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タイトル:609studio No.822 ◇現代時評《戦争記念日に戦争の危機!?》:片山通夫  2017/08/15


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【609 Studio】email newsletter 2017年8月15日 No.822
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  フォト・ジャーナリスト片山通夫のemail newsletter。現代時評、ロシアやサハ
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◇現代時評《戦争記念日に戦争の危機!?》:片山通夫
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  米朝がお互いに相手を口撃してやまない。北朝鮮は「グアム周辺へミサイル
を撃つ」と威嚇し「炎と怒りを見ることになる」とトランプ大統領は応戦して世
の中が姦しい。
 
 そんな中、我が国は「集団的自衛権」を行使して「北のミサイルが我が国を通
過する場合、これを撃ち落とす」と勇ましい。仮に発射されたとして、およそ北
朝鮮・平壌から東京までの距離が約1300km。約8分〜10分で着弾(到着)すると
いう。
 そして、北朝鮮からグアムまでが3400km。2.6倍の距離のなので20〜26分。こ
れではいずれも避難するには時間が足りない。

 そんな中、我が国の政府は北朝鮮のミサイルが発射された場合の避難方法など
を「政府広報」で下記の様に注意を呼び掛けている。

《弾道ミサイル落下時の行動について》
https://goo.gl/5WxNpq
(1)ミサイル発射情報・避難の呼びかけ
ミサイル発射。ミサイル発射。北朝鮮からミサイルが発射された模様です。頑丈
な建物や地下に避難して下さい。 
 まず、上記の発射情報を伝達し、避難を呼びかけます。屋外にいる場合は近く
の頑丈な建物や地下(地下街や地下駅舎などの地下施設)に避難して下さい。
(2)直ちに避難することの呼びかけ
 直ちに避難。直ちに避難。直ちに頑丈な建物や地下に避難して下さい。ミサイ
ルが落下する可能性があります。直ちに避難して下さい。
※ミサイルが日本の領土・領海に落下する可能性があると判断した場合、直ちに
避難することの呼びかけを行います。 屋外にいる場合には、直ちに近くの頑丈な
建物や地下(地下街や地下駅舎などの地下施設)に避難して下さい。

 いろいろ言われているが「どこに避難する」のか明確ではない。大都会ならビ
ルも地下街もあろうが・・・。大都会と言われている東京でも、世田谷、杉並な
どは木造と思しき住宅が広がる。あの政府広報は、凋落傾向の安倍政権が危機を
あおる手段と見た。

 ここ(8月12日)に来て、米朝が口角泡を飛ばして相手をののしる事態にな
った。北朝鮮は、グアム周辺に4発のミサイルを撃ち込むと威嚇、それに対応し
てトランプ大統領は、「炎と怒り」で北朝鮮に警告した。何でも北朝鮮のミサイ
ルがグアムに向けて撃たれると、我が国の上空を通過するという話だ。ミサイル
は大気圏にいったん出て再突入する。その時の高度は2000キロ超だとか。安
倍政権はPAC3を北朝鮮のミサイルに対応して中国・四国に配備した。PAC3の能
力を調べた。PAC-3の有効範囲は射程15〜20km、射高15〜20kmと紹介されること
が多い。
⇒http://obiekt.seesaa.net/article/107398010.html

 単純に考えると、PAC3ではとても北朝鮮のミサイルを迎撃できない。半径2・
30キロの範囲しかカバーできないPAC3を4基で??!

 もう一つ、筆者は気になることがある。仮に米軍なり、自衛隊なりが核弾頭を
積んだミサイルを撃たれこれを迎撃できたとする。破壊されたミサイルに積み込
まれた核弾頭は無傷で回収できるのか?それとも「自爆」よろしく爆発する?

 大いに疑問だし心配だ。政府はその辺りを「丁寧に」説明する必要がある。

 所でニューズウイークにこのような記事を見つけた。
《核攻撃を生き残る方法(実際にはほとんど不可能)》とある。
<自分の生活圏が核攻撃を受けた場合、爆発で生き残ったとしても、その後に放
射性物質などを回避して生き残れる確率は極めて低い>
穏やかに晴れた日、カリフォルニアやグアムを散歩しているとしよう。ドナルド
・トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が核戦争
を示唆させる危険な言葉のやりとりを繰り広げていたとしても......それが現実
になるとは夢にも思わないはずだ。晴れやかな気持ちで空を見上げた瞬間、あな
たは大陸間弾道ミサイル(ICBM)に搭載された1100キロ相当の核爆弾が猛スピー
ドで上空を通過する様子を目撃する。突如として迫りくる死を実感して、あなた
の一日はめちゃくちゃになる。アパートの地下に核シェルターを建設しておかな
かったことを後悔するに違いない。
 http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/08/post-8188.php

 詳しい内容はそれぞれ本文を読んでもらうとして、我が国の政府広報とニュー
ズウイークの記事といずれが正鵠を得ているかは読者の判断にお任せしたい。

 筆者はやはり我が国は独自の平和主義を貫くことが重要だと考える。米朝両国
に平和を説くことが必要だ。日本が72年前の様に、焼け野原になる危険は冒す
べきでない。
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◆「スプートニク」 >>> 引用元    http://jp.sputniknews.com/
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◆情報通信・ラジオ「スプートニク」(HOME)
 http://jp.sputniknews.com/

◆日本関連
 http://jp.sputniknews.com/japan/

◆国際───────────────
 http://jp.sputniknews.com/world/

◆ロシア国内───────────────
 http://jp.sputniknews.com/russia/
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http://koujinnotomo.com/
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◆《News Digest》:609studio編集部
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◇◇ニュースな言葉、一口メモ <存立危機事態>

⇒ 日本政府が集団的自衛権を行使できると定義する事態。安全保障関連法は「
密接な関係にある他国への武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされ、国民の生
命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」と規定す
る。「国民を守るため他に適当な手段がない」「必要最小限度の実力行使にとど
まる」と併せた「武力行使の新3要件」を満たす場合に、集団的自衛権の行使は
認められる。

⇒つまり、アメリカが他国から攻撃される事態に陥れば、我が国は先頭に突入す
るということ。嗚呼!!
 
◇◇News Digest◇◇

◇きな臭い話、こぼれ話

迎撃ミサイル中四国配備へ調整 政府、北朝鮮予告で
nikkei-news@mx.nikkei.com

私が菅官房長官に「大きな声」で質問する理由 東京新聞・望月衣塑子記者イン
タビュー#1
http://bunshun.jp/articles/-/3766

核弾頭、迎撃で起爆せず=防衛省局長
防衛省の前田哲防衛政策局長は10日の参院外交防衛委員会で、核兵器が搭載され
た弾道ミサイルを自衛隊が迎撃した場合、一般論と断った上で「迎撃により起爆
装置などの機能は喪失する。核爆発による被害は発生しない」との認識を示した。
(時事通信)
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6250073

安倍首相の「9条加憲」は、どの層からも支持されない
<自衛隊を憲法で明文化する安倍首相の提案「9条加憲」は、いわゆる護憲派、
改憲派はもとより、中道あるいは無党派層のいずれの層からも支持を得るのは困
難>
http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2017/08/9.php

“ポスト安倍”の目も消えた…麻生財務相が安倍首相に激怒
やってられねぇ――麻生財務相(76)が、安倍首相に対して不満を強めている
という。原因は改造人事だ。要望が完全に無視されたという。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/211052

◆シリア:駐留ロシア軍がヒムス県北部のラスタン市に初めて人道支援物資を搬
入 その他紙 2017-08-10 翻訳者:シリア・アラブの春顛末期
 http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=43214
◆シリア:政府支配地域の犠牲者数は反体制派支配地域の倍の40万人を超える 
その他紙 2017-08-11 翻訳者:シリア・アラブの春顛末期
 http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=43224
◆エジプト:政府によるメディア規制とジャーナリストの弾圧で、報道の自由が
危機に瀕する(2) al-Quds al-Arabi紙 2017-08-01 翻訳者:赤司萌
 http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=43197
◆エジプト:政府によるメディア規制とジャーナリストの弾圧で、報道の自由が
危機に瀕する(1) al-Quds al-Arabi紙 2017-08-01 翻訳者:赤司萌
 http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=43168
◆エジプト:政府によるメディア規制とジャーナリストの弾圧で、報道の自由が
危機に瀕する(2) al-Quds al-Arabi紙 2017-08-01 翻訳者:赤司萌
 http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=43196

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◆編集長から:片山通夫              
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  今日は「終戦」記念日。正しく言い換えれば「敗戦の日」。数多の内外の犠牲
を出して、1945年8月15日、時の天皇は「無条件降伏」を宣言した。
 時は遅かったにせよ「軍部のコチコチ」が主張する「本土決戦」なるものを抑
え切って天皇は無条件降伏を選んだ。

 昨今の右傾化した我が国では「無条件降伏」という言葉すら聞くことはまれだ。
しかしそれは世界史の中で厳然たる事実なのだ。あの戦争が「一部の狂信的な軍
人達の暴走」だとみるのはやさしい。しかしそれは「無条件降伏の敗戦」をあた
かも同等の立場で「終戦協定」を結んだかのように見せかけるまごう事なきまや
かしでしかない。1945年8月、いやその年の3月の東京大空襲頃から、我が
国は連合軍の攻撃にさらされていた。旧満州にいたはずの関東軍は、国民の知ら
ぬ間に南の島々へ移動していた。沖縄では熾烈な戦いを民間人を巻き込んで強い
られていた。いやそれよりも、今の天皇が慰霊の旅を続けたわが国からはるか南
の島々では、すでに当時から「玉砕」と言う名の全滅が起こっていたのだ。

 私たちは今こそまやかしの字句で美化されたあの戦争を見つめなおす必要があ
る。筆者は決してヒロシマ・ナガサキの悲劇を肯定するものではない。しかし、
あの時まで、もっと言えば6月23日以前、いや大空襲が始まった時に、敗戦を
受け入れていたら、少なくとも「ヒバクシャ」は生まれることはなかった。

 歴史は繰り返すという言葉がある。戦争の形は変わったけれども、被弾する町
に住む住民の悲劇は変わらない。戦争を起こしてはならない。今日のこの日に今
一度その言葉をかみしめたいものだ。               合掌
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  発行    2017年8月15日 No.822
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