メルマガ:運ちゃんのひとりごと
タイトル:運ちゃんのひとりごと 7月19日号  2003/07/20


----<あさやんから皆さんへ>-----------------------------------
毎日変化のない生活にお困りのあなたへ
コツコツと何かやりませんか?
私がやっていることをぜひあなたにも楽しんでもらいたい。
http://wwa.irias.co.jp/i.asp?WCI=Rule&WCE=67821
----------------------------------------------------------
----unchan-unchan-unchan-unchan-unchan-unchan-unchan-unchan----

                     運ちゃんのひとりごと

  2003/JUL/19TH 第130回(mag2は-100回)、melten55回、e-mag33回
              購読者数 674名

          今日現在までの走行距離969,846km
----unchan-unchan-unchan-unchan-unchan-unchan-unchan-unchan----


 皆さんこんにちは、あさやんです。
 しかしまあ、雨ばっかり降ってますねぇ。
 梅雨ってこんなに長かったんですかねぇ。
 ジャパン・マネーでこの雨を干ばつの北朝鮮に降らせてあげたいものです。
 テポドンが湿気て飛ばなくなるくらいに雨を降らせてあげたいものです。

 ところで前回も書きましたが、最近私のまわりではトレーラーの事故が目立っ
て増えています。
 それも横転事故。
 ひとことでトレーラーといっていますが、通常シングルデフのトラクターの組
合せでタイヤが14本、ツーデフで18本のタイヤがあります。

 知らない人はこれだけのタイヤがあると、かなり安定性がいいのだろうと思う
のでしょうが、ところがどっこい、からっきしなんですね。
 ひとくちにトレーラーと言っていますが、正確には前の首振りの部分をトラク
ターと呼び、後ろの台車の部分をトレーラーと読んでいます。

 でその連結をする台座の部分をカップラーと読んでいます。
 トレーラーの頭がトラクターのカップラーに連結されているわけですが、後
のトレーラーのみについて考えると、前は一点だけで後はタイヤが8つ(12の
場合もある。)で構成されています。

 前は一点だけですから、当然安定感は悪いですね。
 この安定感の悪さでどこでも走らなければならないわけです。
 トレーラーの事故は、この安定感の悪さをどこまで運ちゃんが認識している
のかいないのかということにかかっていると考えられます。

 さてここで問題です。
 トレーラーの前から後までのなかで、どこの部分がいちばん荷崩れしやす
いと思われるでしょうか。
 答えはいちばん前です。

 そのわけは、トレーラーの前はカップラーで一点により支えられているだけで
単純に考えるとその部分で揺ら揺らしているわけです。
 もっともこれに対する対策はメーカーがとっているわけではありますが、完全
ではありません。

 慣れた運ちゃんほど、前の部分の荷締めの強化を考えるのだそうです。
 私が最近見たトレーラーの横転事故ですが、中央分離帯を乗り上げて安定
感を失った末に横転したというものと、交差点で急に頭を振って横転したという
ふたつの事故です。

 前者の事故は交差点通過付近で、クルマが出てきたのか右折車でしょう。
 それを避けようとして、誤って分離帯に乗り上げたということが考えられます。
 トラクターの頭を急に振れば、それだけその動きが後にも伝わります(特にトレ
ーラーの前付近)ので、当然ながらトレーラーの前付近は不安定になって、
荷物の慣性で今度はトレーラーのほうが持っていかれることになります。

 後者の事故は、トラクターの向きとトレーラーの向きとの角度が例えば90度
に曲がっていたとすると、どのような動きが予想されるかということです。
 走行中にこの状態でフットブレーキを踏んだとすると、間違いなくトレーラー
がトラクターの後ろを押すかたちになりますので、簡単にジャックナイフ(くの字
)になると考えられますね。

 このような状態が起こるのか。
 鋭角なところを曲がるとそんな状態になりますから、よく出くわす場面だと思
います。
 これに他の要因が入ってくると、さらに事故の可能性が高まりますね。

 頭(トラクター)を思い切り振っている状態がトレーラー車のいちばん危なくて
不安定な状態だということです。
 昔、オート三輪というトラックがありましたが、理屈はおなじです。
 前が一点ですから。

 最近、うちの会社に入ってくる人のなかには、牽引を持っている人が少なく
ありません。
 ということは、トレーラーも視野に入れて運ちゃんをしたいとがんばっている
人が多いのでしょうが、トレーラーの特性というものは牽引免許の取得をした
ことのみでは理解は得られません。

 昔いた会社に唯一ひとりだけトレーラーの運ちゃんがいましたが、その人は
トレーラーのうんちくを会社内から得ることができないので、積み込み先で乗
っているトレーラー運ちゃんに片っ端から話しかけていって、いろいろと教わ
っていったということです。

 そこの社長はろくに給料を出さないシブチン野郎でしたが、トレーラーに関
してはとても神経的に扱っていたことを思い出しました。
 雪の降るようなところの運送会社のトレーラー運ちゃんっていうのは、瞬時に
生命の存続に関わる判断をひとつの操作で要求されるくらいのシビアな時が
一度や二度は皆さんあるはずです。

 これは誇張した表現では決してなく、ジャックナイフという現象がその運ちゃ
んの運転だからおきるという事故と、誰が運転しても事故がおきるという気象
条件から来るようなものとがあります。

 私は思うのですが、トレーラーの特性を学べる場が今の日本の研修施設に
はほとんどありませんよね。
 それなのに、みんなよくもまあ事故らないで走っているなぁって感心している
ところなんです。

 運送会社も行政も運ちゃんを締め付けることばかり考えずに、スキルアップを
図るように仕向けてはもらえないでしょうかね。

 トレーラー運ちゃんスペシャリスト決定戦なんてね。

-------------◆---------------◇---------------◆-------------

venusさんからはこのようなメールをいただいております。

--------------------------------
あやさんこんにちは、

斜め読みのメルマガが多いのですがあやさんのメルマガは何時も読むのが
楽しみです、
何だか私と考え方がとても似ているようで心温まる記事が多いのです、
こんな老人から持ち上げられても気持ち悪いだけかもね! ゴメン

退院おめでとう御座います、胆石の方はもう大丈夫ですか?どうぞご自愛の
程を。

私も車に乗るのが大好きですが(勿論プロの経験は有りません)数年前に*
売りツアーで東北四大祭りに参加しました、
褒めるのだから会社名を書きますが、羽田から乗った箱根登山バスの運転
手さんは実にプロ中のプロだと感心しました、
毎日の渋滞に次ぐ渋滞の中、実に心穏やかにツアーを楽しませてくれました、
それに宿に着くのは毎日が深夜日付が替わってからなのに早朝より気持ち
良く接して呉れました。

深夜に追い越されたトラックにサイドミラーを持って行かれたりアクシデントも
有りましたが
乗客に不快感を持たせないように気を遣っていました、
何かあやさんとイメージがダブって感じられました、どうぞ頑張って下さい。
--------------------------------

 venusさん、どうもありがとうございます。
 病気のほうはなんとか完治したと書きたいところですが、なんかでも自分で
はまだ下腹部の痛みが残っているというのがほんとのところなんですよ。

 仕事が暇なので、ぼちぼち仕事をしていますよ。
 バス旅行って、みなさんバスに乗車中に事故った経験のない人のほうがほ
とんどでしょうから、あまりピンとこないことかもしれませんが、最近は意外と多
いみたいなんですね。

 なにかといえばすぐにトラック乗りは悪者の代表に担ぎ上げられますが、バ
スの運ちゃんもすべて優秀な運ちゃんばかりともいえないわけなんですね。

 これはその運転手の素性とかを知らなくても、運転をしばらく見ていればすぐ
に見抜けるものなんです。
 乗客を荷物同然に扱っていると思っていればそういう運転になっているし、
『おっ、なかなか気を遣っているなぁ!』と思うところがあれば、やはり乗ってい
ても安心できるということです。

 よく予定に間に合わないからといってバンバン飛ばすバスがいますが、あれ
はどうなんでしょうかね。
 バスって急ブレーキを踏んではいけない代表格の乗り物だと私は解釈して
いるのですが、まったくもって無防備なバスが多いのには驚かされます。

 結局は人間がハンドルを握っているわけですから過ちはつきものですし、い
くら高速の最高速度が乗用車と同じ100km/hに決められているからといって、
ぶっ飛ばしていいというものではありませんよ。
 まともなバス会社は、そのバス本来の法定速度を考えずに80km/hなどに設
定しているところもあります。
 乗る時点でバスを選ぶことができると良いのですがね。

 運ちゃんの世界では大型二種という免許は憧れの免許なのではありますが、
人間には過ちがつきものですし、魔がさすことも一生のうちでは何度もあります。
 事故ったときにその証人が50人程度いるということを常に考えて運転すれば、
めったな運転はできないはずです。

 だけどなあ、銀行員がお金を単なる紙切れにしか考えないというのと同様に、
バスの運ちゃんも単なる頭数程度にしか考えていないというのが普通かもしれ
ませんね。

 バス旅行で楽しかったと思うときは、やはり移動中の疲れが少ないときでしょう。
 バスってシートが狭いから、案外疲れますよね。
 そんな狭い空間で、ゴーアンドストップをやられちゃたまったものじゃありません
よ。
 だからバスの運ちゃんって、ある程度の人間のできた人じゃないと立派には
勤め上げられないと思うのです。

 あとアイドリングストップのことですが、バスってSAやPAに停車しているときにエ
ンジンを止めないですよね。
 中が暑くなるからと言うかもしれませんが、バスのそばを歩くときに結構煙いとき
があります。

 トラックと同じ軽油を使っているのですが、なんかバスの排ガスって特有の匂い
がしますよね。
 バスの場合はNoxとか排ガス規制は関係ないのかな。
 勉強不足で調べてはおりません。

 近頃のトラックを見ていると、相変わらずアイドリングをして寝ているトラックがあと
を絶ちませんが、それでも排ガスはというとこれが結構綺麗なんです。
 臭くないし、煙も少ない。
 どこもいじっていなければ基本的に音は静かだし、今トラックでいちばんうるさい
のは二トン車じゃないかなって思いますね。

 最近、大手のバス会社で無免許の状態で乗務していたのが発覚し、それが巷で
大問題になっていますが、あれも事故らなければ発覚しなかったことなんでしょ?
 会社ぐるみで隠したというじゃありませんか。

 免許をいままでもっていた人でも、その免許が切れた状態で乗務していればそれ
は無免許ですから、これはそれ相当の処分を受けるんでしょうね。

 運送会社だとどうなのかな。
 運ちゃんの免許証の有効期限なんかは、交通安全協会や運転免許センターあた
りから更新の案内とかが届くので、うっかりして切らすこともそうはないのでしょうが、
運送会社が車検の切れたトラックを知らないまま走らせているというのは案外あるこ
とかもしれませんよ。

 これなんかも、いちどマスコミがその情報を掴んだりすると、大変なことになるんで
しょうね。
 ずさんな仕事をしている会社は要チェックです。
 venusさんのメールを見ていたら、私もバス旅行がしたくなりました。
 まだ妻を連れて、国内旅行らしいことをしていないんですよ。
 近場ばっかりでね。

 余談ですが、うちの会社に大型二種を所持している人が一時期勤務しておりまし
たが、あまりに事故や仕事のミスが多いのでクビになりました。
 こういう人がもし観光バスを運転していたとしたら・・・。

 それではまた、次回まで。

  ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆    ★

 【発行者】

 あさやん owner@asayan47.com

 運ちゃんのひとりごと http://www.asayan47.com/unchan.html

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。