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タイトル:609studio No.725 ◆現代時評《ルビコン川を渡ったか、日本》:片山通夫  2015/09/23


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【609 Studio】メール・マガジン 2015・9・22 No.725
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   フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上脩身氏
の現代時評、ロシア唯一の韓国語新聞「セ・コリョ」の日本語翻訳版、ロシアや
サハリン の話題編集長のコラムなど多彩な話題満載!
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     なお、日本語訳は、勝手ながら掲載を中止いたします。
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◆現代時評《ルビコン川を渡ったか、日本》:片山通夫
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 周知のように、ルビコン川とは、古代ローマ時代、ガリアとイタリアとの境を
なした川で、ルビコン川より内側には軍隊をつれてはいってはいけないとされて
いた。その川をカエサルは渡ってローマへと兵を進めた。そこで「ルビコン川を
渡る」(英: cross the Rubicon)という言葉は、その後の運命を決め後戻りの
できないような重大な決断・行動をおこなう表現として使われている。

安倍政権は一連の戦争法案を採決し戦争のできる国にしてしまった。先に決めた
特定秘密法とともに、戦前の日本をほうふつとさせる。これらの法の下で果たし
て平和や人権など憲法に定められた内容を守ってゆけるのか。
全く新しいイヤ、「戦前に回帰した日本」はどのようになってゆくのか、考えて
みた。

何のための集団的自衛権の行使

大詰めを迎えていた安全保障関連法案を審議している参院特別委員会が中央公聴
会を開いた。公聴会の席上、「憲法の番人・最高裁元判事だった」浜田邦夫さん
と国会周辺で反対デモを続けているSEALDs(シールズ)」メンバーの奥田
愛基(あき)さんらが公述人として発言した。

浜田さんはこれらの法案を「違憲」と断定し「非常に危機感がある。本来は憲法
9条の改正手続きをへるべきものを内閣の閣議決定で急に変えるのは、法解釈の
安定性で問題がある」と鋭く批判した。奥田さんは「憲法とは国民の権利。それ
を無視することは国民を無視するのと同義」と述べ反対の立場を鮮明にした。

いったい何のための集団自衛権行使なのか、安倍首相をはじめとする政権
のこれまでの説明の矛盾が明確になってきている。
安部首相はホルムズ時の機雷掃海について「現在の国際情勢に照らせば、現実の
問題として発生することを具体的に想定しているものではない」。日本人の母子
を乗せた米艦の防護も、中谷防衛相は「邦人が乗っているかは絶対的なものでは
ない」と述べた。

この先に見えてくるものは同盟国・アメリカの戦争に加担することだ。今世紀に
なって世界中で戦争をしている。理由は様々だ。イラクの場合、ありもしない大
量破壊兵器があるという理由だった。今世紀に入ってのアメリカが関与・介入も
しくは全面的に参戦していると思われる戦争を並べてみた。

2001 年〜(継続)アメリカのアフガニスタン侵攻(対テロ戦争)
2001 年〜(継続) - パキスタン紛争
2003 年 - リベリア内戦
2003 年〜2010年 - イラク戦争
2006 年 - イスラエルのガザ侵攻・レバノン侵攻
2006 年 - エチオピアのソマリア侵攻
2008 年 - 第二次南オセチア紛争(グルジア紛争)
2008 年〜2009年 - イスラエルのガザ紛争
2011 年〜シリア内戦
2014 年〜IS との戦い

今世紀に入ってもズーッと、世界中へ出かけて戦争をしている国が、我が国の同盟
国であるアメリカだ。こんな好戦的な国と「集団自衛権」とやらで固く結ばれると
いうことは、すなわち、安部首相や中谷防衛相たちの国会答弁も非常に危険極まり
ない。少子化の日本で、実態を知れば自衛隊員に応募する若者が激変する。いや、
だからSEALDsの若者たちは反対デモをしているのだ。
実際に自衛隊員が減少すれば、次に来るのは当然「徴兵制」だ。そうでなくては「
自衛隊は軍としての機能」を発揮しえない。自衛隊出身の自民党の議員が「「現代
戦において、シロウトが突然加わって部隊で機能を果たすというのは、ほぼ無理な
話だ」と話していたが騙されてはいけない。現在唯一の分断国家である韓国も北朝
鮮も「徴兵制」をとっている。38 度線の防衛の任務は徴兵された若者たちが担っ
ている。

もう一度言う。騙されてはいけない。憲法に「苦役を禁じる」項目があるから絶対
にあり得ないという安部首相の言に至っては噴飯ものだ。憲法を踏みにじった本人
にだけは言われたくない。

廃案に向けて

最後に、これらの法律が成立した暁には、まず選挙でこれら賛成票を入れた議員た
ちを落選させなければならない。そのうえでリベラルな政権に「廃案」する法律の
制定が必要とする。もっとも最高裁が「違憲立法審査権」を行使して違憲判断をす
るのが一番手っ取り早い。その時、一日3億円ともいわれている国会の運営費など
を自民党や公明党に賠償させなければならない。

いや、ますます忙しくなってきたぞ、
われわれ国民は…。
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◆「ふろむ京都山麓」抜粋抄 《資源大国 日本 (1) 丸太》
                         :みなみうら・くにひと                                                
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 日本には工業用資源が乏しい。そのため石油や鉄鉱石などの鉱物資源等を外国か
ら輸入し、高度な技術で加工製品化し、世界各国に輸出して経済を発展させるしか
国力を伸ばす術がない。わたしたちの世代には、小学の社会科教科書で教え込まれ
た常識でした。
 高度経済成長期を迎えた日本の産業は、製鉄や造船そして少し遅れて家電など、
目覚ましい発展を遂げました。1962年に進水竣工した世界最大のタンカー日章丸は、
国民の誇りでした。それから半世紀、かつての資源神話という常識は崩れつつある
ようです。

 先日の日経新聞記事には驚きました。日本の木材、スギやヒノキの輸出が昨年比
倍増しているのです(日経8月17日夕刊)。お山の邪魔者扱いを受けている杉と檜。
戦後の林野行政の最大の失敗とされる植林の丸太が、大量に輸出されているのです。
花粉症に悩むひとには朗報のはじまりかもしれません。
 日経記事では「1〜6月は杉、ヒノキなどの丸太輸出量が前年同期比で倍増し過去
最高に達した。戦後に植林した木材が伐採期を迎え…」。輸出データをみても2010
年から毎年数割ずつ増えています。輸出先は中国、台湾、韓国が主。韓国は木材資
源の乏しい国ですが、一方の「中国は環境破壊や砂漠化防止の観点から伐採を制限
し、木材は輸入に頼っている。これまでは北米産やロシア産が多かったが、北米産
丸太価格が米国の好調な住宅着工を受けて高騰。ロシア産の出材が安定しないこと
もあり、日本産に関心を高めている」

 丸太輸出は一例ですが、実は日本はさまざまの資源にめぐまれた国ではないか? 
近ごろ抱いている疑問です。資源大国日本について、これから時々考えてみようか
と思っています。

2013-08-20  Weblog
「ふろむ京都山麓」 http://blog.goo.ne.jp/0000cdw
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◆「スプートニク」 >>> 引用元    http://jp.sputniknews.com/
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◆情報通信・ラジオ「スプートニク」(HOME)
 http://jp.sputniknews.com/

◆日本関連
 http://jp.sputniknews.com/japan/

◆国際───────────────
 http://jp.sputniknews.com/world/

◆ロシア国内───────────────
 http://jp.sputniknews.com/russia/
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◆一口メモ 【強行採決】             
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 強行採決(きょうこうさいけつ)とは国会などで与野党による採決の合意が得ら
れず、少数派の議員が審議の継続を求めている状況で、多数派の議員が審議を打ち
切り、委員長や議長が採決を行うことである。
 直近では先週9月18日に安保関連法案が一括で参議院において「強行に」採決
された。
参考 http://news.yahoo.co.jp/pickup/6174867
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◆編集長から: 片山通夫
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 諸般の事情で発行が一日遅れましたことをお詫びします。
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  発行     2015年9月22日  No.725
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