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タイトル:609studio No.705 ◆現代時評《海外メディアを黙らせろって?それは無理・・。》:片山通夫  2015/04/21


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【609 Studio】メール・マガジン 2015・4・21 No.705
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   フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上脩身氏
の現代時評、ロシア唯一の韓国語新聞「セ・コリョ」の日本語翻訳版、ロシアや
サハリン の話題編集長のコラムなど多彩な話題満載!
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 大阪には済州島をルーツにもつ「在日」が多く、それは1923年前後から直航
便でつながっていたからである。その時間の流れを写真で表現しながら、今日まで
「在日」が大阪の地で感じてきたであろう心の道のりを小さな町の日常で描いた。

 戦後70年。その歴史に思いを致すできごとは無数に、そこかしこにある。
 それらは時空を超えて、人の血によって受け継がれる。

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◆現代時評《海外メディアを黙らせろって?それは無理・・。》:片山通夫
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 最近、目に余る事態になってきた。「東京で5年間勤務した外国人特派員の告
白」と言う記事が日本外国特派員協会の機関誌に掲載された。記事の内容は簡単
に言うと「駐フランクフルト日本総領事がドイツ紙フランクフルター・アルゲマ
イネの本社を訪れて『この記事が中国の反日プロパガンダに使われる』と抗議し
た」と言うのだ。総領事は「金が絡んでいる」とまでいったようだ。またアメリ
カの教科書に「慰安婦を強制連行した」と言う記述が不適切だとして訂正を申し
入れたとか・・・。これにはアメリカの歴史学者が「政府による圧力」だと反発
したようだ。記述の真贋の是非をこれら歴史学者が言っているわけではなさそう
だ。彼らは「政府が記述内容に異論をはさむ=圧力」を問題にしているのだと思
うのだが、我が国の外務省などはそうは取っていないようだ。

 このような「政府による圧力」は昨年くらいから顕著になってきた。日本のメ
ディアは大人しく「寿司でもつまんで」いるかもしれないが、外国のメディアは
そうはゆかない。圧力をかければかけるほど反発も大きいし、その圧力がかかっ
たという事実そのものがニュースになる可能性がある。そのあたりが記者クラブ
で右一列で並んでいる日本とは大いに違いがある。

 テレビ局は放送法や放送免許で縛られている。だから政府には弱い立場だ。
  「放送免許の更新」を言外にちらつかせれば、ぐうの音も出ないと今の安倍政
権は考えているだろう。だから陰に陽に「圧力」らしきものをちらつかせる。全
く姑息な連中だ。

 こんな日本政府が圧力(まがい)を外国の報道機関などにかけると、我が国の
《信用が地に落ちる》ということが理解できないのだろうか。反発を食うことが
眼に見えている。   

 間違っても《寿司で釣れる》マスコミではないのだから・・・。

 ところがこの稿を書いている最中に「自民党の情報通信戦略調査会が、NHK
とテレビ朝日の報道番組について両社幹部を呼び、事情を聴く」という。なんで
も「偏向放送」でないか確認するのだとか。また自民党は「BPOに政府関与検
討するという。「放送局から独立」させるのが目的だとか。「放送局から独立」
させて「政府が関与」するというのは、本末転倒だ。

 こんな情況になっても放送局は沈黙を保っている。しっかり手なずけられたも
のだ。
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◆「ふろむ京都山麓」抜粋抄《米アマゾンで活躍するヤギ(山羊)たち》
                                                  :みなみうら・くにひと
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 田舎の農地や休耕田、広い空き地や荒地など、それらの土地は都会と違って不
動産価値はべらぼうに低い。生産性はほとんどないかゼロなのだが、維持管理に
はつとめねばなりません。いちばんの課題が除草。いろいろの雑草がいくら除い
ても、それこそジャングルのごとくにまた生えてくる。エンジン式の草刈り機で
なぎ倒すのは結構な重労働。年に3回くらいは刈らねばならない。有害な除草剤
の使用などとんでもない。足腰は作業のたびに悲鳴をあげる…

 前からヤギに雑草を食べさせるのが楽かもしれないと思っていた。ただ相手は
デリケートな生きもの。粗末に飼育するわけにもいきません。しかしわたしは助
かるだろうな。草地のまわりにはフェンスなど構えずに、杭を1本打って長いロ
ープをヤギの首に結ぶ。そうしておけば広い円形状に草を食べてくれる。数日後
に杭の位置を変更してまた打ちこむ。飼い主のわたしはその近くの日陰でビール
を飲んでいる、というイメージです。

 そんなことをずいぶん前から考えていたのですが、なんと米アマゾンが山羊に
よる除草の事業化を開始したという。ニューズウィーク掲載「ニュービジネス 
アマゾンが開始、ヤギのレンタル・サービス −機械や人間による草取りよりも
低コストでエコなところが魅力」2015年4月7日
  http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2015/04/post-3604.php

 米アマゾン・ドットコムが山羊(ヤギ)のレンタル・サービスを、つい先日か
ら開始した。除草をさせるためだ。アマゾンは流し台の設置からヨガのレッスン
まであらゆるサービスを提供する「アマゾン・ホーム・サービシズ」を新たに米
国で始めたが、その中で「ヤギの放牧」も試験的に展開。

 ヤギは羊よりも草取りに向いている。農業情報サイトのモダン・ファーマーに
よれば、4650平方メートルの土地を草取りするのに羊なら83頭必要だが、ヤ
ギなら38頭だ。ヤギもヒツジも4つの胃を持つ反すう動物だが、ヤギは草だけ
でなく、ほかの動物には害になるような植物や物質も消化できる。
 日本でもアマゾンはヤギと親しい間柄を結んでいる。アマゾンジャパンの岐阜
県多治見市にある物流拠点で、昨年から30−40頭のヤギを使って除草を始め
た。日本ではすべてのヤギはレンタル用ではなく、アマゾンの物流センター敷地
内の草を食む。彼らはアマゾンの従業員証を着用している。

 ヤギとアマゾンは自然な組み合わせと言っていい。というのも、同社の本拠地
であるワシントン州シアトルは、州の補助金を得てヤギを放牧し、公共の場の下
草取りをしていることで有名だ。農業機械が入れない場所にも、ヤギなら入るこ
とができる。人間が草取りをするより低コストだし、二酸化炭素排出量は少なく
て済む。
 アマゾン・ホーム・サービシズがレンタルするヤギは、近くのバション島にあ
るレント・ア・ルミナント社のタミー・ダナキンが所有している。彼女はヤギを
使った除草サービス業界の有名人で、風刺報道番組コルバート・リポートの「ア
メリカを駄目にする人々」コーナーにも出演。司会のスティーブン・コルバート
は、ダナキンの活動が人間の庭師の仕事を奪っているとからかうと、「ヤギがこ
の国のすべての庭仕事をやってしまうまで、私は満足しない」と返した。

 アメリカでは野草喰いに、ヤギを古くから活用して来た。労働力不足に悩ん
だ第1次大戦中のアメリカ本土で、ウッドロー・ウィルソン大統領はホワイトハ
ウスの芝を刈るのにヤギの力を借りた。地球上の各地で激しい戦争が続くなか、
ワシントンDCではヤギが庭師をつとめていた。
 1920年代には米大リーグのフィラデルフィア・フィリーズが、本拠地の球
場ベイカー・ボウルの天然芝を維持するために2頭の雌羊と1頭の雄羊を飼って
いる。ヒツジもヤギも、大活躍していたそうだ。

 <2015年4月8日>
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◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2015年4月17日号
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州知事, 多忙な日々

 さる13日、分野別会議で祖国戦争勝利70周年記念事業の進行状態を確認し
た。知事は事業の遅れているユジノサハリンスク市政府を叱責、4月30日まで
戦争老兵らに約束したアパート供給を終えると共に、都市整備においては毎年の
春、道路の穴を埋めるような無駄な作業を中止し、根本的に耐久性の高い建設を
行うように建設計画を変更するように指示した。

記念メダル授与式

 州政府は戦争勝利670周年を記念して2,332人の住民に記念メダルを与
える予定だ。さる15日はユジノサハリンスク市ロジナ会館でメダル授与式が開
かれ、知事から直接14人の代表がメダルを貰った。知事は2人には自宅を訪ね、
そこで渡すなど積極的な姿勢。
 今年から戦争参戦者、ナチ被害者や障害者には年間5〜3万ルーブルの補助金
が支給される。

検事局、ショッピングセンターの安全検査予定

 サハリン州検事局は、今年3月11日カザニ「アドミダル」貿易センターで起
きた火事のような大型火災を予防するため、州内ショッピングセンターを対象に
消防施設などの検査を行うほか、ついでに衛生状態、労働移民法などの関連法規
違反なども調べると発表。

副市長辞退

 ユジノサハリンスク市の副市長(社会問題担当)のマゴメド・マゴメドフ氏が
収賄協容疑で赴任して5カ月ぶりに辞退。4月11日からエレナ・ピョドロバ現
教育局長の赴任が決まった。

K-POP大会

 4月24日、サハリン国立大学と韓国KBS放送局、韓国外務部共同でK-POP大会
が開催される。ユジノサハリンスク、アニワ、コルサコフ、ポロナイスク地域か
ら予選を通過した27人の学生や大学生が参加する。最優勝者はソウルで開催さ
れる「2015年K-POP大会」にサハリン代表として参加できる。

沿海州・ウスリスクで4月事件追悼式

 1920年、ウスリスクで4月4日深夜から翌日の朝まで日本軍の襲撃でロシ
ア人を含め朝鮮人数百人が殺害される悲劇的事件があった。現地の高麗人協会は
10年前から追悼式を行ってきたが、事件から95年が過ぎた今年は韓国やロシ
ア全国から同胞、学者、学生らが参加してさる4月10日、沿海州・ウスリスク
・高麗人会館で大規模の追悼式が行われた。

「勝利授業」

 ロシア連邦教育省の勧告で4月13〜20日まで州内全学校で戦争関連特別授
業が行われた。「誇りに思う、忘れない」というタイトルの授業には参戦者,教
師、学生らの父母、政府関係者らも招待される。

民主平和統一諮問会議メンバと1世らの懇談会

 全羅道井乙市の民主平和統一諮問会議代表ら38人がサハリンを訪ね、さる1
0日韓人文化センター1世らとの懇談会が行われた。統一安保ツーアのため沿海
州とサハリンを訪ねた代表団は1世らの生きてきた話などを聞きながら、辛い過
去に同感したり、慰めるなど同胞愛を確認した上、祖国の統一ために力を合わせ
ることを誓った。地元の特産品である米やノリ、漬物など故郷の味をお土産に持
ってきてくれた。
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◆「ロシアの声」改め 「スプートニク」 >>>
           引用元    http://jp.sputniknews.com/
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◆情報通信・ラジオ「スプートニク」(HOME)
 http://jp.sputniknews.com/

◆日本関連
 http://jp.sputniknews.com/japan/

◆国際───────────────
 http://jp.sputniknews.com/world/

◆ロシア国内───────────────
 http://jp.sputniknews.com/russia/

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◆[編集長から]              片山通夫
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▲北朝鮮元工作員「当局は拉致した日本人がどこにいるか知っている」と述べた。
「北朝鮮の工作機関が、日本人の居場所を知らないわけがない。そうした情報は、
記録されていおり、何らかの調査をする必要さえない」と証言した。
 それはそうだろう。「勝手に連れてきた(拉致した)日本人の動きを当局が知
らないはずはない。安倍政権はこのあたりをなぜ突っ込まないのか不思議だ。

▲韓国・セウォル号惨事から1年が経った。まだ9名が行方不明のままだ。心か
らこの惨事を悼む。同じ韓国のアシアナ機が広島空港で事故。視界が悪かったよ
うだが、それなら着陸許可は出さないでもらいたいものだ。

▲オバマ政権がキューバへのテロ指定を解除するという。これで一気に国交回復
がなされるか。

▲朝日新聞17日朝刊の「天声人語」は「驚いたことに担当の男性医師は患者の
顔をほとんど見なかった。パソコンの画面とにらめっこだ。これで患者の状態が
わかるのかと不安になった」とあった。このコラムを書いた記者はそんなことは
ないのだろうが、記者会見で最近の記者は並べて「パソコンに向かってひたすら
タイピングに余念がない。インタビューの相手の表情を読み取るなんてことは全
くしないようだ。「こんなことをしていて深い記事が書けるのかと不安になる」
のは筆者だけか・・・?

▲日露関係が怪しくなってきた。プーチン大統領は「北方領土問題」を日本側と
話し合うつもりだが、日本側の都合でいまだ話し合えないと言明した。ロシアは
これまでにも様々な形で日本にサインを送ってきている。
例えば・・・。
1)ロシア、日本の原発の廃棄物浄化に関する有効技術を提案
2)ロシアは日本とクリルについて話し合う用意がある
3)ロシアからのガスパイプラインは日本にとって必要

 しかし、安倍政権は「アメリカ追従政策」の枠内から一歩も出ることなくロシ
アからの様々なサインに応えようとしない。
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◆[一口メモ]             
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 1971年4月8日ロンドンで開かれた世界ジプシー会議には、世界30カ国
から代表が参加した。そこで「ジプシーは定住地を持たない単一民族」と認めら
れ、独自の旗と賛歌が定められた。そしてこの日が国際ロマ(ジプシー)・デー
となった。近年の日本においては、「ジプシー」は差別用語、放送禁止用語と見
做され、「ロマ」と言い換えられる傾向にある。しかし、「ジプシー」には「ロ
マ」以外の民族も含まれているので、これは他のジプシー民族を無視することに
なる。また「ジプシー」という名称は「1427年、パリに現れた彼らは「低地
エジプトから来た」と名乗った。ここから「エジプトからやって来た人」という
意味の「エジプシャン」の頭音が消失し「ジプシー・Gypsy」となった。

ロマ:北インド起源の移動型民族。欧州における「ジプシー」の最大勢力。
アッシュカリー、エジプシャン
ドム:インド・アーリア人のジプシー。
リューリ:中央アジア出身のドムの別集団。
ロム (Lom people):東アナトリア半島およびアルメニア出身のジプシー。
バンジャラ (Banjara):インド出身のジプシー。
アイルランド人の旅人 (Irish Travellers)
スコットランド人の旅人 (Scottish Travellers)
イェニシェ:もともと欧州にもロマ以外のジプシーがいた。
スリランカ・ジプシー (Sri Lankan Gypsy people)
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  発行     2015年4月21日  No.705
  発行     毎週火曜日  購読料無料
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 配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236
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