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────────────────────────────────────── 【609 Studio】email newsletter 2017年9月12日 No.826 ────────────────────────────────────── フォト・ジャーナリスト片山通夫のemail newsletter。現代時評、ロシアやサハ リンの話題、編集長のコラムなど多彩な話題満載! ────────────────────────────────────── 電子雑誌 Lapiz 2017秋号は10月1日発行です! 予告編は下記へ!! http://lapiz-international.com/ ────────────────────────────────────── 好評発売中! 《サハリン逍遥》 片山通夫写真集 サハリン残留朝鮮人の取材のため15年間サハリンに通った写真家が自然や人 々の暮らしを折にふれて撮りためた素顔のサハリン。さり気ないアプローチでと らえた被写体にユーモラスな文章をそえた魅力的な写真集。 群像社刊 モノクロ152ページ、予価1800円+税 群像社サイトからお買い求めいただけます!! http://gunzosha.cart.fc2.com/ca8/198/p-r-s/ サハリン逍遥が電子ブックになりました! http://www.shinanobook.com/genre/book/3775 ────────────────────────────────────── 【著書案内】 「追跡!あるサハリン残留朝鮮人の生涯」 片山通夫 著 日本の植民地統治が生んだ一家離散「二重徴用」「急速転換」「樺太 への逆密航」を語る貴重な証言!! 凱風社 刊 http://www.gaifu.co.jp/index.html 定価 1900円+税 ────────────────────────────────────── ◇現代時評《東アジアの危機》:片山通夫 ────────────────────────────────────── 危機は依然として去らない。北朝鮮の核問題がここまで大きくなったことに ついてよくよく考えてみたい。 先週ロシアのウラジオストックで開催された東方経済フォーラムで、プーチン 大統領は「北朝鮮をめぐる軍事的なヒステリーを加熱させても非生産的だと再度 強調した」とスプートニクが伝えた。 一方、このフォーラムに参加した安倍首相は「前代未聞の脅威の北朝鮮に対し て最大限の圧力を」と訴えた。二人の思惑は大きく異なる。 安倍晋三首相は「異次元」だの「断固」だの「断じて」だの強い言葉だけ発す る。落ち着いて各国の首脳の言い分を分析すべきだ。 おそらく国内政治が行き詰まっているので、やたら危機をあおることにしたの だろう。 ところで筆者の調べでは北朝鮮核に関するの軌跡は次の通りである。少し無駄 と思われる方もおられるかもしれないが、重要だと思うので振り返ってみたい。 1994年6月 - 国際原子力機関 (IAEA) からの脱退を宣言。 1994年10月 - 北朝鮮国内での核開発の凍結、国交の正常化への道筋の枠組みで 米国と合意。 2002年10月 - ケリー米国特使が北朝鮮を訪問。北朝鮮が高濃縮ウランによる核 開発の計画を認めたと米国が発表。 2003年1月 - NPTからの脱退を宣言。 2005年2月 - 核兵器の保有を宣言。 2006年7月 - 長距離弾道ミサイルを発射。 2006年10月 - 初とされる地下核実験を実施。 2009年4月 - 長距離弾道ミサイルを発射。 2009年5月 - 2度目とされる核実験を実施。 2010年11月 - 韓国の大延坪島を砲撃。 2012年4月 - 「人工衛星を打ち上げ」も空中で爆発(実際は長距離弾道ミサイル を発射か)。 2012年12月 - 長距離弾道ミサイルを発射。人工衛星の軌道への投入に成功と発 表。 2013年1月 - 国際連合安全保障理事会、北朝鮮に対する制裁を強化する決議を採 択。 2013年2月 - 3度目とされる核実験を実施。 2014年3月 - 日本海に向けて中距離弾道ミサイル、ノドンを2発発射。 2016年1月 - 4度目とされる核実験を実施。「水素爆弾の実験に成功」と発表。 2016年9月 - 5度目とされる核実験を実施。 2017年9月3日 - 6度目とされる核実験を実施 次に朝鮮半島は南北間で「休戦状態」にあることを認識すべきである。 朝鮮戦争:朝鮮民主主義人民共和国 (北朝鮮) と大韓民国 (韓国) の間で 1950 年6月に始った紛争で,およそ 300万人が命を落した。米軍を主体とする国連軍が 韓国側に立って戦争に参加し,また中国が最終的に北朝鮮支援に動いた。戦況は 目まぐるしく変化した末,戦争は 1953年7月,決定打のないまま終結(休戦)し た。 この朝鮮戦争もだが、アメリカは調べてみるととても好戦的な国だ。すこし同 国の歴史(参加した戦争)を振り返ってみた。 ベトナム戦争 ベトナムの独立と統一をめぐる戦争。1960年結成の南ベトナム解 放民族戦線は,北ベトナムの支援のもとに,南ベトナム軍およびこれを支援する アメリカ軍と戦い,69年臨時革命政府を樹立。73年和平協定が成立しアメリカ軍 が撤退,75年南ベトナム政府が崩壊,翌年に南北が統一された。 1991年1月-1991年3月、湾岸戦争。 1992年12月-1994年3月、ソマリア派兵。 1993年1月、イラク空爆。アメリカ軍(ブッシュ大統領・共和党)は、湾岸戦争の 停戦条件で規定されたイラクの大量破壊兵器廃棄義務に対する違反行為の疑いを 理由として空爆を行った。 1993年6月、イラク空爆。アメリカ軍(クリントン大統領・民主党)は、湾岸戦争 の停戦条件で規定されたイラクの大量破壊兵器廃棄義務に対する違反行為の疑い を理由として空爆を行った。 1994年9月-1995年3月、1994年-1995年のハイチ派兵。 1996年9月、イラク空爆。 1998年8月、スーダン空爆。 1998年8月、アフガニスタン空爆。 1998年12月、イラク空爆。 1999年3月、コソボ空爆。 2001年2月、イラク空爆。 2001年10月 -(2007年6月現在継続中)、アフガニスタン戦争。 2003年3月 -(2007年6月現在継続中)、イラク戦争。 2007年1月、ソマリア空爆。 2008 - アフガニスタン、イラク、パキスタンと、イエメン対テロ戦争 2009 - アフガニスタン、イラク、パキスタンと、イエメン対テロ戦争 2010 - アフガニスタン、イラク、パキスタンと、イエメン対テロ戦争 2011 - アフガニスタン、イラク、パキスタン、ソマリアと、イエメンで対テロ 戦争; リビアでの紛争(リビア内戦) 2012 - アフガニスタン、イラク、ソマリア、シリアとイエメンで対テロ戦争 2013 - アフガニスタン、イラク、ソマリア、シリアとイエメンで対テロ戦争 2014 - アフガニスタン、イラク、ソマリア、シリアとイエメンで対テロ戦争 2015 -ソマリア、シリアとイエメンで対テロ戦争、 このように見てみるとアメリカは第二次大戦以降に起こった世界での戦争や内 乱などに必ず首突っ込んでいる。アメリカ以外の土地でである。 そしてアメリカは外交政策において、アメリカ政府・議会の多数派の目的と、 政治的、経済的、軍事的な利益を追求することに都合が良いと判断した場合には、 独裁政権を支援することもある。そして都合が悪くなると態度を一変させる。 ただ今回の北朝鮮の核問題に関しては少し趣が違う。北朝鮮はICBM(大陸間弾 道弾)を持ち、その射程にアメリカ本土を収めていると公言している。同時に直 近の核実験では、ICBMに搭載可能な水爆を開発したとも…。これは今までの「よ その庭での戦争」でなくなり、直接的にアメリカ本土が脅威にさらされたという ことになる。 しかし冷戦時代を振り返ってみると、旧ソ連や中国などとも対峙していたし、 両国とも、ICBMでアメリカ本土を射程におさめることができたし核弾道を保持し てきた。またインドやパキスタンも同様の核を保持しているようだ。何よりもア メリカの同盟国であるイスラエルも! こうして考えるとなぜ北朝鮮だけをアメリカは目の敵にしているのか、いささ かならずとも疑問である。 ────────────────────────────────────── ◆「スプートニク」 >>> 引用元 http://jp.sputniknews.com/ ────────────────────────────────────── ◆情報通信・ラジオ「スプートニク」(HOME) http://jp.sputniknews.com/ ◆日本関連 http://jp.sputniknews.com/japan/ ◆国際─────────────── http://jp.sputniknews.com/world/ ◆ロシア国内─────────────── http://jp.sputniknews.com/russia/ ────────────────────────────────────── 読書《なぜヨーロッパで資本主義が生まれたか》 西洋と日本の歴史を問いなおす 関曠野 著 聞き手 三室勇 発売日:2016.05.30 定価:2,592円 サイズ:四六判 ISBNコード:978-4-7571-4346-3 http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100002384 ────────────── 新刊ガイド《「大大阪」時代を築いた男 評伝・関一(第7代目大阪市長)》 大山勝男 著 定価(本体2,600円+税) 2016年2月10日発行 http://koujinnotomo.com/ ────────────────────────────────────── ◆《News Digest》:609studio編集部 ────────────────────────────────────── ◇◇ニュースな言葉、一口メモ <カタルーニャ> ⇒スペイン北東部の歴史的地方名。英語名カタロニアCatalonia。ピレネー山脈 東部の南斜面、地中海沿いの海岸山脈、およびその背後の低地からなる。ヘロナ、 バルセロナ、レリダ、タラゴナの4県を含み、面積3万1930平方キロメートル、人 口634万3110(2001)。海岸部は地中海性の温和な気候であるが、海岸山脈の北側 は内陸性の厳しい気候である。しかし灌漑(かんがい)施設が発達し、肥沃な土壌 にも恵まれて農業が盛んであり、穀物、豆類、オリーブ、ブドウ、野菜などが栽 培される。 more https://goo.gl/x51y93 ◇◇News Digest◇◇ ◇きな臭い話、こぼれ話 北朝鮮:「軍事強化では食えぬ」不満も https://mainichi.jp/articles/20170908/k00/00m/030/141000c 核兵器保有 賛成60%・反対は35%=韓国世論調査 【ソウル聯合ニュース】調査会社の韓国ギャラップが8日に発表した世論調査結 果によると、韓国が核兵器を保有することについて、賛成は60%、反対は35 %となった。 http://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2017090801403 北朝鮮大使を国外追放へ=核ミサイル「日韓に脅威」−メキシコ https://www.jiji.com/jc/article?k=2017090800268&g=pol 社説】北の脅威と日韓 「呉越同舟」その先は 北朝鮮の核実験とミサイル発射は日韓双方にとって深刻な脅威である。一方で、 日韓には歴史問題をめぐる確執が残る。対立を最小限に抑え、手を組んで、今そ こにある危機を乗り越えたい。 http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017090802000143.html トランプ氏、軍事行動は北朝鮮に「悲しむべき事態」招く https://goo.gl/Xo8nwV プーチン大統領 北朝鮮は経済協力に引き入れねばならない - Sputnik 日本 プーチン大統領は北朝鮮を経済協力に引き入れる必要があるとし、ロシアはその ための提案を有していることを明らかにした。 https://jp.sputniknews.com/politics/201709074060590/ トランプ氏、韓国を批判「物乞いのようだ」 http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00369694.html ロシアは北朝鮮に対する抑圧には参加しない 露外務省 ロシアは、対北朝鮮制裁が国の崩壊を目的としたものとなるならば、その制裁を 支持しない。ロシアのモルグロフ外務次官が、ウラジオストクで開催中の東方経 済フォーラムの枠内における討論の場で述べた。 https://jp.sputniknews.com/business/201709064057434/ 今度は石油禁輸 金正恩氏物ともしないか? https://jp.sputniknews.com/opinion/201709064058991/ 文大統領 対北石油禁輸で協力要請=プーチン氏は否定的 https://goo.gl/p1FKwM 韓露首脳が会談…プーチン大統領「北核容認できないが圧力と制裁で解決しない」 https://goo.gl/7LsLgL 対北圧力牽制か 中国高官「次は東京上空越えるミサイルも」 8月に日本の国 会議員団に伝達 http://www.sankei.com/politics/news/170907/plt1709070003-n1.html 北朝鮮危機:日本の週刊誌が発端の「9月9日戦争説」、現実性は 今月3日に北朝鮮が6回目の核実験を実施して以来、インターネットを中心に「9 月9日戦争説」が出回っている。「北朝鮮の建国記念日である9月9日に米国が北 朝鮮を空爆しようとしている」というのだ。しかし、韓国政府の当局者や専門家 らは「韓半島(朝鮮半島)危機が高まるたびに繰り返されるうわさの一つに過ぎ ない」として「米国が戦争を始める兆しはない」とうわさを否定している。 http://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2017090603565 北朝鮮、現在所有するミサイルで米本土を壊滅的打撃 EMP攻撃を検討 「核兵器の威力を攻撃対象によって数十?数百キロトン級に至るまで任意に調整 できる我々の水素爆弾は巨大な殺傷破壊力を発揮するだけでなく、戦略的目的に よって高空で爆発させ、広範囲の地域について強力なEMP攻撃まで加えることの できる多機能化された核兵器だ」 http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/09/emp.php 北朝鮮問題、アメリカに勝ち目はない <北朝鮮は核兵器保有国の一歩手前まで来ており、トランプ米政権は何をやって も勝ち目はない。北東アジアの盟主はアメリカから中国へ、われわれは覇権の移 行期を目の当たりにしている> http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/09/post-8390.php トランプ大統領は北朝鮮問題で「腰抜け」に成り下がるのか?なぜトランプ大統 領は中国に脅しをかけないほうがいいのか? - Sputnik 日本 https://jp.sputniknews.com/opinion/201709054053753/ 対北強硬姿勢に転じた文大統領 米首脳との電話で対話触れず https://goo.gl/DyVbsc 金正恩委員長の核挑発、米中ストロングマンの隙を狙った(1) https://goo.gl/CSqhAb 北朝鮮との戦争“懸念、やむなし” 米世論割れる http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000109319.html プーチン大統領、北朝鮮問題で地球規模の「大惨事も」と警告 http://www.afpbb.com/articles/-/3141799 北朝鮮は「戦争したくてたまらない様子」=米国連大使 http://www.bbc.com/japanese/41157119 スイス、仲介役に名乗り 北朝鮮危機「対話の時」 スイスのロイトハルト大統領は4日、首都ベルンで記者会見し、朝鮮半島の危機 の高まりについて「対話の時が来ている」と述べ、中立国スイスは外交交渉の仲 介役を務める準備があると表明した。 https://this.kiji.is/277548720940711940 韓国、北朝鮮への暗殺部隊を12月創設 https://this.kiji.is/277452336180133889 安倍首相がトランプ大統領と“対北朝鮮戦争”への参加を勝手に約束! 米国と の軍事一体化で日本も攻撃対象に 昨日3日、北朝鮮が6回目の核実験を行なった。大陸間弾道ミサイル(ICBM)に搭 載できる水素爆弾の実験を成功させたと主張している北朝鮮に対し、アメリカの マティス国防長官は「我々は北朝鮮という国家を完全に壊滅させようとは思って いないが、そうするための選択肢は多数ある」「米本土またはグアムを含む海外 領土、あるいは同盟諸国に対するいかなる脅威も大規模な軍事対応をもって迎え られる」と警告。米朝軍事衝突の危機は高まっている。 http://lite-ra.com/i/2017/09/post-3433-entry.html 中国が切った「中朝軍事同盟カード」を読み切れなかった日米の失敗 北朝鮮が核実験を強行した。習近平は再び顔に泥を塗られた。それ以上に重要な のは、中国が切った「中朝軍事同盟」カードの重要性を、日米が読み切れなかっ たことだ。最後のチャンスを逃してしまった事実は大きい。 http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/09/post-8375.php 北朝鮮「ICBM用の水爆実験に成功」 6回目核実験 【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の核兵器研究所は3日午後、「大陸間弾道ミサイ ル(ICBM)搭載用の水爆実験に完全に成功した」とする声明を発表した。北 朝鮮の科学者らがこの日午後0時半(日本時間)に北東部の核実験場で実験を成 功裏に実施したとした。 https://goo.gl/ZXNdUR ──────────────────────────────────── ◆編集長から:片山通夫 ──────────────────────────────────── なぜか今号は「戦争特集」のようになってしまった。 今、国内各地で「ミサイル避難訓練」なるものが行われているようだ。東京の学 校では防空頭巾で児童の頭を守るらしい。70数年前の焼夷弾でも防空頭巾は役 に立たなかったと聞く。今回東京で使われた防空頭巾はどのようなものなのか不 明だが本気でミサイルから頭を守れるというのなら、一度レンガでも降らせてみ ればいい。もちろんダミーの人形で…。 察するに、政府は、安倍政権は北朝鮮をどのように説得するかということより も、国内の児童や親たちへ危機をあおることに専念しているようだ。 いっそのこと、閣議も間もなく開催される国会でも、いや皇族方も含めて、竹 やり・・・いや防空頭巾で会議をし、街を歩き、電車に、車に乗って見てはいか がか。寿司屋へ行き、レストランで飲み食いしながら、危機をあおったって、誰 も信用すまい。 このゲスなキャンペーンで、誰かが大儲けしているはずだ。 長靴業界どころではない。 ──────────────────────────────────── 発行 2017年9月12日 No.826 発行 毎週火曜日 購読料無料 FB https://www.facebook.com/michio.katayama.5 配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236 MailuX配信システム ID:MM3E1B97842E020 contact us http://www.609studio.com/html/mailform.html website http://www.609studio.com/ 投稿 http://www3.ezbbs.net/06/609studio/ 購読 解除 http://archive.mag2.com/0000052236/index.html ◇禁・無断転載◇ ──────────────────────────────────── |