メルマガ:運ちゃんのひとりごと
タイトル:運ちゃんのひとりごと 6月13日号  2004/06/13


----unchan-unchan-unchan-unchan-unchan-unchan-unchan-unchan----

                     運ちゃんのひとりごと

  2004/JUN/13TH 第163回(mag2は-100回)、melten88回、e-mag66回
              購読者数 760名    posbeeは第33回
          今日現在までの走行距離44,566km
----unchan-unchan-unchan-unchan-unchan-unchan-unchan-unchan----


 皆さんこんにちは、あさやんです。
 雨ばっかり降っていますね。
 まあ梅雨だから仕方ありませんが、この時期屋根のないトラックに乗っている
者として、とても天気が心配になります。

 会社には雨男と称する、近づくと必ず雨に降られる人もいたりして、この時
期に限ってはいっしょに働く人も選ばないと大変なことになります。
 これは冗談で書いているわけではなく、ほんとそうなんですよ。
 私が今の会社に入ったときの同じ種類のトラックに乗るリーダーの人が典型
的な雨男でして、この人と共に行動したりするときには注意を要します。

 ウイングに乗ればいいのに、なぜかその人は長年屋根なしのトラックばかり。
 本人も自分が雨男であることは承知しているようで、天気予報は毎日見てい
てすべて把握しています。
 なんで雨の日にこんな荷物を積ませるんだといつもカリカリ。
 梅雨の時期には、要注意の人物とされています。

 雨を呼ぶ男。
 なんか菅原文太みたいで格好いいといえば格好いいですが。

 私はといえば、晴れ男で通っていました。
 あれっ?
 過去形ですねぇ。
 晴れ男だったんですよ。今までは。
 でも最近は、ダメですね。

 けっこう雨に降られています。
 雨が降った日というのは、とても一日が長く感じられますね。
 普段の日ならば、シートを掛けるのは荷物を積んだときくらい。
 それが雨が降った日は、屋根から違う屋根に移るときにもいちいちシートを
掛けなければならない。

 こんな作業でもけっこう手が痺れるんですよね。
 雨に降られてからだ全身が濡れてしまうというのは、体温も奪われるし、体力
も意外と消耗しているものなんです。
 それに濡れた荷物をつかんでいると滑ったりするので余計に力が入り、握力
がなくなって手や指が麻痺してしまうこともあります。

 こんなときに風邪を引きやすいのです。
 雨に濡れたときと、汗をかいたときの両方の着替えを用意しておかなければ
ならないから、この時期はとても大変です。
 汗といえば、私は大の汗っかき。
 シャツがすぐにびしょ濡れになり、いくらシャツがあっても足りません。

 でも、そんなときの冷たいジュースの一杯はとてもおいしい。
 こんな仕事をしている者の唯一の楽しみかな。
 だけど、同じような仕事をしていて、ほとんど汗をかかない人というのも実際に
はおります。

 『なんでそんなに汗をかかないの?』

 と言いたくなるくらいに汗をかかないものだから、そんな人といっしょに荷物を
降ろしたときには、その人に状況を聞くことにしています。
 でもそんな人に聞いてみると、

 『いやそんなことないよ。しっかり汗はかいているよ。かき方が違うのかな。』

 というような返事が返ってきますね。

 たとえば、同じところに2台荷物を持っていって、片やトレーラー、もう1台は
10トン車という組み合わせで、よーいドンで同時に荷物をおろしはじめると、
私が荷物をおろす頃にはトレーラーのほうもおろし終っていることが多い。
 私のおろすのが遅いというのもありますが、トレーラーのほうが速いというの
が特筆できると思います。

 これは実際にあることで、私の二倍の速度でトレーラーの運ちゃんが荷物を
おろしているという事実。
 いやはや恐れ入りました。
 でもそれくらいでないと、トレーラーを毎日引っ張ってはいけないんですね。
 やはり最後に頼りになるのは、体力なんです。

 だけど、パレットやフレコンばかり運んでいるようなトレーラーの運ちゃんを
みると、俺もけん引取るから紹介してよと思わなくもないです。
 楽な仕事で金になるなら、私の生き方であるところの細く長くに通じるのでは
ないかと考えております。
 どこかいい仕事ないかなぁ。
 
-------------◆---------------◇---------------◆-------------

【世の中の実情を考える】

 世の中には運ちゃん嫌いの人というのもけっこういるようで、よくこんなことを
聞きます。

 『運ちゃんなんて、人間の屑だよ。ろくなことしてないね。』

 なんてね。
 運ちゃんのイメージというのは、

 『学生時代に勉強ができなかったから、こんな仕事しかできない。』

 とか、

 『人と協調して仕事をすることができないワンマンな奴だから、あんな仕事し
か勤まらないんだよ。』

 とか、

 『不器用な奴だから、わっぱしか握れないんだよ。』

 なんて聞くことが今までありました。
 たしかに、学生時代に勉強ができたならば、運ちゃんになろうだとは思わなか
ったであろうし、協調性がある人ならばまわりにたくさん人がいるほうが楽しいで
あろうし、器用な奴ならばもっと楽な人生を歩むこともできるであろうし。

 こんなことを考えていくと、運ちゃんという仕事は社会のなかでどのような位置
にあるものなのでしょうか。
 私は景気のよい時代に学校を卒業し、当時は人もうらやむ大企業に就職しま
した。
 学校で学んだこと、やりたかったことがそのまま社会で使えた。

 そんな理想的とも言えるような仕事に就くことができました。
 ですからそんなときに、この『運ちゃん』という職業のことはこれっぽっちも考え
てはいませんでした。
 他の業種についても同様です。
 だけどどうだろう。

 だからといって、勉強のできない人がやっている仕事だとは当時の私は思わ
なかったね。
 ただ、気性の激しい人がやる仕事だとは思っていましたがね。
 陸の運ちゃん、海の船乗り。
 事実、そんな人がこの業界には未だ多いような気がしますね。

 先日こんなことを見る機会がありました。

 夜、目的地に向かって走行中、前方にトレーラー(台車)から左右にはみ出し
てコンクリートブロックを積んで運んでいるトラックを発見しました。
 そのトレーラーは、横に荷物がはみ出しているということで対向車や他の障害
物に気を配りながら走っていました。
 だから当然ですが、レジャッコや一般のトラックからすれば煙たい存在です。

 追い禁だし、市街地であったので、みんな我慢してついていっているという雰
囲気がよくわかります。
 訳もなくペースを乱されています。
 その後、車線がひとつ増えて片側二車線になりました。
 みんな待ってましたとばかりに、そのトレーラーをまくり始めました。

 車線が増えるところは上りこみでその時点では思いのままに後続車がまくって
いけました。
 ところがどうでしょう。
 下りに差し掛かったのをいいことに、そのトレーラーは一気に加速を始めました。
 するとどうでしょう。

 並みのレジャッコと対等にスピードが出るではありませんか。
 これじゃ、まくることはできません。
 でも今までのイライラを一掃するために、どうしてもこのトレーラーだけはまくって
おきたい。
 そんなふうに考える人が私は普通だと考えますし、実際そのようになっていた。

 そんな気持ちが自分ではわかっているつもりだから、もし自分で引っ張ってい
るなぁと感じたら、まくり易いところで道を譲ってあげるんです。
 でもそんな運転をしているトレーラーの運ちゃんというのは、やっぱり私が期待
するようなことは考えていないようなんですね。
 だから嫌なんだよ。

 スピードが出ないのは、単に荷物のせいだよ。
 出るときにはしっかり出すんだ。
 俺はけっしてゆっくり走りたくて走っているわけではないんだよといわんばかりの
運転を見た時点で私も呆れましたね。

 重いものを運べば運ぶほど、道の流れからは遠く及ばなくなっていくものです。
 それが自分では自分のトラックが50km/h程度出ていて速いという認識であって
も、周りからすれば、それは遅いに決まっています。

 必要以上に70も80も出すようなクルマには気を遣う必要はありませんが、そこは
やはり周囲への配慮というものも必要ですよね。
 譲るべきところでいっしょになって速度を出すようなトレーラーは、結局はやんち
ゃをされて睨まれる結果をたどるということは誰から見ても明らかですね。

 自分が流れについていっているのか否かの判断は、私はこのような判断基準を
もっています。
 それは、重いものを運ぶ人ほど最高速度でのスピードでものごとを判断する傾
向があるのに対して、レジャッコ等の動きのよいものに乗っている人ほど、そのとき
そのときの瞬間でのスピードを持ち出してくる傾向が多いということ。

 平気で流れを遅くする人と、異常にイライラしている人とが同居しているところで
すよ、この道路というところは。
 だから事故というものは、無くならないんです。
 高速道路において、レジャッコがトラックゾーンをずっとトラックと歩調をあわせて
走ることのできる人ばかりならば、この世は事故の無い時代になっているはず。

 『じゃぁ聞くが、あさやんにそんなことができるのか?!』

 と聞かれたときに、私の答えはこうです。

 『できません!』

 こう答えるでしょう。
 トラックとはいっしょに走ってはいられませんよ。
 でも、高速道路でトラックは左を走りなさいという決まりになって、レジャッコは高
速道路を走りやすくなったのかといえば決してそうではない。
 レジャッコにはレジャッコで、ゆっくりと追越車線を走る人がいるからです。

 だからトラックをいくら左側にひきつけるようにしても、事故というものは減るわけ
がないんですよ。
 その結果の究極が、速度だけを出なくしてしまえばすべてが解決するだろうと
いうことになったわけですが、肝心のレジャッコのほうが伝家の宝刀を表に出して
のやりたい三昧。

 レジャッコとトラックの関係はいたちごっこ。
 第二東名が完成したならば、それはたぶんレジャッコ専用道路になる可能性
があります。
 なんでも、今までの東名よりも速度が出せるらしいじゃないですか。
 でも怖いなぁ。

 いま以上に、悲惨な事故が今後いっそう増えるでしょうね。
 なぜか?
 エンジンのパワーだけアップして、足回りがついていっていないから。
 特に国産車は。

 最近ようやく、西欧車が使用しているような強力なブレーキを装備するようなも
のも出てきてはいますが、他の多くはまだまだ馬力偏重主義。
 要は、売れればそれで良いというような発想。
 同じ180km/hを出したとしても、国産車と西欧車とでは安定感がまるで違いす
ぎます。

 国産車って、ブレーキが効かないしね。
 恐ろしいくらいに効かないです。
 こんなんでかっ飛んでいる人の気が知れないですよ、まったく。
 今のご自分の危険な状態を早く知ることが、長生きすることに直結します。
 早く自分にあった運転リズムというものを体得するようにしてくださいね。

-------------◆---------------◇---------------◆-------------

【あさやんの運ちゃんクイズ】

 セメント・ミキサー車がセメントを満載して頭から民家に突っ込んでいきました。
 どのような悲惨な姿が想像できるでしょうか。

 忘れなければ、次回にでも答えを述べていきましょうか。
 それではまた、次回ということに。

  ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆    ★

 【発行者】

 あさやん owner@asayan47.com

 サイト http://www.asayan47.com/unchan.html

       -----(ここに広告を載せることができます。)-----

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。