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タイトル:南米旅行記  2003/05/23


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    南米旅行記No.6 、7(2003年5月23日 Fri.)


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 みなさん、最近、暑くなりましたね。本当に暑い。最近、ちょっとセック
スシーンが多めですが、これも人間の営みの一つですから排除する事はでき
ません。でも、章が進むとともに遺跡、歴史、日系人のことが出てきますか
ら期待していてください。いま、マイケル・ジャクソンで話題になっているブ
ードゥー教の話を書きましたよ。今日は文章のバーゲンセールです。
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index
1. ブルヘリア(黒魔術)戦争
2. ラテンアメリカのコーヒー事情
3. ワンポイントスペイン語会話
4. ワンポイントスペイン語文法
5. 南米旅行記VIII
6. 南米旅行記IV
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 ブルへリア(黒魔術)戦争I

さあ、少しでも部数を上げるために、私が住んだキューバのことでも書き
ましょう。エドワルドが、6500ドル(当時のレートで650,000万円)
の大金(当時のキューバ人の67年分の給料)を日本から持って来た日、自分
の家で寛いでいました。庭で嫁の親戚とラム酒をストレートで飲んでいたの
です。
自分の家なので、お金を自分の部屋のムエブレ(家具)の引き出しに放り込
んでいました。ほろ酔い状態で引き出しをチェックすると、なんと6500ド
ルとクレジットカード4枚が消えているではありませんか。

 私と嫁の親戚一同が集まって、誰が盗んだのか推理(まるでシャロックホー
ムズのように)していると、今までいた嫁の従兄弟がいないじゃないですか。
かれの家に行って問い詰めても「知らぬ存ぜぬ」で埒が明きません。

 ここで、一計を案じたエドワルドは、「現金はいいんだ。クレジットカードが
大事なんだ」と彼に言い残して彼の家を後にしたのです。

 次の日、案の定、彼の嫁がクレジットカードを返してきました。私は急い
で、そのクレジットカードを持って容疑者を詰問して、「お前の嫁が、クレジット
カードを返してきたということは、お前がお金を盗んだな。今返したら、警察に
連れて行かないから、お金を返せ」と条件を出しました。しかし彼は「昨夜、お
金を盗られた」と言うのです。頭にきた私は、彼を警察署に連れて行き、引き渡
してしまいました。

 彼は犬に服を食い千切られたらしいですが、ラテンアメリカではこうなって
しまえば、お金がもう返ってこないのは常識です。警察が犯人からお金を取り
上げて、自分たちで分けてしまうのです。キューバの場合もそうでしょうが、仮
に警察が着服しなくても、政府は押収したお金をペソで支払うのです。こんなこ
とを言ってもピンとこない人が多いと思いますが(この意味が分かる人はキュー
バ通)、ペソとドルの実質のレートはい1ドル=20ペソなのですが、公定レートは
1ドル=1ペソなわけで、取られた6500ドルを6500ペソにして返すという
決まりになっているのです。ですから、盗られた6500ドルが325ドルにな
って帰ってくるのです。キューバのような中央集権の強い国家は、泥棒に650
0ドルを渡すと言うような甘いことはしませんので、私の6500ドルのうち、6
175ドルは国家の収入になってしまいました。腹立つ〜。

 でも、腹が立つのは、これでは終りませんでした。このあとブルへリア(黒魔術)
戦争に突入していくのです。次回をお楽しみに。
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 ラテンアメリカのコーヒー事情
コーヒーのことについてですが、ラテンアメリカの多くの国がコーヒーの産地
なのです。ざっと上げただけで、ブラジル、コロンビア、キューバ、エルサルバ
ドル、グアテマラ、メキシコ、とすぐ名前が出てきます。このうちエクスプレソ
風に飲むのは、ブラジル(ミルクコーヒーもよく飲む)、コロンビア、キューバ
です。コロンビアで夜行バスに乗り、検問のためにバスから降ろされて汚い魔法
瓶(おそらく中国製)から注がれた一杯の暖かいコーヒー(エクスプレッソ風で
紙コップに入っている)を買って飲みながら、満天の星空を見ながら、あれは
「南十字星かな」(星のことはまったく知らないのだけど)と感動したのを思い
出します。

 メキシコ、エルサルバドル、グアテマラでは、一般的にコーヒー豆を水と一緒
に豪快に煮込んでしまいます。こうなるとコーヒーの風味も糞もなくなってしま
うわけです。どちらかと言うと、漢方薬というところですか。

話は変わりますが、コーヒーを毎日飲んでいる人は、胃がんや大腸がんになる比率
が下がるとか。みんな、健康のためと、値段の下がった理由で困窮しているラテンア
メリカのコーヒー農民のために大いにコーヒーを飲もうではないでしょうか。雄大な
山の斜面にへばり付いて、コーヒーの実を収穫しているコーヒー農民のために、毎日、
10杯飲みましょう。


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 スペイン語ワンポイント会話

 Buenos dias. (おはよう)

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ワンポイントスペイン語文法
☆ 今日のスペイン語レッスンは、直説法の動詞の現在形について説明
しましょう。
スペイン語の動詞、直接法と間接法があり、それぞれ現在、過去、未来・
・と時制を持ちますので、全部で100回以上活用します。
 直接法の現在形は、南米で5回、スペインで6回活用します。基本的に
はAで終わる単語の活用とEで終わる単語の活用の仕方があります。

例えば
comer(食べるという動詞)

como (一人称単数)yo「わたし」)
comes(二人称単数)tu「カジュアルなあなた」
come(三人称単数 usted「あなたの丁寧な言い回し」el 「かれ」ella
「彼女」)
comemos(一人称複数 nosotoros「私たちの男性形だが女性の含む」
nosotoras「女性系」) 
comeis  (二人称単数vosotoros男性形 vosotoras女性形、「君たち」の
意味だがスペインしか使わない。
comen (三人称複数、ustedes 「あなたたち」ellos「かれら」ella「彼女
たち」)
ここでうustedとうustedesが三人称になっているのが、なぜかわかりま
せんが文法書でそうなっています。
Tomar (飲むという動詞)

tomo, toma, tomamos, tomais.toman となります。

 この他に不規則動詞があります。
ser(「です」という動詞 soy, eres, es, somos, sois, son )
estar(「です」これは状態などを表す)estoy, estas, esta, estamos estaestais,
estan)
 多くの不規則動詞がありますが、だいたい法則が決まっているから、慣れ
てしまえばそんなに難しいことはないでしょう。現在形を覚えないでも原
型を覚えてしまえば文の後ろに過去、未来を表す副詞をつけてしまえば、
何とかスペイン語圏を旅できますよ。スペイン語は、ブラジル、イタリア、
ポルトガルでも何とか通じますので、大変便利な言葉と言っていいでしょ
う。
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            南米旅行記VIII

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朝、頭がガンガンする。昨夜、ラム酒を飲み過ぎたからだろう。子供たち
は学校へ行き、仕事に行ったのだろうかピラールの親たちの姿も見えない。

木でできたブラインドを通してみる、グァイアキルの空は雲に覆われ、二
日酔いの自分のブルーの状態を映し出しているようだった。ピラールが抱きつ
いてきたが、頭が痛いので横を向き寝たふりをする。

昼過ぎに、一番下の女の子が学校から帰ってきた。色が黒いのに髪の毛が
栗色で本当に可愛い。こんな貧乏な家族の子供なのに小学校にいけるのだか
ら、エクアドルの教育も棄てたものではないと思う。ピラールが宿題の手伝
いをして教えているのだが、優しいお姉さんとは似ても似つかないスパルタ
式で、怒鳴り散らして、妹がワンワン泣いている。こんな感じで、ここに住
むのも満更でもないなと思う。

妹の宿題も終わり、上の二人の弟たちも返ってきたが、ピラールがいきな
り彼らに向かって「sale(出て行け) sale(出て行け)」と怒鳴り、箒を持って
ゴミを掃きかけている。子供たちは我先に蜘蛛の子を散らしたように逃げて
いった。彼女は、ドアの小さな木片を釘で止めただけの鍵を閉め、いきなり
服を脱ぎ、迫ってきた。私の若い血はみなぎり、彼女の体に飛びついた。

彼女のあそこに挿入した自分のものをアラアラしく激しく出し入れしてい
る。しばらくすると彼女は私の腰の動きに合わせて腰を動かしだした。
「出して」
「いいよ」
ことが終わったあと、彼女は不満そうに私の物を見ていた。私の物にコン
ドームが被さっていたのである。こういうことを想定して、ピラールがベット
を離れた時に、装着しておいたのだ。やはり、売春バーで知り合った女性とコ
ンドームを付けずにセックスするのは勇気がいるものだ。

こんな調子で、時はどんどん経っていき、このままここに住み着いてしま
おうかと思い出していたが、彼女の兄嫁がきたときに、「なんか、あなたのお腹
でてるわね。妊娠してるんじゃないの」「そんなことないわ。私のお腹には何も
入っていないわ」というような会話を聞いてしまった。そういえば、最初、出
会ったときから、腹が少し出ているような気がしていた。話がややこしくなると
困るので、旅を再開することを決心する。

出発の日、ピラールがバスステーション(路肩にバスが横付けされているだ
けだが)まで送りに来た。私がバスに乗って座席に座って彼女を見ている
と、泣きながら手を振っている。一週間しか一緒に住んでいないが、お互いに
情が湧きかけていたのだろう。赤道直下で熱いのに、私の心には寒風が吹いて
いた。

つづく・・・・・
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南米旅行記IX


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キトに向かうバスの中でいろいろ考えていた。
二人の濡れ場のシーンがよぎった。あの暑い中、いつもTシャツを着てセックスを
していたのだから、地獄のようだった。玉のように出る汗はTシャツに吸収され気
持ち悪かった。
「Tシャツを脱いだら」
「いや、いいよ」といったが、ピラールが私のTシャツを脱がそうとしている。脱
がされないよう必死で抵抗していたが、上腕の上の方に貼り付けてあるバンドエイ
ドがTシャツの袖下から覗く。
「それ何」
「ちょっと、怪我をしてね」
「バンドエイドを取って見せて」
「だめだよ」
ピラールがバンドエイドを剥がそうと手を伸ばしてくる。
「何をするんだ」
「それ何なの」
「痣だよ。子供のころからあるんだ」
「見せてよ」
「気持ち悪くなるだろうから、見せることはできない」
こんな問答のあと、彼女は、ようやくバンドエイドを剥がすのを諦めた。

彼女の家を出てきたのは、必ずしも彼女の妊娠している可能性だけでなく、上腕に
ある出来物を見られたくなかったからでもある。この出来物ができてすでに2年に
なる。ロスアンジェルスの下宿で、シャワーを浴びていると突然上腕に鈍い痛みが
走り、思わずしゃがみ込んだ。鈍痛は頭にまで響き、上腕を見ると、小さな出来物
があった。

当初は、直ぐ治ると思っていたが、なかなか治らない。針で突いたり、いろいろ素
人で考えられることをやって見たが、効き目がなかった。時が立つと共に、次第に
「ひょっとしたらエィズじゃないのか」と思うようになっていった。

そんなことを考えていると、恐怖をコントロールできなくなりそうになったが、必
死で自分を抑えた。しかし、誰が最初にこの病気になったのか、厄介な病気が広が
ったものである。昔でいえば、肺病のようなものだ、いやそれより厄介だ。一回こ
の病気になれば、まず死は免れない。そんな不安を乗せてバスは走り続けた。

つづく・・・・
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