メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.661 ◆現代時評「韓国KBSとNHK」:片山通夫  2014/06/10


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【609 Studio】メール・マガジン 2014・6・10 No.661
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  フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上
 脩身氏の現代時評、ロシア唯一の韓国語新聞「セ・コリョ」の日本語翻
 訳版、ロシアやサハリンの話題編集長のコラムなど多彩な話題満載!
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◆現代時評「韓国KBSとNHK」:片山通夫
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 あの痛ましい海難事故に関する報道で、「KBSに大統領府から圧力
を受け、政府批判を控えるよう現場に指示した疑惑」が原因で、KBS
社長に辞任するよう理事会が決定したという。理事会の解任決議を受け
て5月19日以来続けてきた記者たちのストライキはこの6日に終了し
た。

 KBSの記者たちは「報道の自由、特に大統領府にとって都合の悪い
情報を流すな」という圧力に徹底して、つまりストライキまでして抵抗
したと言うことになる。時の政権に都合の良い情報しか流さない、いや、
都合の悪い情報は隠すという体質は、ジャーナリズムにとっては「死を
意味する」のではないだろうか。ここでハタと思い出すのは古くは「西
山事件」であり、最近も続いている「首相の大手マスコミ幹部への接待」
であり、この1月からのNHK会長の言動である。

 焦点をNHKに絞ってみたい。韓国KBSとNHKは同じような形態
の大放送局だからである。NHKの籾井会長は1月25日のその就任会
見で「従軍慰安婦問題や領土問題にまで言及」し、「政府が『右』と言
っているものを、われわれが『左』と言うわけにはいかない。国際放送
にはそういうニュアンスがある」と述べた。

 この事態にNHKの記者たちはどのように対応したのか、余り詳しく
は報道されていない。雑誌などが少し取り上げていたので紹介する。

 現場は政権批判につながる報道をしにくいムードが広がっているとい
う。中堅記者が語る。「安倍政権誕生の頃からニュース番組はもちろん
『クローズアップ現代』『NHKスペシャル』などの番組担当者の間で、
“日中韓の歴史問題などは死んだふりしておかないといけないなァ”と
いう雰囲気が出始めていた。経営委員に4人が送り込まれたことやモミ
ィさん(籾井勝人氏)が会長に就いたこともあって、“現政権は虎の尾
を踏むと何をしてくるかわからない”という雰囲気になっている」
(SAPIO2014年4月号)
  
 この記事を読む限りNHKの制作現場では「虎の尾を踏まないよう」
に注意しているだけだと言うことだ。そこには「出世を妨げられる」と
いう危険があり、何よりも「政治部の専横」が同局の中ではびこってい
ると言うことになるようだ。政治部というのは、言ってみれば政治家と
のつきあいが身上である。首相官邸の記者会見一つにしても、ほとんど
「政権側からの情報垂れ流し状態、つまり政府の広報紙化」しているに
過ぎない。そのうち、会見など開く必要もなく、メールやファックスで
情報を流すだけで事が済みそうな状況だ。

 この状況を見て「情けない」とか憤りを感じるより「サラリーマン根
性丸出し」の記者しかいないのだろうと考えさせられる。
 そういえばいつの頃からか(きっとノートパソコンが普及しだした頃
だと思うが)会見場で、会見中に必死にパソコンに向かっている姿をよ
く見る。質問も記者クラブの幹事が代表してしてくれるから、必死にパ
ソコンに向かうしかないのだろうと勘繰ってしまう。

 翻って、KBSの記者たちのストライキがついには「社長の辞任(理
事会決定)」にまで追い込んだ。陳腐な言葉かもしれないが「報道の自
由」を、「政権からの独立」を守った訳だ。

 さて隣の国ではこのように決着がつきそうだ。NHKではどのように
動くのか興味がわくところだ。まさか「知らんぷりを決め込む」つもり
はないだろう。
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原発事故後の現状はひどいものである。この情報がほとんど流れず、芸能
情報ばかリ流れる。
私達の日常は何処にあるのか?
テレビを見ている人にとっては、テレビの中が日常である。
考えたって仕方ない、今明るく生きて行こう!意識を楽しいことに向けて
行こう!
大半の人はそう思っているのだろう。

福島医大の山下医師は、ニコニコしていたら病気にはならないのですね。
これは以前、ガン治療や病気にならない生き方を提唱して人気のあった産
婦人科の医師が言っていた。
私もちょうど体調を崩していたため、この考えに乗っかった。確かに気持
ちが楽になった。

看護師時代、私はたくさんの患者さんを看護し、看取った。
先の見えぬ治療を繰り返し乗り越え、体中メスで切り刻まれても笑ってい
たおばちゃんを看た。
どうしてここまでガン細胞はメスの傷を乗り越えて、また表層に昇ってく
るのか?外科治療が本当に有効なのか?手術した方が衰弱したんじゃない
かと思えるほどだった。ただ患者さんは医師に従うのである。
そんな救われない西洋医療を端で見て来て、私は西洋医療の限界を感じ、
自然に代替医療を学んでいた。(医療すべてを批判する訳ではなく、様々
な治療を見て来て所々感じた。西洋医学は対症療法故に患者を丸ごと診な
い傾向があることも問題としてある)
が、その代替医療は、保険診療でないため、お金がかかるという問題点が
ある。

この療法もお金と交換するシステム故、純粋な治療とも言えない場合もあ
り、そこには人の病気に対する不安をうまく利用する場合が多い。さらに
精神安定という癒しが含まれる。よってその代替医療は、いわゆるスピリ
チャル的な要素も関与する。
そのスピリチャルとか、自己啓発とか、様々な精神的介入を提唱するもの
が一時世の中を一世風靡した。
確かにこの精神の安定は大事で、心と身体は一体であり、心の不調は身体
の不調と直結する。だから不安要素を持ち合わせているよりも、意識をず
らして楽しいことを考えて生きることの方が心の安定ははかれ、ゆったり
と過ごせるのである。

嘗て渡辺淳一の「鈍感力」という本が話題になったが、本書には、何も考
えず、気にせず、生きる方が幸せであるということのオンパレードだった。
確かに、ぼ〜として生きる方がどうでもいいように思われ、お笑いや作り
ばなしのドラマを見ていたら時間もあっという間に過ぎて行く。知らぬ間
に一日が過ぎ、明日が来るのである。時間かせぎという意味ではいい方法
だ。

え!?これは違うだろう!そう私は思った。
原発事故という起きてはならぬ事故が起きてしまい、放射能汚染が拡散し、
今も続いているのに、大丈夫と一点張りで、本当のことを言わぬ政府と、
県と、医師たち・・・
原因と結果が世の中の法則である。その原因がそこにあり続けるのに、な
いものにして笑ってるといいんだよっていう免疫細胞や言霊の使いよう。
普段は、そんな迷信まがいのことは医療現場では、馬鹿にしてる輩なのに
・・・

私は福島のことを知りたいとあらゆる本を原発事故後読んだ。チェルノブ
イリ、広島、長崎、マーシャル諸島・・・新聞もずっと大事な記事はとっ
ている。講演会にも行った。福島に行き来しているジャーナリストの方々
の話も直接聞いた。直接福島の方と話もした。
その中で、脱原発を訴えつつも、福島で頑張ろう!という人々がいること
に動揺した。

放射能に感受性の高い子どもたちになぜ地産地消の給食を食べさすのだろ
うか・・・とか、外で遊べない状況になぜ子どもたちをそのままここにお
いておくのだろうか・・・とか。
福島大学教授の清水教授の講演はを原発事故半年後に聞いた。本まで買っ
て読んだ。

彼は福島はコミュニティーの崩壊を来してるとデーターとグラフで示し、
福島の問題点を挙げていた。
その教授は、福島で頑張って生きていく方法を県民と考えようとしている
らしい。
が・・・やはり違和感は消えない。

原発はクリーンネルギーと言われ良いものになった。芸能人、文化人、ス
ポーツ選手も、専門家という名のついた人物も正しい人となった。
自己責任と言う言葉が二十年ほど前から使われるようになって(アメリカ
から上陸)すべて生きる上では自分の責任であるというもっともらしい言
葉であるが、ひどい目にあった場合、すべて自己責任という言葉でくくる
前に、責任を問うべき人は自分以外にいるものである。
自己責任という言葉は権力者側から作られた言葉である。
今、福島の問題で風評被害という言葉を前に出して、福島は大丈夫だとす
る考えは、確かに今まで通りの生活をする上で、原発事故もちゃんと収束
し、汚染水も垂れ流さず、福島原発に向かう原発労働者も必要なくなった
場合なら使える言葉である。
でも、上記有名人が何を根拠に大丈夫だというのか・・・超名人の存在は
広告に過ぎない。
福島を考えるということは、ノリでもないし、今だけの経済効果でもない
し、もっと根本的な原発を国策とした政府や電力会社への保障追求と原因
除去を早期にすすめ、因果関係をちゃんと認めていき、福島も日本国民も
安全という安心のもと暮らせる社会体制を作ることである。
「鈍感力」は自分のためにあらず、権力者の為のありがたい国民性である。
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◆「ロシアの声」が伝える「ロシアからみた日本・世界」>>>
           引用元 http://japanese.ruvr.ru
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◆今週もロシア・ウクライナ情勢に特化してお届けします。

◇ウクライナ軍 自走多連装ロケット砲「グラート」を使ってスラヴャ
ンスクを攻撃中
 http://japanese.ruvr.ru/news/2014_06_08/273298105/

◇国際ジャーナリスト連盟 拉致されたロシア人ジャーナリストの解放を
要求
国際ジャーナリスト連盟な、ウクライナのポロシェンコ大統領に対し、拘
束されたロシアのTV局「ズヴェズダー」のジャーナリストを解放するよ
う求めた。8日、同TVのサイトが伝えた。
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_06_08/273294971/

◇ロシアのTVジャーナリスト ウクライナ保安庁に引き渡される
ウクライナ国家親衛隊は、ロシアのTV「ズヴェズダー」のジャーナリス
トを拘束した。彼らは、検問所を偵察していたとの罪で、ウクライナ保安
庁に引き渡された。
 http://japanese.ruvr.ru/news/2014_06_07/273279452/

◇ポロシェンコ新大統領:クリミアはウクライナに属している
ウクライナのポロシェンコ新大統領は就任式で、クリミアはウクライナ
の一部であり、これに関して妥協はできないとの考えを表した。
 http://japanese.ruvr.ru/news/2014_06_07/273278331/

◇スラヴャンスク郊外でロシアのTVジャーナリスト行方不明
 http://japanese.ruvr.ru/news/2014_06_07/273276277/

◇ウクライナ大統領宣誓式行われる
 7日朝、5月の任期満了前のウクライナ大統領選挙で当選したペトロ・ポ
ロシェンコ氏は、国民に対し忠誠を誓い、同国の第5代大統領に就任した。
宣誓式は、首都キエフの最高会議(議会)祝賀会議において執り行われた。
 http://japanese.ruvr.ru/news/2014_06_07/poroshenko-daitouryou/

◇米国務省 ウクライナへの渡航自粛を勧告
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_06_06/beikoku-ukuraina/

◇スラヴャンスク 工場は燃え数十キロ先で一斉砲撃音が響きわたる
 http://japanese.ruvr.ru/news/2014_06_08/273308990/

◆日本関連
http://japanese.ruvr.ru/russia_japan/

◆国際───────────────
http://japanese.ruvr.ru/world/

◆ロシア国内───────────────
http://japanese.ruvr.ru/russia/


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◆[編集長から]              片山通夫
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 6月。各地で入梅のニュースが。一昨日の日曜日、所用で近所のホー
ムセンターに出向いた。花や野菜の売り場の横を通った。紫陽花が咲き
乱れている。筆者は動植物には全く疎いのだが、紫陽花は知っている。
 この花は日本が原産地だそうだ。その語源は定かではないようで、万
葉集には「味狭藍」「安治佐為」などと表記されているそうであるが、
まだ確認していない。

 また紫陽花は花の色が良く変わる。ここから「七変化」などと狐の化
かし合いのような名前も持っている。
 ところで「紫陽花」という漢字表記だが、白居易(唐の詩人)が別の
花、おそらくライラックに付けた名で、平安時代の学者源順がこの漢字
を当ててしまったという説もあるようで誠に「七変化」にふさわしい。

 万葉集には次の二首がある。

 言問はぬ木すら味狭藍 諸弟(もろと)らが 
 練の村戸(むらと)にあざむかえけり(大伴家持 巻4 773)

  紫陽花の八重咲く如くやつ代にを 
 いませわが背子見つつ思はむ(しのはむ)(橘諸兄 巻20 4448)

 雨が多い季節。紫陽花やカタツムリに親しんで、この世の憂さをしばし
忘れようではありませんか。

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  発行     2014年6月10日 No.661
  発行     毎週火曜日  購読料無料
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  配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236
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