メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.770 ◇現代時評《言論》:片山通夫  2016/08/02


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【609 Studio】メール・マガジン 2016・8・2 No.770
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   フォト・ジャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上脩身
氏の現代時評、ロシアやサハリンの話題、編集長のコラムなど多彩な話題満載! 
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◇現代時評《言論》:片山通夫
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 言論という言葉の持つ意味が、我が国では変わってきたように感じる。安倍首
相の国会での聞くに堪えないヤジがその最たるものだ。彼は《言論の自由を謳歌
している》つもりなのだろう。しかしそこでは品性を感じることができない。い
やそれ以前に、彼は質問者に対してヤジっているのだから、答弁をまともにする
意志を感じることができない。

 もうだいぶ前の話になる。1968年12月10日、日本人として初めてノーベル文学
賞を授与した川端康成(当時69歳)が、12月12日にストックホルムのスウェーデ
ン・アカデミーで行われた授賞記念講演において演説した芸術観・文化論がある。
 そこでは、彼は日本人の美の心を端的に語る《美しい日本の私―その序説》は、
世界に向かって我が国の古典文学や芸術を語り、伝統的な日本人の心、思想など
を説いた。それは西欧とは異なる死生観もふくまれた文化論でもあった。

 川畑康成が生きた時代は、今と比べて隔世の感がある。《美しい日本》という
言葉の持つ意味が断然違う。かれはその講演の中という限られた時間で《西欧と
は異なる伝統的な日本人の特質》を説いた。

 しかし、昨今の我が国の《声の大きい人々》は、完全にこの《美しい日本の人
々》を変質させてしまっている。
 例えば《ヘイトスピーチをする人々、そして彼らと付き合う、もしくは付き合
っていたことを隠す人々》、《なんでも金品の価値に置き換えて世の中を渡る人
々》、《弱者を帰り見ず、平気で切り捨てる人びと》など枚挙にいとまがない。

 声が大きいということが有利になる世の中は、間違っている。
それは、ネット上の《炎上》という現象についても、いうことができる。ほんの
わずかな人々が《怪しからん》と断定してしまうと、その言に乗った有象無象の
《匿名戦士ども》が、無責任に煽る。このどこに《美しい日本》を感じることが
できるのか、筆者には全く分からない。

 例えば《日本のこころを大切にする党》という政党がある。党名から感じられ
るのは、まるで川端康成の《美しい日本の私》と同義語のようである。しかしこ
の政党の基本政策には《戦前への回帰》のイメージが付きまとう。例えばその基
本政策の第一に《我が党は、長い歴史と伝統を持つ日本の国柄と日本人のこころ
を大切にした、日本人の手による自主憲法の制定を目指す。》とある。ここに見
られる《長い歴史と伝統を持つ日本の国柄と日本人のこころ》は戦前の明治憲法
の精神そのものだと感じるのは筆者だけだろうか。

 本論に戻る。《言論の自由》と言ってしまえばそれまでだが、本来の自由をは
き違えた言論や政権とそれに迎合する翼賛政党の言論のみが声高に叫ばれて、そ
の他は委縮している現状は異常だ。マスコミをはじめ、心ある人びとは立ち上が
らなければならない。国会での首相の答弁が的を得てなければ、徹底的に追及す
るのが「言論の使命」である。
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◆「スプートニク」 >>> 引用元    http://jp.sputniknews.com/
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◆情報通信・ラジオ「スプートニク」(HOME)
 http://jp.sputniknews.com/

◆日本関連
 http://jp.sputniknews.com/japan/

◆国際───────────────
 http://jp.sputniknews.com/world/

◆ロシア国内───────────────
 http://jp.sputniknews.com/russia/
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◆《News Digest》:609studio編集部
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 《気になるニュースをひとまとめ》にして、過去一週間分をピックアップして
お届けします。当編集部の独断と偏見でコメント付きで。芸能や経済などは、わ
からないので極力避けておりますというか、全くスルーしますのでご理解くださ
い。なお、記事を掲載したサイトがその記事を削除されている場合があります。
 私どもでは責任を負いかねますので併せてご了解ください。

◇◇ニュースな一口メモ 【ヘリコプターマネー】
 あたかもヘリコプターから現金をばらまくように、中央銀行あるいは政府が、
対価を取らずに大量の貨幣を市中に供給する政策。米国の経済学者フリードマン
が著書「貨幣の悪戯」で用いた寓話に由来。中央銀行による国債の引き受けや政
府紙幣の発行などがこれにあたる。ヘリコプタードロップ。
 通常平時には行われない。

◆◇News Digest◇◆

⇔国内⇔

◇津軽と南部、境界争い綱引きで決着? 地域盛り上げへ30日開催
http://www.47news.jp/smp/news/2016/07/post_20160728104458.html

◇機械遺産に「てんとう虫」スバル360 新たに7件決定
http://www.asahi.com/articles/ASJ7W727XJ7WULBJ01K.html

◇福島第一2号機透視、圧力容器の底部に核燃料
http://www.yomiuri.co.jp/science/20160729-OYT1T50030.html

◇東電、政府に追加支援要請へ=賠償、廃炉費想定上回る
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016072800901&g=eco

◇ピアニスト 中村紘子さん死去 2016年7月29日
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6209234

◇市民らがデモ行進で抗議 北部ヘリパッド建設現場 全国から支援者続々
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-324901.html

⇔国際⇔

◇在ロシア日本大使館でサハリン投資案件プレゼンテーション開催
http://jp.sputniknews.com/business/20160729/2571375.html

◇栄養豊富なゴキブリのミルク、いずれ人間用にも?
 http://www.cnn.co.jp/m/fringe/35086549.html

◇シリア:ダーイシュが籠城を続けるマンビジュ市郊外に対する米主導の有志連
合の空爆で民間人90人が死亡 翻訳者:青山弘之
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/news_j.html

◇クーデターの夜、ベシクタシュ・スタジアムで起きていたこと  
                            翻訳者:指宿美穂
クーデターに参加した兵士らがクーデター当日の夜、ベシクタシュのスタジアム
であるドルマバフチェのヴァーダフォン・アリーナに三度にわたってヘリコプタ
ーから兵士を降下させ、さらにディジチュルク・ビルを掌握していたことがわか
った。
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/news_j.html

◇韓日合意「慰安婦」財団、反発無視し28日に発足 
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/24765.html

◇サハリン-北海道フェリー8月1日に就航
http://jp.rbth.com/news/2016/07/27/615527

◇サハリン窓枠メーカーが日本進出
http://jp.rbth.com/business/2016/07/27/615651

◇「ガラスの天井に最大のひび」 正式指名のクリントン氏
http://www.cnn.co.jp/usa/35086518.html

◇シリア北部でトラック自爆、48人死亡 ISISが声明
http://www.cnn.co.jp/world/35086544.html?tag=top;mainStory

◇ロシアにクリントン氏メール発見促す、トランプ氏は「不適格」元CIA長官
http://www.cnn.co.jp/usa/35086539.html?tag=top;subStory             
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◆編集長から: 片山通夫
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 なぜかあまり大きく扱われなかった7月30日のニュースを一つ。朝日新聞に
よると「年金積立金の運用損、昨年度は5.3兆円 GPIF発表」とあった。
 http://www.asahi.com/articles/ASJ7Y4V9KJ7YUTFK023.html

 一方、NewsWeek日本語版では 小幡 績氏のコラムで「日銀は死んだ」と。そ
れも自殺だと。http://www.newsweekjapan.jp/obata/2016/07/post-9.php

 とてもじゃないけど、いやとても、小心者の筆者などは恐れおののくばかりで
ある。
 大方の人は筆者と同様であろうが、何しろ桁が違う世界の話である。
「これがほんとのけた違い」なんてダジャレを言っている場合じゃない。

 夏休みに入る。暑いでしょうが、一度これら我々の周りのあり様が異常だと、
認識する時間を取りたいものだ。
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  発行     2016年8月2日 No.770
  発行     毎週火曜日  購読料無料
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