メルマガ:ちょっとだけHなお話し
タイトル:ちょっとだけHなお話し5  2003/07/01


鬼のニノミヤ5
 
今日、ニノミヤは寝込んでる。そんで、
「うぉ〜〜〜気持ち悪ぃ〜〜〜」
とか言ってる。
黒鬼もそうみたいなんだけど、ニノミヤは寝てても起きててもあんま変わんない。立
っても座っても宙に浮いてても寝てられるし、目、開いたまま寝るんで本当は寝てん
のか起きてんのか分かんない。眠りが浅い時は寝ながら目玉ぎょろぎょろさせてたり
することもある。きっしょいっつーの!
で、遊びに来た鈴緒が、どうやら寝てるらしーニノミヤにイタズラしてポテトフライ
口につっこんだらしー。普段特殊なモンしか食べないニノミヤは、食えないポテトフ
ライ食べさせられて消化不良(?)起した。
「ごっめ〜ん」
とか言いながら鈴緒は楽しそうに笑ってた。ったく…。
お父さんが出張とかで、お母さんも一緒に行ったとかで、鈴緒がウチに泊まりに来た。
ゴハン一緒に食べたんだけど、おかんはウレシソーに『かぁわいいわねー』連発だし、
おとんは『女の子がいると華やぐなぁ〜』なんつって鼻の下伸ばしてるし!オイコラ
!じゃあ、あたしのことはなんだと思ってんだ!初めは照れてたのかムスッとしてた
鈴緒とタメの弟も、『てへっ』と鈴緒が首をかしげて笑うたびにニヤケてるし!
だいたい鈴緒、こないだ制服以外にスカート持ってないとか言ってたクセにぱんつ見
えそーなミニはいて来てるし!さっきから弟が足とか盗み見てるし!しかもなんなん
だ、その足だか腕だかわかんないほっそい太腿はー!
っつーワケでわけわかんないことであたしはミョーに怒ってた。鈴緒が『てへっ』っ
て笑うだけでメロメロになってる家族らにもムカついてたしー。
「…ねっいいでしょっ、おねぇちゃん!」
…え?
ひとりでムカムカしてたあたしは話聞いてなかったのと鈴緒の悪口ばっかり考えてた
んでちょっとバツが悪かったのがあって、聞き返さないでついうっかりうん、って言
っちゃった。

な〜ん〜で〜よ〜!
って抗議したけども、これが後悔先に立たずってやつだ。
「エーだってェ、おねぇちゃんいいって言ったじゃん?」
あたしは鈴緒と一緒に風呂に入ることになってた…。
「女の子どぉしだしぃ、恥ずかしくないよぉ」
鈴緒が見てっから恥ずかしんだよぉ〜〜〜!もーいーやっ、ちゃっちゃと脱いでちゃ
っちゃと入ろう!
…ううううわ〜〜〜!めちゃくちゃ見てるし〜〜〜!鈴緒の視線が痛い〜〜〜!
うっ…。
思わず振り向いてちょっと見ちゃった鈴緒の下着姿…。胸ないからブラつけてないの
はいーとして、なんでパンツが男物のトランクス?
こ、恐っ!なんか恐っ!

あたしは部屋でぐったりしてた。風呂に入ったら入ったでじろじろ見るし、ふざけ(
たフリし)て触るし、なんかエッチなコトばっかり言うしセクハラの嵐。そんでもっ
て?うち狭いから余計に部屋はない。ってーゆーとトーゼン鈴緒はあたしと一緒に寝
ることになるワケでー。そんでおかんが布団とか敷いてくれりゃーいいのに『女の子
同士なんだからいいでしょ』って、二人であたしのベッドに寝るコトになった。
「おねぇちゃん、もー寝よーよー。」
鈴緒は既にベッドの上でスタンバってるし。間に布団でも挟んで寝よーかとも思った
んだけど、ちょっと大きめっつっても、いっくら鈴緒がちっさいっつっても、シング
ルでそんなことしたらキツキツだ。しょーがないから鈴緒には絶対にヘンなことしな
いよーに言い聞かせとくことにした。
「だーいじょーぶだよーぅ、ボクもぉ眠いし〜、なんにもしないよぉ。でもおねぇち
ゃんがしたいって言うんなら別だけどぉ」
あたしは思わず鈴緒にデコピンした。
「いたいなぁもー。ねー、早く寝よ?電気消してぇ」
って言いながら、鈴緒はさりげなくあたしを壁の方に寝るように仕向けた。鈴緒はド
アに近い方。
…アレ?なんかこの並び…もしかして、逃げらんないよーにされてる?考えすぎか?
なんか…不安だなあ…。
ニノミヤ、出てきてくんないかなあ。ニノミヤより鈴緒の方が危険人物のよーな気が
する…。
ん?そーいやニノミヤは鈴緒にポテトフライ食わされて…アレ?
…。
鈴緒は…いつも黒鬼と一緒にいるワケだから…普通の物が食えないことくらい知って
るハズだ…。
もしかして…知っててワザとニノミヤに食わせた?
なんでそんなコトすんの?
…。
も、もしかしてあたし今、すごいピンチ?
っとか考えてる間になんかモゾモゾ動き出したし!あっ!胸触ってるっ!もうっ、こ
の!
あたしはべしっとその手を叩いた。びっくりしたみたいですぐ手をひっこめたけど…
ったく…。
クスクスと横で鈴緒の笑い声がする。あたしのことからかってんじゃないだろーな、
もー!ん?いや、からかわれるよりマジな方がヤバイんだけど…。
「なんだよぉ…もぉ〜」
なんて、ちっさい声で楽しそうにつぶやく鈴緒。クスクスクスクス笑ってる。
なにやってんだか…。
ゲ、また触ってるよ!んっとにやらしいなあ!いいかげんにしないと怒るぞ!
うっ…今度は上に乗っかってきたよ!ギャッ!パジャマのボタンはずしはじめたっ!
ちょ〜っ〜と〜ま〜て〜!今までのはまだよくてもこれ以上やったら冗談じゃすまな
いぞ!あたしは鈴緒を押しのけようとしたけど、動かない…。
…ちっさいワリには重いぞ鈴緒!
「え〜っ…いいの?え、ホントにぃ…?」
横で鈴緒の声がする?あれ?ナニコレ?上にいるヤツ…鈴緒じゃない?そーいや妙に
でかいぞこの手!
ちょっと待て!なんかキッツイぞベッド!どー考えても二人で寝てる感じじゃない!
う…。
わー!わー!わー!
誰かいるっ!誰かいるよっ!
あたしは慌ててマクラつかんで上にいるヤツに叩きつけて、そっから離れて部屋の電
気をつけた。
なーーーっ!
って叫んだ後、しばらく声も出せないほど放心してしまった。
ベッドの上には4人いた。あたしと、鈴緒と、黒鬼と、弟。いきなり電気ついてまぶ
しかったんだかみんな動かない。
あたしに触ってたのは黒鬼。こっ、このヤロー!はじめっからベッドにもぐり込む気
で今まで姿隠してやがったなっ!『ばれたかぁ』とでも思ってるよーにニヤニヤ笑い
ながら舌出してる。
横では鈴緒と弟が抱き合ってた。どーもあたしに見られて『やっべー』みたいな顔で
半笑いしてる弟。で、鈴緒は弟とあたしを交互に見ながら『なんでやねん!』って感
じで口をあうあうしてる。
あ、ん、た、ら〜〜〜っ!
と怒鳴ろうとした時、
「う、う、う…わああああああああああああああああああああああああああああああ
あんっ!」
人間とは思えんよーな大声で鈴緒が泣き出した。フト我に返った黒鬼が弟を突き飛ば
して部屋の外に追い出す。
いきなり弾き飛ばされて弟はびっくりしただろーなー、黒鬼の姿見えないから。いや、
それよりガキだと思ってた弟が鈴緒にそ〜ゆ〜感情を持って部屋にしのびこんで来た
っつーのがあたしにゃショックだ。
「わああああああんっ!わああああああああんっ!」
ジンジョーじゃない声で泣き続ける鈴緒。こっちは何がショックの基準か?っつーと、
抱き合ってた相手が弟じゃなく、あたしだと思ってたせいか?
こんだけの大騒ぎなんでおとんとおかんが気づいてやって来た。部屋の外で弟が怒ら
れてるし。ありゃー多分殴られてんな…。
すまん、弟。今日のことはあんたが全部の罪を被ってくれ。
なんて考えてるうちに部屋は静かになってた。見ると、黒鬼が鈴緒を膝に抱いてあや
してた。
「…だろ?…からな、…でな」
と、二人にしか聞こえないくらいの小さな声で何か言ってる。鈴緒もうん、うん、と
何回もうなずきながら落ち着いてったみたいだった。
フーン…。
黒鬼って鈴緒のお守りみたいだなあ。
この二人ってチョー変だけど、いちおーなんか、お互いいい関係ではあるワケね…。
なんて考えてたら
「まっ、そーいうワケだから」
急にあたしの方を振り向いた黒鬼が歯、むきだして笑いながら言った。
え、なにがそーゆーワケだって?ワケわかんなくって鈴緒を見たら、鈴緒も黒鬼とお
んなじよーな笑顔を浮かべてた。今泣いてたのに…。
「お前の弟がスズオを傷つけたんだからなっ!きっちりワビ入れてもらう!」
なんであたしが〜っ!
って叫ぶ間もなく二人がかりでタックルされてしまい、黒鬼がどっかから出した変な
ヒモにからめとられてベッドに縛りつけられてしまった。
「うう〜ん、こーゆう形でしちゃうのってちょっとフホンイなんだけどぉ〜…」
じゃあヤメロー!
『ごめんなさ〜いっ』と言いながら鈴緒はあたしのパジャマを脱がせ始めた。ふんふ
んふん、と楽しそーにハミングしてるしっ!黒鬼がベッドの横で腕組してあたしらを
見てニヤニヤしてる。次か?鈴緒の次にあんたにやられんのかっ?ギャーーー!
ヤだよ〜、えーんっ!ニノミヤ助けてよ〜!いないのおニノミヤー!
「うっ…うおおお!も、も、もうダメだあっ!」
イキナリ青い顔のニノミヤが空中に現れた。声を出そうとした瞬間、ニノミヤの口か
らどばーーーっ、と薄いピンク色のなんか変なネバネバしたものがたくさん出てきた。
そんでそこにいた全員にひっかかった。き、キタネエ!これゲロ?
「ギャーーーーーーーーー!(ニノミヤ以外)」
「オッ、すっきりした」
すっきりしたのはニノミヤだけだ。
ピンクのネバネバはあたしらの体中にこびりついて、なかなか取れなかった。そんで
その中にポテトフライが3本混じってた。
その後もなんかすんごくパニクって、大騒ぎしたよーな気もするけど、あんま良く覚
えてない。

                                   END

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