メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:No.703◆現代時評「写真・軍事オタク首相とシリアの女性兵士と手を挙げる少女」:片山通夫  2015/04/07


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【609 Studio】メール・マガジン 2015・4・7 No.703
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   フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上脩身氏
の現代時評、ロシア唯一の韓国語新聞「セ・コリョ」の日本語翻訳版、ロシアや
サハリン の話題編集長のコラムなど多彩な話題満載!
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                           609studioWeb site 

             《モノクロームの時代》韓国・ソロク島編 連載中!!
 
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 大阪には済州島をルーツにもつ「在日」が多く、それは1923年前後から直航
便でつながっていたからである。その時間の流れを写真で表現しながら、今日まで
「在日」が大阪の地で感じてきたであろう心の道のりを小さな町の日常で描いた。

 戦後70年。その歴史に思いを致すできごとは無数に、そこかしこにある。
 それらは時空を超えて、人の血によって受け継がれる。

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現代時評「写真・軍事オタク首相とシリアの女性兵士と手を挙げる少女」
                                                          :片山通夫
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 ここに3枚の写真がある。それぞれにキャプションが付いている。申し訳ない
がメールマガジンでは画像などは表示できない(テキスト)ので、先ず以下のUR
Lをクリックしてご覧いただきたい。
http://www.609studio.com/html/mailmagazine/150407/index.html

 最初に挙げた写真は、2013年4月27日に撮られた、馬鹿みたいにニヤケた日本
の総理大臣の写真だ。戦闘服に身を包んで戦車に乗る安倍首相の姿の写真は、
またたく間に世界を駆け巡ってその馬鹿さ限りをアピールした。「ニコニコ超会
議2」というイベント会場で、一国の首相が、武器に触ったりして喜ぶ子どもの
ような、幼稚性をさらけ出している。この写真が一人歩きする意味が想像できな
かったとしたら大きな問題だが、実際に出回っているのだから、そういうことは
想像できない軍事オタク馬鹿なんだろう。まさか出回っているのがうれしいのだ
ったら救い難い。

 その下に挙げた写真は「情勢が不安定な地域ジョバルで、反政府勢力との衝突
時に戦車を操縦する共和国親衛隊・降下部隊の女性兵士」のものだ。(sputniknews)
http://jp.sputniknews.com/photo/20150329/109573.html
 この兵士は決して軍事オタクではない。コメントでは「実践に配備されている
女性大隊の戦車を操縦する兵士」だという。つまり死と直面しているわけだ。ど
こかのオタクとは全くその立ち位置が違う。

 最後の写真はトルコの報道カメラマン、オスマン・サーリ氏が撮影した。
 2014年12月、トルコ国境に近いシリアのアトメ難民キャンプで撮られた4歳の少
女・フデアちゃんの写真だ。3月24日に、ガザ在住の写真家、ナディア・アブシャ
バンさんが「シリアの少女がジャーナリストのカメラを武器だと思って、両手を挙
げた」とTwitterに投稿した。この写真は3月31日現在で1万4000回以上もリツイート
された。(huffingtonpost)
http://www.huffingtonpost.jp/2015/03/31/syria-girl-holdup_n_6975344.html

 軍事オタク首相の写真と違い、後の2枚の写真はまさに「死と直面している
人々」の写真である。

 昨今、中国や北朝鮮の「脅威」が騒がれている。国会では「八紘一宇」という
もう死語になっていたと思われる言葉が「我が国のありように相応しい」と述べ
る議員が出た。また4日の毎日新聞電子版「戦後70年国会決議:見送りか、自
粛ムード広がる」と言う記事が掲載された。記事によると戦後50年や60年の
ときには「侵略的行為」への反省や、アジア諸国への「多大な苦難を深く反省」
する決議が衆院でなされたが、今回は「安倍政権が8月にも発表する戦後70年
談話に影響を与えかねないなどと、自粛ムードが広がっている」という。一体こ
の国会は何なのだ? 
 軍事オタクの首相と論議しない国会。そして実際に「右傾化する政府」に批判
出来ないマスコミ・・・・。

 今更だが相当にやばい状況にあるぞ、我が国は・・・。
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  日本の植民地統治が生んだ一家離散「二重徴用」「急速転換」「樺太
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◆「ふろむ京都山麓」抜粋抄《 ロボットが世界を変える (3)》
                                                  :みなみうら・くにひと
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「ソフトバンクのPepper」

 ソフトバンクが満を持して発売するロボット「Pepper」(ペッパー)のうたい
文句は、人間の感情を理解してコミュニケーションが取れ、人に寄りそうロボッ
トである。高さ121センチ、重さ28キロ、首からはタブレット端末を下げている。
マスコミの報道でご覧になった方も多いだろうが、人の顔や腕、胴体を模した機
構を持つヒューマノイド型ロボットである。価格は税別198000円と破格に安い。
 人型ロボットであることは、感情のセンシングにも役立つ。ペッパーは人にに
じり寄って自ら話しかけ、身振り手振りを交えながら発声し、相手の顔をのぞき
込むようにして話す。すると、人は自然にペッパーの方を向き、ペッパーと対話
しはじめる。人のような振る舞いは、人の表情や音声を取得するのにも有利であ
る。

 ペッパーがこれまでの人型ロボットと最も異なる点は、ネットワークに常時接
続できる通信環境と、クラウドコンピューティング環境の存在だとされる。現在
では、音声や画像から関連情報を見つける処理などをクラウドに任せられるよう
になり、ロボットのセンシング能力や表現能力が劇的に向上した。
 孫は「クラウドや半導体などの要素技術がそろって、”心”を実現できる時が
きた。共同開発先の仏社の技術を活用することで”身体”も用意できる。長年の
夢に向かって、今こそ挑戦すべきだと考えた」

 お笑いの「よしもとロボット研究所」も開発にかかわっているが、人の感情が
ポジティブになるようにするには、ペッパーがどのような話し方や行動をとれば
よいか。目標のひとつはそこに置かれている。絶妙な間合いやユーモアなど、ペ
ッパーは吉本興業の特訓を受けた。
 ロボット研究所は人気バラエティー番組の放送作家、中野俊成氏をチーフプラ
ンナーに、ペッパーの「出し物」の企画・演出が練られた。会話の間(ま)も重
要なポイントである。

 人の感情を認識し、感情の変化と行動の履歴をもとにペッパーは学習を繰り返
す。これからペッパーの兄弟姉妹たちは、まずは日本を中心に、ゆくゆくは世界
各地に膨大な数の仲間たちが送りだされる。それぞれのペッパーの体験はクラウ
ドに蓄積され、すべてのペッパーがその記憶を共有することで、学習スピードが
幾何級数的に高まっていく。ペッパーは加速度的に頭脳を進化させることができ
るのである。
 ペッパーが活躍する姿は次のように想定されている。家庭ではゲームの相手や、
歌やダンスで場を盛り上げる。ロボットが家族の帰りをあたたかく出迎えたり、
出かけるときには「傘を持って出かけた方がいいですよ」とアドバイスしてくれ
る。子どもと一緒に学校の勉強をしたり、会話を楽しんだりすることも夢ではな
い。外国語の教師にも適任だそうだ。最も多い要望は、高齢者の話し相手に使い
たいという消費者の切実な声であるが、ペッパーは必ず助けてくれる。間もなく、
ロボットのいる生活が当たり前になる。そのような時期がもう目前に迫っている。

 家庭だけではない。店舗やホテルで、ペッパーは接客ロボットとしても活躍す
る。ネスレは自社コーヒ―メーカーの販売員として、千台のペッパーを発注した。
全国の家電量販店などの売り場に配置する。客とペッパーの対話、そして胸のタ
ブレットにタッチすることでコーヒーとマシンの話しを進めていく。たいへんす
ぐれた営業員である。
 ネッスルのライバルのはずのサントリー缶コーヒー「BOSS」のTVコマーシャル
にもペッパーは登場。企画発表会にはタモリさんとペッパーが出演し、彼の持ち
芸「コンドルの着地」に挑戦した。筆者もPC動画で見たが、ペッパーが羽ばたく
モノマネは見事であった。タモリは「上手いねえ。こんなにしなやかな動きをす
るとは思わなかった」と驚いていた。
 司会の高橋真麻さんのモノマネには「Pepperのほうが上手いな」。本当にその
通りで、ペッペーの身のこなしはすばらしかった。
 <2015年3月11日>
ふろむ京都山麓
 http://blog.goo.ne.jp/0000cdw
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◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2015年4月3日号
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 新州知事、問題点把握

 さる31日、オレグ・コジェミャコ新任州知事は自治体指導者らが参加した中
で政府拡大会議を開き、様々な問題把握に注力している。新知事は住民生活に深
くかかわる問題においては直接監視すると共に10日に1回、拡大会議を開くと
伝えた。また、4月10日まで各地方を見て回り実態把握に努めるという。

教師就業博覧会

 さる31日、ユジノサハリンスク市師範専門学校卒業生らのための就業博覧会
が開かれた。13カ地域から教育管理局代表らが参加した。今年も州内で444
人の新任教師が必要であり、ユジノサハリンスクでは166人が不足している。
現在40%の教師が定年を迎えようとしている。過去3年間480人の若者が教
壇に立ったが既に82人が辞めた。若者教師らには一時補助金20万ルーブルの
他、インセンティブ40%が付くなどの誘致政策を講じている。

懲役24年を受ける

 2014年2月9日、ユジノサハリンスク市内の教会で銃殺事件を起こし2人
が死亡、6人が怪我をした事件の犯人ステパン・コマロフ青年に懲役24年の刑
が言い渡された。精神専門家は犯人の精神状態は正常であると結論つけた。

極東地域から医師17人来島

 最近、ユジノサハリンスク市応急救急車の専門家不足は深刻である。昨年28
人を新規採用したにも関わらず人材不足は続いているが、極東地域から医師17
人がサハリンで働きたいとの要望があって地元では大歓迎。また、救急車の約8
0を新しくいものに変えるなど州政府は救急車や装備の近代化にも注力している。

幼稚園教育費引上

 ユジノサハリンスク市内幼稚園の学費が3月1日から6.7%が引き上げられ、
毎月2,436ルーブルから2,599ルーブルとなった。父母らの支払う教育
費は食費だ。食品価格の上昇に比べると教育費は低い方だと当局は説明している。
また、子供が2人以上の家庭では1番目の子20%、2番目50%、3番目10
0%の割引があるほか、低所得家庭、障害者らにも様々な支援がある。

同胞画家らの活躍―チェホーフ大賞

 さる27日、サハリン州立美術館で「チェホーフについて」の絵画部門コンク
ールの発表と展示会が開かれたが、大賞は同胞画家のチョ・ソンヨン氏、周・ミ
ョンス氏も最優秀賞を貰った。国内外でも有名な二人の同胞画家。二人とも祖国
である韓国での展示を強く望んでいる。
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◆「ロシアの声」改め 「スプートニク」 >>>
           引用元    http://jp.sputniknews.com/
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◆情報通信・ラジオ「スプートニク」(HOME)
 http://jp.sputniknews.com/

◆日本関連
 http://jp.sputniknews.com/japan/

◆国際───────────────
 http://jp.sputniknews.com/world/

◆ロシア国内───────────────
 http://jp.sputniknews.com/russia/

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◆[編集長から]              片山通夫
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▲沖縄の翁長知事が就任後の「ふるさと納税」が急増しているという話だ。この
2月は前年比77倍だとか・・。
 琉球新報は伝える。
《県外在住の納税者らから「知事、頑張ってください」などと書かれた激励文も
寄せられている。辺野古移設に反対する地元の名護市でもふるさと納税が増えて
おり、政府が移設を強行する中、県内外で支援が広っている》

▲ これは何を意味するのかは明白だ。沖縄の自然環境のために活用してほしい」
「沖縄県を応援します」。同時に寄せられているメッセージだ。
 筆者も知らなかったが、例えば沖縄出身者や沖縄居住者でなくとも、つまり誰
でも「沖縄を応援したい」と言う人だったら寄付はできるということだ。
詳しくは
http://www.pref.okinawa.jp/zeimu/furusato/

 辺野古を抱える名護市の寄付状況も見てもらいたい。
http://www.city.nago.okinawa.jp/DAT/LIB/WEB/1/Kifu201503252.pdf

 この急増する「沖縄県への「ふるさと納税」はなにを意味するのかは明白だ。
  冒頭に掲載した拙文「現代時評」と合わせて読んでいただければ、安倍首相の
間の抜けたオタクぶりがなおのこと浮き彫りになるはずだ。
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  発行     2015年4月7日  No.703
  発行     毎週火曜日  購読料無料
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