メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.701 ◆現代時評 《最右翼首相の虚言癖》:片山通夫  2015/03/17


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【609 Studio】メール・マガジン 2015・3・17 No.701
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   フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上脩身氏の現
代時評、ロシア唯一の韓国語新聞「セ・コリョ」の日本語翻訳版、ロシアやサハリン
 の話題編集長のコラムなど多彩な話題満載!
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             重要なお知らせ

    次週24日のメールマガジンは都合で休刊させていただきます。
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便でつながっていたからである。その時間の流れを写真で表現しながら、今日まで
「在日」が大阪の地で感じてきたであろう心の道のりを小さな町の日常で描いた。

 戦後70年。その歴史に思いを致すできごとは無数に、そこかしこにある。
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◆現代時評 《最右翼首相の虚言癖》:片山通夫
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 先週の「現代時評」で井上脩身氏が安倍首相の「日教組ヤジ」で《最右翼首相》
と評した。良い得て妙だが、首相の最右翼振りはこの品性のかけらもない野次だけ
にとどまらない。おりしもあの大地震から4年が経った。またタイミング良くドイ
ツのメンケル首相が来日され、天皇陛下と会談、そして安倍首相とも。

 メンケル首相は「ドイツは、このぞっとするような原発事故を連帯感を持って受
け止め、より早く原子力から撤退する道を選んだ」と述べ、我が国にもエネルギー
の転換を暗に即した。一方の安倍首相はドイツメディアから「なぜ脱原発をしない
のか」と質問された。当然の疑問だろう。安倍首相は「低廉で安定的なエネルギー
を供給する責任」を挙げ「原子力規制委員会の基準をクリアした原発は再稼働して
いきたい」と答えた。「再稼働ありき」で規制委の判断を利用していると言わざる
を得ない。

 この首相、どうも虚言癖があるようだ。「低廉で安定的なエネルギーを供給する
責任」と言葉は美しいが、実際のところ、原発ほど高くつくエネルギーはない。勿
論平時でだ。震災でメルトダウンした今回の大惨事の場合を除いての話。例えば使
用済核燃料の行き先は?保管にかかる費用は?高速増殖炉の「もんじゅ」のランニ
ングコストは?こんなことを計算したらとてもじゃないけれど「低廉で安定的なエ
ネルギー」とは言えまい。

 面白いサイト《maachangの日記》を見つけた。「虚言癖」の話。
 参考にURLを載せておく。
http://d.hatena.ne.jp/maachang/20141102/1414904490
 
 原発でもう一つ。安倍首相はメンケル首相の前でも「世界で最も厳しい日本の原
発安全基準」と言い、その基準をクリアした原発から再稼働すると言明している。
 さてその安全基準だが、欧州では「フィルターベント」標準装備、「日本よりも
丈夫な二重防護壁」、万一核燃料が溶け出すメルトダウンが起こった時に備えて、
欧州の原発には「コアキャッチャー」という特殊な受け皿が設置されていて、この
受け皿に受けた核燃料はすぐに冷やすことが出来るというものだ。
 安倍首相の言う、我が国の「安全基準」では一部の原発に「フィルターベント」
が付いているだけなのだ。
 残念ながら安倍首相の脳内では何かが起こっているとしか思えない。

 まさか何か起こったときには、医師の診断で「責任能力の欠如」で無罪となるの
だろうか。
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◆「ふろむ京都山麓」抜粋抄《ロボットが世界を変える (1)》
                                                  :みなみうら・くにひと
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  今回も寄稿しました。タイトルは「ロボットが世界を変える」。マガジンでは全
文一括掲載ですが、ここでは5分割連載します。ご笑覧くださればうれしいです。

 「トマ・ピケティが予言するロボット社会」

  日本では国民の4人にひとりが、65歳以上の高齢者になってしまった。一方、若
者や子どもの数は減り続けている。遠くない将来、町を歩く人の半分ほどが老人に
なってしまうという。というか高齢者の多くはむやみに外出しない。だからどこに
行っても老人も少なく閑散として、歩いている人はだいぶ減ってしまいそうである。
日本が迎えた極端な人口減少は、戦争や疫病の大流行などが原因でなく、ごく平和
な日常のなかで急激に進行している。経済的先進国が世界史上はじめて経験する特
異な現象だそうだ。わたしたちはどのような問題をこれから経験するのだろうか。
また解決する方法はあるのだろうか。

  ところで、いまいちばん著名な経済学者は、フランスのトマ・ピケティ氏であろ
う。著書『21世紀の資本』が世界的ベストセラーになっている。2013年9月のフラン
ス語初版、昨年4月の英語版以降、飛躍的に売り上げを伸ばし発行部数はすでに150
万部に達している。日本語版刊行は昨年12月だが、わずか3月足らずで15万部が発売
された。この本は本格的な経済学書であり、本文約700ページ、税別価格5500円、重
量はおよそ1キロほどもある。

  ピケティは1月29日から4日間、日本を訪れた。超多忙なスケジュールのなか、た
くさんのインタビューに応じたが、日本経済新聞には次のように語った。
  日本経済への助言として「日本では人口成長が、インフレを創り出すことよりは
るかに重要です。人口減を少しでも人口増に変えていくことが、日本の最優先課題で
す」
  また、記者の質問「IT化の進展で、機械が人間の労働に置き換わっている結果、
資本の力が強まっているのではないか」に対して、「米アマゾン・ドット・コムが
無人飛行機(ドローン)を発表したが、極端なケースはロボットが人間にとって代
わる世界だろう。ひょっとすると、2030年はロボット社会になっているかもしれな
い」
  アマゾンの無人ヘリコプターは荷物を運ぶロボット機である。運転手の不足と
いう切実な問題を解決する方策である。グーグルなどが開発している無人運転自
動車とともに、早期の実用化が期待されている。
 <2015年3月3日>

ふろむ京都山麓
http://blog.goo.ne.jp/0000cdw
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◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2015年3月13日号
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「勝利のリレー」サハリン到着

 ロシア連邦は戦争勝利70周年を記念して、「勝利の旗」全国巡回事業を行って
いる。2月2日、ブレストワとムルマンスクで始まって、カムチャッカを経由して、
さる10日サハリンへ到着し、勝利の広場で旗の伝達式が行われた。ネベリスクと
コルサコフを回った後、14日沿海州へ渡る。

風速35mmの強風

 さる11日夜、サハリン南部地域へ風速22〜35mmの強風が襲い、酷い吹雪
の他、停電、交通信号の壊れなど大きな被害を与えた。現在復旧作業中。

市長との談話

 さる10日、ユジノサハリンスク市長が市民らと会って話を聞く場を設けた。多
くの話題は住宅問題(団地内修理、管理など)であったが、テニスコートそしてト
レーナー不足を訴える市民もいた。

展示会「チェホーフの世界」

 チェホーフの誕生155周年、サハリン訪問125年、「サハリン島」発表12
0周年を記念して、チェホーフや作品関連の19世紀絵画や所持品の展示会が開か
れた。モスクワ国立文学博物館の所蔵品を初めてサハリンで公開することで関心を
浴びている。

州身分登録所訪問者6万以上

 昨年、州立身分登録所を訪ねた住民数は6万6千人。電磁身分証明書依頼500
件以上。出生届6千700以上、結婚は離婚より1.5倍、養子縁組は72件など。

「今年の姫」コンテスト

 3月7日、3〜12歳までの女児を対象とする美人コンテストがロジナ文化会館
で行われた。仮装、水着、ドレスなど多様な衣装を着て美を自慢した26人の参加
者。ショーを見た大人は彼女らの魅力に魅了され、自分らの娘の成長が楽しみだと
話していた。
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◆「ロシアの声」が伝える「ロシアからみた日本・世界」>>>
           引用元 http://japanese.ruvr.ru/
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◆日本関連
http://japanese.ruvr.ru/russia_japan/

◆国際───────────────
http://japanese.ruvr.ru/world/

◆ロシア国内───────────────
http://japanese.ruvr.ru/russia/

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◆[編集長から]              片山通夫
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▲筆者の友人が一冊の写真集を出版した。かなり長い間、苦労して大阪や韓国・済
州島に通い詰めた結果の出版だ。まもなく市場に出ると思う。戦後70年の今、是
非眼を通してもらいたい歴史のあかしだ。
 
▲先週、二つの報道が筆者の目を引いた。一つは鳩山元首相がクリミア訪問の後、
モスクワでブリーフィングが開かれた。席上元首相は「私たちは西側、とくに米国
中心の情報によって日本の多くの報道がなされています。そのことが必ずしも日本
の国民に正しい報道がなされていないのではないかと大変心配しておりました」と
述べたことだ。彼のクリミア訪問に関して日本政府や民主党は「冷やかな反応」を
見せている。マスコミも同じような反応のようだ。

 いまひとつは、ドイツのメンケル首相訪日時に民主党の岡田代表と会談した折に
岡田代表はメンケル氏から従軍慰安婦問題の解決を促されたと説明。「慰安婦問題
はメルケル氏が持ち出し『日韓両国は非常に大事な関係だから、この問題を早く解
決した方が良い』と(言われた)」と、やりとりを紹介したと。
 ドイツ、日本双方の政府はこの報道を打ち消した。

 この二つの当事者の報道の食い違いに筆者は政治的意図を感じる。ひとつは鳩山
元首相の言うところの「私たちは西側、とくに米国中心の情報によって日本の多く
の報道がなされて」入るのかどうか、いまひとつは「日本政府の困惑にドイツ政府
がすこし譲歩した」と見るか否かだ。
 わたしたちは常にこのような「不確かな、イヤ、もしかしてある意図された報道」
に日常的に接しているのかもしれない。

 真の意図を洞察する能力が必要だ。

▲国連防災世界会議が仙台で開かれている。しかし、安倍首相は東京電力福島第一
原発事故にほとんど言及しなかった。過去に首相は世界に向かって原発からの汚染
水漏れに関し「状況はコントロールされている」と言い続けてきた。その手前もあ
るのかは知らないが、現在深刻な状況にある汚染水問題に全く触れない首相とは一
体何なのだと思う。いつまでも国民の立場に立てない首相だ。

 世界は知っているのに。
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  発行     2015年3月17日  No.701
  発行     毎週火曜日  購読料無料
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