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タイトル:「水からフッ素をなくせ!」ザ・ウォッチャー第4号  2003/05/03


「水からフッ素をなくせ!」  バーゼルからグッドニュース」  

「ひやっほー、嬉しい知らせだ。みんな喜んでくれ!」
 こういう調子のメールがポール・コネットから届きました。
4月19日、スイスのバーゼル市議会が、水道水へのフッ素化合物
添加を中止する議案を可決したのです。
 ここに至るまでなんと41年! でもこれで、スイス全土で水か
らフッ素添加が消えることになります。すでにEUの多くの国(オ
ーストリー、ベルギー、チェコ、デンマーク、フィンランド、フ
ランス、ドイツ、ギリシャ、アイスランド、イタリア、ルクセン
ブルグ、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スウエーデン、そ
してスイス)がフッ素添加を中止し、残るはアイルランド(人口
の74%がフッ素添加水を飲んでいる)、イギリス(イングランド
のみ、人口の10%)、スペイン(10%以下)だけです。

 リン肥料の製造で出る物質の再利用として始められたこの悪習
は、産業界の利害に直結する一方、環境や人体への影響が全く考
えられていません。日本でも導入する動きがありますが、いった
ん始まればストップさせるのは大変。

「こんな前時代的習慣を続けている国(オーストラリア、ブラジ
ル、カナダ、ニュージーランド、シンガポール、マレーシア、韓
国、アメリカ)に、ショックウエーブを送ろう!」という彼は、
今この問題で、世界の科学者によびかけて政府にきちんとした議
論をさせようとしています。反対者だけでなく、賛成の立場の人
も、とにかく科学的な見地から議論に加わってほしいと署名を集
めています。私もサインしましたが、特に医学関係者、専門家の
サインを!署名(英文)など連絡先は:ggvideo@northnet.org 

 実は彼、5月6日にアメリカ環境庁に招かれて、フッ素添加につい
て一対一の討論をすることになっていました。ところが、二ヶ月近
くも討論の相手を探したのに、政府関係者からも、医学や歯科医師
関係者からも、大学関係者からも、ただの一人も討論相手が見つけ
られなかったのです。

「理由ははっきりしている。賛成者を出しても、論争に勝つことは
できないし、しかも責任を問われるからだ。これは科学の問題では
なく、権力の問題なんだ。…だから、環境関連の施策には科学的根
拠と倫理的判断が必要だと考える人々に協力してほしい。ダイオキ
シン問題も1994年にアメリカ環境庁の科学者によって解明されてい
たのに、政治的圧力でその最終的(告訴可能な)発表は9年遅れた」

 彼の講演はとても楽しいことで有名。しかし学者でありながら、
科学至上主義にはっきり疑問を出せる種族は、日本では絶滅種。
 私の考えと似たところがあって、3月、ペナンでの「反焼却国際会
議」での講演の中で、彼は「何より問題なのは市民の無関心」と強調。
 一方、私のプレゼンの題名は「無関心という病」でした。
 
 環境や健康に関わる規制の権限を、政府関係者にまかせきりにして
おくのは(それも税金を使って)とても危険、という認識も同じです。
「彼ら(政府・行政関係者)が常に正確というわけではない。しかし
私たちは常に、彼らに正直であることを求めなければならない。」

 そう、そこにこそ市民運動の存在意義があるのですね。
 (2003.5.3)

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