メルマガ:仮想力線電磁気学
タイトル:仮想力線電磁気学  2005/08/13


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 N┃→          仮想力線電磁気学
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●第113回 第4章・遠隔作用と疑似近接作用(その43)

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当メールマガジンを御購読いただき、誠にありがとうございます。

さて、今回からは、遠隔作用において近接作用的な現象の説明を可能にする『擬
似エーテル』に関する理解を深める話をしたいと思います。

なお、このメルマガは等幅フォントで御覧下さい。

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207.エネルギーが拡散する現象
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以前、(全体の距離は違っていますが)下図のような問題で、物体Aから放出さ
れたエネルギーの大部分が、距離の違いから、物体Bに偏って(集中して)配分
されてしまう…という現象について、お話ししたことがありました。(第77〜
80回を参照。)

[図113・1]
     B
     ○
   ○
   A    ○
        C

今回は、これと逆の話をします。
つまり、エネルギーの配分があまり偏らず、エネルギーが二物体(BとC)に拡
散して配分される…という現象についてです。

これは、一見、以前の話と矛盾する話のように思えるかもしれません。
しかし、決してそうではないのです。
条件しだいで、エネルギー配分が、著しく偏ったり、ほとんど偏らなかったりす
ることが説明できるのです。
そして、このことは、まさしく、異なるスケール(微視:巨視)で、異なる現象
(遠隔作用的現象:擬似近接作用的現象)が支配的になることの説明となるので
す。
そのポイントとなるのが、『グラフの傾き』です。
極めて重要なことなので、是非、読んでみて下さい。

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208.偏りを小さくするには…
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まずは、こんな問題を考えてみて下さい。

図113・1のような問題において、エネルギー配分の偏りを小さくするために
は、どうしたら良いでしょうか?

その答えを知るためには、まず、偏りが生じる理由が何かを思い出す必要があり
ますね。
その理由とは、以下の二つです。

 1.物体Aからの距離が、物体Bと物体Cとで異なる。

 2.電磁気作用の強さは、距離によって異なる。(近いほど強く、遠いほど
   弱い。)

この二つの理由により、二物体が受ける電磁気作用の強さに差が生じ、エネルギ
ーが(著しく)偏って配分されることになるわけです。

さて、こうしたことを思い出したところで、改めて、どうしたらエネルギー配分
の偏りを小さくすることができるのか?を考えてみましょう。

最も簡単な方法は、距離の差を小さくすることですよね。
物体Aからの距離の差が小さくなるような位置に、二物体(BとC)を配置し直
せば良いわけです。

でも、それが不可能だとしたら(物体Bと物体Cの位置関係を変えることが許さ
れないとしたら)、どうすれば良いのでしょうか?

電磁気作用の強さが距離にあまり関係しないことにすれば良い?
そうですね。
距離が異なっていても、電磁気作用の強さがあまり変わらなければ良いのです。
具体的に言えば、電磁気作用の強さ(fと表すことにします)と、距離(rと表
すことにします)との関係が、(テキスト・アートゆえ極めて不正確な図ではあ
りますが)下図のようになっていれば良いわけです。

[図113・2]

 f
 ↑
 │
 │    注:右肩下がりの曲線だと思ってください。
 │    ↓
 │____
 │     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 │
 ┼─────────→r
 0

そうなれば、距離が違っていても、電磁気作用の強さはあまり違わず、エネルギ
ー配分の偏りも小さくなるでしょう。

しかしながら、物理法則を勝手に変えるわけにはいきません。
では、どうすれば良いのでしょうか?

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209.傾き緩やかなら偏り小
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ここで、一つ、気付いてほしいことがあります。
それは、電磁気作用の強さ(f)と距離(r)との関係を示すグラフの傾きが緩
やかなほど(傾きの絶対値が小さいほど)、エネルギー配分の偏りが小さくなる
ことです。

このことから、グラフの傾きが緩やかになる部分に注目すれば良いことがわかる
でしょう。
ちなみに、こうした部分では、ちょうど、距離差を小さくしたのと同じような結
果が得られることになります。
つまり、距離差を変えなくても、距離差を小さくしたのと同じような効果が得ら
れるわけです。

これが正解のためのヒントです。

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210.遠くほど小差・拡散
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そこで、実際の、電磁気作用の強さ(f)と距離(r)との関係を示すグラフを
見ていただきたいのです。
テキスト・アートゆえ極めて不正確な図ではありますが、そのグラフは、下図の
ようになります。(極めて不正確な図ですから、あくまでイメージ図ぐらいに思
っておいて下さい。)

[図113・3]

 f
 ↑
 ││
 ││ ← 注:本当は右肩下がりの曲線です。念のため。
 ││
 ││   ↓
 │ \_
 │    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ┼─────────→r
 0

ここで重要なのが、グラフの傾きです。
距離が遠いところ(rが大きいところ)では、傾きが緩やかになっていますでし
ょう。
遠いところほど緩やかになり、横軸に平行な状態に近くなっています。

ここが、上で述べた注目すべき部分なのです。
この部分では、距離が違っても、電磁気作用の強さはほとんど変わないため、エ
ネルギー配分の偏りが小さくなるのです。

では、この部分とは、一体、どういう部分なのでしょうか?
それは、距離が遠い部分です。

このことから、物理法則を変えなくても、また、距離差を小さくしなくても、エ
ネルギー配分の偏りを小さくする方法があることがわかるでしょう。
それは、二物体(BとC)から物体Aを遠ざけることです。
こうすると、距離差があっても、電磁気作用の強さの差は小さくなり、エネルギ
ー配分の偏りは小さくなるのです。
図113・1と同様の図を描くならば、こんな感じです。

[図113・4]
                                B
                                ○
   ○
   A                               ○
                                   C

こうすれば、エネルギー配分の偏りを小さくすることができるわけです。

このように、距離が遠くなるほど、エネルギー配分の偏りが小さくなり、エネル
ギーがより多くの物体に拡散しやすくなるのです。

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211.スーケルが大きいほど…
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さて、スケールが大きくなるほど、距離が長く(遠く)なります。
すると、エネルギー配分の偏りが小さくなり、より多くの物体にエネルギーが拡
散しやすくなるわけです。
つまり、より多くの物体がエネルギーを受け取ることになる…ということです。
別の言い方をすると、エネルギーを受け取ることになる物体(もしくは物質)が
分布する範囲が広くなる…ということです。

一方、「ある物体(物質)がエネルギーを受け取る」ということは、「その物体
(物質)が、その現象にかかわっている」ということです。
逆に言うと、「ある物体(物質)がエネルギーを受け取らない」ということは、
「その物体(物質)が、その現象にはかかわっていない」ということです。

以上のことから、スケールが大きくなるほど、より多くの物体(物質)が現象に
かかわってくることになることが、おわかりいただけると思います。
これは、別の言い方をすると、現象にかかわってくる物体(もしくは物質)が分
布する範囲が広くなる…ということです。

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212.擬似エーテルの範囲は?
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さて、そこで、擬似エーテルのことを考えていただきたいのです。
擬似エーテルは、巨視的スケールの概念です。
前回、こんな図を描きましたでしょう。

[図112・7]
   c1c2c3
   ***

 A○   ○B

   ***
   d1d2d3

擬似エーテルとなる物質(c1、c2、c3、d1、d2、d3)は、(物体Aから)遠い
ところにありますよね。
このために、より多くの物質が擬似エーテルとして、この現象、すなわち、擬似
近接作用という現象にかかわってくることになるわけです。
前回の終わりの方で、こんな図を描いたのも、そういう理由からです。

[図113・5]

***********
***********
***********
*       ***
*A○   ○B***
*       ***
***********
***********
***********

もっとも、これは二物体(AとB)間が真空の場合です。
では、そうでない場合はどうなるのか?というと、こうなります。

[図113・6]

***********
***********
***********
***********
*A○****○B**
***********
***********
***********
***********

これも、前回の終わりの部分で出てきた図ですね。

もっとも、こういう説明をすると、「二物体(AとB)間以外の物質が擬似エー
テルとしてかかわってくるのはおかしい」と思われる方がいるかもしれません。
でも、エネルギーは物体Bが存在する方向以外にも配分されるのです。
ですから、二物体間以外の物質もかかわってくることになるのです。

加えて、この図ではわかりにくいかもしれませんが、物体Aと、そのすぐ右側に
ある物質(*)との距離は、素粒子のスケールからすれば、実は非常に離れてい
ることになるのです。
このため、エネルギーが拡散しやすくなります。
それ故、それ以外の物質もかかわってくることになるのです。

このように、擬似近接作用では、媒体として現象にかかわってくる物質の分布範
囲が、非常に広くなるのです。
近接作用、特に幾何光学では、下図の━部分しか現象にかかわってきませんね。

[図113・7]

 A○━━━━○B

ですが、遠隔作用(擬似近接作用)では、こうした考え方は通用しません。
なぜなら、図113・6などで示したように、図113・7の━部分以外の部分
に分布している物質も、媒体(擬似エーテル)となるからです。
つまり、図113・7の━部分以外の部分も考えなければならないのです。

これは、問題を解く側からすれば、非常に面倒なことですよね。
ですが、利点もあるのです。
それは、図113・7の━部分以外の部分も現象にかかわってくることになるか
らです。
これは、より多くの現象が説明できるようになる…ということでしょう。

実際、この特徴により、従来は相対論によってしか説明できなかったことが、古
典物理学の範囲で説明できるようになるのです。
そこで、次回は、その具体例を挙げようと思います。

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213.微視と巨視とで異なる理由
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さて、ここで、再度、図113・3のグラフを見て下さい。
今回は擬似エーテルがテーマでしたので、距離の遠い部分に注目しました。
今度は、距離の近い部分に注目してみましょう。

すると、グラフの傾きが、ものすごく急になっていますよね。
これは、距離がほんのちょっとでも違うと電磁気作用の強さが大きく異なってく
ることを表しています。
ですから、この部分では、エネルギー配分の偏りが大きくなりやすいのです。
以上を整理すると、「距離が近いと、エネルギー配分が偏り(集中し)やすくな
る」ということになります。

一方、微視的スケールの問題では、距離が非常に近いですよね。
以上のことから、微視的スケールの問題では、エネルギー配分が偏り(集中し)
やすくなることになるわけです。
そのために、エネルギーがまるで粒子のように思えてしまう…というわけです。
(これに対し、すでにお話ししたように、巨視的スケールの問題では、エネルギ
ー配分は拡散しやすくなるため、エネルギーはまるで波のように広がって存在し
ているように思えてしまう…というわけです。)

いかがですか?
微視的スケールと巨視的スケールとの違いが見事に説明できていることがわかる
でしょう。
そのポイントとなるのは、最初に述べたように、『グラフの傾き』です。
グラフの傾きが、微視と巨視とで異なるのです。
そのために、異なる現象が支配的になるのです。

レイリーやジーンズたちは、近接作用を盲信していたために、この違いを見落と
してしまいました。
そのために、熱輻射の問題で、とんでもなく誤った結論に到達してしまったので
す。(その結果、量子論の台頭を招いてしまった。)
『レイリー・ジーンズの式』がうまく成り立つのは、図113・3のグラフの、
距離の遠い部分においてです。
距離の近い部分では、成り立たたなくなってきます。
この部分で成り立つようになってくるのは、(分子の存在を仮定した)『ウィー
ンの式』の方です。
これらのことについては、脱量子論的な話の中で改めて説明したいと思います。

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 発行者 : tarkun(たーくん)

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