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タイトル:素敵な暮らしをあなたに  2003/09/04


NO.38

白い食器
 
何年か前、外国から日本に引っ越をした時、
発送の手違いから、食器類を詰めた段ボール箱が一つも届きませんでした。
急遽、食器の類を一から揃えることになりました。
経済的な理由もありましたが、
その時、落ち着いた先は食器戸棚ひとつ置くのさえも難しい小さな住まいでしたので、
色々な用途に使いまわせる最小限の物をと考えて、あちこちの食器売り場を見て回りました。
そうして決まったのが「白い食器」でした。
一枚のお皿をライスにもパンにも、惣菜にもケーキにも兼用できるかなと思ったのです。
ガラス器はオーブン用の耐熱ガラスの容器と兼ねることにしました。

今、我が家の食器戸棚の中は、グラス類を除いて殆どが白い食器です。
洋食器だけでなく、ご飯茶碗も茶器もどんぶりもです。
一口に白といっても真っ白、くすんだ白、くりーむっぽい白、グレーがかった白など・・・、
様々な白、質感があります。
またブランドもの、ホテルで使われているような重厚なものもありますが、
私は大雑把に白色とだけ決めて、後は収納や使い勝手の面からなるべく薄手で軽い物を揃えました。
形は円形や楕円形で、細工があるわけでもなくシンプルそのものの器ばかりです。
中にはワンポイントの小さな絵が付いている物も少しありますが、
それらは、どうしても無地が見つからなかったり、あってもあまりにも高価だった為、諦めたものです。

と言うわけで、一年中、家族の食事からお客様のおもてなしまで、テーブルにはいつも白い食器が並びます。
中でも、お椀ほどの大きさのボール型の器は一日中活躍です。
スープ皿にしたり、サラダボール、少量の丼物に、取り皿に、
滑りやすいアイスクリームやゼリーも子どもにはいただき易い形なのです。
さらに、台所ではちょっと卵や小麦粉を溶いたりなど、小さなボール代りにもなっていて、
これはキッチンの抽斗に収納しています。

食器で変化をつけることは少なくなりましたが、テーブルクロスやマット、ナプキン
お料理の色、盛り付け方であれこれ工夫をする楽しみはあります。
白い食器は、白でも、少々のシミなら目立たない濃い柄物でも、クロスの色を選びません。
変わり映えのしない毎日の食卓、白という何の変哲もない色の中に散らばるお料理の色、
いつも感動するのです。

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