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タイトル:「風のひとり言――マスコミの裏を読む」第43号  2004/11/11


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         「風のひとり言――マスコミの裏を読む」vol.43
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□■□ 「風のひとり言」その43□■□-----------------------------------
「郵政民営化は順調なのか?」
地域分割は
必要なのではないか?

 災害が続いたことや、大きな事件も多く発生したことで、混沌とした思いに
とらわれた夏でした。しかし、政治状況はと言えば、相変わらずの構造改革一
点張りで、大きな改善や進歩を感じないというのが、多くの人の実感ではない
でしょうか。

 特に小泉内閣では、当初から最大の目標となっていたとも考えられるのが郵
政民営化です。私も基本的には民営化に反対という訳ではないのですが、コト
を急ぐ余りにところどころに置き忘れやほころびが出てきているのではないか
と思うのが実感です。詳しく検証したわけではありませんが、気がつく点をい
くつか述べてみます。

 だいたい骨格が固まっている政府の基本方針は、次のような点で集約できる
と思います。まず、持ち株会社の下に窓口ネットワーク会社、郵便事業会社、
郵便貯金会社、郵便保険会社の4つを2007年4月に設立する。当初言われ
いたような、地域分割は行われないといいます。このうち、郵貯と簡保の2社
は10年後の2017年までには株を売却して純粋な民間会社にするというこ
とです。

 ただ、一方では当初予想されてきた望ましい形というのは、郵便、郵貯、簡
保の3つの会社の完全分離化のほかに、郵貯会社等は地域分割する方が良いと
いうものでした。しかし、現実はそうならないわけです。

民業は圧迫しているのは
紛れもない事実だ

 私も、新しい民営化論の中で果たして地方の小さな郵便局がどうなってしま
うのか、という点はよく分からないし、議論がそこだけに集中するのはオカシ
イという気もしています。ただ、そうは言いながらも現実には今のネットワー
クができるだけ機能するようにすることの方が、民意にはかなっているという
気もしています。

 そして、それ以上に懸念するのが郵政公社の生田正治総裁の“暴走”です。
コンビニのローソンからヤマト運輸を追い出して郵政事業を拡大しようとして
いますが、これは明らかに行き過ぎでしょう。ヤマト運輸その他の運輸業者が
言うように、法人税、事業税など8000億円近くを免除されている特典をフ
ルに利用した民業の圧迫に他ならないからです。これは当事者でならずとも「
それはないよ。卑怯だよ」となるハズ。優しそうな顔をしていますが、やるこ
とはけっこうエグイのです。

 郵貯や簡保が完全に民営化した後にやることならば、経営努力で何をやって
もいいことになるハズですが、今の時点でそれをやって地歩を固めようとする
ことはルール違反という気がします。

 大切なことは負の遺産とでもいうべきそうした特典をはねのけて自立するこ
と。もう1つは、ムダ遣いを続けてきた郵貯資金の健全な運用を考えることで
しょう。

 どうも議論が、まず民営化アリキで進んでいるようにも思えてなりません。
小泉首相はもともと大蔵族ですから、これは一種の悲願になっているのでしょ
うが、もっと先に片付けないといけない懸案があるのでは。

 新潟中越地震の被害地に真っ先に駆けつけなかったことも、どうにもリーダ
ーの資質を疑われるような、現実を見せつけたように捉えています。やはり、
日本は人材不足なのでしょうな。いつも通りのひとり言ですが……。
□■□ 後書きのつぶやき□■□----------------------------------------
「日本の反逆児のカリスマ」

 ショーケンこと萩原健一氏(54)が10日、記者会見を行いました。芸能
ニュースで見た人も多いのではないでしょうか。直接の理由は、先月起こした
交通事故への“お詫び”会見ということだったようですが、現実の質問は最近
話題になっている、映画(途中降板した『透光の樹』)のプロデューサーへの
恐喝疑惑に集中したようです。

 私のこの会見の様子はあるワイドショーで見たのですが、「電話はしていま
せん」との言葉にちょっと無理を感じたことと、相変わらずの萩原節にある種
の興奮のようなものを感じました。つまり、この人は根っからの“役者”なん
だと思います。

 すこしだけろれつの回っていないその口調は、それだけで警察の標的になり
そうな危うさを抱えています。一時はクスリの疑惑が報じられましたが、ショ
ーケンの方が「警察の方はガッカリしたでしょうね」これを逆手にとって揶揄
するふてぶてしさ。これも相変わらずです。恐喝のことについては良く分かり
ませんが、まぁ、それらしきことは言っているのでしょう。この人のことです
から……。

 要は、こうした芸能人は私たちの常識では計り知れない意識と行動力を持っ
ているのだということ。「750万円を払え、払わない」ということではなく
て、こうしたショーケンの存在感をもっと認めてもいいのではないかと考えて
います。

 誤解を招きそうですが、犯罪的行為を推奨しているわけではありませんよ。
現に交通事故でケガをした男性も、「ショーケンは立派な役者さん。多くの罰
を望まない」と話したとのこと。だから10日間の拘置で済んだと考えられる
ことからも分かると思います。つまり、この人の存在感をもっと認めてもいい
のではないかということなのです(役者としてだけですよ)。今回の疑惑の正
否はともかくとして、小さなことをことさらに大きく取り扱うような、悪者を
作り出すためだけの報道にも、小さな疑問を感じるのです。

 非常に唐突な話を持ち出してしまいましたが、ショーケンという役者は好き
なので、そんなことをフト思った次第です。ちなみに、表題はショーケンが警
察で取調べ官から言われた“ほめ言葉”とのことです。

今月のことば……「対北朝鮮経済制裁法」
 北朝鮮への制裁を想定し、今年の通常国会で成立した改正外国為替・外国貿
易法(外為法)と特定船舶入港禁止特別措置法の2法のこと。政府が必要と判
断した場合、日本単独で送金や貿易を停止・制限したり,特定の外国籍の船舶
などの入港を禁ずることができる。

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