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タイトル:609studio No.852 ◆現代時評 《公文書管理のルーツ》片山通夫  2018/04/03


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【609 Studio】email newsletter 2018年4月3日 No.852
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  フォト・ジャーナリスト片山通夫のemail newsletter。現代時評、ロシアやサハ
リンの話題、編集長のコラムなど多彩な話題満載!         
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◆現代時評 《公文書管理のルーツ》片山通夫
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 佐川前国税庁長官の証人喚問が衆参両議院で行われた。自民党の丸川議員の質
問の酷いことはさておいて、彼女の質問を聞いていて「公文書」に関する行政の
認識の怪しさというかいい加減さには呆れた。
 山口県は安倍首相の地元である。明治以降数多の首相を輩出してきた。長州閥
の暗躍もあったように思える。
 奇しくも今年は明治150年。そんな記念すべき年に国会では公文書の改ざん
が頻繁に行われていた。それも安倍晋三とその妻がらみの事件で・・・。

 さてその山口県に「長周新聞」という新聞がある。創刊は1955年というから、
戦後10年で創刊した。その「創刊にあたっての訴え」に「 戦争は、われわれの
生活のうえにいいしれないいたましい傷痕を残し、われわれの郷土に無残な荒廃
をもたらした。人人は荒廃のなかから立ち上がり、平和で豊かな美しい郷土を建
設してゆくために、不断の努力をつづけてきたし、いまもつづけているが、しか
し、10年もたった今日、いぜんとして明るい展望はひらけない」とある。

 長くなるので詳細は同紙のサイトで!
→ https://www.chosyu-journal.jp/aboutus

 前置きが長くなった。2018年3月23日の同紙に次のような記事が掲載された。
《公文書管理のルーツに迫る 先駆けとなった山口県文書館 先人の苦労ぶっ壊
す安倍晋三》
 同紙によると《日本の公文書管理のルーツが山口県にあることはあまり知られ
ていない。山口県文書館(山口市)は、全国初の公立の公文書館として1959
(昭和34)年に設立され、山口県の郷土史や近代史研究に資するだけでなく、
全国的な公文書館設置運動を牽引する役割を果たした。国立公文書館ができたの
がそれから12年後であり、「公文書館法」が制定されたのは28年後の198
7年だった。地方から始まった公文書館設立運動のさきがけとなった》
→ https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/7480

 皮肉なものである。国立公文書館ができるのは山口県文書館のあと、実に12
年後だったということだ。また「公文書館法」の制定に至っては28年後だとい
う。
 そして今2017年から2018年にかけて、「公文書館のルーツ」を持つ山
口出身の安倍政権は、公文書の改ざんで大きく揺れ動いている。

 山口市の文書館では《文書館の意義について「公私の団体または個人の活動や
法律上の権利に対する証拠を提供し、立法・行政・司法などを行う上にも、また
市民の財産その他法律上の権利を擁護する上にも重要」「過去の政治・経済・社
会・技術的発展についての優れたインフォメーション源泉を構成、現代社会の歩
みとその諸問題を理解する上に不可欠なインフォメーションを提供する」(19
57年『文書館』)と規定している。》と同紙は報じている。

 安倍夫妻の事件へのかかわりは後日の解明に任せるとして、長周新聞のこの記
事は見逃せない。ぜひ全文を読み頂きたいし、同紙の良心をジャーナリズムの鑑
として記憶したい。
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◆安倍晋三氏の憂鬱 
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《けじめ》

昔「けじめなさい」という歌があった。
作詞:売野雅勇 作曲:馬飼野康二 近藤真彦の歌で、 出だしはこんな感じだ
った。

ケジメ ケジメのないあなた(ダメダメ BABY)
ケジメ ケジメなさいあなた(本気で BABY) (YOU&ME CRAZY×2)
優しさにつけこむのはいけないね (Fuuuu NO NO)

晋三氏は相変わらず憂鬱である。サガワ氏の証人喚問も無事に終わったというの
に。
自民党や晋三氏の言う「けじめ」と野党のそれとはまったくかけ離れているとい
うことだ。
晋三氏は「政府としてもけじめをつけるのは当然」とは口走ってしまった。けれ
ども、その「具体的なけじめのつけ方」は、まったくわかっちゃいなかった。い
や、もしかしたら、「けじめ」の本来の意味も理解していなかったかもしれない。
しかし、野党は「けじめをつける」とは「辞職すると受け取っている。もしかし
たら大方の国民もそうなのかもしれない。

「部下の不祥事、その責任、トップが取るっていうの、これ当たり前なんですよ。
世の中の常識なんですよ。この案件のけじめ、誰が取れるかと言ったらトップな
んですよ、あなたなんですよ」と自由党 山本太郎参院議員などは攻め立てる。

晋三氏が「けじめをつける」なんて、国会の場で口走ったために、「けじめ」が
一人で歩き出した。

その夜、妻は鼻歌を歌っていた。
ケジメ ケジメのないあなた(ダメダメ BABY))

《外交の安倍が泣いている》

 この28日、北朝鮮の金正恩氏が電撃的に北京を訪問し習近平氏と会談した。む
ろんこのニュースは世界を駆け巡り、アメリカと北朝鮮の会談への布石となると
思われる。核実験やミサイルを撃ってきた北朝鮮は中国との関係が冷え切ってい
たように思えた。しかしながら、やはり両国の関係は朝鮮戦争以来の「血盟関係」
なのだろう。

晋三氏は心穏やかに夜を過ごすことができない。なんでも北朝鮮の核開発関連の
人員が半減させたというニュースまで流れてきている。本来ならば、画期的に平
和への靴音が響いてきたのだから、喜ぶべきなのだ。韓国や中国、そして我が国
の大方の国民は、平和への足取りに安どしていると思われる。

しかし、しかしなのだ。
晋三氏は呟いた。
「それじゃ困るのよ。トランプからは莫大な武器を買わされ、世界では外相共々
北朝鮮の脅威と訴えてきて、おまけに外遊するたびに金をばらまいてきたのに…」

晋三氏はたった一つ自負してきた外交が音を立てて崩れてきたことを実感するこ
とにるとは思いもしなかった。そういえば「ーチン大統領も北方領土は返さない
とか・・・。あれだけ下関で歓待したのに…」

日本の国民のみならず、世界の人々が「晋三氏の自負は日本国民の血税で成り立
っていたこと」を知っている。
知らなかったのは「勘違いしていた本人」だけなのだ。
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◆「スプートニク」 >>> 引用元    http://jp.sputniknews.com/
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◆情報通信・ラジオ「スプートニク」(HOME)
 http://jp.sputniknews.com/

◆日本関連
 http://jp.sputniknews.com/japan/

◆国際───────────────
 http://jp.sputniknews.com/world/

◆ロシア国内───────────────
 http://jp.sputniknews.com/russia/
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◆《News Digest》:609studio編集部
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◇きな臭い話、こぼれ話

 今週は休載です。
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◆編集長から:片山通夫  この記事は3月29日時点での記事です。            
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 早いものでもう4月に入りました。なんでも今年も暑い夏を迎えそうだという
ことです。
あついと言えば、朝鮮半島が今熱いようです。北朝鮮の金正恩氏が中国を訪問。
板門店では南北朝鮮の首脳会談の準備が進められているというニュース。そして
来月には、米朝首脳会談が始まる見通し。

 一方「絶え間ない圧力」をかけ続けるよう、世界中で説いて回った、安倍政権
は、これら一連の劇的な動きには全くの蚊帳の外。
 安倍首相は色々言っているが、全く実体のない「空虚なたわごと」に成り下が
っている。ハンギョレ新聞(韓国)によると、《朝中首脳会談は「日本が主導し
た対北朝鮮圧力の成果」だと日本政府が反応したとある。しかしながら、匿名を
条件に日本外務省幹部は読売新聞にたいして「圧力強化を主導した日本を非核化
交渉から除外して、北朝鮮がマイペースで交渉を推進させようという下心がある
」と日本外しが今後もこの劇的で流動的な朝鮮半島と世界の枠組みから外される
ことを深く憂慮しているようだ。

 いづれにしても、大国で北朝鮮に対して最も影響力のある中国の登場で、舞台
から、日本が外される危険のパーセンテージは高い。
 考えてみても、今まで「拉致被害者の帰還」だけを訴えて、それ以外に具体的
な行動をほとんどしてこなかった安倍政権は、国内的には拉致被害に関しても、
ほとんど顧みなかったという事実がある。勢い、拉致被害者の家族は、トランプ
大統領や国連に訴えざるを得なかった。

 素人の考えかもしれないが、北朝鮮に対してはいくつかのパイプはある。例え
ばアントニオ猪木参議院議員。何度も平壌を訪問している。彼に頼めば、訪問や
交渉の糸口は簡単に見つかるだろう。
 昨年9月に出されたDIAMOND ONLINEには次のような記事が掲載されている。
《2017.9.7アントニオ猪木の「訪朝」がバカにできない理由》
 詳しくは書かないが、結構彼は北朝鮮では重要な人物として遇されている。安
倍首相は、辞を低くしてアントニオ猪木氏に平壌との仲を取り持ってもらうこと
だ。
 最後に、真に国民のためを思っているなら、拉致被害者はむろん、戦争を回避
するためのあらゆる手段を模索し実行することだ。安倍晋三個人のメンツなんぞ
人命に比べれば軽いものだと肝に銘じて…。
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  発行    2018年4月3日 No.852
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