった。

 ドーニャルイサから北に歩いて次の角を右にまがって少し行ったところにレ
ストラン 襌はあった。歩いて2〜3分というところか。重圧な扉を持つ門を
潜り、パテイオ(中庭)に出て左を向くと、右が厨房の建物で、左は食堂の建
物である。正面は日本人の溜まり場になっている空間がある。その空間はパテ
イオの隅をトタンで屋根を掛けただけのものであったが、テーブルやソファー
が置かれ、左側の壁には日本語の本がぎっしり詰まった本棚があった。

 初めて禅に入ったとき、日本人の溜まり場でオーナーのユ0氏が本を読んでい
た。髪を肩まで伸ばした、ひょろっとした感じの人だった。

「こんにちは」と挨拶すると「自分どこからきたん」と北九州弁とも大阪弁とも
とれるような訛りで訊いてきた。

「あの、大阪からですけど」
「うちの親が喜連瓜破(平野区)に住んでるで」
「大阪出身ですか」
「いや、北九州は小倉や。わしが外国に出てる間に親が大阪に引っ越したんや。
創0学会に入いっとって、しゃない親や」
「創0学会が嫌いなんですか」
「ああ、朝0新聞と同じぐらい嫌いや」
「何で、朝0新聞が嫌いなんですか」
「戦争中は軍部の御用新聞やったくせに、戦後、ころっと変わって旧日本軍部
を批判ばっかりしてるやろ」
「ユ0さんは右翼ですか」
「ああ、皇国少年やった」
「それじゃ、僕と反対ですね」
実際に、どうして彼は右翼になったのだろう。もちろん、誰かの影響があってこ
そ主義主張がでてくるわけだが、私は男親が主義主張に一番影響を及ぼすように
思う。私の場合も、父親が左翼系の考え方を持っていたので、どうしても左翼
を贔屓し、右翼を毛嫌いする傾向がある。自分の親のようになりたくないと思
っていた私でもそうなのだから、親に主義主張を形成された人は多いだろう。
「こないだ、帰ったとき回転寿司ばかり食べに行ってたわ」
「大阪は好きですか」
「好きとかいうより懐かしいわ。昔、女と一緒にお好み焼き屋やっとたんや。
本町の近くや」
「本町の近くですか。なかなかいいところですね」
「それでもな。ある日一日分の売り上げもって一人で飛び出したんや。それで気
が付いたら、アンティグアにいてるんやから、人生というのは面白いもんやで」
大阪の本町が、グアテマラという日本人になじみのない国のアンティグアという
小さな街に変わったのだから、本当に面白いとしかいいようがない。

「ここはな、小さな国やけど綺麗なんや。ゆっくりしていきや」とユ0氏は嬉し
そうに言った。

 つづく・・・・

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南米旅行記XXIV

いつものようにダルマからカヤオへ(ちあき なおみか)。ダルマの夕食を食べ
ないわけにはいかない。食事抜きでの西海の宿泊料は4ドルだから、1ドルで
パワフルな日本食を食べれるということになる。だから、カヤオに泊って一日
中女性の部屋にいる日本人も、夕食の時だけダルマに顔を出す。

マリアのいるハピイランドに顔をだすと、マリアが泣きながら抱きついてき
た、顔や腕にどす黒い痣がついている。
「どうしたんだ」
「きのう、コリアノ(韓国)の船員に殴られたの」と泣きじゃくっている。
「韓国人の船員か。一番やばいパターンだな。あいつらは兵役があるから、
腕に自身があるんだ。だから気に入らないことがあると暴力に訴える。日本人
ならこんなところの女性には暴力団が付いていると思って、そんなことはしな
いんだが。それでそいつはどこなんだ」
「しらない。船じゃない」
「こんど、そいつが来たら俺に言えよ。叩き伸ばしてやる」と心とはまったく
反対のことを彼女に言った。一瞬、自己嫌悪に陥ったが、男と女の関係なんて
狐と狸の騙し合いだと思い直す。
「もう、わたし、バーには行かないは。私の両親の家へ来て」
「え〜。」と口篭る。いくつになっても、女性の実家に行くのは緊張するものだ。
しかし、ペルーの売春をしている女性の実家というものは、どんな感じなのだ
ろうという興味がフツフツと沸き起こった。
「いいよ」と返事をする。結婚を迫られたらそのときはそのときだ、このペルー
の貧民街で一介のペルー人として骨を埋めるのも、いいじゃないかと思う。
彼女の家は、リマを南北に貫くリマック川の北側にあった。川の規模はそんな
に大きくはないのなだが、川底は絶壁の下にあり、まるでミニュチュアグラン
ドキャニオンを見ているようだった。この辺のバリオ(地区)は道が舗装され
ておらず、家々は自分たちでブロックを積んで造ったのだろうか、壁には化粧を
施されえておらずセメントがブロックにこびり付いているのが丸見えで、いかに
も素人の仕事らしいことが分かる。ここは西海のあるビクトリア地区よりもも
っと下にランクされる貧民街なのである。

家の中に入ると、床はタイルが敷かれていなく土がむき出しである。電気は
来ているのだが、水道もガスも来ていない。その暗い家の中に入ると、苦労し
てきたことが人目でわかる、細く小さな女性が「Mucho gusto (初めまして)」
と挨拶した。顔には「チノが来て吃驚たよ」と書いてあったが、娘の彼氏を
最上のもてなしをしようと思っているのか、灯油用のコンロに火を点けよう
として、鉄の棒を上下に動かしている。
母親が「クイ」は好きですかと聞くが、何のことかわからない。
「ちゅ、ちゅ」とマリヤが鳴き真似をするので、「ねずみ」じゃないだろうな
というと、「そうだけど、大きいやつよ」と答える。
出された皿を見ると、溝ネズミを開いたような肉が載っていた。ちょっと吐き
気をもようしが、折角出された食事なので無理して口に放り込んだ。
「おいしい」という言葉が口から漏れる。
後で調べて分かったのだが、溝ネズミじゃなく、日本では天竺ネズミとも、モ
ルモットとも呼ばれている。味は鶏肉のような感じでなかなか美味しい。

食後、二階に案内されて上がってみると、古い二段ベットが5台ほど並行して
置かれており、ユースホステルのドミトリー部屋のベット密度をもっと上げた
よう感じだった。今はまだ帰っていないが子供が多く大家族なのであろう。
なるほど、マリアは家族の家計を助けるために、仕方なくカヤオで働いている
のかと思う。

家から外に出ると、夕日がミニュチアグランドキャニオンを真っ赤に染めて
いる。こんなところにこんな生活をしている人がいるんだなあと、シミジミ
と思う。そのとき、彼女の手は、私の腕をしっかり掴んでいた。

つづく・・・・・

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ワンポイントスペイン語会話

No entiendo. (わかりません)
ノー エンテインデ
No comprendo. (わかりません)
ノー コンプレンド

どちらかいうと、後者の方が丁寧です。

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ワンポイントスペイン語文法

形容詞+menteで=副詞
形容詞の女性単数形にmenteを付けて副詞を作り出すことができます。
1. Oで終わる形容詞は、女性形にしてからmennteを付ける。
2. O以外で終わる形容詞は、そのままmenteを付ける。

exacto(正確な) → exactamennte

igual(同じような)→ igualmente
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カナリア諸島からの遺産V

あるガイドに捕まえて
「お金をあげるからアハメッドという私設ガイドを探すのを手伝ってくれないか」
と依頼する。
「それで、彼はどこに住んでいるんだい」
「イドリスIIモスクの近くだよ」
「特徴は」
「背が低くて、モロッコ人にしては色白で、確か彼の兄貴が靴職人だった
と思うけど」
「分かったよ」
連れて行かれた先は、細い路地に面した、古い汚い建物(モロッコ式アパート)
の前だった。ガイドが二階に上がって行って一人の男を連れてきた。まさしく、
その男はアハメッドの兄だった。
「サラマレコン(アラビアの挨拶)」
「サラマレコン」
彼はフランス語も話さないし、仮にフランス語を話すことができても、今
回の旅にガイドブックもフランス語の辞書も持たない私にとって彼とのコミュ
ニュケーションの手段はない。
「アハメッドは」と訊くと「アガディール」と彼が発した言葉を、私の耳が
捉えた。
アガディールとは南モロッコにある、ヨーロッパ人に人気のあるリゾート地
でフェスから500キロの距離はあるだろう。交通機関が発達している日本
ならたいしたことのない距離だけれども、ここモロッコではバスで20時間
は掛かるだろう。

「ラマダン」と彼は言いながらボディアクションで両手を使い食べる真似
をした。おそらく、「うちで食べていけ」と言っているのだろうと思って「ウイ」
と答えが、日没まで時間があったので腕時計を彼の顔の前に出して見せた。彼
が何か言っているけどわからない。
「ハマム(トルコ風呂)、ハマム」と言いながら私は彼を見た。
前回モロッコに来た時、腕にある出来物のせいでハマムに入らなかったので、
今回はぜひ入りたかった。

アハメッドの兄と甥と三人でハマムへ行く。脱衣場は日本の公衆浴場のも
のを汚くしたような感じであった。風呂の内部は洞窟のようになっていて三
箇所に区分されている。奥へ行くほど熱くなっていき、一番奥には自然にお湯が
湧き出(人工的に造られたものである)したような泉のようなものがあり、そ
こからお湯を汲んで体を洗う。

モロッコでは、日本と違いみんなパンツを穿いて入浴している。地元の人間が
垢すり用の手袋をして友達の背中を擦っている。私もアハメッドの兄の友達に
垢すりをしてもらうと「垢がほとんど」でないと驚いている。
こんどは私が彼の垢すりをしてみると、大量の垢が肌の上に浮いてきた。お
そらく、平均的なモロッコ人は一週間に一回ぐらいしか風呂に入らないのだ
ろう。体を洗ったあと、彼らをみならって床に横になった。大量の汗が吹き
出てくる。今まで入りたくて仕方がなかったハマムに入れたのだから開放感
でいっぱいであった。気持ちいい〜。

つづく・・・・
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