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タイトル:609studio No.775 ◇現代時評 《知事の原発停止申し入れ》: 井上脩身  2016/09/06


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【609 Studio】メール・マガジン 2016・9・6 No.775
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   フォト・ジャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上脩身
氏の現代時評、ロシアやサハリンの話題、編集長のコラムなど多彩な話題満載! 
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◇現代時評 《知事の原発停止申し入れ》: 井上脩身
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 鹿児島県の三反園訓知事は8月26日、九州電力の瓜生道明社長に、同県内の
川内原発を一時停止し、再点検するよう申し入れた。同原発1、2号機は新規制
基準による審査を経て2015年に再稼働したが、三反園知事は「審査パス原発
」にノーを突きつけた形だ。九電は「知事に原発停止権限はない」としている。
だが、「住民の健康と安全を守る」という知事として当然の要請を九電が拒否し
て運転を続行するならば、原発が「安全軽視の経済優先」を立証することになろ
う。

 報道によると、三反園知事は県庁で瓜生社長と面会し、「熊本地震を受け、原
発は本当に大丈夫なのかとの不安の声も多くある。県民のそうした声に応える意
味からも、原発を一旦止めて、再点検、再検証してほしい」と要請した。(8月
27日付毎日新聞)

 同原発1号機は1984年、2号機は翌85年、運転を開始。福島事故が起き
て運転を停止していた2014年、運転差し止めを求める仮処分の申し立てが住
民23人よってなされた。原告側は「耐震安全性が不十分で、大地震によって放
射能漏れ事故が起こりかねない」「近隣の火山で大規模な噴火が起きた場合、過
酷事故が起こる恐れがある」などと主張した。

 しかし、原子力規制委員会は13年7月、国が定めた新規制基準に基づいて審
査をパスさせ、1号機は15年8月、2号機は同9月に再稼働した。新規制基準
による再稼働は初めてのケースである。

 こうした原発政策に人格権尊重の立場から強い疑義がもたれている。人格権は、
憲法が定める平和的生存権(前文)、幸福追求権(第13条)、生存権の保障(
第25条)から導き出される権利だ。人が社会生活上有する人格的利益を内容と
し、具体的には、環境汚染により健康を損なわれることがないことなどを指す。
人格権の保障を前面に打ちだしたのが14年5月の福井地裁決定である。関西電
力大飯原発3、4号機について樋口英明裁判長は「原発の稼働は経済活動の自由
に属し、憲法上は人格権の中核部分より劣位に置かれる」とし、運転の停止を命
じた。さらに今年3月、大津地裁の山本善彦裁判長は関電高浜原発3、4号機に
ついて、「住民たちの)人格権が侵害される恐れが高いにもかかわらず、安全性
が確保されていることについての説明が不十分」として、住民側の運転差し止め
仮処分の申し立てを認める決定をした。稼働中の原発の運転を停止させる仮処分
は初めてで、同原発3、4号機は現在運転を停止している。

 こうした司法の流れを受けて三反園鹿児島県知事は、地方公共団体の代表とし
て運転の一時停止を申し入れたものと思われる。九電の瓜生社長は三反園知事と
の会見後の記者会見で、定期点検後の地元同意について「法律や安全協定の中に
はその文言はどこにもない」と述べ、知事に運転再開の可否を判断する権限がな
いことを指摘。政府も、前知事の同意を得ている、として運転を続行する構えだ。
 だが重要なのは、三反園知事の申し入れが地方自治法の本旨にのっとったもの
であることだ。同法には「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることが基本
」(第1条の2)と定められている。これは憲法の規定を受けて、地方公共団体
の住民の生存権の保障を義務づけたものとみられ、人格権尊重が地方自治の基本
理念であることを示たもの、といえるだろう。

 地震によって発生した津波で福島第1原発事故が起きた事実に照らせば、地震
が頻発し火山もかかえる鹿児島県の知事として、県内の原発に万一の事故が起き
ないか、を危惧するのは当然であろう。その不安が払しょくされない限り、「人
格権尊重」の立場から原発の運転停止を求めるのは、知事の責務ですらある

 地方自治法は「住民に身近な行政はできる限り地方公共団体にゆだねることを
基本」と定めている。原発が国策であろうとなかろうと、原発立地自治体として、
事故から住民を守ることが身近な行政でなくて何であろう。いうまでもないが、
知事は、原発をやみくもに進める安部晋三首相の走狗であってはならないのであ
る。 
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◇白石阿光の不条理ストーリー 15
「徳をもってする“戦争アンダーコントロール論”の…」  :白石阿光
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 緑深い山道の横の岩の間からちょろちょろと滲み出る水を思い浮かべながら、
自宅の洗面所の水をちょろちょろと出し、手ですくいながら顔を洗ってみません
か。
 「環境保護のため」「資源の無駄使いをしない」「節水コマを使おう」などと
いう世俗的な思いから解き放たれ、心地よい一日が始まります。
 木立の奥遠く、小鳥の声が聞こえませんか。脳の伝達化学物質がフィトンチッ
トに変わっているかもしれません。

 続きを読む  http://goo.gl/BvZagj
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◆「スプートニク」 >>> 引用元    http://jp.sputniknews.com/
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◆情報通信・ラジオ「スプートニク」(HOME)
 http://jp.sputniknews.com/

◆日本関連
 http://jp.sputniknews.com/japan/

◆国際───────────────
 http://jp.sputniknews.com/world/

◆ロシア国内───────────────
 http://jp.sputniknews.com/russia/
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2016年2月10日発行
http://koujinnotomo.com/
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◆《News Digest》:609studio編集部
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 《気になるニュースをひとまとめ》にして、過去一週間分をピックアップして
お届けします。当編集部の独断と偏見で、時にはコメント付きで。
 芸能や経済などは、筆者がわからないので極力避けておりますというか、スル
ーしますのでご理解ください。なお、記事を掲載したサイトがその記事を削除さ
れている場合があります。
 私どもでは責任を負いかねますので併せてご了解ください。

◇◇ニュースな一口メモ 【ウズベキスタン】
 ウズベキスタンは、中央アジアに位置する旧ソビエト連邦の共和国。首都はタ
シュケント(タシケント)。北にカザフスタン、南にトルクメニスタンとアフガ
ニスタン、東でタジキスタン、キルギスと接する。国土の西部はカラカルパクス
タン共和国として自治を行っており、東部のフェルガナ盆地はタジキスタン、キ
ルギスと国境が入り組んでいる。国境を最低2回超えないと海に達することがで
きない、いわゆる「二重内陸国」の1つである。
               以上ウイキペディア http://goo.gl/mVrpe7

◆◇News Digest◇◆

◆世界のニュース・日本のニュース◆

◇カリモフ大統領死去=独裁26年、首相が実権か−ウズベク
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016090300033&g=int

◇南スーダン派遣 机上の空論  毎日新聞
机上の空論と言わずして何だろう。アフリカ・南スーダンの国連平和維持活動
(PKO)への自衛隊派遣のことだ。安全保障関連法に基づく「駆け付け警護」
と「宿営地の共同防護」の新たな任務が11月にも課せられる方向だ。現地を知
る専門家は「政府の想定とかけ離れた現実」と指摘するが、このまま突き進んで
いいのだろうか。
http://mainichi.jp/articles/20160902/dde/012/010/022000c?fm=mnm

◇森組織委会長 小池都知事に「築地移転延期」でイチャモン 
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/189118

◇日ロ間「2島先行返還」再浮上 択捉、国後は継続協議
http://this.kiji.is/144124932478420472

◇東電の高笑いが聞こえてくる
http://ameblo.jp/n-kan-blog/entry-12195351455.html

◇福島原発、凍土壁の2カ所溶ける 台風影響、追加工事急ぐ
http://this.kiji.is/144053210978664455

◇副首相処刑でも止められない「市場世代」の金正恩離れ
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/09/post-5754.php

◇トランプのメキシコ訪問と移民政策の奇々怪々
 http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2016/09/post-860.php

◇【米大統領選2016】メキシコ訪問のトランプ氏、国境の壁建設を主張
http://www.bbc.com/japanese/37241155

◇大金が入った財布を警察に届けたホームレス。お返しに持ち主がしたことは…
http://buzzmag.jp/archives/81080

◇米キューバ定期便が就航 半世紀ぶり
http://this.kiji.is/143750258995036164

◇北方領土:ロシア人居住権を容認へ 政府方針 
http://mainichi.jp/articles/20160901/k00/00m/010/168000c

◇新聞社の元・報道写真家がSNS時代に伝える「写真を超えた何か」
http://www.newsweekjapan.jp/sakamaki/2016/08/sns.php

◇朝鮮日報の宋煕永主筆、豪華出張疑惑で辞任
http://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2016083000960
⇒豪華出張疑惑で大手マスコミの主筆が辞任した。残念ながら我が国の話でなく
お隣・韓国の話。首相に奢られて鮨仲間とはちと違う。

◆ロシアからのニュース《プーチン・安倍会談》◆

◇平和条約締結に向けての作業継続で合意
ロシアのプーチン大統領と安倍首相は、露日両国間の平和条約締結に向けて作業
を継続していくことで合意した。
http://jp.rbth.com/politics/2016/09/02/626645

◇プーチン大統領、安倍首相との会談で:ロシアはソチ会談で日本側から受けた
提案を検討している
http://jp.sputniknews.com/politics/20160902/2720934.html

◇日本 南クリルで暮らすロシア人の居住権容認に関する報道を否定
http://jp.sputniknews.com/japan/20160901/2717065.html

◇ロシア大統領報道官、安倍首相とプーチン大統領のクリル関連の交渉について
コメント
http://jp.sputniknews.com/politics/20160903/2722431.html

◇ロシア 日本に自動車分野での共同プロジェクトを提案
http://jp.sputniknews.com/politics/20160903/2722395.html

◇日本はプーチン大統領訪問時に平和条約審議を期待ー日本外務省
http://jp.sputniknews.com/politics/20160903/2722314.html

◇日本はロシアとの協力発展に全力を尽くす―安倍首相(動画)
http://jp.sputniknews.com/politics/20160902/2720883.html

◇領土問題、進展期待できず=公式訪日への一里塚−ロ大統領報道官
http://www.jiji.com/sp/article?k=2016090200793&g=pol

◇領土問題に冷や水=「引き分け」期待に予防線−ロシア
http://www.jiji.com/sp/article?k=2016082100221&g=pol

◇プーチン氏、北方領土問題解決に意欲…米報道
http://www.yomiuri.co.jp/world/20160902-OYT1T50093.html
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◆編集長から: 片山通夫
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 新潟県の泉田知事の撤退問題。怪しい雰囲気が充満している。高笑いしている
のは安倍政権と東京電力か。

 その安倍首相、プーチン大統領を《取り込んで》北方領土問題の進展を手柄と
したいようだ。このほど行われたサハリンでの戦勝記念日でも昨年と様変わりし
て軍事色が少なくなったと報道にあった。
 まあその程度のサービスはプーチン大統領にとって朝飯前。問題はクリミアを
併合しウクライナと戦争状態にあり、ヨーロッパへのガス供給遮断も辞さない強
面のプーチン政権と渡り合えるのか、甚だ疑問だ。お坊ちゃま・お友達内閣のメ
ンツでは…。
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  発行     2016年9月6日 No.775
  発行     毎週火曜日  購読料無料
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 配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236
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  contact us http://www.609studio.com/html/mailform.html
  website  http://www.609studio.com/
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