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タイトル:609studio No.737  Lapiz2015冬号(¥300+税)は好評発売中!  2015/12/15


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【609 Studio】メール・マガジン 2015・12・15 No.737
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   フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上脩身氏
の現代時評、ロシアやサハリンの話題、編集長のコラムなど多彩な話題満載!
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◆現代時評《テロとの戦いって?》: 片山通夫
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 筆者の記憶に残るのは、米国による、いわゆる「テロとの闘い War on Terrorism」
は、2001年9月11日のニューヨークの事件がきっかけで、当時のブッシュ
政権はアメリカに対するテロ攻撃への報復及び「テロリストの根絶」を目標にア
フガニスタンへの侵攻を開始したことだったと思う。

 結果はどうだったかは言うまでもない。アメリカ主導の「テロリストの根絶」
はアフガンの無政府化、イラクのフセイン体制の崩壊、そして今、イラクとシリ
アが混とんとしてISを代表とする「テロリスト」たちが我が物顔に横行し、ロ
シアの民間機に至るまで被害を受けている状況だ。そしてアフリカ諸国でもイス
ラム過激派が台頭し、市民の平安な生活は風前の灯火だ。

 こうした中、混乱のイラクから大量の難民がヨーロッパに押し寄せてきている
現状は、ひとえに経済格差のなせる業だといえるのではないだろうか。むろん戦
争という物理的な脅威があるからだが。20世紀が「戦争の世紀」なら、今世紀
は「経済格差の世紀」であり、それに伴う「テロの世紀」であると断定したい。
その経済格差の原因の大きな一つが「(経済的)新自由主義」と言われる無責任
極まりない考えかただ。ここで言う新自由主義とは、簡単に言うとグローバリズ
ムである。

 アメリカ合衆国は、その持てる圧倒的な軍事力を背景とし、国際間の画一化を
目指した。91年以降のことだ。。当然のことながら、各国独自の文化である伝
統や慣習と衝突する。宗教もその例に漏れない。これは直接的に見ると「アメリ
カ文化」とその他の国々との文化戦争である。

 我が国を例にみると一般的に宗教は多神教である。土着の因習や宗教と神道の
融合もさることながら、仏教とも穏やかに融合している。だから他宗教の神に対
しても寛容になれるのだ。しかしながら、キリスト教やイスラム教、ユダヤ教な
ど、その根源が一つなのに、単に分派しただけのように、日本人からは見えるよ
うだが、それぞれの宗教の立ち位置が全く違い、神に対する考え方も全く異なる
立場から見れば、他の一神教は許しがたいのかもしれない。

 さてアメリカの推し進めるグローバリズムは時として他国の文化と衝突する。
それは他国の文化の否定ともとれる。そこに経済格差が顕著になると「搾取され
る」という考え方が定着するのではないか。そして「強大な軍事力」には「テロ
」という非常手段でしか対抗できないとする考え方が定着する。
 テロリズムが蔓延する悪循環だ。

 アメリカやそれに追随する安倍政権がいくら「テロとの戦い」を叫んでも決し
てテロリズムはなくならないと危惧する。力で押さえつけようとも決して解決し
ないのだ。
「1000人のテロリスト」を殺害しても「10000人のテロリスト」を生む
だけである。いや、果たして彼らをアメリカや安倍政権が言うように「テロリス
ト」なのかどうかさえ疑問だ。

 例えばナチス・ドイツに抵抗したフランスのレジスタンスはテロリストだった
のか?
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◆「ふろむ京都山麓」抜粋抄 《謎の女性「堀田さだ」》:みなみうら・くにひと                                                
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 友人に古物商を営む女性、Yさんがいます。最近、京の業者市で、古い写真や短
歌などがぎっしり詰まった小箱を買ってしまったそうです。古書や美術品なら商
売になるでしょうが、Yさんはなぜかこの箱にひきつけられ、後先のことも忘れて
衝動的に落札してしまったそうです。

 中を調べてみると、堀田さだ、あるいはさだ子か貞子、定子かもしれませんが、
通称は「さだ」という明治から大正に生きた短歌を愛する女性の形見らしい。若
くして亡くなった名古屋の医家の娘だったそうです。
 Yさんによると、写真の入った短歌遺稿集を出版しようとしたのではないか。あ
るいは縁者がさだの没後に伝記本をつくろうとしたのかもしれない。
 90年ぶりに突如出現した堀田さだ。謎に満ちた箱ですが、ネットで調べても名
古屋の堀田さだはヒットしません。
 どなたかこの女性に心当たりのある方はおられませんでしょうか。タイムカプ
セルのような小箱が、さだの縁者のもとに届けば何よりもうれしい。わずかでも
情報があればご一報ください。「堀田さだ」が現代によみがえる可能性を信じて
みます。
 <2013年8月11日>

追記 Yさんからコメントが届きました。ブログのコメント欄を開いて読んでいた
だけばよいのですが、検索エンジンにヒットしやすいように本文に転載します。
ところで、青春18きっぷが数回分残っていますので、日帰りで西枇杷島に行って
こようかと思っています。以下、Yさんから。

 堀田貞(子)は大正10年に21歳で亡くなりました。
 住所は愛知県西春日井郡西枇杷島町南六軒町1の1です。
 明治45年の夏休みの綴り方が残っていて、明治天皇が亡くなった日の記述が
あります。その頃、母親と5歳の妹が病に臥せっていたようで、下女のいない間
は、妹の世話をしたり、母親のおかゆを作ったりと、貞も一生懸命看病する様子
が書かれています。
 そして、天皇の亡くなられた日の翌日、妹も亡くなってしまいます。貞の嘆く
こと!
 そんな様子が、生真面目な鉛筆書きで、しかも優美な文体で書かれていて、写真
や資料を眺めていると、一人の女性の姿が浮かんでくるようです。すっかり貞に
魅せられました。
 父親の名前は難しくてかけませんが、弟は新三さんと順平さん。旧制の名古屋
第一中学出身で、順平さんは八高を出て医者になっています。
 当時の珍しい写真が一杯あって、長い闘病中の短歌が、後に遺族によって小さ
い歌集にされてもいます。
 何か心当たりのある方は、宜しくお願いいたします。
 <2013年8月12日>   

「ふろむ京都山麓」 http://blog.goo.ne.jp/0000cdw
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◆「スプートニク」 >>> 引用元    http://jp.sputniknews.com/
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◆情報通信・ラジオ「スプートニク」(HOME)
 http://jp.sputniknews.com/

◆日本関連
 http://jp.sputniknews.com/japan/

◆国際───────────────
 http://jp.sputniknews.com/world/

◆ロシア国内───────────────
 http://jp.sputniknews.com/russia/
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◆一口メモ 【難民】            
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  ドイツの言語学者らによれば、《難民》という言葉が今年の最も重要な言葉と
なった。金曜、現地メディアが報じた。

 《難民》とは (戦争・天災、また人種や信条などでいためられて)困難におち
いった人々。特に、戦禍・迫害等を避けて流浪する人々を指す。

 1951年の「難民の地位に関する条約」では、「人種、宗教、国籍、政治的
意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受ける
かあるいは迫害を受ける恐れがあるために他国に逃れた」人々と定義されている 。

 我が国はこの条約に次のように加入している。
1981年(昭和56年)6月5日の国会承認を経て、10月3日に加入書寄託、
10月15日に公布され、1982年(昭和57年)1月1日に発効した。

参考URL
http://digital.asahi.com/articles/ASH9R5J37H9RUHBI019.html
日本でも難民認定の申請者は増え、昨年は5千人に達した。だが、認定数はわず
か11人。人道的な配慮での在留許可も110人にとどまる。(朝日新聞)
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◆編集長から: 片山通夫
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 先日サハリンの友人二人から頼まれていたRICOH GRという中古カメラ
を2台届いたという連絡が来た。いったんソウルへ運び、ソウルからユジノサハ
リンスクへ人づてに運ぶという面倒なことだったが、確実に安全に届くし、また
だ建て替えた代金も回収できる。

 このRICOH GRというカメラは曲者である。ちょっとスペックを書いて
みると、レンズは28ミリ(35ミリ換算)単焦点、明るさはf2.8。つまり
レンズ交換はできないし、ズームレンズでもない。おまけに値段だが中古でも6
万円を超える。
 なぜ筆者も含めて友人2人ともこのカメラにほれ込んだかというと、よく写る
ということである。GRレンズももちろんだが、APS-CサイズのCMOSセンサーが
装備されていて、大きく伸ばす場合も、あまり問題がない。

 さて、このカメラをもって、3人で《競作》するという案が出た。
 発表はLapiz2016春号(3月1日発売)誌上。
これからが大変だ・・・・。
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  発行     2015年12月15日  No.737
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