メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No,.695 ◆現代時評 《ワイツゼッカー・ドイツ元大統領》:片山通夫  2015/02/03


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【609 Studio】メール・マガジン 2015・2・3 No.695
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   フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上脩身氏の現
代時評、ロシア唯一の韓国語新聞「セ・コリョ」の日本語翻訳版、ロシアやサハリン
 の話題編集長のコラムなど多彩な話題満載!
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◆現代時評 《ワイツゼッカー・ドイツ元大統領》:片山通夫
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 「過去に目を閉ざす者は、現在も見えなくなる」とは第二次世界大戦終結から4
0周年の1985年5月8日に行った元大統領の連邦議会の演説である。歴史を直
視する重要性を説いたと、世界中で大変な反響を呼んだ。

 ワイツゼッカー氏が亡くなった。94歳だった。おりしも、今年は戦後70年と
いう節目の年である。安倍首相は「村山談話も(2005年の)小泉(純一郎首相
)談話も全体として受け継いでいく」としたが「一つ一つの字句について論評す
るつもりはない」ともいう。実にあいまいな話である

 つまり「今までのスタイルをそのまま下敷きとして書くことになれば、今まで使
った言葉を使わなかった、あるいは新しい言葉が入ったという細々(こまごま)と
した議論にならないよう、70年談話は70年談話として新たに出したい」と説明
し、あくまで「フリーハンド」で70年談話を出すという。

 しかし「植民地支配」や「侵略」が「細々とした」ととらえるその感覚が信じら
れない。このような安倍首相の過去のスタンスを考えると、言葉そのまま素直にと
れないから不思議だ。その結果が、中韓両国との政治の停滞を招き、アメリカの新
聞などで「懸念を表明」されることになる。

 ワイツゼッカー氏が伝えたかったことは「過去に目をつぶらない」ということで
あろう。つまり安倍首相やその取り巻きがイメージするところの「自虐史観」その
ものである。残念ながら現在の我が国のマスコミはおろか、国会議員に至るまで「
自虐史観」という言葉の持つ魔力にとりこまれているようだ。「過去を見つめる」
ことがすなわち「自虐史観」となるなら、ワイツゼッカー氏の言葉はあれほど世界
で評価されなかったのではないか。

 「過去を見つめる」勇気と素直さを安倍首相にも持ってもらいたいものだ。
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◆「ふろむ京都山麓」抜粋抄
《アメリカ政府からイスラエル・ガザへの思いやり予算》:みなみうら・くにひと
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 米国の非営利調査メディア「Mother Jones」が米国政府の対イスラエル・パレス
チナ政策について興味深いことを報道しています(7月23日付)。「SYNODOS」記事
からダイジェストで紹介します。

 「イスラエルのガザ攻撃を海外メディア・専門家はどう見たか」(平井和也 / 
翻訳 2014.08.09 Sat)
http://synodos.jp/international/10195

 米国務省は「ガザの人道状況の改善を支援するために」4,700万ドルの財政支援
を行うと発表した(7月21日)。そのうちの3分の1は、戦争に苦しむガザの何万人
ものパレスチナ人に食料、水、避難所を提供している国連パレスチナ難民救済事
業機関(UNRWA)の活動支援金として使われる。
 ところが、税金を払っている米国民は矛盾した立場に置かれている。というの
も、米国民はイスラエル軍の活動支援とパレスチナの人道状況改善の両方に対し
て税金を払っていることになるからだ。米国は毎年イスラエルに対して、約31億
ドルの軍事支援を行っており、これは1978年当時のカーター大統領の仲介によっ
てイスラエルとエジプトの間で結ばれたキャンプ・デービッド合意に基づいて米
国が負っている義務によるものだ。
 軍事支援金は大きく二つの用途に分かれている。約8億ドルはイスラエル軍の兵
器と軍需品の製造に使われ、残りの23億ドルは、イスラエル軍が米国の軍需企業
から武器と装備品を調達するために使う商品券のようなものだ。ある米国のイス
ラエル支援専門家は、「イスラエル国防軍の全ての部隊(ガザ攻撃を行っている
部隊を含めて)が米国の支援によるメリットを享受していると考えていい」と語
っている。そのため、イスラエルのガザ攻撃による破壊には「米国製」という刻
印が入っていると考えることができる。

 しかし、その一方で、米国政府はイスラエルの攻撃によるおぞましい結果に対
処するための活動に対しても財政支援を行っている。UNWRA(国連パレスチナ難民
救済事業機関)が7月21日に発表した活動状況報告書によると、同機関は67の避
難所を管理し、そこで84,000人以上のパレスチナ人を保護しているという。
UNWRAは避難所に、食糧、水、赤ん坊の衛生管理用品、毛布、マットレスを提供し、
21の診療所も運営している。子供たちに不発弾を触らないよう指導する教育も行
っている。
 UNRWAの話では、ガザの75の施設が戦闘によって物理的な被害を受けていると
いう。UNRWAが要請した6,000万ドルの緊急支援金の4分の1に当たる1,500万ドル
が米国によって拠出され、その中から一部が米国の財政支援を受けているイスラ
エル軍の攻撃によって破壊されたUNRWAの施設の修復や再建に使われるものと考え
られる。
 米国の新たな支援プログラムにはNGOに対する350万ドルの財政支援が含まれて
いる。国務省の説明によると、この支援金は、パレスチナ難民への食料以外の物
資の提供、ガザのパレスチナ人3,000人を対象とした短期雇用プログラムおよび2
,000世帯を対象とした社会心理学的支援プログラムの延長、医療施設への医薬品
と燃料の提供に使われるという。
 さらに、国務省の話では、米国はUNRWAに対する最大の資金援助国であり、今年
に入ってからガザや他の中東地域のパレスチナ難民支援のためにUNRWAに2億6,500
万ドル以上を拠出しているという。この中には、ザガの新しい学校や配給所の建設
に使われる900万ドルが含まれている。
 以上が「Mother Jones」の記事のまとめだ。

「SYNODOS」記:ドイツ誌『シュピーゲル』が8月3日付掲載記事で、8月1日に米国
議会でイスラエルのミサイル防衛システム「アイアンドーム」に2億2,500万ドル
もの巨額の財政支援を行う法案が可決されたことを報じていることを、ここに付
記しておきたい。

<2014年8月10日 2億2500万ドルは、迎撃ミサイル4500発分の代金に相当します>

ふろむ京都山麓 http://blog.goo.ne.jp/0000cdw
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◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2015年1月30日号
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州知事、危機対策を訴える

さる26日、州知事は州政府会議で今後の主要業務方向について演説を行った。知
事は経済政治的に厳しい今の現実を乗り越えるために本質的変化と新しい解決策が
必要であると述べた後、州政府と各自治体は2週間以内に危機克服策を作るように
指示した。石油価額やルーブル為替の急落が国民の生活に及ぼす影響を考え、政府
は物価安定に努め、地元生産システムの支援を行う一方、年金の引き下げを決めて
いる。また、学校や病院の給食予算を増やすなどを検討していると伝えた。また、
計画中のプロジェクト、対外貿易などへの影響はないと強調した。州知事は外国人
記者らを対象にした記者会見も開き、今後大きいな変更はないと安心させた。

追加支援金支給

 サハリン州社会保護省によると、昨年11月、サハリンとクリル島の年金暮らし
の功勲勲章・称号保有者らに追加年金を支給する法律が制定された。1月から教育
や保健、文化関係功勲称号の持つ年金生活者らに5千〜1万ルーブの追加年金が支
払われる。

A.クージンさんの「韓人歴史」韓国語版出版

 昨年12月、サハリン歴史博士クージンさんの<サハリン韓人史>が韓国外国語
大学から出版された。翻訳家が3年に渡って著者とメールでやり取りを続けながら
3冊を1冊の韓国語に纏めた。

初の国際青少年映画祭を開催

 サハリン州政府によると、今年8月に開催される予定の第5回国際映画祭の一環
として、サハリンでは初めて青少年映画祭も開かれる。ユジノサハリンスク市のオ
ッチャブリ映画館と人形劇場で8月22〜27日まで行われるとのこと。

氷下釣り大会

 サハリン州政府は2月21日、ドリンスクのナイバ川で氷に穴を開けての冬釣り
大会を開く。今年で9回目。参加チームは190と予測されている。

旧正月記念行事と歴史記念館問題で会議

 さる22日、韓人文化センターで韓人会運営委員らが集まって、2つの議題につ
いて話し合った。一つは歴史記念館建立問題。記念館推進委員会は昨年12月、韓
国で法人団体登録申請をすることを決めた。そのためには5万ドルの資金が必要で
あるが、1万ドルはサハリンで用意してほしいというのが韓国側推進委員会の要請。
議論の末、サハリン韓人社会が資金準備のために働くことを決めた。二つ目は旧正
月記念行事を2月20日に開くということ。

チェホーフ生誕155周年記念

 今年はチェホーフ生誕150周年、来島125周年、「サハリン島」出版120
周年の年。誕生日の1月29日は「サハリン島」朗読会、1月27〜3月1日まで
は‘子供の目から見たチェホーフ作品の主人公たち‘という美術展が開かれる。
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◆みほの独り言 「踊らされる事なかれ」:はない みほ
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ネットでいろんな情報をみている。
といってもその中で選んでいるが・・・
正しい情報とうさんくさい情報、様々である。
その中でやっぱり1%と99%という言葉に振り回される。
世界の1%の資本家と99%の市民・・・
その1%の資本家にしたいようさせられている今の世界であるという。
そこに私達が見えない大資本家、大企業、他国の政治家などなど連なると、どうも
私達は巨大な悪に支配されている感は否めない。
そしてその見えない悪は私の中で強大化する。人はそう言う真理になりうる。
それが悪の正体なのだろう。
本当の元の一人一人はちっぽけな、支配欲にかられた薄っぺらい何者でもないのだ
ろうに。
二年前、上の息子に漫画「鋼の錬金術士」を勧められて読んだ。
最初、キメラという人間と動物の遺伝子組み換えの話が出たときは吐き気したが、
私はすごく今の社会を表していて面白い漫画だと思った。
その中に恐ろしき者の元は、身体を持たない小さな虫のような生き物だった。
その生き物に意識が入り、人間には入り込む。
プライドという名をもった子供が一番力ある軍の司令官の子供だった。
そのプライドは、人々にはびこる。
それと闘う錬金術士・・・
化学が起こした暴走を化学を超え、心が勝つ。
そんな漫画だったような〜。
イスラムの問題と今の安倍氏の動きは、一目瞭然で何がおかしいかがちゃんと見
える。
なのに事が動かない。
おかしな方向に事が動くのは、どうしてか?
それほどまでに力は巨大化しているのか?・・・うそだろう?
安倍政権の支持率は国民の4分の一もみたないのだ。
それに、その支持は組織票で出来上がり、選挙もほとんど報道しない状況での抜
き打ち選挙。
そんな薄っぺらいものがどうして国民の声になり、好き勝手に動くのだろう。
あるジャーナリストに聞いた。アメリカは強い事が褒められるのだと。
だからオバマは、黒人であり、この国で生き抜くのは、どんな事をしてでも勝ち
組になる事なのだと親に教えられたんだそうだ。
アメリカはまだまだ歴史の浅い国だ。最初はインディアンの土地に白人が入植し
た。
その入植も最初は欧州の犯罪者の島流し場所だったそうだ。
そこにアメリカンドリームという名があるようにどんな立場の人でも富を得る事
が出来た。
ただその富は、力あっての競争原理によるものだった。
そして昔のテレビドラマ、「ルーツ」でもあったようにアフリカから黒人を奴隷
としてつれてきた。
アフリカの国境は、植民地化支配の名残のものである。
ヨーロッパが、アフリカを食い物にし、オーストラリアも、ニュージーランドも
アボリジニから奪い取り、アジアも同様に奪われて、その後日本が奪い取り、・
・・
愚かな人々だ。
今私達が豊かさを得るために食われた人々が存在し、その食われた人々の思想を
奪い取り、その人々に貧困と力社会の掟を教えて、終わりなき力社会、資本主義
社会を埋め込む。
皆我に返れ!
いかに自分が抜けられぬるつぼにいるか・・・
わかっているのにわからない振りをしているのか?
こんな社会をやめたいのだろうに・・・
自衛隊もそうだろう?特攻隊を美化しすぎているの?
宗教にはまってしまった人々のように、戦う事を美化されて命粗末にして、国を破
壊する行為を教育させられている?テレビもネット情報も宗教と同じ・・・
ネットでは私達は家畜と言われている。
けれど家畜になっている事さえわからずに生きている人がほとんどだ。
じゃ〜一握りの資本家、企業に富を持って行かれるシステムが出来上がっているこ
とに気づき、まず日常の中でそのシステムから少しでも外れる事である。
自分で生きている実感を掴むことである。
そして権力に屈しなく生きている人を応援する事である。
そして人に優しくなる事である。
大義名分のテロ攻撃は、破壊しか生まない。
戦争は、国という単位を強調し、敵を作り、他者を受け入れない。
こわばった意識を意図的に作っている人たちの意識に巻き込まれないことだ。
戦争責任を問われた東条英機と会ったというむのたけじさん。
真実を探るジャーナリストたれ!とむのさんはいう。
そんなジャーナリストを求む!
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◆「ロシアの声」が伝える「ロシアからみた日本・世界」>>>
           引用元 http://japanese.ruvr.ru/
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◆日本関連
http://japanese.ruvr.ru/russia_japan/

◆国際───────────────
http://japanese.ruvr.ru/world/

◆ロシア国内───────────────
http://japanese.ruvr.ru/russia/

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◆[編集長から]              片山通夫
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 ギリギリまで待っていた。無論朗報をである。しかしどうもこの過激派「イスラ
ム国」を名乗る組織は日本時間の1日早朝、人質にした仙台市出身のフリージャー
ナリスト後藤健二さん(47)を殺害してしまったようだ。

▲安倍首相は「強い怒り覚える」とコメントした。この気持ちは国民みんなの気持
ちだろうと思う。しかし首相は国民の声に真摯に対応していないのではないか。
 殺害の報に接して首相は記者団に対し「痛恨の極みだ。非道、卑劣極まりないテ
ロ行為に強い怒りを覚える」と述べたと伝えられた。

▲その言葉には「反省」の意味は込められていない。ことの始まりは二人の日本人
が昨年後半に相次いでイスラム国が押さえているといわれる地域へ潜入したことに
ある。しかし政府は無論、国民のほとんどは、この事実を昨秋には確認していた。
 しかるに安倍首相は今年に入ってことさらイスラム国を刺激するような行動と言
葉を発してしまった。本来ここで「反省」すべきなのだ。

▲またマスコミも官邸が発する情報を垂れ流すだけだ。政権を批判する能力を全く
持ち合わせていない。いやむしろ「政権擁護」にまわっている。共同通信は、「テ
ロの恐怖におびえ、わが国の足並みが乱れることがあればテロリストたちの思うつ
ぼだ」と首相の話を伝えているだけである。
 
▲問題はこれからも苛酷に続く。海外に住み、企業活動をしている日本人などはも
ちろん、国内でも過激な集団の標的にならないとも限らない。安倍首相は「日本人
がテロを含む様々な事件に巻き込まれる危険がある」との注意喚起下そうだが、具
体策に欠けているのではないか。
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  発行     2015年2月3日  No.695
  発行     毎週火曜日  購読料無料
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