メルマガ:風のひとり言――マスコミの裏を読む
タイトル:「風のひとり言――マスコミの裏を読む」第48号  2005/08/18


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         「風のひとり言――マスコミの裏を読む」vol.48
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□■□ 「風のひとり言」その48□■□-----------------------------------
「ついにきたのか構造改革」
日本が変わる
本当に変わる?

 毎日暑い日が続きますが、お元気でお過ごしでしょうか? 手前勝手な言い
方ながら、私は先週長い夏休みをもらったために、少し頭がボケてしまったよ
うにも思います。イヤ、元々ボケてるのだろうと言われれば、それまでですが
……。

 それにしても、8月8日の衆院解散以来、毎日めまぐるしく動く政治情勢に
振り回される感じ。これも手前勝手な言葉を使うならば、ゾクゾクするような
“面白さ”を感じます。これまで、この国の政党政治にはいくつかの節目や変
化、もっと言えば政権交代さえもあったと言えるわけですが、ここまでの舞台
と役者がそろったことはなかったのではないでしょうか。

 もちろん、役回りや舞台の準備は整ったとしても、本当の改革はこれからで
す。今回の政変は当初、私が考えたような方向には動いていかなかった。その
辺は自分を恥じなければいけないとは思うものの、私は小泉改革、首相の手法
にここまでの支持があるとは考えていませんでした。「エッ? ひょっとする
とひょっとするのかな」というのが、現在の正直な気持です。もちろん、いい
意味なのですが。

 小泉首相が「郵政法案が否決されれば解散する」と強気の発言を繰り返して
いた頃から、元政治部として何か思うところを発言しようとは思っていました。
しかし、ここまでくると毎日の政治情勢は分単位で変わってきます。それは私
も経験していたことなので、少し落ち着くのを待ってなどと思っていたら、こ
こまで来てしまいました。

 今日の時点(18日)でも、自民党は第4次の公認候補を決めたいと話して
いますから、「かのホリエモンが亀井元自民政調会長の刺客に」なんて見出し
が明日の朝刊にでも踊っているかもしれません。これからも続々とニュースは
続くでしょうが、あくまで今日の時点でというところで情勢判断らしきものを
述べておきます。

小泉自民は勝つかも
しかし、いくつか取りこぼしも

 先ほど、不明を恥ずるとしゃべったように、私は強引な解散を行っても(解
散をするとは考えていましたが)、小泉首相がそれほどの議席を取れるとは思
っていませんでした。しかし、ここにきて解散後の雰囲気を見ると、どうもそ
うではないようですな。

 小泉支持が増えていることはもちろん、郵政民営化が最重点の政策課題とは
とらえられてはいなくとも、国民は民営化そのものをケッコウ支持しているよ
うです。言ってみれば、「ここで変えなければ、これからもこの国は変わるこ
とはあり得ない」というのが本当のところではないでしょうか。

 刺客の送り方や候補者の選択基準、そのなりふり構わぬやり方に、正当な批
判があることは事実でしょう。私も、あの話題性だけを基準にしたように見え
る候補者選びはどうかと思う。しかし、首相本人も言うように「どんなやり方
でも批判は出る」のです。ここは郵政民営化に反対か賛成かだけを基準にして、
一点突破を図りたいといったところでしょう。その手法には幾分のアンチを突
き付けておきますが、私もこの覚悟がなければ「日本は変わらない」との見方
に賛成です。

 「これまで変える変える、と言いながら何にも変わらなかった」――そんな
フラストレーションが渦巻いていたことが背景にあるように思えます。国民の
意外なほどの小泉支持に、私自身「ヘェー」というような思いです。

 ただ、最後までこのままの勢いでいくなら、小泉自民党が単独過半数を取る
こともあり得ないことではないでしょうが、いくつかの取りこぼしもあるハズ
です。

 まず、静岡7区。元財務省防衛担当主計官の片山さつき氏は話題性十分です
が、元ミス東大もここに来て目付きが悪過ぎる。現職の城内実氏はなかなかの
硬骨漢。地元ではけっこうな支持があるので、私はこの際城内氏が勝つような
気がします(片山女史は当然、比例枠で入るでしょうが)。

 同じように、法案反対の急先鋒だった岐阜1区の野田聖子元郵政大臣。これ
は個人への支持が強いとの意味で、彼女が勝つと判断しています。多少、事情
は違いますが、茨城7区は自殺した永岡洋治元議員の弔い合戦として妻の桂子
さんが出馬します。しかし、元職の中村喜四郎元建設相。何といってもこの人
はメッポウ選挙に強いのです。弔い合戦は大概強いものの、ここだけはそうな
らないように思います。

 郵政問題に戻りましょう。東京10区の小林興起氏。この人もはっきり言っ
て選挙は強くない。しかし、今回はマスコミに露出して同情票を集めるとの見
方もできますが、いかんせん言ってることとやってることが違い庶民性がない。
私はいかれそうな気がしますな。同じような事情で、広島6区の亀井静香氏だ
って危ないですよ。この人も、言ってることとやっていることが違うからなぁ
〜。個人的にもキライな人物なので、ホリエモンが来たりすると、もっと面白
い政治ショーになることは請け合いでしょう。

 とまれ、公約どおりに「自民党をぶっつぶした」首相には脱帽の思いがある
と同時に、国民に最後の期待を抱かせてくれた意味の功績もあるかもしれませ
ん。あとは皆さんが選挙に赴いてくれることを願うだけです。

 エッ? 「国民新党」のことですか。あれはダメです。5人じゃ何もできな
いし、時間的にも遅過ぎる。いずれ、埋没していくでしょう。ここまで来ると、
小泉自民党がますます際立ってくるような気がします。これまでの日本の政治
家に誰一人としていなかったタイプの“変人”が、日本を変えることになると
すれば、それは喜ぶべきこと。しかし、改革はあくまで一丁目一番地であるこ
とは忘れてはならない。ある種の期待を込めた、私のひとり言ですが……。

□■□ 後書きのつぶやき□■□----------------------------------------
「ホリエモンの真実」
やはり、見た目通りの
男なのかな?

 今回も間が空いてしまったので、書きたいことはたくさんあるのです。例の
朝日とNHKがケンカをした戦争慰安婦がらみの番組改変問題。少し動きがあ
るとも報道されていますが、ここまで報道機関が口をつぐんでいるのは、許さ
れるべきことではないでしょう。

 しかし、この問題は別の形できっちりと書きたいと思っています。今日は、
つい数時間前にある人から聞いた、取っておきの話を披露したいと思っていま
す。

 それは、今また渦中の堀江貴文ライブドア社長のこと。これは全く偶然だっ
たのですが、今日、私が取材した相手が、このライブドアの中枢と関わりのあ
る人だったのです。仮にHさんとしておきましょう。

 ご本人からは「これはオフレコで」と言われているので、詳しくは語れませ
ん。しかし、あれだけ公の存在になっていて、しかも今回の騒動にもわが身を
省みず露出している人ですから、多少の論評は許されるでしょう。

 選挙については、まず間違いなく自民党から出るとのこと。しかし、選挙区
についてはハッキリしているとは話していませんでした。個人攻撃については
避けたいと思っていますが、やはりお金に対する執着心が強く、それがすべて
と思っているのは間違いないとのことです。つまり、これまで強気で発言して
きたことは、かなりの部分、本人の人間性に近いということでしょう。

 その方は(Hさんのこと)、私の目から見てもかなりシッカリとした客観性
のある人でした。そのHさんの言によると「一緒に酒を飲みたいと思うような
人ではないでしょうね」と一言。私は堀江社長とは一面識もないので、これ以
上の言及はできないとも思っているのですが、やはり人間というのは、自分を
否定するような人ともどこかで交わらないといけないし、周りを腰ぎんちゃく
ばかりで固めては進歩がない。また、そのことは本人にとって危険なことであ
るとさえ言えるわけです。

 今回の選挙で、自民党が安易に堀江社長の名前に乗ることには、個人的に反
発を覚えます。と同時に、選挙後のことも考えておかないといけないでしょう。
自らの会社や個人の利益ばかり考えている人が、まつりごとに携わるのはいか
がなものか。しかし、日本の政治史の中では、そんな現実もどこかで見えてい
たのが現実かもしれません。それにしても、そうした現状を打破するための手
段が、あのホリエモン起用とは、歴史の皮肉を感ぜずにはいられないところで
す。

  ひぐらしや熊野へしづむ山幾重(秋桜子)

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