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タイトル:素敵な暮らしをあなたに  2003/07/28


NO.36 

布団とベッド 



お宅では、夜、おやすみになる時、布団ですか、それともベッドですか。

いま、年代を問わず、ベッドの方が随分と多くなったような気がしますが・・・。

ベッド派は、「布団の上げ下ろしから解放されるほか、

起きる時、寝る時にベッドの高さは膝や腰に負担がかからず楽」だと言います。

でも、部屋の大半が占領されてしまうことと、寝室としてしか使えない不自由さに

「狭い家にはやっぱり布団」という方も多いかもしれません。

 

以前、ベッドでやすむことが習慣の外国に暫く滞在して気がついたことがあります。

布団はやすむ時だけのためにありますが、ベッドはそれ以外の時間にも様々に活用されているのですね。

朝、布団は布団を上げるように、ベッドはカバーを掛けてきちんと整えます。

それこそ、先ほどまで寝ていたことなど微塵も感じさせないほどの整頓された美しさに。

それはさながら部屋の中に大きなソファ、あるいは一段高くなったフロアーができたような様です。

ベッドの上にはクッションが2つ3つ置かれ、

ベッドヘッドや壁を背もたれに、膝の上で本を読んだり、手紙を書いたり、学生は勉強もしていました。

また、主婦がこの上で洗濯物を畳んだり、赤ちゃんを遊ばせているのも見ました。

 

ある時、居間からテラスまで使った大掛かりなパーティがありましたが、突然、雨が降り出し、

急遽、居間に隣接した個室が開放されました。

その部屋の真ん中には大きなダブルベッドがありました。きちんとカバーが掛けられています。

その部屋にどっと入った人々は気にもせず、ベッドの三方にぐるっと腰掛け、パーティは続きました。

寝室に他人がそれも大勢入ることに驚きましたが、

シンプルにきちんと整えられたベッドと整頓されている室内は居間の一画として少しも違和感がありませんでした。

 

日本に長く住んでいるアメリカ人夫婦、「ベッドでお茶を飲み、読書をするのがやすむ前の楽しみ」ということで、

クッションの代わりにもなる枕をいくつか用意してあり、

ベッドの両サイドには天板がテーブル代わりになるようにと低めの本棚を置いているのを、

住宅雑誌で見たことがあります。

 

こう言いますと、ベッドは良いことばかりのようですが、私が外国で見たベッドは一様に、

和布団のような厚手の掛け布団は使っていませんでした。

暖房設備の完備、電気毛布などを使うせいか、毛布一枚か、せいぜい薄手のキルティングの掛け布団でした。

そのため、カバーをかけて整えやすく、人が乗ったり、座っても綿が切れるなどという心配がないのでしょうね。

 

ところで、私は長いことベッドを使ってきましたが、子どもの誕生を機に布団の生活になりました。

家族が川の字になってやすむようになったからです。

ベッドでは危険なため、外国で住んでいた家は、一部屋を靴をぬいであがるように設え、

日本から送った和布団でやすんでいました。

 

昔、アメリカの友人宅で、ある日、友人の親族の男性が訪ねてきました。

泊まって行く様子でしたが、滞在者の私が一室のダブルベッドを占領しているために余分な部屋はありませんでした。

何だか申し訳ない気持ちになり、そのことを話しますと、彼らは笑って「良い場所があるから大丈夫」と言いました。

居間の一画にあるコの字型の階段の下でした。

カーペット敷きの床にマットレスを敷いて、シーツに毛布と枕、それがベッドでした。

 

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