メルマガ:仮想力線電磁気学
タイトル:仮想力線電磁気学  2005/05/07


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 N┃→          仮想力線電磁気学
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●第99回 第4章・遠隔作用と疑似近接作用(その29)

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当メールマガジンを御購読いただき、誠にありがとうございます。

前回に引き続き、「量子」という考え方が、どう「遠隔作用」という考え方に置
き換わっていくのか、見ていくことにしましょう。

なお、このメルマガは等幅フォントで御覧下さい。

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122.空間の関与を皆無にするには?
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前回指摘したように、量子論の概念である「エネルギーの粒子」は、ごく一部の
領域を例外として、空間(真空)が電磁気現象に関与することを否定するものな
のです。
つまり、一部のごく限られた領域の空間だけしか、電磁気現象に関与することを
許さないのです。
これは、人間の都合で空間を選民的に贔屓・差別する、奇妙な論理です。

これに対し、遠隔作用では、このような奇妙な論理を必要としません。
なぜなら、空間は、電磁気現象には全く関与してこないことになっているからで
す。
ですから、もし空間が電磁気現象に関与してこないのが事実であれば、遠隔作用
の方が合理的な考え方であるということになるでしょう。

実は、「エネルギーの粒子」という考え方を綿密に考証してみると、空間が例外
なく電磁気現象に関与することを否定するものであることがわかるのです。
つまり、上で述べた「一部のごく限られた領域の空間」でさえも、電磁気現象に
は関与していないことがわかるのです。
今回は、その実態について説明いたします。

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123.エネルギーの渡り方
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「エネルギーの粒子」について考える際、最も注目していただきたいのは、『一
方の物体から、もう一方の物体へ、エネルギーがどのように渡るのか?』という
ことです。

そこで、下図のように、物体Aが物体Bに、誘導によって生じる電磁気作用を及
ぼし、仕事をして、エネルギーを与える問題を考えてみましょう。

[図99・1]

   A     B
  ┌─┐   ┌─┐
  │ │〜〜>│ │
  └─┘   └─┘

これを、「エネルギーの粒子」という概念を用いて説明すると、下図のようにな
ります。

[図99・2]

   A     B
  ┌─┐   ┌─┐
  │・│   │ │     t1
  └─┘   └─┘
      ↓
   A     B
  ┌─┐   ┌─┐
  │ │・  │ │     t2
  └─┘   └─┘
      ↓
   A     B
  ┌─┐   ┌─┐
  │ │ ・ │ │     t3
  └─┘   └─┘
      ↓
   A     B
  ┌─┐   ┌─┐
  │ │  ・│ │     t4
  └─┘   └─┘
      ↓
   A     B
  ┌─┐   ┌─┐
  │ │   │・│     t5
  └─┘   └─┘

ちなみに、t2〜t4の『・』が、「エネルギーの粒子」を表します。
これに対し、t1の物体A中の『・』や、t5の物体B中の『・』は、授受されるエ
ネルギーが、それぞれの物体に存在することを示すものです。

さて、この図(図99・2)を見ながら、エネルギーの渡り方がどうなっている
のか?、解明していきましょう。

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124.丸ごとお届け
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図99・2を見て気付くのは、物体Aから放出された「エネルギーの粒子」が、
途中で状態が変化することなく、そのまま、物体Bに到達していることです。

ということは、物体Aから放出されたエネルギーが、丸ごと、物体Bに渡ってい
る、ということですよね。
放出されたエネルギーは、一切の損失も無く、相手に渡っています。
しかも、放出された時の状態のまま、相手に届いているのです。(『・』の形状
や大きさ等が変わっていないことに注目!)

このように、一方が放出したエネルギーを、丸ごと相手にお届けすることを可能
にしてくれるのが、「エネルギーの粒子」という概念なのです。

「おにぎり」のことを考えて下さい。
ご飯は、そのままでは、バラバラになってしまいますよね。
これでは、手で持って運ぼうとすると、途中でポロポロこぼれ落ちてしまって、
損失が出てしまいますね。
でも、「おにぎり」にすると、バラバラになりません。
あまりいいたとえではなかったかもしれませんが、「エネルギーの粒子」の考え
方も同様で、エネルギーを一カ所に凝集させることで、途中での損失を防ぐこと
ができる…と考えるわけです。

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125.結果だけに注目すると…
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このように、物体Aから放出されたエネルギーは、「粒子」の形態をなすことに
より、途中の空間を、何の変化もすることなく、移動していきます。
そして、放出された時のままの状態で、物体Bに渡るわけです。
図99・2は、そのことを示しています。

ということは、結果だけに注目するならば、物体Aが放出したエネルギーが、直
接、物体Bに渡るのと同じことになるでしょう。

そこで、図99・2の途中の過程を省略した図を描いてみます。
すると、下図のようになります。

[図99・3]

   A       B
  ┌─┐     ┌─┐
  │・│     │ │
  └─┘     └─┘
       ↓
   A       B
  ┌─┐     ┌─┐
  │ │     │・│
  └─┘     └─┘

この図が何を意味するのかは、明白でしょう。
これは、物体Aから放出されたエネルギーが、途中の空間を通らないで、直接、
物体Bに与えられたことを示すものです。
となると、これは、物体Aからの作用が、直接、物体Bに及ぶ現象、すなわち、
遠隔作用の場合の図に他なりません。

このように、結果だけに注目すると、「エネルギーの粒子」によるエネルギーの
授受のされ方は、遠隔作用によるエネルギーの授受のされ方と同じなのです!

このことから、従来、「エネルギーの粒子」によるものとされていた現象が、実
は、遠隔作用による現象だったことが見えてくるでしょう。

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126.瞬間で見ると…
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既に述べたように、「エネルギーの粒子」は、ごく一部の領域を例外として、空
間(真空)が電磁気現象に関与することを否定するものです。
ならば、その例外である「ごく一部の領域」は、本当に電磁気現象に関与してい
るのでしょうか?

ここで対象となる領域は、下図の二物体間に『━』で描かれた部分です。

[図99・4]

   A       B
  ┌─┐     ┌─┐
  │ ┝━━━━━┥ │
  └─┘     └─┘

この部分は、「エネルギーの粒子」が通過していく領域です。
線状になっていますね。

しかしながら、実際に、各瞬間において、「エネルギーの粒子」が存在する領域
は、さらに、もっと、ずーっと狭いのです。
たとえば、t3においては、下図を見ればわかるように、二物体間の中間の位置の
領域だけです。(『・』で描かれた部分。)

[図99・5]

   A       B
  ┌─┐     ┌─┐
  │ │  ・  │ │
  └─┘     └─┘

よって、この瞬間においては、図99・4の『━』で描かれた領域のうち、図9
9・5の『・』以外の領域は、電磁気現象に関与しないことになるのです。
そして、他の瞬間(時刻)においても、同様のことが言えます。
ですから、電磁気現象に関与するのは、「エネルギーの粒子」が存在している、
ほんのごく一部の領域だけ…ということになるのです。

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127.結局、空間は無縁
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ならば、各瞬間において、「エネルギーの粒子」が存在する領域は、電磁気現象
に関与しているのでしょうか?

もし、ある領域が電磁気現象に関与するのであれば、「エネルギーの粒子」は、
そこを通過した際、何らかの影響を受け、変化するはずです。
ところが、図99・2を見ればわかるように、「エネルギーの粒子」は、物体A
から放出されてから、物体Bに渡るまで、全く変化していません。
ということは、「エネルギーの粒子」は、途中通過したいかなる領域からも影響
を受けていないことになります。
ですから、「エネルギーの粒子」が存在する領域もまた、電磁気現象には関与し
ていないことになるのです。

以上のことから、実は、空間のどの領域も、電磁気現象には関与しないことにな
るということが、おわかりいただけたと思います。

「エネルギーの粒子」は、実は、空間の電磁気現象への関与を否定するものなの
です。
それが証拠に、「エネルギーの粒子」は、空間にはエネルギーを与えません。
否、正確に言えば、「エネルギーの粒子」が存在する領域にだけはエネルギーを
与えるのですが、それも全く一時的な出来事にすぎません。
「エネルギーの粒子」がその領域を立ち去ってしまえば、その領域が「エネルギ
ーの粒子」から得た分のエネルギーは、全て元通りに「エネルギーの粒子」に返
還され、たちまちゼロになります。
ですから、結局は、どの領域もエネルギーを得ることにはならないのです。
したがって、「エネルギーの粒子」は、空間にはエネルギーを与えないことにな
るのです。
別の言い方をするならば、「エネルギーの粒子」は、物体(または物質の実体)
にしかエネルギーを与えないもの、ということになるのです。
だからこそ、結果が遠隔作用の場合と同じになるのです。
これは大いに注目すべきことでしょう。

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128.空間の顔を立てるために…
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「エネルギーの粒子」という考え方によって説明できる現象とは、実は、空間が
関与してこない現象なのです。
ところが、空間が関与してこないのでは、近接作用の根拠が失われてしまいます
よね。
これは、近接作用にとっては、極めて都合の悪いことです。
立つ瀬がなくなります。

そこで、空間の顔を立てる(?)ために考案されたのが、エネルギーが粒子の形
態をなして空間を移動していく…という考えだったわけです。
これなら、空間は、電磁気現象に影響を及ぼさなくても、エネルギーや作用が伝
わる経路として存在価値が認められることになるでしょう。

でも、そこまでして、「空間」に忠義を尽くさなければならない義理は、どこに
もないはずです。
遠隔作用という別の選択肢があるのですから。

さて、「空間」に固執しないとなると、残る問題は、エネルギーや作用が伝わる
のに必要な所要時間の違い…ということになりますね。
遠隔作用の場合、所要時間はゼロです。
これに対し、「エネルギーの粒子」の場合は、その移動に時間がかかるため、所
要時間はゼロにはなりません。
この違いを解決する必要があります。

実を言うと、量子論(定説、近接作用)、すなわち、「エネルギーの粒子」とい
う考え方における所要時間には、意外なトリックがあるのです。
そこで、次回は、この「所要時間の問題」について説明いたします。

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 発行者 : tarkun(たーくん) mailto:tarkun2@yahoo.co.jp
 配信  : MailuX http://www.mailux.com/

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