メルマガ:南米旅行記
タイトル:南米旅行記  2003/05/09


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南米旅行記(創刊号)2003年5月9日(Wed.)


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               はじめに

購読者のみなさん、登録ありがとうございます。この物語は、エドワルド
こと私が1989年の7月の初めから9月末まで、南米8カ国を旅した記
録です。夜の女性との交渉なども出てきますが、南米を旅行している日本人
貧乏旅行者の生の姿、南米人の様子、南米の歴史、南米の当時の経済状況、
南米で活躍された日系人のことなども挿入していますので、幅広い人々に
お楽しみいただけると思います。
 
メルマガ発行が承認されてから、しばしの間お待ちいただいてすみませ
んでした。南米旅行記は85章続きます。最初は隔週で、購読者が増えて
きたら週刊で配信しようと思いますのでよろしくお願いします。

では、エドワルドの世界を心ゆくまでお楽しみください。
                        エドワルド

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南米旅行記I
 

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1989年夏、私は2回目の足跡を南米大陸に印した。前回は、コロンビ
ア、ベネズエラを旅したので、今回はエクアドルから旅を始めることにする。
 
エクアドル航空機でキト国際空港に到着した。空港は日本の地方空港ぐらい
の大きさで、どちらかといえば、ひからびたという言葉がぴったりだった。
国力はだいたい空港で判断できるのではないだろうか。

空港の外にでると多くのタクシーが目に付いたが、サウスアメリカンハ
ンドブックに書いてあるように路線バスに乗ることにする。バスの中は地
元の人々で一杯であった。その中に大きなバックパックを持った東洋人が乗
っているのであるから、目立つのはあたりまえだ。「Donde tengo que bajar 
este urbano par ir a centro.(町の中心に行くにはどこで降りればいいんで
すか)」とたどたどしいスペイン語で隣の人に聞いた。あまり知らない言語を
喋るのは何か違和感があるというか、奥歯に何かが挟まっているような感じ
がする。傍にいた人が親切に教えてくれたので、私のたどたどしいスペイン
語でも、この国でなんとかやっていけるだろうと思う。

バスを降りると、目の前に白亜のサントドミンゴ教会があった。ヨーロッ
パや南米の大きな街には、この会派とサンフランシスコ会の教会が必ずとい
っていいほどある。このあたりは旧市街地で、ノンビリした、インディオの
悲哀を感じるような街である。行き交う人々もメスティソ(インディオと白
人の合いの子)やインディオがほとんどで、まるで17世紀の植民地時代を
彷彿させる。
 
沈んでいく夕陽を背景にした中世のような街並みの一部となり、サウスア
メリカンハンドブックを取り出し、目的の安宿グランカジノの位置を確認
する。グランカジノはパネシージョの丘(キリストの大きな像があり、旧
市街地を一望できる丘)の麓にあり、ここからあまり遠くなさそうだ。し
ばらく歩いて、何の苦労もなくグランカジノホテルにたどり着いた。旅を
していると、地図に書いてあるホテルを探し出すのに一苦労し、雨に打た
れて全身ビショビショになるということがあるが、今回は幸先がいい。

4階建ての建物が中庭を囲んでおり、ほとんどの客は世界中からのバッ
クパッカーのようであった。料金はバストイレ付シングルで一泊1ドル
50セントほど、部屋のわりには安いというか、安すぎる。
 
食堂が一階の入り口の右側にあり、一皿1ドル(140円ぐらい)ぐら
いでなかなか美味しくて安い。エクアドルは中南米のなかでも物価が安い
ほうであり、なかなかお金を使えない国のようだ。

食事をとりながらビールを大瓶3本飲み、気分が悪くなってしまった。
2800メートルという標高を舐めてはいけなかった。高度順化(年間
2〜3回2000メートル級の山に登っていると高山病にならない)し
ていないのにビールをがばがば飲むのは自殺行為である。食事の後、頭
痛がし、吐き気がするので便所に直行して吐きまくった。軽い高山病に
かかったのであろう。アメリカの0メートル地域から来たのだから仕方
ないが、ビール大瓶3本はやりすぎた。

せっかくのエクアドル初日(どこの国でも到着初日が新鮮で面白いも
のである)の夜は頭痛と共に過ぎていった。

つづく・・       

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南米旅行記II


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昨夜は大瓶3本のビールで二日酔いになり早めに寝たので、朝早く起きた。
まだ、窓の外は暗い。高山病なのだろうか、いまだに頭が少し重い。「28
00メートルの高度を舐めてはいけない」と何度も自分に言い聞かせるよう
に呟く。
 
ハンドブックをしばらく読んでから、朝食のために1階の食堂に行く。朝食
の内容は、パンと玉子焼きにソーセイジにラテンアメリカ名物のフリーホウ
レスの塩辛いアンコとケソ ブランコ(白チーズ)。普通、日本人はアンコが
甘いものだと思っているので、あまりフリーホーレスを好まないし、白ケソ
も日本でなかなかお目にかかれないので違和感がある。しかし、これらの食
べ物はメキシコと中米で、すでに経験している私にとって大好物である。人
間の好き嫌いは食べ物そのものの味だけじゃなく、100%偏見から来てい
ることが分かる。自分の知らない世界に対しての恐怖心から拒否反応を起こ
すのであろう。
 
朝食の後、周辺散策のために外にでる。坂を下りしばらく歩いていると、平
屋造りの建物が目に付いた。入り口にはカーテンがかかっていた。中を覗い
てみると、水着姿の女性がうろうろしている。びっくりして入り口から離れ、
近くにいた男性に「?Que es  esta tienda?(この店はなんですか)」と聞く
と「La casa de la puta.(売春宿だよ)」と答えた。値段を聞くと「一米ドル」
というので、入ってみることにする。

入り口を入ってすぐ背の低いカウンターがあり、そこでコンドームを買うとト
イレットペーパーを手に2〜3巻きほどくれた。コンドームと買春のお金が同
じと言うことは、どういうことや。小太りだけどなかなか美人の女性を指名し
部屋へ入る。部屋の入り口にはドアのかわりにカーテンがかかっていて、内部
にはベットが一台あるだけであった。部屋の片隅に使用済みのトイレットペー
パーやコンドームが無造作に散らかっていた。
 
エクアドルの女性を抱くのは初めてなので、ワクワクしながら女体にしがみ
つき、自分の日本刀にコンドームを装着し鞘にはめこみ出したり入れたりして
いるが、なかなか終わらない。女性がおこり顔で「apurate. apurate.
(はやく。はやく)」と急かしている。「一ドルでこんなに長くされちゃ割
が合わない」ということか。頭にきたので鞘から自分の日本刀を抜き、コン
ドームをとって部屋の片隅へ投げつける。日本でのお客様は神様だという習
慣が抜けていないようだ。コンドーム付で2ドル(300円)ぐらいだった
ので、何の未練もなく売春宿から出た。
 
ホテルに戻り、昼食を取るために食堂へ入ると、外人で混雑している中に
東洋人らしき顔を見つける。そばに行き「どこから来たんですか」と英語で
聞くと、日本人だった。
 
彼は、薬知智さんといい、テレビ関係の仕事を日本でしていたということ
であった。キトにはすでに2週間いて、南米を一回りするらしい。彼とはこ
の後、キトで二週間行動を共にすることになる。とにかく、遠い異国の地で
日本人と会うのは嬉しいものである。

 つづく・・・・・        

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