メルマガ:運ちゃんのひとりごと
タイトル:運ちゃんのひとりごと 7月13日号  2003/07/13


----<あさやんから皆さんへ>-----------------------------------
毎日変化のない生活にお困りのあなたへ
コツコツと何かやりませんか?
私がやっていることをぜひあなたにも楽しんでもらいたい。
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                     運ちゃんのひとりごと

  2003/JUL/13TH 第129回(mag2は-100回)、melten54回、e-mag32回
              購読者数 670名

          今日現在までの走行距離967,918km
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 皆さんこんにちは、あさやんです。
 前回はめろんぱんさんの宣伝を少しさせていただきましたが、それ以後更に
購読者が増えていましたので、気を良くした私はもう少しめろんぱんさんの宣伝
をさせていただきたいと思います。

 このめろんぱんさんの良いところは、購読していただいている方の情報が少し
わかる点にあります。
 メルマガを書いてはいるが、いったいどのような人がこのメルマガを読んでいる
のか、書く側というのはとても興味があるものなんですね。

 それによると、ほぼ4割の方が女性で占められているということがわかりました。
 ヘェ、たくさんの女性に読まれているとは私も意外でした。
 して、どのような女性が読まれているのかということになると、それはわからない
のではありますが、いずれにしても偏った読者層ではないということがわかり、今
後どのような書き方をしていけばよいのかといった判断材料になります。

 あとは既婚者か否かとか、職業なども少しわかります。
 職業のなかでは会社員の方がいちばん多いのですが、私はそのなかで会社
役員の方に読まれていないというのが、少し寂しかったです。
 
 今はどこの会社も苦しいなかで、生き残りをかけて仕事をしているといった感じ
なのですが、そのなかに於いても運ちゃんというものをどのように扱っていったら
よいのかということをもう少し考えてもらいたいからです。

 いま、帰り荷を積んで途中で休んでいたりすると、他の会社の運ちゃんと話す
機会がめっぽう増えました。
 『お宅ら忙しいか?』
 ときまってこの言葉で始まります。
 皆、仕事が超ひまなので、他の会社がどんな感じなのか知りたいといったところ
なのでしょう。

 みんなそんな話ばかりをしているのか、まったく知らない地方の運送会社の情
報を持っている人もいたりして、それを聞くたびみんな苦労しているんだなぁと感
じさせられます。

 知らない人はたいていがこんなことを言います。
 『お宅の旦那さん、4、50万くらい持って帰るんでしょ!?』
 直接じかにそんなことを言われると、返す言葉もなくなります。
 『それくらい持って帰れればいいねぇ。』
 ってね。

 昔は眠い目を擦って走っているのだから、これくらいは持って帰らないとという
のがありましたが、いまではそんな額は夢のまた夢ですね。
 いまどきの規制緩和のオンパレードで、運送業界もそのあおりをかなり受けて
いると思います。
 今までこの業者は、こんなもの運ばなかったのになぁというのがかなりあります。

 今現在、巨大な会社を通して注文を出している農産物も、規制緩和ひとつで
流通経路が大幅に変わり、その運搬にも変化をきたすことがじゅうぶんに考えら
れます。
 今までの流通の流れが根本的に組みかえられる時代が、もうそこまで来ている
のです。

 うちにもやけくそになっている運ちゃんがいます。
 『こんな給料なら、普通の仕事でも持って帰れるわい!俺を誰だと思っている
んだ!ペッ!』
 ってね。
 わかります。わかります。まあ抑えて抑えて。

 同情できるだけにとても笑えませんわ。
 今の世の中、わっぱを握って家を建てたという話は神話になりつつありますね。

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acorinさんからはこのようなメールをいただきました。

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あさやん様

初めまして、acorinと申します。
主人が運送関係なので、とても興味深く拝見させていただきました。

あさやんさんの考えは、主人ととても似ているなと思いました。
主人が日ごろ言っていることは本当なんだなと再認識。

やっぱり挨拶や返事のできない新人さんが入ってきて
主人も困ったものだと言っておりました。

荷物を安全に運べて当たり前で、それに加えて時間厳守
高速を使わず安く運ぶとか、そういう付加価値がついてこそ
プロなんだと申しておりました。

先日、腹立たしいことがありました。
真面目にコツコツ言うことを聞いて働いていた仲間が
社長さんを蹴飛ばしてしまったがために
警察を呼ばれ、告訴されそうになっているのです。

普段とてもおとなしい人で、とても暴力を振るったりする人ではないので、色々調べ
てみるとトラックの荷台の中に荷物をくくりつけるベルトが付いていますよね。
その人のトラックは、その元の金具の部分が壊れていて、ベルトで荷物を押さえられ
なくなっているそうなのです。

それでつい最近も荷物が中で倒れて、損害分15万円くらい払わされたそうです。(多
分分割で支払い中)
それで、直して欲しいと言ったのですが運転の仕方が悪いだの、プロなら腕でカバー
しろだの言われ怒って蹴飛ばしてしまったらしいのです。
実はそのトラック、もうすぐ廃車にする予定なので、お金をかけたくないみたいで
す、
会社側は。

何かあればドライバー負担、なのにトラックは直してくれない。
主人はとても怒っていました。
いくら腕が良くたって、いくら丁寧に運転してたって
防げない時だってあるって。(横入りされたり・・・)

蹴飛ばしたとは言っても、アザにもなっていないくらいなのに
その人が帰ってから警察呼んで
会社側には、さも自分が正当だとばかりに都合の良いことを言ってます。

こういう上司ってどう思います?

主人は本人に会って詳しい事情を聞くつもりのようです。
反対に労働基準局とかに訴えてやれと提言するつもりみたいです。

ドライバーを大切にしない会社なんです。
いやなら辞めろ、他にドライバーは募集すればいる。
そんな考えみたいです。
運賃が下がるとドライバーの給料を下げることで調整します。

確かに、だらしのないドライバーさんもいるし
努力をまったくしない人もいるみたいなんですけどね。

昨日は夜明けまで、主人と会社の話してました。

愚痴になってごめんなさい。

これからも色々なお話楽しみにしていますね。
ありがとうございました。

acorin
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 acorinさん、ありがとうございます。
 いやほんとねぇ、運送会社は馬鹿でもできるって考えている人が、勤める運ち
ゃんのほうにも相当数含まれているからダメなんですよ。
 だから昔はあいさつなんかできなくても、それはそれでまかり通ってしまったん
ですね。

 挨拶抜きにお客さんのところに行って荷物を積もうとしたら、『何だあんたは!』
と言われてプッツンし、そのまま帰ってきたという話を昔はよく耳にしましたが、い
まそんなことをすると、良くてその運ちゃんが出入り禁止、最悪だとその会社その
ものが出入り禁止になりますから、これはとても重要なことになるんですよ。

 運送会社がサービス業だということがまだ理解できていない人が多いんですよ。
 新人が入ってきたら、まずはこのあたりから鍛えていかないとダメですね。

 でも身近なところで大変なことがおこったようですね。
 今回のこととは少し違いますが、普段おとなしい人に限って飲み会の席になると
いきなり人に殴りかかったりすることがあります。

 普段から気に入らない奴がいて、こういった飲み会の機会をうかがって虎視眈々
とその時期を待っていたのでしょうか。
 やるときはほんと派手にやりますからねぇ。

 こういう光景は、普段から会社からいろいろと押さえ込まれているところの運ちゃ
んに多い傾向があります。
 鬱憤をこういった機会に晴らそうとでもいうのでしょうか。

 昔はいまのように運ちゃんの力関係が弱くなかったので、平気な顔をして社長
の顔を殴ったりしていたようです。
 仕事帰りに飲みに行って、酔っぱらってきたら無性に社長に対して腹がたち、
気がついたら社長の家に押し寄せて殴ってきたというようなことが。

 でもそれはそれで許された時代があったということなんですね。
 街の運送会社などというものは、社長と運ちゃんとの関係がたいしたものではな
く、だからこそこんなところじゃやっていけないとなると、喧嘩をして辞めていった
という伝説的な話が数多く残っているわけなんですね。

 今回の一件は、あれラッシング・ベルトというのですが、あのベルトがかけられな
い状態になっているのでしょうか。
 どんな荷物でどんなに姿なのかわからないので一概には言えないのですが、
天井にまで高く積み上げたものが崩れてくると、まず物は破損しますわね。

 問題はそのような荷姿のときに、どのような運転をしていたのかということ。
 社長さんを擁護するわけではありませんが、実は私のトラックもそのようなラッシ
ング・ベルトを取り付けるようなものがないんですよ。

 無いんだけれども、会社からは積めるものはなんでも積めと指示される。
 私のトラックはダンプ車で横のあおりが開くタイプなのですが、ダンプということ
もあってか、あおりの高さが高いんですね。
 だから平ボディのようにシートで荷物を抑えるということができないんです。

 パレット輸送でも、普通ならばパレットの間に挟むようなベニヤ(コンパネ)がない
とか、前後のバランスをとるためにウイング車とか平ボディならば前を少し空けて
積むことができるのですが、私のトラックはそれができないとか。

 こうやって考えていくと、できないという前提のうえで荷物を崩さないためには
と考えていくと、それなりの結果に行き着きます。
 私もこれ言われると腹が立つのですが、『崩さないように走れ!』なんです。

 『事故らないように走れ!』とか、これはある意味究極の指示なんですね。
 それができないからいろんな便利なものができてきて、トラック輸送も快適に
なってきたわけなのですが、そのような便利なものが付いていない私のトラックの
ように、無いからどうしたらよいのかといった知恵も必要になるのだと思います。

 想像するに、社長さんの時代は(運ちゃんあがりだと仮定して)ちょうど私のよう
なトラックで走っていたのだと推測できます。
 無いなら無いなりに物をうまく運んでいたというような。

 あと、廃車寸前のトラックに多額の修理費用をかける経営者もいないでしょう。
 私のトラックも寿命が80歳だとすると、75歳位の老人と付き合っていることに
なりますので、こんなトラックにこれから対応の排ガス浄化装置を付けてくれとは
とても言えません。

 新車が欲しいということもありますが、いつまで走るかわからないトラックに多額
の出費をする経営者はいないと思えるし、だからこそこんなトラックに今更デジタ
コなんて付けなくてもと思ったのです。

 デジタコを一台取り付けると結構かかるらしいです。
 でもそれを付けることで運ちゃんを管理していこうというのだから仕方ないこと
だとと思えば納得もできます。

 経営者の判断ですね。
 何があったにせよ、人に暴力を振るったことには違いありません。
 私も運ちゃんの端くれとして社長の側には立ちたくはありませんが、これ以上
悪い方向にはいかないで欲しいと思います。

 私の考えですが、労働基準局に訴えたとして解決することはなにも無いので
はないかと考えます。
 悔しいけれどもいまの運送会社ってそんな現状なんですね。

 うちの会社の親分にもよく言われますよ。
 『悔しかったら社長になってみろ!』ってね。
 はっきりいって悔しいです。

 でもほんと、募集をかけるといくらでも運ちゃんは来るんですわ。
 仕事も無いくせにどんどん新車は入れるし、人間だけは増えてくる。
 そのあおりを受けるのは、我々のような中堅やベテラン運ちゃんです。

 そんなご時世だから、経営者はのさばるんですよ。
 日本の運送会社ってストライキが不思議なことに少ないですよね。
 逆を言うと、いままでの運ちゃんって寝る時間を惜しんでも金を家に持ち帰るこ
とに執着していた、というのかストなんかにうつつを抜かしているくらいならばその
分稼ごうというようなものが強かったように思います。

 だけどいまの運送会社のように、ろくに稼げもせずに走っていると、これって
本来のうまみがまるでなくなっていることも現状としてあります。
 好きじゃなくても走れば金になった時代から、金にならなくても好きだから走っ
ているという時代になっていますね。

 ほとんど趣味の世界になってきましたわ。
 社長さんとは、後々しこりを残さないような解決法を探ることが必要ですね。

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 最近、私のまわりでトレーラーの事故が目立っています。
 どういった事故が多いのか。
 カーブで曲がりきれずに横転したとか、横から飛び出てきたクルマや歩行者を
避けようとして安定感を失って横転したとか、金が稼げるからといって安易にトレ
ーラーに乗る人が非常に多くなりました。

 トレーラーを運転するような人ってどのくらいの知識があって運転しているのか
と疑問に思えることが多いです。
 このメルマガを読んでいる方のなかにも、トレーラーの運ちゃんがおられるでし
ょうが、日頃気をつけていることなどを教えてはいただけないでしょうか。

 ちょっとネタにして採りあげてみたいと考えております。
 それではまた、次回まで。

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