メルマガ:運ちゃんのひとりごと
タイトル:運ちゃんのひとりごと 5月1日号  2005/05/01


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                          運ちゃんのひとりごと

         2005/MAY/1ST  総購読者数 832名
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         今日現在までの走行距離133,566km
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 皆さんこんにちは、あさやんです。
 今週はすごい鉄道事故が起こりましたね。
 JR福知山線の快速電車が脱線横転し、多数の死者や負傷者が出ました。
 ニュースの説明を聞いているとなにやら私らの業界の話とダブるような気がして、
つい採りあげたくなりました。

 根本的に違うのは、ハンドルを握って意のままに操るトラックと線路上を軌道ど
おりに走る電車ということくらいでしょうか。
 あとは共通していると思います。
 今回の主な事故の原因としては、前の駅でオーバーランして停車し、逆走して
戻ったがために時間が余分に経過してしまった。

 1分半程度ということでしたが、その時間を取り戻さんがために、運転手は速度
を上げて走行していた。
 直線ではある程度の無理もきいてくれたのでしょうが、カーブに差し掛かったとこ
ろで何を考えたか運転手はブレーキを、それも急ブレーキをかけたそうな。
 その結果、電車はバランスを失って脱線してしまったというところでしょうか。

 過密ダイヤで元のダイヤに戻さなければならないという焦りがあったのでしょうが、
元を正せばオーバーランといううっかり。
 この時点ですでにミスを犯しているわけです。
 舞い上がってしまったというか、会社からの罰が怖かったというところでしょうか。

 ここで皆さん考えてみてください。
 皆さんが高速道路を走行していて、100km/hで安定走行をしているとします。
 どう考えてみても、目的地での待ち合わせ時間に間に合わないとわかった時に
どのような対処を考えますか?
 誰もが速度アップを考えますね。

 1分半程度の遅れであれば、130km/h位でかっ飛んでいればすぐに取り戻せる
さと考えることでしょう。
 この運転手も多分そう考えたのでしょう。
 修正可能な範囲内(今時の表現では想定の範囲内とでもいうのか)だと。
 ところが線路という軌道上には直線だけではなく、カーブもあるのです。

 ニュース上の話によれば、直線での限界速度は130km/h位であって、そこまで
出すと脱線の可能性が高くなる。
 カーブにおいては70km/h位までその限界が落ちるらしい。
 そんな理論的なことを知っているにもかかわらず、無理な走行をしてしまった。

 それにも増して、この運転手の過ちはカーブにおいて急ブレーキをかけてしまった
というところ。
 このあたりに運転手の時間に対する焦りというものがみえますね。
 何台もの車両が連なって走っている電車は、それぞれが協調してバランスを保
っている。

 だからその一台でも違った動きをすれば、すぐさまバランスを失って今回のような
脱線事故を引き起こすことになるのである。
 トラックに例えると、トレーラーですよね。
 特にフルトレーラーといわれる、前が普通のウイング車で後ろにもウイングの箱車
がくっついたようなやつ。

 あれって、カーブで急ブレーキなんか踏んだりすると今回のような危険な状態にな
るそうです。
 そうでなくても、普通に走行していてカーブに差し掛かると前と後ろで違った方向
にベクトルが働くので、後ろから前の車両に対して押されるような現象にもなるらし
いです。

 だからトレーラーは怖いんです。
 かわいいお嬢さんが近頃はトレーラーを引っ張っていますが、そんなことを承知の
上でやっているのかどうか、甚だ疑問です。
 馬鹿にトラックは転がせないという理由はこの辺りにあるのです。
 物理のお勉強の成果はこのあたりに発揮されるのですよ。

 だから学校の勉強というものは無駄なものではなくって、ちゃんと社会に活かされ
ているのです。
 運ちゃんを馬鹿にしないでくださいね。
 そして運ちゃんという職業を一生やりたいと考えている学生さんなどは、物理だけ
はしっかりとやっておいてください。

 最後に亡くなられたご遺族の方々には、当然のことながら納得のいかない事故
であったことでしょう。
 二度とこのようなことのないように。
 ご冥福をお祈り申し上げます。

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 【運ちゃん業界を斬る!】

 題目:運ちゃんの走りは、荷主の業績に影響を与えるか?

 なんかもう少し書きたくなったので、今回もこの話題でいきます。
 いま時期的にでしょうか、引越し便のトラックがよく目に付きますね。
 あっちこっちと忙しなく走っているみたいです。
 この引越し業界も過当競争みたいで、運賃の競争が激化しているようです。

 私も何度か引越しの経験はありますが、お蔭様で運送会社にばかりいた関係
上、会社がトラックを貸してくれましたので、その必要がありませんでした。
 まあそれはともかくとして、これらの引越し便の運転を見ていて感じることはあり
ませんでしょうか。

 箱を見ているとやれ、『まごころで運びます。』とか、『エコロジーの引越し』とか、
動物の絵を描いて子供の心を掴もうとでもしているのでしょうか、可愛い模様の
ものが多いですよね。
 だけどその運転がどうも雑なような気がしてならないんです。

 他人様の荷物を運ぶ際に箱が傾くような運転をして、それでどうしてまごころの
運転になるのか、その運ちゃんをトラックを止めて聞いてみたいくらいです。
 運ぶ家財道具はその家族の思いの品々がいっぱいあって、お金で弁償できな
いようなものもいっぱい含まれているんです。
 それなのにハンドルに鬱憤を撒き散らすような運転をしてなんだこいつら。

 直接関係ないけど、考えてもらいたいよなぁ。
 引越し業界に限らず、運ちゃん業界って結構大変なんですよ。
 いままでならば、運送中のジュースがつぶれてダメになっても弁償するとか、交
換で済んでいたものが、いまでは交換はおろか買い取ることすらできない。
 なんでもロット番号やら、書類上の問題があるとかでできないらしい。

 これからどんどん流れてくるビールなんかも特に厳しいらしい。
 あれってアルミ缶だから、ちょっとの凹みがものすごいクレームに発展するらしい。
 出入りしている運送会社としてのペナルティーになるらしい。
 『弁償すりゃ良いんだろ!』と気安く言える時代はすでに過去のこと。
 失敗が許されないんですわ。

 人間には常に感情というものが働くわけなんですが、この感情というものを如何
に抑えられるかが今後の運ちゃんをしていく条件になると私は思います。
 悔しいときにどれくらい笑っていられるかが勝負になります。
 竹中直人のデビュー当時の芸を思い出してください。(笑いながら怒る人)
 あれを現実に演じなければならないんです。

 運送会社の経営者の方へ、

 運送会社として繁栄させたいと考えるならば、テレビやラジオのCMを流すことを
考える前に己の運ちゃんの運転をもっと上質なものに変えていくことのほうが効果
ははるかに大きいといえます。
 だけどそれは単に速度を抑えるということではなくって、マナーを向上させて本当
の意味でのサービス運転手を養成することを会社として取り組んでいく姿勢です。

 ただ単に締め付けるだけが教育ではない。
 出すべきものを出して、それに対してそれ相当の仕事をしてもらう。
 出すべきものを出さないから、人は苛立ちミスも出るのです。
 飴と鞭は現代にも通用するものです。
 給料をカットするだけでは、何の解決にもなりはしませんからね。

 運ちゃんの不満はやがて、中国で起こったデモのように発展するかもしくは、優秀
な人材の流失を招きます。
 結局は運送会社の財産は新しいトラックではなくって、優秀な運ちゃんをどれくら
い確保できるかにかかっているんです。
 
 どうぞよろしくお願いしますね。
 
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 【ETCが愛しいのコーナー】

 深夜割引がこの業界ではすでに浸透しつつあるということを前回書きましたが、
 それを一般の方が確認したければ、午前0時前に料金所のゲートをくぐるトラ
ックが如何に減ったかを見ていただければ一目瞭然です。
 関係なく料金所に来るのは、どれもがETC未装着のトラックです。
 今後は更にこのような時間的な動きというものが増えてくるものと思われます。

 今回は通勤割引を採りあげることにしましょうか。

 http://www.jhnet.go.jp/commutation_discount/

 このサイトを見ていただければ、わざわざ私が説明するまでもないでしょう。
 そういうことなんです。
 早い話が都会ではダメなんです。
 JHは適用範囲を大都市近郊区間に限ると表現していますが、この割引サー
ビスは地方での高速道路の有効利用を促進するものです。

 だけど一般道を走っても、高速を走ってもさほど時間が変わらなければ地元
の人たちはまず高速には乗りませんよね。
 ということでこのサービスは、早く家路に着きたい県外の越境通勤者が恩恵を
受けられそうなもののようです。

 私はもともと、働く会社は自分の家から近いところにあるのが良いと考えていま
すから、このようなものを私的に利用することはありえませんが、なかにはおられま
すね。
 何でこんな遠くから来ているんやろうかといえるような人たちが。

 そういう人たちが使うものであるということと、我々長距離の運ちゃんが部分的
にこの大きな割引の適用を受けようとして利用すること。
 なんたって5割引ですからね。
 うまく利用すればこの割引も使えます。

 つまりこの通勤割引というやつは、地方の高速道路の稼働率向上を目的とし
たものなんですね。
 ただいくら5割引とはいっても、いままで一般道を走っていた人にしてみれば確
実に財布から出ていくわけですから、どのくらいの恩恵を受けられるかが焦点とな
りそうですね。

 地方において、時間をお金で買うような道路がどれくらいあるかですね。

 それではまた、次回ということに。

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