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タイトル:609studio No.744 ◆現代時評《もう見ちゃおれない。けど良い話も》:片山通夫  2016/02/02


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【609 Studio】メール・マガジン 2016・2・2 No.744
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   フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上脩身氏
の現代時評、ロシアやサハリンの話題、編集長のコラムなど多彩な話題満載! 
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◆現代時評《もう見ちゃおれない。けど良い話も》:片山通夫
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  またまたスキャンダル!「全くもう…」ですよね。しかしほろっとする話も世
界にはあります。

▼「罠にはめられた」とか「脇が甘かった」だの、件の政治家を擁護する発言が
相次いだ与党自民党。どういう感覚なのか理解に苦しむ。しかし一部では「TP
P(環太平洋戦略的経済連携協定)の調印まで持つまい」という見方もあったと
か…。それにしても《被害者面》はないだろう。甘利氏は大臣室で《素行の悪い
業者から金を受け取った」ということだ。《素行の悪い》人物を大臣室に招聘す
る甘利氏は《それ以上の問題人物」としか思えない。

▼民主党の細野氏が「憲法の議論について共産党と一緒に護憲を掲げるような政
党にはなるべきではないし、そうなったときには改革政党の旗を返上しなければ
ならないとすら感じている」とのたまった。今の、いや政権を担当していた時代
からの民主党が「改革政党」だったのか?かなり疑問だ。この人物、自民党の応
援団長になり下がった?

▼いよいよ窮地に陥った日銀。マイナス金利政策を発表。市中銀行にあるだぶつ
いた資金を貸し出しに回すよう即するのだと…。首相もそうだが日銀総裁までも
博打打ちだな。

▼29日に再稼働した関西電力高浜原発。福井県の若狭湾沿岸には、全国最多の
原発13基が集中するいわゆる「原発銀座」。原発の30キロ圏は福井、京都、
滋賀の3府県12市町にまたがり、約18万人が暮らす。京都市や、近畿140
0万人の飲み水として使われる琵琶湖も50キロ圏にかかる。

 万一の時が怖いが、福島の例を見ても誰も責任は取らない・・・・。

▼アクセサリーベンチャー企業のマリモンドが「平和の少女像」のバッジを作り
2月から販売する。韓国での話。「平和の少女像」とは、日本政府が躍起になっ
ているソウルの日本大使館前の少女像だ。また韓国軍がベトナムで虐殺した民間
人慰霊のため、少女像作家が「ベトナムピエタ(母と無名の坊やの像、ベトナム
語の名称は最後の子守歌)」建立を構想しているというニュース。

▼天皇陛下がフィリピンに慰霊の訪問。「貴国の国内において日米両国間の熾烈
な戦闘が行われ、貴国の多くの人が命を失い、傷つきました。このことは、私ど
も日本人が決して忘れてはならないこと」という晩餐会での言葉に感動した。 
 この戦争でフィリピンでは51万8千人の日本人が命を落とした。外地では最
大である。一方フィリピン側の死者は111万人に及ぶ。忘れてはならないのは
この犠牲者。安倍首相やその一派はこれらの言葉をどうとらえているのだろうか。

▼《韓国・与党セヌリ党の金武星(キム・ムソン)代表が29日、少子化問題解
決のための一つの方法として「中国の朝鮮族を大量に受け入れるべきだ」と主張
した》と朝鮮日報日本語版が伝えた。韓国内の反応は「朝鮮族の移民が少子化問
題の解決策だなんて、とんでもない」「そうでなくても朝鮮族のせいで不安を感
じているのに、与党の大統領選有力候補が何をするっていうんだ」などと批判が
多数だという。
 他民族を受け入れるということは、ことほど左様に難しい。韓国の例を見るま
でもなく、ヨーロッパの現状を見ればよく分かる。

 だからと言って、我が国もこのままで良いはずがない。それならいっそ「大国
」ヅラをしないで、こじんまりと中クラスの国に舵を切れればいいのだが、大国
病の人が多すぎだ。
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「食文化における動物愛護精神の発展的展開と葛藤事例の研究」証:白石 阿光  
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 これは、昔々のある島での出来事です。

 ある少年の家では白いブタを飼っていました。
 少年はブタに「花子」という名前を付けてかわいがっていました。背中をなぜ
るとブタの毛は柔らかく、少年の心まで優しくしてくれました。花子はいつもお
いしそうにイモを食べました。
 あるとき、少年が学校から帰ると、家の横の川から「ギーッ! ギーッ!」と
いう聞いたことのないかん高い声が聞こえてきました。花子はいつもの小屋にい
ませんでした。それは花子の断末魔の声だったのです。
 それから少年は豚肉を食べることができません。父親から「肉を食べないと大
きくなれないぞ」と言われて口に押しこんでもはき出してしまうばかりでした。

 でも、少年は中学生に入ったらいつの間にか豚肉を食べていました。

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 昔々、ある都会の小学校では、子どもたちが飼っていた豚を食べるという授業
があり、テレビや映画で話題になった。いくらかわいくても豚は人間に食べられ
る存在で、食育だということだった。残酷だからといって現実から目を背けては
いけない、ということだ。
 別の小学校では、子どもたちが鶏を飼っていた。子どもたちは大きくなった鶏
を食べるかどうか話し合い、食べることになった。先生が屠殺(とさつ)場に持
っていったら、屠殺はできるが、法律によって一般人に肉を渡すことはできない、
という。
 先生は、肉屋で買った鶏肉を子どもたちに食べさせた、とさ。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 これも昔々のある島での話です。

 少年が小さかったとき、お父さんが「おまえのだよ」と大きなヤギを連れてき
ました。少年はひもをわたされましたが、ヤギにずるずると引きずられてしまい
ました。
 そのヤギが子どもを2匹うみました。少年は喜びましたが、二匹とも死んでし
まいました。ヤギの子どもを埋めたその上に、少年は時計草の苗を植えました。
時計草はみるみるうちに大きくなり、隣のリンゴツバキの木をおおいました。
 その時計草の実は甘酸っぱい味がしました。

 村のかじ屋にヤギを食べるおじさんがいました。その村ではヤギが珍しかった
ので、少年の父親に「ヤギを売ってくれ」としつこく言ってきていました。少年
は「いやだ」と言いました。
 少年はヤギを連れて草を食べさせに行くとき、鍛冶屋にさしかかると回り道を
しました。ヤギも前足を突っ張って、鍛冶屋の前を通るのをいやがりました。
 ある日、少年が学校から帰ると、ヤギがいなくなっていました。
 おじさんに売られたのです。少年の心にぽっかりと穴があきました。

 でも、1年もするとヤギのことを忘れてしまいました。
 時計草の実の味は甘酸っぱいままでした。
                        ー次週に続くー
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◆「ふろむ京都山麓」抜粋抄《スーチー・チルドレン》:みなみうら・くにひと 
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 政治家集団にはチルドレンとよばれる新人の大量選出が時々起きます。近ごろ
の日本なら小泉、小沢、橋下、安倍各氏でしょうか。ミャンマーも11月の総選挙
で多数のアウンサンスーチー・チルドレンが誕生しました。
  日経新聞電子版1月15日発をダイジェスト引用します。

 「スー・チー党 新人教育に躍起 新政権の運営に不安 」
                        (ヤンゴン=松井基一) 

  2015年11月の総選挙に大勝したミャンマー最大野党、国民民主連盟(NLD)
が、今春の新政権樹立に向けて大きな課題に直面している。党指導部の高齢化が
進む一方で政治経験のない新人議員が大量に誕生し、政権運営を担う人材の不足
への不安が浮き彫りになっているのだ。アウン・サン・スー・チー党首(70)の
カリスマ性に依存し続けてきた同党は、世代交代と新たな人材育成という“第2
の創業”に突貫工事で挑んでいる。

■公募の新人議員が9割、乏しい政治経験
  1月10日、最大都市ヤンゴン市内のホテルにNLDの若手約200人が集まった。
15年12月に始まった教育・研修プログラムを受ける新人議員たちだ。
 憲法や予算編成、法律・規則、党のマニフェスト(政権公約)など12分野につ
いて、国内外の研究機関やコンサルから講師を招き、政治家として必要な基礎知
識を猛勉強している。履修の後は、理解度を試す試験も待ち構える。
 党幹部のウィン・テイン下院議員は「君らの勝利の75%はスー・チー党首の名
声によるものだ。君ら自身には何の経験もない。だからこそ学ばなければならな
い」と気合いを入れた。
 NLDは総選挙で、上下両院の改選議席の8割に当たる390議席を獲得した。
うち9割は選挙前の候補者公募で選ばれた新人だ。医師や弁護士、教師などの出
身者が多く、いずれも政治経験は乏しい。
 選挙運動の期間中、スー・チー氏が「個別の候補者でなく、党の旗に投票して
欲しい」と有権者に訴え続けたのも、新人候補の能力に不安があるための苦肉の
策だった。この戦略は成功したものの、当選した新人をどう活用するかという課
題は残ったままだ。
 「私は大臣になりたいという人を好きではありません。選挙以降、様々な人か
ら手紙で要請を受けますが、今後は手紙を出した人を処罰します」
 1月4日、ヤンゴンのNLD本部で開かれた独立記念日の式典。今年初めて公
の場に姿を見せたスー・チー党首の訓示に、居並ぶ党員の間に緊張が走った。
 総選挙に圧勝した同党は、お祭りムードが抜けきらなかったが、スー・チー氏
は訓示で「国民の負託を忘れるな」「路上駐車するな」「率先して選挙区を清掃
しろ」などと苦言を連発。厳しい言葉からスー・チー氏の危機感がにじんだ。
 NLDは1988年、国軍クーデターにより当時の社会主義政権が崩壊した直後、
民主主義国家の建設を目指す人々が結集し発足した。党の歩みはミャンマーの民
主主義の歴史そのものだ。建国の英雄アウン・サン将軍の娘のスー・チー氏は、
常にその中心にいた。
 軍事政権から警戒されたスー・チー氏は、1989年〜2010年まで3回にわたり計
15年間、自宅軟禁状態に置かれた。この間も党が存続できたのは、民主化運動の
象徴としてスー・チー氏の求心力が強かったからにほかならない。だが、スー・
チー氏の突出したカリスマ性に依存する党の体質は「ナンバー2はいない」とい
われる、アンバランスな組織構造を生んだ。
 さらに大きな問題は党指導部に高齢の幹部が多いことだ。独立記念日の式典で
スー・チー氏とともに壇上に上った幹部は、元国防相のティン・ウー最高顧問
(88)、党広報を担当する弁護士のニャン・ウィン中央執行委員(73)、元軍人
で政治犯として収監されていたウィン・テイン下院議員(74)ら。スー・チー氏
よりも年上で、結党直後から支えてきた民主化運動の老闘士ばかりだ。

■臆測呼ぶ国軍や現政権との「協調」
 NLDは12年春の前回補欠選挙で国政に初めて参画し、国会に42人の議員を送
り込んだ。しかし、党の中核を担う現職国会議員の平均年齢は15年末時点で59歳
に達した。学生運動を一つの源流とし、かつては若々しいイメージだったが、す
でに結党から27年以上たった。
  総選挙で大量の新人議員が当選した結果、議員の平均年齢は「10〜20歳は若
返った」(幹部)とみられる。ただ、新人の大半は結党当初の苦難の民主化運動
の歴史を知らない。同党の政権奪取を見込んで、要職に就くため立候補した者も
少なくないとみられる。
  現実主義者のスー・チー氏は、こうした事態に手をこまぬいていない。
15年12月、自身の希望で旧軍政の最高指導者のタン・シュエ元上級大将と会談し
た。両者は新政権でのNLDと国軍の協力を議論し、タン・シュエ氏はスー・チ
ー氏を「将来の指導者」と呼んだ。
  かつて旧軍政はNLDを弾圧し、多くの党員を政治犯として収監した。獄死
した党幹部も多い。この会談は、「反軍政」という結党以来のレーゾンデートル
(存在理由)を大転換したとも取れる行動だった。

 スー・チー氏は前後して、テイン・セイン政権と共に政権移譲のための特別委
員会を設置した。元軍人を含む大統領府の閣僚と党幹部が3月の新政権発足まで
毎週、政権引き継ぎの情報交換を進めている。
 スー・チー氏の国軍や現政権との協調的な姿勢には、「現政権の主立った閣僚
を留任させるのではないか」(地元紙)との臆測も浮かぶ。政権を円滑に運営す
るため、今まで敵対してきた勢力との連携もいとわないという見方だ。
 NLDの実質的ナンバー2、ニャン・ウィン中央執行委員は「現政権の幹部も
最初は銃の扱い方しか知らなかったはず」と強調、人材不足との指摘に反論する。
元高級軍人が主体のテイン・セイン政権も、初めは政権運営のノウハウを持って
いなかったが、次々に抜本的な改革を打ち出し、経済成長を軌道に乗せた。NL
Dも「経験不足」との下馬評を覆す可能性はある。
 とはいえ、ミャンマーが経済発展の遅れを取り戻すためには、未熟な政策運営
による混乱は大きな痛手となる。中国の成長が減速するなか、ミャンマーのよう
な伸び盛りの国には世界から期待が集まる。軌道に乗りつつある成長を一段と伸
ばすため、NLDが急ぐ“第2の創業”の成否が注目されそうだ。
 <2015年1月17日>

「ふろむ京都山麓」 http://blog.goo.ne.jp/0000cdw
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◆「スプートニク」 >>> 引用元    http://jp.sputniknews.com/
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◆情報通信・ラジオ「スプートニク」(HOME)
 http://jp.sputniknews.com/

◆日本関連
 http://jp.sputniknews.com/japan/

◆国際───────────────
 http://jp.sputniknews.com/world/

◆ロシア国内───────────────
 http://jp.sputniknews.com/russia/
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◆一口メモ 【日露平和条約】            
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  戦後70年が経つというのに、日露平和条約はまだ結ばれていない。原因は種
々あるが、戦後旧ソ連がいわゆる北方領土を占拠したまま返還交渉に応じてこな
かった所に大きな原因がある。今年(2016年)になって、ロシアは次のよう
に述べた。
 「北方領土問題について「日露平和条約締結と領土問題の解決は同じ意味では
ない」 これは「北方四島の帰属の問題を解決して、ロシアとの間で平和条約を
締結する」とする日本政府の立場を否定するものだ。
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◆編集長から: 片山通夫
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 2月です。テロが頻発し、原油価格は低下し、世界の経済は不安を抱えていま
す。
 そんな中、関西電力は高浜原発を再稼働しました。

 だれが責任を取るのか全く不明のままの再稼働。政権は規制委員会に丸投げ、
規制委員会は「安全を保障するものではない」と断言し、関西電力は「お墨付き
」を伝家の宝刀のごとく振り回す。地元は「経済」一辺倒。

 これが今の日本・・・・。げっ!
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  発行     2016年2月2日  No.744
  発行     毎週火曜日  購読料無料
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  website  http://www.609studio.com/
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