メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No. 752 ◆ 現代時評《オバマのハバナ訪問・雑感》:片山通夫  2016/03/29


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【609 Studio】メール・マガジン 2016・3・29 No.752
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   フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上脩身氏
の現代時評、ロシアやサハリンの話題、編集長のコラムなど多彩な話題満載! 
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◆  現代時評《オバマのハバナ訪問・雑感》:片山通夫
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   21日、アメリカ大統領がハバナを訪問した。世界のマスコミがこの快挙を
伝えたことが言うまでもない。何しろあの《ブロケオ(経済封鎖)》、《一触即
発のキューバ危機》の頃考えると驚くべき両国の関係改善だといえる。

 しかしまだ両国の間には深い溝がある。キューバの人権問題、それにアメリカ
の禁輸措置の未解決問題だ。カストロ議長は会談後の共同会見で、キューバの経
済発展に向けた努力は進んでいるが、米国との間にある最大の障害は禁輸措置だ
と指摘。オバマ政権による制裁緩和は不十分だと主張した。しかし会談後の記者
会見でカストロ議長は驚くべきかもしれないが、記者からの容赦のない質問にも
答えるという態度を見せた。

 余談だが、我が国の首相や官房長官の会見などは記者クラブという調整機関で
調整された質問をあらかじめ決められた記者という「三文役者」が質問するとい
う猿芝居を記者会見などと称している。時折、政治家が「ぶちぎれる」状況の映
像がテレビでも流れることがあったが、最近ではめったに見られない。周到なメ
ディア対応(=規制)を行っている安倍政権だ。こんな状態の我が国に比べれば
カストロ議長の記者会見での質疑応答は驚くべき柔軟性だといえる。

 さてその会見だが、アメリカ側の要求する「人権問題」を質問されたカストロ
議長だが、本来《政治犯など存在しない国》が建前である。彼は「政治犯のリス
トを示してくれればすぐに釈放する」と回答したとCNNは伝えている。したた
かな男だ。

 話は変わるが、キューバは筆者には懐かしい国だ。オバマ大統領が散策したと
いう旧市街は、新市街はアメリカ風であるのに対してスペイン時代の名残そのま
まの町である。その分道路は狭いし人も多い。しかしなんとなくなじみのある町
の趣だ。ちょうどバルセロナのゴシック地区のような雰囲気である。

 また《50年代もののアメ車》がまだ走っているのもハバナという町だ。時々、
いや概してというより、往々にして降るスコールの中、ワイパーが動かない車に
もお目にかかれる。スコールというからにはバケツをひっくり返したような雨だ。
普通に動くワイパーでも前は見えにくい。それが・・・。あとはご想像に任せた
い。

 アメリカの経済封鎖や亡命キューバ人の反攻、また東西冷戦時代を耐え抜いた
キューバという国は相当したたかだと思う。「マンボとパチャンガのリズムに乗
って起こした革命」とはよく言ったものだ。しかし革命の実態は決してマンボの
ように陽気なものではなかった。シャラ・マエストラという奥深い山脈に立てこ
もっての革命闘争は決して楽しいものではなかったと思う。それでもキューバ人
は「マンボのリズムに乗って」革命を起こしたと表現される。昨今のテロとはそ
の趣が違うようだ。
 
 願わくはキューバが世界の人々から「開かれた国」と思われるようになってほ
しいものだ。国境なき記者団からも同様の評価を受けるような。
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◆「ふろむ京都山麓」抜粋抄《ミャンマー 維新(1)》:みなみうら・くにひと                                                
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 久しぶりのブログ更新です。Eマガジン「LAPIZ」春号に「ミャンマー維新」を
寄稿しました。ここでは4回分割で連載します。もと原稿は締め切りのために2
月20日現在の情報までしか記載しておりません。しかしその後もミャンマーの政
治事情は進展しています。最新情報も追加しますので、5回連載になるかもしれ
ません。

 暴力の行使を完全に否定し、流血を絶対のタブーとする。だが無血革命は断固
成功させる。ミャンマーの新与党、国民民主連盟NLDのメンバーたちはそのように
決意した。そしてアウンサンスーチー党首とともに彼らはいま激流を渡っている。
  これまで国軍が半世紀もの長期にわたり同国を支配し、危険人物とみなされた
スーチーはのべ15年間も拘束され自宅軟禁下で過ごしてきた。その彼女がやっと、
ついに国政の表舞台に立った。
  昨年11月の総選挙で圧勝したNLD党員たちは、2月1日に召集された新議会には
じめて登場した。この日の朝、ピンクにちかい淡い赤色の民族衣装を着たスーチ
ーも登院。100人近い報道陣が待機する表玄関を避け、国会裏口からスタッフ数人
とともに足早に入り下院議場に着席した。
  ミャンマーではいま、たぐいまれな無血革命が進行している。成功を祈らずに
いられないのだが、NLDの前には国軍のみならず、小数民族問題などなど難題が山
積している。
  「スーチーに対する国民の期待が高すぎて、新政権がつまずいた時の反動が心
配だ」。同国内ではそのような声も強いという。
ミャンマー維新の進行を、一般公開情報をベースに時系列で整理してみた。

2015年11月8日 総選挙でNLDが圧勝。
 上下両院の改選議席の8割にあたる390議席を獲得した。うち9割は候補者公募で
選ばれた新人議員だ。多くは医師や弁護士、教師の出身で政治経験は乏しい。ま
たほとんどが若手で、ミャンマー民主化運動の歴史も知らない。
 結党直後から支えてきた民主化運動のわずかばかりの闘士たちは、みな老人ばか
りになってしまった。スーチーも70歳である。同党は学生運動を源流とし、かつ
ては若々しいイメージだったが、すでに結党から27年を超えた。
テインセイン現大統領はまだ開票作業が進んでいる段階で、スーチーに祝福の電
話を入れた。そして自らの政党であるUSDPの敗北を潔く認め、平和的な政権移譲
を約束した。

12月2日 スーチーはテインセイン大統領と、そして国軍総司令官のミンアウンフ
ラインとも相次いで会談。
 国軍は「国の平和と安定、発展に向け、双方が協力することで合意した」とする
声明を発表した。

12月4日 スーチーは自ら希望して、ミャンマーの実質最高権力者とされるタンシ
ュエ元上級大将と会談。
かつてNLDを弾圧した張本人である独裁者タンシュエとの会談は、NLDの進む方向
を根本からゆさぶるものであったであろう。彼女は新政権におけるNLDと国軍の協
力を議論した。スーチーは会談で、軍政時代の人権侵害を訴追しない方針を伝え、
「過去の出来事に恨みはない。軍を含むすべての勢力と協力するため話し合いた
い」と和解を呼びかけた。「真のナショナリズムは寛容の上に成り立つ」とNLDも
表明した。
スーチーは国軍出身のテインセイン現大統領らとともに、政権移譲の特別委員会
も設置した。元軍人ら大統領府の閣僚とNLD党幹部は、新政権発足まで毎週、政権
引き継ぎなどの情報交換を進めている。

2016年1月4日 独立記念式典のこの日、スーチー党首は居並ぶNLD党員に訓示した。
 「国民の負託を忘れるな」「路上駐車をするな」「私は大臣になりたい人を好
きではありません。今後、手紙で要請してきた人は処罰します」。スーチ−は苦
言を連発した。
ある新人議員は「ほかの政党や議員と協力していくよう、スーチー党首から指示
がありました」

1月10日 最大都市ヤンゴン市内のホテルにNLDの若手約200人が集まった。
 昨年12月にはじまった教育・研修プログラムを受ける新人議員たちだ。憲法や
予算編成など12分野で講師を招き、政治家の基礎知識を猛勉強している。党幹部
は「君らの勝利の75%はスーチー党首の名声によるものだ。君ら自身は何の経験
もないから、学ばなければならない」と気合をいれた。新議員たちはミャンマー
版「スーチーチルドレン」である。議会をいちから学び、民主主義にいちから取
り組むという姿勢である。

 <2016年3月2日>
「ふろむ京都山麓」 http://blog.goo.ne.jp/0000cdw
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◆「スプートニク」 >>> 引用元    http://jp.sputniknews.com/
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◆情報通信・ラジオ「スプートニク」(HOME)
 http://jp.sputniknews.com/

◆日本関連
 http://jp.sputniknews.com/japan/

◆国際───────────────
 http://jp.sputniknews.com/world/

◆ロシア国内───────────────
 http://jp.sputniknews.com/russia/
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◆一口メモ 【ベルギー】            
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 ベルギー王国、通称ベルギーは、西ヨーロッパに位置する連邦立憲君主制国家。
隣国のオランダ、ルクセンブルクと合わせてベネルクスと呼ばれる。首都ブリュ
ッセルは欧州連合の主要機関の多くが置かれているため、"EUの首都"とも言われ
ており、その通信・金融網はヨーロッパを越えて地球規模である。ベルギー国民
が信仰する宗教は、ローマ・カトリックが75%、プロテスタントが25%である。
 1994年の統計では、イスラム教が3%となっている。この他に、ユダヤ教等を信
仰する者もいる。               ウィキペディア
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◆編集長から: 片山通夫
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 ある親しい友人が「今度ベルギーへ行く予定だ」と筆者にいった。彼女は日ご
ろは目いっぱい働いて、ズバッと休みを取り、結構長期の旅をする。普通に考え
ればベルギーはヨーロッパの《平和的な印象》の国だと思っていた。首都ブリュ
ッセルにはEUの本部も置かれている。チョコレートもおいしい。王室も穏やか
なようだ。

 しかし筆者は「今ヨーロッパへ行くのはやめたほうがいいと思う」とその時彼
女に告げた。フランスでのテロそしてシリアからの難民の流入に少なからず「女
性の観光旅行」に不安を覚えたからだ。
 そして昨22日、そのベルギーでまさかのテロ事件。筆者の感が良いわけでは
ない。それ程、ヨーロッパの事態は緊迫しているのだ。不安定なのだ。

 今年夏にはサミットが我が国で開催される。テロの時代に有効な解決策を示せ
るのだろうか?どこかの国の首相のように「テロは断じて認められない」と言う
だけなら幼稚園児でもいえる。なぜかむなしいのは、根本的な原因とともに解決
策がそこには示されていないからだ。

 こんな世界に誰がした?                   
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  発行     2016年3月29日  No.752
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