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タイトル:芝崎義夫の健康通信  2004/03/12


3月に入って雪が降りましたが、毎年何があってもお彼岸には寒くなくなるというの
は何だか不思議ですね。さて4月を前にしたこの時期はイメージチェンジに最も適し
た季節とよく言われますが、今回はダイエットでイメージチェンジするということと、
そのために心しておくべきことなどを安藤副院長から詳しく話していただきました。
ではじっくりお読みください。

ダイエットの心がけって何?

心の底からダイエット

身体のコアな部分から鍛え全身のバランスを整えれば、痩せやすく太りにくい身体を
作ることができますが、もう一つ、ダイエットのために重要な要素があります。それ
は「心」です。「イメージング」が大切なのです。

私はかなり以前から、女性のみなさんの身体のバランスを整えるお手伝いをする一方
で、心のバランスを整えることも大事だと考えていました。施術にいらした方には折
りを見てお話ししてきましたが、その方法論をこの機会にまとめてみました。

ダイエットをストレスにしないためのイメージング、挫折しないためのイメージング、
前向きに楽しく続けるためのイメージングなど、ひとくちに「イメージング」と言っ
ても私が考えているものには様々な性質がありますが、それを次の三つに分類しまし
た。

ビジュアル・イメージング
メモリーチェンジ・イメージング
ポジティブ・イメージング
の3つです。それでは、それぞれを詳しくお伝えしましょう。

ビジュアル・イメージング

これはひとことで言うと、「きれいになった自分を強くイメージする」という方法で
す。強くイメージするほど、理想のプロポーションに近づけるという考え方です。デ
ビューしたてのアイドルが、最初は野暮ったかったのに見る見るうちに垢抜けて、ほっ
そりキレイになっていく姿を目の当たりにしたことがあるでしょう。あれは、人の視
線が刺激となり「私はアイドル」という自覚が芽生え、「だからきれいになるんだ!」
という自己暗示をかけているからなんです。自分で一生懸命エクササイズをしている
人もいるかもしれませんが、「自覚と思いこみ」の作用で、内側から輝いてくる場合
がほとんどだと思います。

人に見られる仕事に就いていなくても、普通の人にもこのような変化が起こる場合が
あります。それは、結婚式を控えた女性。式の日取りが近づくにつれ、だんだんほっ
そりしてきて、最初はきつめだったウェディングドレスがぴったり合うようになって
いく。そして式の当日、まるで別人のように(?)輝くばかりに美しい姿で来賓の前
に登場する……。もうお分かりですね。これは、「あのウエディングドレスを着こな
して、人生で最高にきれいな姿で式に臨みたい!」という強い意志を持つことと、完
璧な自分の姿を思い浮かべることで、たった数ヶ月の間に実際に細くなってしまうの
です。

これほど劇的な変化は望めませんが、日常生活の中でも簡単にイメージング力(?)
を鍛える方法があります。痩せていた頃のジーパンを引っ張り出してきて「これをま
たはける体形に戻るぞ!」と毎日心に誓ったり、すごく気に入って買ってはみたもの
の、実はきつくて着られなかったワンピースを目に付くところにかけておいて、「い
つか必ず、これを着て出かけるぞ!」と、それを着こなす自分の姿を想像する。たっ
たこれだけのことでもダイエット効果になるんです。

失礼ながら、「痩せていたことがない」という人は、好きなタレントや女優の写真を
毎日眺めてもいいでしょう。もちろん、身長が150センチしかない人が、175センチの
モデルと同じになりたいと思っても、現実問題としてそれは無理ですが、そのモデル
の「すらりとしたバランスの良い体形」を常に心の中に描いておいて、「自分もそれ
に近づきたい!」と強くイメージしてみましょう。補正下着を着てみることで、引き
締まった自分の体形を実感してみるのもいいかもしれません。実際に痩せる効果が期
待できるわけではありませんが、「こういう体形になれば、着たいと思っている服が
着られる。」というイメージが湧きやすくなるでしょう。

メモリーチェンジ・イメージング

「ダイエット=辛くて苦しい」というイメージが一般的だと思いますが、なぜ女性た
ちは、そんなに「辛い」ことをみんな自分からやろうとするんでしょうか?(これは
私だけでなく、世の中の男性たちの多くも一度は疑問に思ったことではないかと思い
ます。)そもそも、ダイエットを辛いものにしている原因は何か、考えたことがあり
ますか?「私の意志が弱いから……」なんて自虐的にならないでください。問題はそ
んなに単純(?)なことではないんです。実は心の中にも隠れているのです。

どうしても甘いものがやめられない、必要以上につい食べ過ぎてしまう……。ダイエッ
トの大敵であるこのような食習慣ができてしまった原因は、なにも自身のせいだけで
はありません。原因の大半は、育ってきた生活環境にあるのです。子供の頃まで記憶
を遡ってみてください。お腹がいっぱいになっても、食事を残すと叱られていません
でしたか?この頃から「たくさん食べる子はいい子」という刷り込みをされています。
だから、食事の量を減らすことに罪悪感を覚えてしまう人がいるのです。実家で親と
同居している人は、大人になってからも「残すな!」を強要されますし、一人暮らし
の場合は置いておいても他に誰も食べてくれないので、結局残さず食べてしまう。そ
の理由は、残すともったいないから。確かに納得してしまいそうですが、ちょっと待っ
てください。「残す」のがもったいないのではなくて、「作り過ぎる」ことがもった
いないのだとは思いませんか?ここで「たくさん食べることがいいこととは限らない」
という意識の切り替えをしないと、永遠に食べ過ぎてしまいます。

「甘いものを食べたい」という、抑えがたい衝動が生まれる原因も幼児体験にありま
す。小さい頃、大人しく留守番をしていた時などに「ご褒美」としてチョコレートや
キャンディをもらっていませんでしたか?誕生日やクリスマスなど、特別な日には必
ずケーキ。また、機嫌が悪くて泣いている時にも、大人しくさせるために甘いお菓子
を与えられていませんでしたか?こんな体験から、「疲れた時や、イライラしている
時には甘いもの」という習慣ができてしまったのです。甘いものを食べると気分が落
ち着く、という刷り込みをされているんですね。

ここでも「甘いものはご褒美なんかじゃない」という記憶データの切り替えが必要に
なります。ご褒美どころか、「ダイエットの大敵」「身体にわるいもの」という切り
替えができれば、どうしても甘いものを食べたいという衝撃も抑えやすくなるのでは
ないかと思います。人間、甘いケーキやお菓子がなければ生きられないわけではあり
ません。誰もが甘いもの好きなわけではないのです。実際、私などはふだん、一切甘
いものは食べません。身体が欲さないので食べたいとも思わないのです。全くお酒を
飲めない人が、テレビでどんなにおいしそうなビールのCMをやっていても、飲みたい
と思わないのと同じことです。私などのように甘いものを食べる習慣のない者にとっ
ては、たとえ行列ができるほど人気の店のケーキであったとしても、それは「ご褒美」
にはならないということです。

小さい頃に作られた食生活の問題のほかに、もう少し大きくなった時期に、ダイエッ
トに挫折してしまう原因が潜んでいます。中学・高校の思春期の頃になると、「ぽっ
ちゃり」しているのが割と普通ではありませんでしたか?雑誌などを見て、「ダイエッ
トでもしてみようかなぁ」と思った時に、周り(特に大人?)から「そんな必要ない
んじゃない?少しくらいぽっちゃりしてる方がカワイイよ!」なんて言われた経験が
ある人もいるでしょう。そうすると、「そうか、私はこのままでカワイイんだ。」と
いう安心感を持ちます。

社会人になり、年を重ねていく間もその安心感を持ち続けているとどうなんでしょう。
大人になって本当にダイエットが必要になった時にも「でも、ぽっちゃりしてた方が
カワイイんだから、痩せる必要なんてないんじゃない?」という思いが心のどこかに
あって、ダイエットを途中でやめてしまう原因になります。しかし、この「ぽっちゃ
り」の度合いが問題になります。本当にそのままでカワイイのか、ダイエットが必要
な状況に来ているのか、昔の記憶に惑わされずに、今の自分を客観的に見つめてみま
しょう。

ポジティブ・イメージング

「病は気から」ということわざがありますが、これはダイエットにも言えることです。
くよくよ悩んでばかりいつも暗いことばかり考えていると、気持ちに余裕がなくなり
ストレスが溜まってきます。そのストレスが度を過ぎると、身体のあちこちに不調を
きたしてきます。本当はただの胃潰瘍だったのか、「癌じゃないのか?」と悩み過ぎ
て、とうとう本当に癌になってしまった、なんて話を聞いたことはありません?
「ストレス」、このやっかいなものは、ダイエットを長続きさせるうえでも非常に大
きな邪魔者になります。そもそも最初に太り始める原因が、「ストレスによる過食だっ
た」という人も多いでしょう。

「ダイエットをしている」こと自体がストレスになる場合もあります。「甘いものは
食べちゃダメ!」「ご飯の量はいつもの半分だけ!」などと自分にいろいろな禁止事
項を作ると、それを守らなきゃ、ということでストレスになってしまいます。自分で
目標体重を決めても、どうしてもそれに近づけなくて「私ってダメな人間だわ!」な
んて落ち込んでしまう。自分自身に課した制限や目標でがんじがらめになり、精神的
に追い詰められて、そのストレスでまた食べ過ぎてしまう。こんな悪循環に陥ったら
最悪です。この悪循環に陥ってしまうのは、心の問題によるところが大きいのです。

ダイエットが辛くて長続きしない、いつも同じ失敗を繰り返している、その原因は、
あまりにも自分を苛め過ぎているからではないでしょうか。理想の体形や理想の体重
を自分に押し付けて、「なんでこの通りになれないんだ!」と自分を責める。これだ
けでは辛いだけなのも当たり前です。そもそも、ダイエットとは誰かのためではなく
自分自身のためにするものです。健康上の理由で医者から食事制限を出されていると
か、モデルをしているので事務所に体重を管理されている、などの特殊な場合を除け
ば、本来、あなたがどんなに食べようが太ろうが、誰にも迷惑はかからないはずでは
ないでしょうか?それなのに、目標通りにできないからと自分を責め、それがストレ
スになってしまうようなら、自分への制限は逆効果になります。自分を責めながらも
過食に走る。これでは、ダイエットなどしない方が、身体的にも精神的にもずっと健
全です。

自分を苛めない、というのは、たとえ甘いものを食べてしまっても、友達と外食する
時でも、自分を責めないようにすることです。ケーキを前に「これを食べたら太る」
とか、大好きな焼き肉のお店に行って「ここで食べたら絶対体重が増えちゃう!」な
んて考えながら、というより思い込みながら食べると、そのイメージがダイレクトに
脳に伝わってしまいます。つまり、脳に向けて「太ってもいい(しょうがない)」と
いうGOサインが出てしまうんです。だから、もし誘惑に負けて甘いものを食べてしまっ
たとしても、自分を責めないこと。食事の時でも、「これは身体に必要なものだから、
食べても太らない」と肯定しながら食べること。極端な話、「痩せていく、痩せてい
く……」という強いイメージを持って食べることができればなおいいでしょう。罪悪
感に浸り、眉間にシワを寄せながらおいしいものを食べても、身体にも心にも何もい
いことなんてありません。

さきほど紹介した手軽で効果的なエクササイズで身体のバランスを整えると同時に、
ビジュアル・イメージングできれいになった自分を思い描き、メモリーチェンジング・
イメージングで客観的に自分を見つめ直し、ポジティブ・イメージで前向きに心のバ
ランスを保ちながら、心身ともに無理のないダイエットを行えば、今まで「何をやっ
てもダメだった」「長続きしなかった」という人でも必ず効果が出ると私は確信して
います。

いかがでしたか。ちょっといつもより長い話になりましたが、身体のバランスは、物
理的な身体と精神的なことのバランスがとれてこそもっとも良い状態になるというこ
とは漠然とは思っていましたが、今回の話を読んでもう少し具体的に理解できたよう
な気がします。さて、次回は4月の13日。桜も散ってたくさんの人が新しい環境で頑
張っていることでしょうね。ではまた。

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芝崎義夫(しばさき よしお)
1962年神奈川県生まれ。26歳のとき、米国ライフカイロプラクティック大学に
おいて、カイロプラクティックを学ぶ。1991年に、芝崎プロポーションクリニック
を開設。独自のCR理論に基づく治療により、雑誌、テレビなどのマスコミで大
きな反響を生んでいる。

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