メルマガ:仮想力線電磁気学
タイトル:仮想力線電磁気学  2005/01/15


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 N┃→          仮想力線電磁気学
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●第83回 第4章・遠隔作用と疑似近接作用(その13)

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さて、今回も遠隔作用と関連のある話です。
具体的には、前回の続きで、エネルギー配分が不平等になる話についてです。

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52.式を見れば明白
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前回、『場の理論』では、『作用をうけるもの』が『場』に影響を及ぼすことは
許されないという話をしました。
これは、『場』というものの定義を考えれば、当然のことと言えます。

たとえば、電荷qa が電荷qb からクーロン力(電気力)f を受ける場合を例に考
えてみましょう。
すると、御存知のように、

 f = - ( qa・qb ) / ( 4・π・ε・( r^2 ) ) 

ですから、電磁場を表す電界E は、

 E = - qb / ( 4・π・ε・( r^2 ) ) 

となります。
さて、この式を見ればおわかりのように、『作用を受けるもの』を表す項は含ま
れていません。
つまり、言い換えれば、電磁気作用から『作用を受けるもの』の影響を除いたも
のが『電界』すわなち『(電磁)場』なのです。
ですから、その定義からして、『作用を及ぼすもの』が『場』に影響を及ぼしよ
うがないのです。
したがって、『作用をうけるもの』が『場』に影響を及ぼすことは許されないこ
とになるわけです。

そういうわけで、『作用をうけるもの』が作用に影響を及ぼすような現象は説明
できないのです。
当然、「実在性ある『場』」なんてものを認めることもできません。

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53.全員揃わないとダメ!
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さて、『場』という考え方が通用しないとなると、問題を解く人間の側からすれ
ば、手間が増えることになります。
それは、問題の当事者が全員揃わないと問題が解けないことになるからです。

先ほどのクーロン力の問題を例にすると、こうです。

電界E は、電荷qa のことがわからなくても求まります。
つまり、電荷qb と空間のことがわかればいいのです。

これに対し、クーロン力f は、電荷qa のことがわからないと求まりません。
つまり、電荷qb と空間だけでなく、電荷qa をも含めた、この問題における全て
の当事者のことがわからないといけないわけです。
『場』という考え方が通用しないとなると、こちらの方法で解かなくてはなりま
せん。
一方、当たり前のことですが、当事者が全員揃わないと、全ての当事者のことを
知ることはできません。
ですから、問題の当事者が全員揃わないと問題が解けないのです。
手間が増えると言った意味が、これでおわかりでしょう。

もっとも、先ほどの問題は『二体問題』ですから、まだいいのです。
問題なのは、三体以上の『多体問題』の場合です。

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54.場は重ね合わせそのもの
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たとえば、物体Aが、二つの物体(BとC)から作用を受ける問題を例に考えて
みましょう。

『多体問題』を解く場合、『場の理論』では『重ね合わせ』という解法が使えま
した。
つまり、物体Bによって生じる『場』と、物体Cによって生じる『場』とを、そ
れぞれ個別に求め、両者を重ね合わせることで、物体Aから見た『場』を求める
ということが可能でした。
この場合、物体Bによって生じる『場』を求めるのに、物体Cや物体Aのことを
知っている必要はありません。
同様に、物体Cによって生じる『場』を求めるのに、物体Bや物体Aのことを知
っている必要はありません。
つまり、当事者である全ての物体(A、B、C)のことを知っている必要はない
わけです。

これに対し、『場』という考え方が通用しないとなると、当事者である全ての物
体(A、B、C)のことを知っている必要があるわけです。
このことは、ちょうど、『重ね合わせ』という解法が使えないことと対応してい
ることがわかるでしょう。

そこで気付いてほしいことがあります。
それは、
「『場』は、単位あたりに働く作用の『重ね合わせ』に他ならない」
ということです。
このことから、次のようなことが言えます。
『場』が実在性あるものであるためには、すなわち、『場の理論』が成り立つた
めには、『重ね合わせの理』が成り立たなくてはなりません。
『重ね合わせの理』が成り立たなければ、『場の理論』は成り立たず、『場』は
実在性のないものになります。

以上のことから、前々回(第81回)に述べた「重ね合わせ不可能」の話と、前
回(第82回)に述べた「場の実在性の否定」の話が、実は深い関連性のあるこ
とだったことが、おわかりいただけたと思います。

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55.ポテンシャルは無意味
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さて、『場』が実在性の無いものならば、空間にポテンシャルを定義することも
無意味であることになるでしょう。
前回、『場』に対しエネルギーを定義するのは無意味だと申し上げましたが、ポ
テンシャルとは要するに位置エネルギーのことですから、これは当然の帰結と言
えます。
もちろん、数式の上では定義は可能ですが、それ自体、何の意義も価値もありま
せん。
なぜなら、動的な電磁気現象では、『作用を受けるもの』が存在する場合と、そ
うでない場合とで、『場』の状態が違ってきてしまい、それ故、ポテンシャルも
違ってきてしまうからです。

逆に、重力やクーロン力でポテンシャルという概念がまだそれなりに価値がある
のは、『作用を受けるもの』の影響が無いからです。

困ったことに、マックスウェル電磁気学では、動的な電磁気現象にまでポテンシ
ャルを定義し考慮しているのです。
こんなことをすれば、事実と矛盾するのは当然でしょう。

重力やクーロン力の問題でも、ポテンシャルは計算上のテクニックぐらいに考え
るべきです。

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□■ ポテンシャルに関するちょっとした余談 ■□

ちなみに、マックスウェル電磁気学では、スカラー・ポテンシャルφと、ベクト
ル・ポテンシャル{A}という二種類のポテンシャルが定義されています。
そして、電界{E}、磁界{H}、電束{D}、磁束密度{B}の代わりに、φと{A}で電磁
場を表すことも可能です。
現に、φと{A}からなるマックスウェル方程式というのがあるくらいです。

そこで、電磁波を考える際、ある種の人たちは、φだけに注目し、これをもって
「スカラー波」と呼んでいます。(φは直接観測可能だが{A}は不可能ゆえ。)
これはどこかで聞いたことのある言葉でしょう。
そう、一時期、話題になった、あの白装集団、パナウェーブの理論です。
もっとも、これは、彼らの専売特許なんかではなく、超科学の世界では昔からも
てはやされていた概念なのです。
相対論や量子論は、場の実在性を絶対の前提とする理論ですから、そういう意味
では、こうした超科学と実は同じ類の理論なのです。
相対論や量子論の信者たちは、その種の超科学を疑似科学と批判しバカにして笑
いますが、そういう自分たちが信じている理論も実は「同じ穴の狢」なのです。

そういえば、ある狂信的な相対論&量子論信者の物理学者が、
「スカラー波って何ですか?」
というTV局の取材(質問)に対し、
「要するに静電気のことなんです」
と自信たっぷりに答えていました。
「静」電気では、「(電磁)波」にはなりませんよね。
何ともふざけた答です。
そんなものを放送するTV局もTV局ですが…。

ひょっとしたら、この物理学者は、パナウェーブの理論と、相対論や量子論との
共通点を悟られないようにするために、わざとこういういい加減な説明をしたの
かもしれません。
いずれにせよ、欺瞞に満ちた態度であることにかわりはないでしょう。

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 発行者 : tarkun(たーくん) mailto:tarkun2@yahoo.co.jp
 配信  : MailuX http://www.mailux.com/

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