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タイトル:モーハワイ・コム編集記 2003/1/9号  2003/01/09


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モーハワイ・コム編集記 2003/1/9号      ID:0000028127
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★続・ハワイ島にて
どうもどうも、へなちょこ・しゅんです。
今日は、ユリカ・マクラクリンさんの民宿で目覚めました。建物の南側ほ
とんどを占領しているガラス窓に、真っ青なコナの海が広がっています。

ユリカ夫妻は、もともとコーヒー農園だったところを買い取って、この民
宿?らしきものを作られました。現在建物は3棟あって、自分たちが寝泊
りする家とは別にペンションみたいな建物が2つあります。ボクが泊めて
いただいたのは、そのうちの大きなほうです。

キレイな部屋を汚したくないので、リビングのソファで寝させていただき
ました。いやいや、本当言うと、一人で大きな家に泊まるのが怖いだけやっ
たりして(涙)

と、実は、この建物に泊まっているのは、ボク一人ではありませんでした。
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★フロムUK
ユリカさんたちには、もう一人協力者がいらっしゃいました。マーティン
という金髪のおじさん?で、スティングとゴーストバスターズの主役やっ
てた俳優さん(名前忘れた)をたして2で割ったみたいな感じ。

なぜか、この家に住みついて、ユリカさんたちを手伝ってくれてるそうで
す。ユリカさんが説明してくれました。

彼はその昔、イギリスで技術者をしていた。
すごくハードワークで、ある日心臓発作で倒れ、大きな手術をした。
助かって、それで生き方を変えた。

人それぞれに深い歴史があるわけで、この3行ではもちろん現すことので
きないことがらが潜んでいるとは思いますが、要約するとそういうことな
のだそうです。その彼が、ボクと同じ建物で寝泊りしていました。

で、ユリカさんが「イギリスの英語だから時々わからないときがある」と
言ってはるのを聞いて、ボクは勝手にびびっておりました。ボクは絶対に
聞き取れへんやろうなあ。

さて、今朝のことです。ユリカさんたちは自分ちで寝てはります。ボクは
ソファで目覚め、海を見ていました。と、そこにマーティンさんが現われ
ました。グッモーニン! おお、聞き取れたぞ(当たり前やちゅうねん)

ぎこちなく会話が始まりました。
ユリカさんから聞いてた前情報をもとに恐る恐る質問をしてみます。
「いつからベジタリアンなんですか?」
「イギリスのどこから来たのですか?」
「前の仕事はハードでしたか?」

マーティンさんは、やさしく穏やかな人でささやくように話します。そし
て、リビングに立てかけてあるクラシックギターにたどり着きました。

「これはマーティンさんの? 何か弾いてくれませんか?」
クラシックギターというのは、エレキギターなんかよりも、ネック(弦を押
さえるところ)が幅広くできています。自然、ジャンジャカと弾くのでは
なく、ポロロンと鳴らすほうがいい感じのギターです。そして、マーティ
ンさんも、その声のように優しい音をたてました。

窓の外には真っ青な海。マーティンさんのポロロンが空に解けていきます。
ふと、思いつきました。
「ボクはバンドをやっています。その昔、イギリスのバンドの曲をよく演
奏しました。フーとか、ジャムとか」
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★パンクソングは怒りの歌
とたんにマーティンさんの表情が輝きました。
「今は、やさしい歌が好きだけど、20代のころは怒りの歌が好きだった」
「怒りの歌?」
「パンクさ」
おおおおお。

会話が急に転がりはじめました。マーティンさんは作詞ポ−ルウェラー
(ジャムのボーカル。のちにスタイルカウンシルを結成)と書いた紙切れ
を1枚部屋から持ってきました。そしてギターを弾きながら唄いはじめま
した。曲は「ザッツエンターテイメント」です。

なんとなくテーブルを叩いてリズムを刻んでみました。マーティンさんが
喜んでいます。ドラムを伴奏に演奏したことなんかないよ!と。

続いてボブマーリーの「ノーウーマンノークライ」
あらら、好きな歌似てるのね。

よっしゃと思い立ち、キッチンからフライパンとボウルを持ってきました。
で、菜箸を使ってキッチンドラムセットを叩いてみました。バスドラム(足
で蹴るやつ)がないので、これは素足で床を踏み鳴らします。

今度はマーティンさんが思い立ちました。部屋からラジカセを持ってきま
した。レコーディングしたい!というのです。まじで?

チキチンドンドンと情けない音のドラムでしたが、録音すると音が割れて
ほんものみたいにいい音になってました。おおお。

さてさて、最初はギターを弾いて歌を歌ってたマーティンさんでしたが、
途中でギターソロをはじめられました。歌は本場のキングスイングリッシュ
でかっこいいのですが、ソロはやはりギタリストではないので、それほど
お上手ではありません。リズムも狂ったりします。

そのうち、ボクのリズムにあわせ、体を揺らせるだけになりました。
どうしよう?
と、突然ソロを再開されました。おお、ブレークしてたのね。

すでに原曲から離れ、オリジナルの世界に入っていってしまってはります。
どうしよう?
時計を見ると、演奏はすでに20分以上になっています(涙)
どうしよう?
でも、楽しんではるしなあ.....

窓の外でニワトリが鳴きました。
「ニワトリが鳴いてもオレは唄う〜」
そんな歌詞ないぞ。でも気持ちよく唄ってはるしなあ(涙)
マーティンさんの携帯電話が鳴り出しました。
「セルラーが鳴ってもオレは知ったこっちゃない〜」
まじで!(嗚咽)

これがパンクの原型に違いない。
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