メルマガ:ロジスティクス思考的経営話(物流話)
タイトル:■ロジスティクス思考的経営話(物流話)0064■業界に学ぶ!出版流通業界編/最新物流NEWS  2003/12/03


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 ―― THE BEST LOGISTICS MAIL MAGAZINE <Vol.64 2003/12/03> ――
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■■■■ ロジスティクス思考的経営話(物流話)0064 ■■■■
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   発行者:株式会社イー・ロジット http://www.e-logit.com/?64
     監 修:CEO 角 井 亮 一 magazine@e-logit.com
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━━ [ INDEX ] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 □                            □
 □1.今週の物流ヘッドラインNEWS           □
 □                            □
 □2.今回の物流話 「業界の物流に学ぶ【2】」      □
 □  〜出版流通事情とその問題点を考える〜/ 津崎 陽子 □
 □                            □
 □3.外国語なんて怖くない!一言レッスン【英語編16】  □
 □   英語で言えますか?→「この地域に詳しいですか?」 □
 □                            □
 □4.編集後記                      □
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│ □■1.今週の物流ヘッドラインNEWS
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◇= ニュースの詳細 =◇
└→ http://www.e-logit.com/logichro/?64

◇= 今週の注目物流NEWS =◇
● トラスコ中山/神戸に物流センター/納品の速度と精度向上
└→ http://www.e-logit.com/logichro/20031203.htm?64#01
● 文具卸3社物流で提携
└→ http://www.e-logit.com/logichro/20031203.htm?64#02
● 52店舗に発注支援システム/ジュンテンドー
└→ http://www.e-logit.com/logichro/20031203.htm?64#03
● ホロン/販売物流用のERPを刷新
└→ http://www.e-logit.com/logichro/20031203.htm?64#04
● 製造業用統合管理システム/JIP
└→ http://www.e-logit.com/logichro/20031203.htm?64#05
● 大連に合弁会社/アルプス物流
└→ http://www.e-logit.com/logichro/20031203.htm?64#06
● 給食大手6社食材共同購入
└→ http://www.e-logit.com/logichro/20031203.htm?64#07

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          ≪記事提供:物流経済新聞社「ロジクロ」≫
            http://www.transport.or.jp/logichro/
           お問い合わせはコチラ→ info@logi.jp

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│ □■2.今回の物流話 「業界の物流に学ぶ【2】」
│       〜出版流通事情とその問題点を考える〜
│                       / 津崎 陽子
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「若者が本を読まなくなった、加えて最近の漫画喫茶や大型古本書店の
増加。本当に儲からなくなってしまった」−−先日、ある書籍流通を手
掛けていらっしゃる企業の物流センターを見学させて頂いた際に耳にし
たコメントです。インターネットの普及などにより若年層の読書離れが
進み不景気のあおりを受けて出版業界を取巻く環境はますます厳しいも
のになりつつあるといいます。

今回は「出版流通事情」についてレポートさせて頂きます。出版業に携
わる方や関連する業種の方であれば既知の内容が多く含まれるかと思わ
れますが、書店や図書館といった接点しか持たないその他の業種の方に
興味を持って頂き「なるほど」と思って頂ける内容をお届けできました
ら幸いです。

ご存知の通り出版業界には大きく分けて3者のプレイヤーが存在します。
┏「出版社」 書籍・雑誌などを出版する会社。日本には大小含め
┃      約4,300社以上の出版社が存在すると言われています。
┃「取次業者」出版社の書籍を書店へ供給する販売会社のこと。
┃「書店」  出版社から出版された書籍・雑誌を取次ぎから仕入
┃      れ、消費者へと販売する店・企業。従来の実店舗の
┃      書店に加え、最近ではオンライン書店、コンビニ等
┗      もココに含まれるようになっています。
このように、書籍の流通は「出版」→「取次」→「書店」→「消費者」
という流れをとります。

この3者間の流通で特徴的な点が業界独特の販売制度です。
1つが再販制度。「再販売価格維持制度」が正式名称で、出版社が出版
物について販売価格を設定し、取次や書店でそれを徹底させることを指
します。他の消費財と異なり、どこのお店で書籍を購入する場合でも割
引が適用されることが無く、一律料金で販売されているのはこの制度に
拠るものと思われます。

もう1つが委託制度。ある一定の期間内であれば一旦仕入れた書籍を出
版社へ返品が出来る制度のことです。書店側の在庫リスクを軽減するこ
とで、書店により多種の書籍を置いてもらえる反面、出版社にとっては
実際の需要よりも多めに書籍を生産・供給する必要があります。

では、冒頭で記した業界を取り巻く問題点に話を戻します。
一体何が出版業界の不況の原因となっているのでしょうか。
ここでは3つのポイントに絞って考えてみます。
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●原因1.大型中古書店の急増:
1990年代初頭より、ブックオフ社を筆頭に大型中古書店の増加が著しく
みられるようになります。これらの店頭では従来の個人中古書店には並
べられなかった豊富な種類の、品質の良い中古書籍を手にすることがで
きるようになり、消費者にとって書籍購入場所の選択肢に「リサイクル
本屋」が加わったことで、従来の新品書籍の需要が減少し、業界全体の
低速化へと繋がっていると考えられます。
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●原因2.コミック・雑誌の売上低迷:
コミック・雑誌を専門に取扱われている大手出版会社の方にお話を伺っ
たところ、次のように話されていました。「コミックはピーク時から半
減漫画本も以前ほど売れない。ここ数年新たな販売方法として、過去の
人気作をリバイバルでペーパーブックで再出版したもの、文庫本化した
もの、さらにはハードカバー版で復刻させた豪華版のセットボックスな
どの売れ行きが好調だったが、これも一時的なブームに過ぎないだろう。
今後は更に厳しい状況になりそうだ」。
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●原因3.返品(委託制度)の負担:
業界平均の返品率は約30%。大型書店の増加により書店側が委託制度
を利用しその陳列スペースを埋めえる大量の書籍を仕入れ、頻繁に返品
するようになったことも取次ぎ、出版社の大きな負担となっています。
そのため「取次店では返品率によって書店毎の卸値を調整している」と
のお話をある出版企業の方に伺いました。
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●原因4.万引きの横行:
1店舗当たりの万引き被害額は、平均210万円と言われています。こ
れは年商の約2%に当たると言われ、粗利率が20数%と決まっている
書店にとって、特に街角の小さな書店にとって、死活問題です。
弊社代表の角井は書店経営に携わったこともあり、「特に小学生の万引
きは深刻だ」と言っています。
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以上の原因の背景には長引く不況の影響があり、消費者の書籍/雑誌の
買い控えに繋がっているということは確かでしょう。その反面「どうせ
一度読めば十分なのだから」と書籍を買わずに図書館で借りる、という
手段に切り替える人も増えているようです。最近、図書館へ足を運ばれ
た方ならばお気づきでしょうが、利用者が増加しているように思われま
せんか?

特に、図書館に陳列されている雑誌の種類の豊富さをみると頻繁に足を
運ぶ価値があると感じられます。これだけ多種類の雑誌が毎号欠かさず
取り揃えられていれば、わざわざお金を出して買わずとも閲覧すれば欲
しい情報は得られてしまう、と考えるのは当然かもしれません。それが
高額な専門誌となると尚更です。

しかしその裏で、書籍を販売することで生計を立てている作家や出版社
が国や図書館に対し「公共貸与権」(図書館の貸し出しに対して著作者
が保証金の支払を請求できる制度、ヨーロッパ諸国で実施されている)
の制定を求めているといいます。また、前述の大型中古書店や漫画喫茶
などの増加で新刊本の売上が激減しているコミック本業界では、漫画家
を中心に著作権の保護を訴えている。これらも出版業界が抱える問題の
一面です。

さて、物流的な視点で、今後の出版業界の姿を考える場合、1つは正確
な需要予測に即した商品供給を行える仕組みを業界全体で創り上げてい
くことが最大のポイントとなります。勿論、簡単な話ではありませんが
全体の30%を占めている大量返品を解消することで出版社側の負担は
確実に軽減されます。またこれは物流的な視点ではありませんが既存の
需要の増加が見込めない今、新たな販売経路の構築にビジネスチャンス
が眠っているとも考えられます。

出版各社はオンライン書籍、オンデマンド出版など、新たな書籍販売に
取り組んでいると聞きますが、まだどちらも消費者にとっては馴染みの
薄いものです。(これらが日常的に利用されるようになった場合、取次
企業は一体どのような役割を果たすようになるのでしょうか?)
今後の動向にも注目していきたいところです。

追記:最近、書店での万引き増加問題が新聞紙上でも頻繁に取り上げら
   れています。その解決策として注目を集めているのが、以前にも
   当メルマガで解説させて頂いた「RFID」の導入。現状ではコ
   ストの面で導入企業にとっての負担が大きく、費用対効果を考え
   るとまだ一歩引いてしまうといった声が聞かれますが、今後多く
   の企業での採用されるであろうという点には疑いが無く、大量生
   産によるコストダウンが期待されるところです。

 ◇……今回の「物流話」へのご感想・御意見はこちらまで!……◇
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       └─→ magazine@e-logit.com

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│ □■3.外国語なんて怖くない!一言レッスン【英語編16】
│     英語で言えますか?→「この地域に詳しいですか?」
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◇ 今回から「トラブルに遭遇した時に役立つ英会話」シリーズをお届
  けいたします。初回の今回は「道に迷った時」に使えるフレーズを
  いくつか御紹介致します。

※ 下記の日本語のフレーズを英語で言い換えて下さい。
  (回答例は編集後記の後に記載しております)

 ────・・───・───・・───・───・・────

〜道に迷った時に役立つフレーズ〜
  1.道に迷いました。私はいまこの地図のどこに居ますか?

  2.プラザホテルへ行く道を教えて下さい。

  3.ここからの距離はどのくらいありますか?

  4.これは何という通りですか?

  5.地図を描いてくれませんか。

  6.このあたりに詳しいですか?

 ┏─━─━─━─━─━─━─┓
 │ 気になる物流専門用語は? │ RFID、VMI・・・って何?
 ┗─━┬━─━─━─━─━─┛
    └─→ http://www.e-logit.com/words/?64
         (無断リンクがOKな用語集です)

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│ □■4.編集後記
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◇ こんにちは!早いものでもう師走に入りました。
  読者の皆様、如何お過ごしでしょうか?
  物流業界ではどこも超繁忙期に入り、息つく暇もないなんて現場も
  多いのではないでしょうか。

◇ ところで去る12月1日が何の日だったかご存知でしょうか?
  答えは世界エイズデー。一頃のようにHIVについての情報が頻繁
  に伝えられることは無くなりましたが、依然としてエイズを完治で
  きる特効薬が見つかることもなく、今も世界には苦しみ続けている
  方が多く存在しているのが現実なのです。

◇ などと言われても、どこか遠い国の話のように聞こえますよね?
  しかし、私たちにとっても実は他人事などではないのです。
  日本は先進国で唯一、いまなおHIV感染者数が年々増加している
  国なのです。多くは10代20代という若い世代の感染で、正しい
  感染ルートや予防法についての知識不足が原因だと言われています。

◇ HIVの問題のみならず、若年層による殺人事件の増加や自衛隊の
  イラク派遣問題など、近頃本当に命というものの重みが薄れてきて
  いるように感じられるのは気のせいではないと思います。12/1
  にそんなことを改めて真剣に考えさせられました。

◇ それでは、次号の物流話もお楽しみに。

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≪外国語なんて怖くない!一言レッスン【英語編16】回答例≫
 ※あくまで下記は回答の一例です

〜道に迷った時に役立つフレーズ〜
  1.I've lost my way. Where am I now on this map?
   (道に迷いました。私はいまこの地図のどこに居ますか?)
  2.Could you tell me the way to the Plaza Hotel?
   (プラザホテルへ行く道を教えて下さい。)
  3.How far is it from here?
   (ここからの距離はどのくらいありますか?)
  4.What street is this?
   (これは何という通りですか?)
  5.Could you draw me a map?
   (地図を描いてくれませんか。)
  6.Are you familiar with this area?
   (このあたりに詳しいですか?)

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