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タイトル:魁兎の小説  2003/04/18


最終話「別れの時」(後編)

美紀からの電話の後透は急いで飛び出していた。
これといって当ては無いが手当たり次第で美紀を探そうとしていた。
すると透の前に実が現れた。
透「おっ実、じゃあな。」
実「あっちょっと待ってくださいよ、どうしたんすか?そんなに急いで。何かあったんすか?」
と実に聞かれ透は美紀の事を話した。
実「えっ美紀さんがですか?じゃあ俺も協力してもいいっすか?」
透「もしかしてお前族のメンバー連れ出すつもりか?」
実「ええそうですけど、だめっすか?」
透「いやありがとう、たのむよ。もし見つかったら俺の携帯に電話してくれよ。」
実「分かりました。」
そう言い透は美紀を探し出す。

その頃鈴内家では・・・
海「透どうしたんだろう?」
明「美紀って言ってたよね?もしかして恋人?」
海は小声で「都が居るのに言わないの。」
明「ごめん。」
それが都には聞こえており「何バカな事言ってんの?何で私が透の事なんか。」
明はちゃかすように「あっ照れてる。」
都は顔が真っ赤になり「照れてなんかないよ、もう明のバカ。」
そう言い都は部屋に戻る。
都はベットに入り「透のば〜か。」とつぶやく。

一方透は街で美紀を探していた。
すると携帯が鳴る。
透「もしもし、どうした?見つかったか。うん、うん。えっ美紀が・・・」
実の話によると美紀はビルから飛び降り自殺をしたらしいのだ。
透は美紀が運ばれた病院に向かった。
しかし、美紀は何故かベットにいた。
美紀は透に気付く。
美紀「透どうしたの?」
透「どうしたのって飛び降り自殺したって、実の奴が。」
それを聞いた美紀の表情がガラリと変わった。
透「どうした美紀、話してみろよ。」
美紀の話によると実の知り合いに借金があり、それを実が知り、美紀を脅しており恐怖のあまり自殺をこころみたが未遂に終わったという。
透「そうか、借金の金額は?」
美紀「しれてるよ10万ぐらいなのに100万とか言うんだよ。あの時とおるに相談しようとしてたんだ。でも透無理だって。」
透はあの時美紀からの電話の意味がわかった。
透は何も言わずその場を立ち去ろうとする。
美紀「透、何処行くの?」
透「そんな事電話で言えば良かったのによ。俺が何とかするからお前は傷を治せ。」と言い病院を離れた。

実は透が気付いた事を知らず仲間と話していた。
実「透も透でアホだよな、すっかり俺が更正したかと勘違いしてやがる。」
透「悪かったなアホな奴でよ。」
そこには透が駆けつけていた。
実は表情が豹変した。
実「お前今更こんな所何しに来たんだ?あっそう言えばあの女死ななかったんだってな。残念だ。」
透は実を殴り飛ばし金を突きつけた。
透「これで美紀に近づくな、分かったか。」
透はその場を離れようとすると実が話し掛ける。
実「なんだこの金、ぜんぜん足りねえよ。俺は一億って言ったんだがな。」
透「何が言いたい?」
実「お前をキレさせるためにあの女を落とし込ませたんだよ。そしたらいとも簡単にお前は乗ってくるしよ、最高だぜ。」
透はキレた。
透「お前何様だ?」
実「俺様って言えばいいか?」と言い笑う。
その瞬間実の周りに居た仲間があっという間に倒れた。
実「一体何が・・・」
透「覚悟は出来てるだろうな?」
と言い実を殴り飛ばそうとした瞬間実はナイフを取り出し透を刺す。
透「このカスが・・・」
実「お前もモロいよな、こんな刃物一本でやられるとはな。」
透はその場に崩れ落ちる。

一方海達は美紀に聞き、透と実が居る場所に付いた。
透が倒れてるのを見て都は駆け寄る。
都「透、透。しっかりして。」
透は都に気付く。
透「都、海に明。何でここに?」
明は泣きながら答える。
明「透が心配で・・・」
透「ありがとうな。」と言い明の頭を撫でる。
透は海が居ない事に気付き周りを見渡すと実に捕まっていた。
実「動くとこいつを殺すぞ。」
透「やれるもんならやってみろよ。でもなもしこいつらに何かあったらただじゃおかねえぞ。」
そう言い実に近づく。
すると透は男二人組に捕まる。
透「離せ。」
実「お前の前でこいつらに良いことしてあげようと今思いついてな。」
と言うと実の周りに居た3人組が海・都・明を取り押さえる。
透「やめろ、がはっ。そいつらに手を出すんじゃねえ。」
透は血を吐き出しながらもがく。
実「自分の命よりこいつらの方が大事だってかよ。まったく笑えるよ、お前ら早くやれ。」
というと3人組は海達を襲う。
海「やだ。」都「透。」明「助けて。」
すると透を捕まえていた2人は吹っ飛ばされる。
それに気付いた実は3人組を呼ぶ。
しかしいとも簡単に倒す。
そして海達の元に向かう。
透「大丈夫か?怪我は無いか?」
海「うん。」都「透。」明「後。」
と明が言うと後から実が透に襲い掛かってきた。
まず後からキックで吹っ飛ばし、そのあと傷跡を踏みつける。
実「どうだ?苦しいだろう。泣け、わめけ、そして死にやがれってんだよ。」
と言うと実は透を踏みつける。
しかし透はそれに持ちこたえ実を吹っ飛ばす。
実「何?お前まだやる気か?」
透「言ったはずだ、こいつ等に手を出したら許さねえってよ。」
と言い二人は殴り合いを始め出した。
そして実はまたもやナイフを取り出し、透を刺そうとするが透はそれに気付き、取り押さえるがそれが実に刺さってしまう。
実「うっ・・・お前よくも」
と言い実は倒れこみ息をひきとる。

10分後実の後輩の電話により警察が到着し、透は逮捕された。
海「透、透が刺したんじゃないんでしょ?」
都「ちょっと待ってよ、あんたが捕まったら私達は一体誰が守るのよ。」
明「勝手に行くなバカ。」
透は立ち止まり「俺が戻ってくるまで待てるか?」
海・都・明「うん。」
それを聞くと透はパトカーに乗り込んだ。

一ヶ月後
透は実の後輩の証言により開放された。
それを聞きつけた海達は駆けつけた。
透「ただいま、遅くなってごめんな。」
と言うと海達透に抱きついた。
そして鈴内家に戻り、いつもの生活に戻った。

この後の続きはまたの機会に話す事にしよう。


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