メルマガ:リハビリ介護の基礎知識
タイトル:♪♪♪リハビリ介護の基礎知識♪♪♪-111号-■障害物またぎ−杖歩行介助のおける工夫−(2)■  2003/08/07


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  │●│●|リ|ハ|ビ|リ|介|護|の|基|礎|知|識|●|●|
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                                      平成15年8月7日 111号

  毎日1つのリハビリ介護の用語を取り上げコラム風に解説致します。
  忙しく時間に追われがちな在宅や施設などの介護現場ですが、日々の中
  で知識の技術の吟味や確認も大切ではないでしょうか?
  現場で役立つ用語を取り上げて行きたく考えます。

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  □今日の用語□          
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 No.111 ■障害物またぎ−杖歩行介助のおける工夫−(2)■
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 【障害物またぎ】の続きです。
 在宅では、部屋間の境界のいわゆる建具部分に代表される、床から凸型に
 飛び出た【障害物】が散在します。
 
   ┌──┐             ┌──┐(数ミリ)
   |  |        (4センチ)|  └─
  ─┘  └─           ─┘
  (1)障害物                         (2)洋室−建具−畳


   ┌──┐(4センチ)        ┌──┐
  ─┘  └─              |  |(10センチ)
                   ─┘  └─
  (3)洋室−建具−洋室        (4)浴室出入り口


  ─┐  ┌─
   |  |
   └──┘
   (5)屋外−溝

 上記はあくまで例ですが、建物によっていろいろと考えられます。
 (1)(2)については、前号−用語110で解説済みですが(3)洋室間(4)浴室
 出入口等の形態のものも良く見かけます。
 
 浴室出入口の障害物の場合『おとしより』の歩行能力や障害程度にもより
 ますが“障害物をまたぐ”という動作の特徴上(後半で説明します)手すり
 設置を早急に考えた方がいいケースかもしれません。
 また、屋外に出ると凸型に飛び出た【障害物】の他 (5)のように凹型に下
 に陥没した【障害物】(いわゆる“溝”)も良く認めます。屋外での【障害
 物またぎ】には細心の注意が必要で 動作の特徴を理解して適切な介護を
 実践したいものです。

 これ迄の話は、既にご存知かもしれませんが、大切なのは これらが、転
 倒事故の原因になり得るという強い認識で 障害物の特徴(難易度や箇所)
 を屋内外で十分に把握する事だと思います。(無理して“またぐ”必要は
 なく、もし回り道がある場合はそれを利用するのも一手です。)

 さて、実際現場では上記の形態の【障害物】を“またぐ”事がある(また
 がざるを得ない場面がある)訳ですが・・・
 要領は前号−用語110後半で示しました。(下記)

 ★(1)杖→(2)患側(まひや痛み有り)下肢→(3)健側下肢

 更に動作を分解して説明すると・・・・

 (1)先ず、障害物の向こう側(障害をこえた所)に【杖】を“しっかりと”
    突いて支える。
  
 (2)杖を“しっかりと”押しながら【患側の足(下肢)】を『障害物の高さ』
    より“上に挙げて”且つ『障害物の奥行』より“前に踏み出して”ま
    たぎ、着地する。(※高さ,奥行を十分クリアしてまたげない場合は介
    助が必要となります。)

 (3)患側の足の裏(足底)がしっかり床(地面)に踏みしめられているのを確
    認して、杖を押しながら【健側の足(下肢)】を踏み出してまたぎ、両
    足を揃(そろ)える。(※“つまずき”に注意)

                ←奥行き→
               ┌────┐
              ↑|    | 
             高さ|    |
              ↓|    |
            ───┘    └───
 
 現場でよく遭遇する問題は、(2)の時に【患側の足】を障害物の向こう側に
 踏み出せない 或いは、安定して行えない場合があります。 
 【段差昇降】の場合は、段差の“高低差”分の【患側の足】を挙げるだけで
 良かったのですが【障害物またぎ】の場合、高さ(高低差)のクリアに加えて
 障害物の“奥行”分【患側の足】を前に推し進めなければいけません。  
  
 この【患側の足】を前方への推進(前へ踏み出す)は“腰の捻り”が大切です。
 普段、平坦な所を歩く際に“歩幅が狭い”『おとしより』の場合、この“腰
 の捻り”少ないケースで【障害物またぎ】に苦慮を要するかもしれません。

 半身まひのケースでも同様で 困難そうな場合は前方への踏み出しの介助が
 必要になります。具体的には、障害物の難易度や歩行能力にもよりますが、
 基本的にまひ側に寄り添い、膝〜ふくらはぎ周辺を両手でサポート(高さ、
 奥行を按分して“またぐ”動作に合わせ介助)します。

 この時、大切なのは(A)『おとしより』に【杖】【健側の足】でしっかり踏
 ん張るよう協力を求める(B)介助した後、足の裏をしっかり床(地面)につけ、
 次の動作で踏ん張りやすくしてあげる[(3)の時に大切な配慮です。]こと
 です。

 また、(3)の時は、【患側の足】の支え(支持力)が悪い場合や 注意力不足
 (意外と油断してしまう)等で案外“つまずき”易いものです。
 前者の場合は、まひ側(弱い下肢側)に寄り添い“腰の辺り”をサポートする
 のも一手ですし、後者の場合は“声かけ”による注意促しに努めるのがベタ
 ーです。

 長くなりましたが、屋外を介助者と共に散歩するレベルの『おとしより』で
 も いざ【障害物またぎ】になると危なっかしいケースは少なくありません。
 (※屋内の場合は手すりなどの補助手段を早めに考えましょう。)用語110
 −111をご参考くだされば幸いです。  
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