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────────────────────────────────────── 【609 Studio】メール・マガジン 2016・4・5 No.753 ────────────────────────────────────── フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上脩身氏 の現代時評、ロシアやサハリンの話題、編集長のコラムなど多彩な話題満載! ────────────────────────────────────── お願い! 河童(かっぱ)を見かけられた方、もしくはその情報、また、河童にまつわる 話など河童に関するあらゆる情報をお寄せください。次号のLapiz夏号に掲載しま す。採用分委は片山通夫作製のポストカードを進呈。 情報はこちらへ。http://609studio.com/contact-to-us ポストカードの詳細はこちらへ。 http://609studio.com/archives/1645 ────────────────────────────────────── Lapiz2016年春号(¥300+税)3月1日発売! お買い求めは http://lapiz-international.com/ 春号のLapizStyle 「卒論はロバのパン」 ロバのパンをご存知ですか?そのロバのパンを卒論にした 河野晴子さんが春号の表紙でありLapizStyleのヒロイン。 ───────────────── Lapiz2016年春号 別冊(無料) だから炭やき 私の戦後70年 ロバのパン卒論全文 無料ダウンロード https://www.dlmarket.jp/products/detail.php?product_id=339759 ────────────────────────────────────── 【著書案内】 「追跡!あるサハリン残留朝鮮人の生涯」 片山通夫 著 日本の植民地統治が生んだ一家離散「二重徴用」「急速転換」「樺太 への逆密航」を語る貴重な証言!! 凱風社 刊 http://www.gaifu.co.jp/index.html 定価 1900円+税 ────────────────────────────────────── ◆現代時評《首相の「自衛隊最高指揮官」発言感》:井上脩身 ────────────────────────────────────── 安倍晋三首相は3月21日に行われた防衛大学校の卒業式で訓示し、「自衛隊 最高指揮官、内閣総理大臣、安倍晋三」と締めくくった。安全保障関連法が29 日に施行されるのを前に、軍事国家にまい進する姿勢を明白に示した形だ。首相 は自分が在任中に憲法を変える、と公言している。その手始めに緊急事態条項を 加える、とみられているが、真の狙いが国防軍創設であることが、「自衛隊最高 指揮官」発言で改めて浮かび上がった。 防衛大出身の滝野隆浩・毎日新聞記の報告によると、過去3度の訓示では「自 衛隊最高指揮官」とは言わなかった。同記者は「今年は特別な思いがあったのか な」との印象をもったという。(3月29日付同紙) 首相の特別な思いとは一体何を意味するのだろうか。 自衛隊法には「内閣総理大臣は、内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を 有する」(第7条)とある。だが、憲法には「内閣を代表して議案を国会に提出 し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督す る」(第72条)とあるだけで、「自衛隊最高指揮官」とはどこにもうたわれて いない。「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」(第9条第2項)と規 定されているのだから、当然といえば当然であろう。首相は「憲法を尊重し擁護 する義務を負う」(第99条)のだから、「自衛隊最高指揮官」と軽々に口に出 してはならないのだ。 にもかかわらず、なぜ安倍首相は「自衛隊最高指揮官」と胸を張ったのか。2 012年に公表された「自民党憲法改正草案」に「内閣総理大臣を最高指揮官と する国防軍を保持する」と書き込まれているからにほかならない。安倍首相は「 憲法に違反して憲法を軽視、または無視」し、「憲法に違反して集団的自衛権を 行使できる安保法」をつくったが、自民党憲法改正草案には自民党総裁として極 めて忠実なのだ。総理と総裁を峻別できる政治哲学を持ち合わせていないからで あろう 。 ところで国防軍とはどういうものか。改正草案は「国際社会の平和と安全を確 保するために国際的に協調して行われる活動及び公の秩序を維持し、又は国民の 生命もしくは自由を守るための活動」などをする軍隊としている。 「国際協調活動」が、集団的自衛権の名のもとにアメリカの戦争に加担、場合 によってはアメリカに代わって戦争することであることは言うまでもない。「公 の秩序維持活動」とあるから憲兵を置きたいようだ。反戦思想の者を「非国民」 として弾圧したあの憲兵である。「国民の生命、自由を守る活動」とは耳触りの いい言葉だが、政府や軍に従順な者に対してのみの自由を意味し、逆らう者は容 赦なく拷問にかけられて命が奪われることであることは、戦前の暗黒時代が証明 している。 そもそも、「国民」の概念自体が、現憲法と改正草案は正反対である。 現憲法は前文の冒頭、「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を 通じて行動し、(中略)主権が国民に存することを宣言」している。これに対し、 改正草案の前文は「日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴で ある天皇を戴く国家」と述べる。現憲法では国民は主権者であるが、改正草案で は、天皇の国の国民なのだ。国民が天皇の臣民であった明治憲法が色濃くにじん でいることは誰の目にも明らかだ。 その明治憲法では「天皇ハ陸海軍ヲ統帥ス」(第11条)とあり、「国務各大 臣ハ天皇ヲ輔弼シ其ノ責ニ任ス」(第55条)と規定された。改正草案は、天皇 は元首であるが「国政に関する権能を有しない」とした結果、総理大臣を国防軍 最高指揮官としたのだ。戦前、「天皇」の名で国民は召集された。改正草案では 「総理大臣」の名で国民を戦争に駆り出す魂胆のようである。 安倍首相の「自衛隊最高指揮官」発言は改正草案を念頭に入れてのことである ことは既に述べた。巨大与党をバックにしたいま、首相が国防軍創設を射程距離 に置いていることは間違いない。今夏の参院選で自民党を中心とした改憲政党が 3分の2を上回れば、日本人は「平和の国の国民」でなく、「戦争する国の国民」 になる。この参院選は分水嶺なのである。 ────────────────────────────────────── ◆「ふろむ京都山麓」抜粋抄《ミャンマー 維新(2)》:みなみうら・くにひと ────────────────────────────────────── 本日3月10日のマスコミ報道で、NLDの新大統領候補が決定したとのニュースが ありました。やはりアウンサンスーチーの擁立は困難で、スーチーの側近で慈善 団体幹部のティンチョーが来週の選挙で選出されることが確定したそうです。明 日からのマスコミ報道が楽しみです。さて以下は既述分の続報です。 1月12日 スーチーは「かつて全民族が協力して我が国の独立を成し遂げました。 全土和平にはすべての勢力の参加が欠かせません」と述べた。 この日、彼女は停戦協定に署名した8武装勢力との政治対話に参加し、テインセ イン政権が失敗した和平の実現に意欲を示した。停戦協定に署名しなかったほか の武装10勢力は、新政権の正式発足を待って署名するだろうとみられている。そ のとき、主要な少数民族の武装勢力すべてが和解することになる。ただ彼らの武 装解除は困難であろう。あくまで停戦の実現とみるべきだ。国軍は武装維持をど う判断するか、予断は許されそうにない。 スーチーが少数民族問題の解決に心血を注ぐのは、単なる政治的な打算からだ けではない。1947年2月、英国の植民地からの独立闘争のさなかに、ビルマ族主体 の暫定政府とシャン族やチン族など主要少数民族の指導者は、シャン州パンロン で会談した。その結果、ビルマ(ミャンマー)が独立する際は、各民族に平等な 権利を与える連邦制を創設することで合意した。この「パンロン協定」の締結を 主導したのが、スーチーの実父で暫定政府の指導者のアウンサン将軍だった。い まなお将軍は「建国の父」として、ミャンマー国民の尊敬を集めている。 少数民族は将軍の誠実な姿勢を信頼し、後の暫定政府を支持したことが、独立 成功を大きく後押しした。NLDは2015年11月の選挙公約に「パンロン協定の履行」 を盛りこんだ。少数民族に根強い将軍への尊敬に訴える思惑だけでなく、スーチ ー自身が「ロールモデル」と位置付ける亡き父の宿題を片付けようという決意表 明ともいえる。アウンサン将軍は独立直前の47年に政敵により暗殺されて、パン ロン協定は果たされずに残った。スーチーの取り組みは、約70年の時を経て、か つて父が独立運動の同志と交わした約束を果たすことでもある。 (日経新聞2月15日/ヤンゴン・松井基一記) 1月25日 ミンアウンフライン国軍総司令官とスーチーの総選挙後2度目の会談。 国軍総司令官は絶大な権限を有している。また憲法で議席を保障されている上下 両院の4分の1を占める軍人議員も総司令官が指名する。円滑な国政運営には、国 軍最高顧問のタンシュエと、国軍総司令官ミンアウンフラインの理解と協力が不 可欠である。 また閣僚の選定だが、国軍は憲法の規定によって三大臣を指名する。国防、内 務(警察)、国境相である。大統領はただ単に三人を追認し任命するだけである。 国防治安評議会も大統領を縛る憲法の規定である。評議会のメンバーは11人だ が、過半数の6議席は軍が握っており、憲法では「国家非常事態においては、大 統領は国軍の最高司令官に国権の行使を委譲しなければならない」。有事には大 統領は評議会の決定に従わなければならない。国家の非常事態とは「国民に対す る危険が発生した場合や、連邦が分裂し国民の結束が崩壊した場合」などと定義 されている。 <2016年3月10日> 「ふろむ京都山麓」 http://blog.goo.ne.jp/0000cdw ────────────────────────────────────── ◆「スプートニク」 >>> 引用元 http://jp.sputniknews.com/ ────────────────────────────────────── ◆情報通信・ラジオ「スプートニク」(HOME) http://jp.sputniknews.com/ ◆日本関連 http://jp.sputniknews.com/japan/ ◆国際─────────────── http://jp.sputniknews.com/world/ ◆ロシア国内─────────────── http://jp.sputniknews.com/russia/ ────────────────────────────────────── ◆一口メモ 【平均年収315万円】 ────────────────────────────────────── 保育士の年収だという。(ウィキペディア) この額は時給に計算しなおすと、コンビニやスーパーマーケットの時給よりも 安いという。それで「国家資格」である。就労時間が長く、非正規職員が多いの も、絶対的な保育所不足に拍車をかける。付け焼刃で(選挙目当てで)何とかな るものでもない。 高齢化と少子化のはざまで苦悩する社会。 ──────────────────────────────────── ◆編集長から: 片山通夫 ──────────────────────────────────── 「民進党」が衆参156人で27日発足した。あまり新味に感じないので、い ささか気の毒だともいえる。その中で目を引くのが山尾志桜里衆院議員(41) の政調会長抜擢だ。「保育園落ちた」の匿名ブログを国会で質問した山尾議員に 関して、一連の国会での質問は安倍首相を立ち往生させた彼女を、安倍政権は躍 起になって「つぶそう」としているらしい。 それも、真っ向勝負というわけではなく、どうも「スキャンダル探し」だとい う。かのベッキーは活動休止し、宮崎謙介前衆院議員は辞職。桂文枝や米米CL UBの石井竜也、これらの不倫騒動と同じレベルで山尾議員をつぶそうとしてい るというのだ。「情けないの一言」である。そんな暇あるなら「憲法など、山尾 議員に応戦できるだけの知識をつける」べきだ。 4月です。春たけなわ。お楽しみください。 ──────────────────────────────────── 発行 2016年4月5日 No.753 発行 毎週火曜日 購読料無料 FB https://www.facebook.com/michio.katayama.5 配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236 MailuX配信システム ID:MM3E1B97842E020 contact us http://www.609studio.com/html/mailform.html website http://www.609studio.com/ 投稿 http://www3.ezbbs.net/06/609studio/ 購読 解除 http://archive.mag2.com/0000052236/index.html ◇禁・無断転載◇ ──────────────────────────────────── |