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────────────────────────────────────── 【609 Studio】メール・マガジン 2015・8・25 No.723 ────────────────────────────────────── フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上脩身氏 の現代時評、ロシア唯一の韓国語新聞「セ・コリョ」の日本語翻訳版、ロシアや サハリン の話題編集長のコラムなど多彩な話題満載! ────────────────────────────────────── 休刊のお知らせ 都合で9月1日号、8日号のメールマガジンは休刊させていただきます。 セコリョ新聞などは後日まとめてお届けします。 ────────────────────────────────────── 日米かけはし物語 緒方馨 著 特集 Lapizが見た戦後70年 Lapiz2015Summer 6月1日同時発行! 詳しくは http://lapiz-international.com/ ────────────────────────────────────── ◆現代時評《自民党は最悪の選択をするのか》:片山通夫 ────────────────────────────────────── 暑い夏もそろそろという季節になってきました。しかしわが国の政治はなお混 とんとしているようです。いや激しく『劣化』しているようだ。 先週の参議院で民主党の連坊氏の質問に安倍首相がまた品のない野次を飛ばし た。 《安倍首相:今度のやじは「まあいいじゃん」 直後に撤回》とは毎日新聞の 記事。普通に考えて自らが必死の覚悟(?)なのかどうかは知らないが、提出し た法案、それも憲法解釈まで勝手に変えて出した重要法案なのだ。その重要法案 を審議をしている参院特別委員会の席上でのことだ。 以前にも安倍首相は同様の品位に欠ける野次を飛ばしている。すこしあげてみ る。 「日教組」とは、民主党の玉木雄一郎衆院議員の質問中。砂糖の業界団体の関連 企業から、西川公也農林水産相の政党支部に献金があった問題を巡り、西川農水 相が答弁。その時突然「日教組」と野次った首相。また民主党の辻元氏に「早く 質問しろよ」とヤジを飛ばし、抗議を受けて陳謝したこともあった。 まるでチンピラやくざのいうような品位に欠ける野次としか言いようのない。 これが世界第3位の経済力を誇る国の首相だというのだから救いようがない。 (チンピラやくざが気を悪くする?) ちょっと外国の元首や首相と比べてもらいたい。 その安部首相が9月の自民党総裁選挙で《無投票再選》される見込みだという 報道があった。一体何が自民党の中で起こっているのか、実態はうかがい知れな いので、わからないというのが実感だが、実に情けない状況だと断言したい。 考えてもみてもらいたい。自民党の総裁はイコール日本国の首相と言うわけな のだ。この状況がまだまだ続くということになる。情けないという意外他に言葉 が見つからない。 およそ品位に欠ける首相なんて恥ずかしくて「顔を挙げて表(外国)を歩ける か?」 まして「憲法軽視」して「解釈変更」をぬけぬけと行う輩なのだ。都合のよい 時は憲法に定められているとか、都合が悪くなれば「情勢が変化して」とか・・ ・。一体どこに法の安定性が担保されているのか。 そんな総裁(=首相)を無投票で選ぶという暴挙を自民党員は黙ってみている のか。あの鉄の団結を誇っている創価学会内でも、漏れ聞くところによれば公明 党のあるべき姿に批判している人々がいるという。アベノミクスとやらの経済政 策も最近はとんと安部首相の口からは聞こえてこない。つまりこれも表に出せな い状況なのだ。 およそ国民の負担を軽減するのが政治だ。負担を増やしてどうする? 自民党はそろそろ眼を覚ますべきだ。 【重要参考】 福島みずほさんのどきどき日記にこんな記事が書かれていました。重要なので全 文掲載させていただいて紹介します。 ______以下引用______ 福島みずほのどきどき日記 http://blogos.com/article/128712/ 安倍総理の奇妙なレトリック エーッ うそでしょう!と思わず言ってしまいそうな、安倍総理の奇妙な、ご まかしのレトリックを書き出しました。是非、お読みください。 (◆が、私の感想、批評です) 1 「戦争に巻き込まれる事は無い」「専守防衛は変わらない」 ◆そうだとしたら、戦争法案など必要ない。 2 「 国民の命と暮らしを守る」 ◆ これって、第二次世界大戦中に、祖国のために、国を守るために、妻と子 供を守るためにと侵略戦争にかり出されたこととどこが違うのだろう。 3 「自由で民主的な国を創り上げ、法の支配を重んじ、ひたすら不戦の誓いを堅 持してまいりました。70年間に及ぶ平和国家としての歩みに、私たちは、静かな 誇りを抱きながら、この不動の方針を、これからも貫いてまいります。」(安倍談話) ◆法の支配を重んじるというのであれば、憲法違反の戦争法案など出せるわけ がない。また、不動の方針をこれからも貫いて参りますと言うのであれば、違憲 である集団的自衛権の行使をなぜ合憲にできるのか。 4 「わが国は、いかなる紛争も、法の支配を尊重し、力の行使ではなく、平和的 ・外交的に解決すべきである。」(安倍談話) ◆力の行使で解決しないのであれば、集団的自衛権の行使やいわゆる後方支援 と言う名のもとに戦争を一体として行うことをやるべきではない。 5 「積極的平和主義」 ◆積極的平和主義を戦争をすることに使うな、集団的自衛権の行使をやること に使うな。積極的平和主義は、そのような概念ではない。 6 「一般的に外国の領土、領空、領海で武力行使をすることはありません」 ◆集団的自衛権の行使をすると言っているのにこの理屈がわからない。一般的 に出なければ、例外的に、外国の領土領空領海で武力行使をすることがあるのか。 7 「事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段 としては、もう二度と用いてはならない。」(安倍談話) ◆だとしたら、なぜ戦争法案なのか。集団的自衛権の行使も、後方支援と言う 名の下で戦争を一体として行うことも武力の行使である。 全く矛盾している。 8 「不戦の誓いの堅持」 ◆不戦の誓いを担保する最大のものは、憲法9条でしょう。憲法9条を踏みにじ って、不戦の誓いなどない。 9 安全保障関連法案は、「戦争法案ではない」 ◆戦争法案である。 できなかった戦争ができるようになるのであるから、戦争法案である。日本 国憲法下でできない集団的自衛権自衛権の行使ができるようにし、後方支援とい う名のもとに、武器を運搬し、戦場の隣りで、弾薬を提供できるようにし、戦争 支援をすることができるようにするのであるから、戦争ができるようになる。 今まで、戦場で武力行使はしない、できないとしていたことをできるように するのである。政府は、戦争をしないとしていたことが、政府は、集団的自衛権 の行使ができるようになるのであるから、戦争ができるようになる戦争法案であ る。 わたしは、戦争法案の削除要求を自民党から受けたが、そのときに、戦争法 案ではなく、戦争関連法あるいは戦争につながる法ではどうかと言われた。そこ まで言うのであれば、戦争法案で何が問題か。 結局、戦争法案という言葉は、議事録にアップされた。 総理は、戦争は、国際法上禁止されているというが、ベトナム戦争、イラク戦 争など戦争という言葉は使われている。 また、今回議論されている法案で、集団的自衛権の行使についても重要影響事態 についても、国連の決議など何も要件とされていない。国際法上の担保すら要件 となっていない。 なお、国際法上禁止されているのは、侵略戦争であるが、日本政府が、集団的自 衛権の行使と認めている戦後の14件のケースは、ほとんどが大国が小国に対して 行った泥沼の侵略戦争である。 ______引用終______ ────────────────────────────────────── 【著書案内】 「追跡!あるサハリン残留朝鮮人の生涯」 片山通夫 著 日本の植民地統治が生んだ一家離散「二重徴用」「急速転換」「樺太 への逆密航」を語る貴重な証言!! 凱風社 刊 http://www.gaifu.co.jp/index.html 定価 1900円+税 ────────────────────────────────────── ◆「ふろむ京都山麓」抜粋抄 《コード・カッター》:みなみうら・くにひと ────────────────────────────────────── インターネット配信サービスのネットフリックスの日本上陸について、この欄 で前回に紹介しました。その後、日本経済新聞がアメリカのインターネット配信 サービス台頭を伝えています。「ウォール街ラウンドアップ ネット配信台頭メ ディアに影」(2015年8月14日夕刊)。転載します。. 13日の米ダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発したが、上げ幅は約5ドルと小 幅だった。中国景気への懸念や原油安が重荷となっているが、独自の要因で株価 が大きく下げているセクターがある。メディア業界だ。 業種別のS&P500種株価指数「メディア」は8月に入って約8%下がり、下落 率は全体(約1%安)を大幅に上回る。理由は「コード・カッター」の台頭だ。 コード・カッターとは、高額な料金を嫌ってCATVなど有料テレビの契約を打 ち切る視聴者をいう。 代わりにインターネット配信サービスの「ネットフリックス」や「Hulu( フールー)」などで動画を楽しむ。ネット配信は月額10ドル以下と、50ドル以上 が多い有料テレビより安い。見たい時に見たい番組を選べる利便性も受けている。 コード・カッターの増加に悩まされる有料テレビ業界では、同業や通信会社と の合従連衡が進み、市場の縮小に備えた動きが活発だ。一方で有料テレビに番組 を提供しているメディア大手は「コード・カッターの影響はあまりない」と強気 の姿勢を貫いてきた。だが、4〜6月期決算の結果は異なっていた。 4日に決算発表した米ウォルト・ディズニーは、スポーツ専門チャンネル「E SPN」で視聴者数が減っていることを認めたうえで、有料テレビ事業の営業利 益の年間成長率を1桁台後半から1桁台半ばに引き下げた。スポーツ専門局は「 試合の生中継」というキラーコンテンツを持つ。録画でも楽しめるドラマとは異 なり、コード・カッターの影響を受けにくいとされてきただけに、衝撃は大きか った。 ディズニーは映画やテーマパークといった複数の事業を抱え、中でも有料テレ ビ事業は営業利益全体の半分弱を稼ぎ出す主力事業だ。収入源はCATVなどの 運営会社から受け取る番組提供料とテレビ広告収入。どちらも視聴率と収入が連 動するだけに、視聴者が減れば共倒れしかねない。アイガー最高経営責任者(C EO)は「ESPNの将来に自信を持っている」と語ったが、投資家の不安は消 えていない。 「現在のテレビ広告が最善の仕組みとはいえない」。21世紀フォックスのジェ ームズ・マードックCEOはこう発言して、視聴者の嗜好に合わせた広告を流す などの新しい技術開発を模索していることを明かした。「テレビに広告さえ流せ ばいい」という時代は終わりを告げている。 「過剰反応だ」。ディズニー決算をきっかけに続くメディア株売りを著名メデ ィア業界アナリスト、ナザンソン氏はこう総括した。有料テレビ契約者は年間1 %程度減っているにすぎず、テレビ業界の経営環境が急激に悪化する可能性は低 いとみる。だが、新聞や音楽などの業界を揺るがしたデジタル化の波が押し寄せ ているのは間違いなく、収益モデルは転換期を迎えている。(ニューヨーク=清 水石珠実) <2015年8月19日> 「ふろむ京都山麓」 http://blog.goo.ne.jp/0000cdw ────────────────────────────────────── ◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版: 2015年8月21日号 本紙(韓国語・ロシア語)は下記へ! http://www.609studio.com/html/sekoryo/index.html ────────────────────────────────────── アルタイ代表サハリン訪問 先週、アルタイ州の政府代表及び農業企業専門家、建設関係者などからなる代 表団が来島。サハリン州とアルタイ州は10年間多様な分野で協力しており、2 014年にはアルタイ州から暖房装備を輸入したこともある。今回は缶詰製造に 必要な機械設備供給問題で訪問した。代表団はサハリンの農業と観光にも関心が 高く、関係者に会うほか観光地を視察した。 映画祭開幕 8月21日、ユジノサハリンスクで第5回サハリン国際映画祭が幕を上げた。 ロシア、中国、韓国、インド、東南アジアの映画100編などが上映される。韓 国からは金・テファン監督の「鉄原紀行」が参加した。監督が来て直接作品につ いて話すとのこと。 ネベリスクで陶磁器フェスティバル 先週末、ネベリスク市で陶磁器フェスティバルが開催。2009年から行って いるが、今年はカムチャッカ、ハバロフスク、日本から100人の専門家が参加 した。14日の夕方、日本式陶磁器焼きで幕を上げた開幕式には1千人あまりが 集まった。州知事代理、ユジノサハリンスク駐在日本総領事と朴・ウラジミル市 長は暖かい言葉で市民らを迎えた。 日本代表団が戦闘現場訪問 先週末、スミルヌイフでユジノサハリンスク駐在日本総領事館が主催するサハ リン戦死日本ロシア軍人追悼式があった。日本から企業家、社会団体代表が参加。 参加者らはポベジノの追悼碑にも参拝した。終戦70周年を迎える今も続いてい る戦死者探索作業で29年間発見され移送或は埋蔵された遺骨数はソ連軍189 柱、日本軍326柱に達している。 註:スミルヌイフ :サハリン中央部に位置する町。ロシア連邦サハリン州に属 する。日本統治時代の気屯にあたる。 日本統治時代は「気屯」。 註:ポペジノ(日本名:古屯・ことん)北緯50度線の南17kmに位置し、かつて日 本最北端の駅であった。 クリル列島で救助隊結成 クリル列島の島々が大陸から遠く離れているため、非常事態が生じても長時間 に気候不順で接近できなかったりする故に、クリルスクと南クリルスク住民25 人からなる救助隊を組織した。25人は国家指定教育と資格試験も履修している。 光復70周年記念「親善の日」 さる16日、ユジノサハリンスク・クリスタル体育館で1080席が足りない ほど大勢の人々が集まった中で韓人会主催の光復70周年記念行事が行われた。 今年はサハリン代理、ロシア正教会チホン主教も参加して一緒に終戦と解放を祝 った。長い間会えなかった人々、各地域に散らばっている人々が会える機会にも なるため、参加者らの楽しさは倍増された 日本製アルコール製品不法搬入 サハリン税関は日本花崎港からユジノクリルスクに到着した船で不法搬入しよ うとした日本製アルコール56本60リットルを押収した。製品の所有者である 船の乗務員は行政訴訟の他、罰金を払うことになる。年初からアルコール製品の 不法搬入は43件に達し、当局は730リットル以上を押収したと税関広報室は 伝える。 ────────────────────────────────────── ◆「スプートニク」 >>> 引用元 http://jp.sputniknews.com/ ────────────────────────────────────── ◆情報通信・ラジオ「スプートニク」(HOME) http://jp.sputniknews.com/ ◆日本関連 http://jp.sputniknews.com/japan/ ◆国際─────────────── http://jp.sputniknews.com/world/ ◆ロシア国内─────────────── http://jp.sputniknews.com/russia/ ────────────────────────────────────── ◆一口メモ 【北方領土】 ────────────────────────────────────── 一般に「北方領土」とは、北海道の北東部にある択捉島、国後島、色丹島、歯 舞群島を指す。太平洋戦争において、ポツダム宣言受諾表明後、これらの島々に 対して侵攻したソビエト連邦(その後継国家であるロシア連邦)による支配が現 在も続いている。日本とロシア連邦の間で係争地域となっている。 8月22日、ロシアのメドヴェージェフ首相は択捉島を訪問し「日本とは仲良 くしたい。日本は隣人だ。対日関係は良好だ。しかしそれはいかなる形でもクリ ル諸島の問題と結びつけられてはならない。クリル諸島はサハリン州の名でロシ アの構成体に含まれる、ロシアの一部である。だから訪問した。いま、訪問して いる。これからもクリルを訪問していく」と極東訪問を総括した。 つまりこれを読むかぎり「返還する気は全くなさそう」だ。 ────────────────────────────────────── ◆編集長から: 片山通夫 ────────────────────────────────────── 陰惨な事件が起こった。中学一年生の男女生徒が殺された。容疑者は逮捕され た。どのような人生を送ってきた人物なのかははっきりしない。ただ容疑者は、 東京電力福島第一原発事故の除染作業員として、福島県内で働いていてお盆の帰 省で地元寝屋川に帰ってきたと新聞の報道にあった。 こういう言い方は決して良くないのは重々承知しているが、原発事故のあった 福島で除染作業をしていたというのを知って、決して恵まれた人生ではなかった 様に思える。勿論本人の責任が重大だ。しかしそこまで追い込まれた本人の情況 は、決して本人だけの責任だとは言えないのではないかと思える。お断りしてお くがしておくがこの容疑者を擁護しているのではない。 社会の風潮を嘆いているのだ。 生活が苦しい。市役所などはけんもほろろだ。友人もできない(お金があれば 向こうから寄ってくるが)。時には病気にもなる。勢い人の嫌がる仕事に就かざ るを得ない 。 最近のわが国の在りようはざっとこうではないだろうか。 「勝ち組」だの「負け組」だのと人を区別か差別化知らんが、分けて悦にいっ ている人やマスコミ。国も地方自治体も経済性を優先する風潮。 こんな日本に誰がした? ──────────────────────────────────── 発行 2015年8月25日 No.723 発行 毎週火曜日 購読料無料 FB https://www.facebook.com/michio.katayama.5 配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236 MailuX配信システム ID:MM3E1B97842E020 contact us http://www.609studio.com/html/mailform.html website http://www.609studio.com/ 投稿 http://www3.ezbbs.net/06/609studio/ 購読 解除 http://archive.mag2.com/0000052236/index.html ◇禁・無断転載◇ ──────────────────────────────────────────────── |