609studio　No.658　◆現代時評「正当性欠く集団的自衛権」：井上脩身 2014/05/20

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タイトル：609studio　No.658　◆現代時評「正当性欠く集団的自衛権」：井上脩身 2014/05/20

───────────────────────────────── 【609 Studio】メール・マガジン　２０１４・５・２０　No.６５８ ───────────────────────────────── フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上脩身氏の現代時評、ロシア唯一の韓国語新聞「セ・コリョ」の日本語翻訳版、ロシアやサハリンの話題編集長のコラムなど多彩な話題満載！ ───────────────────────────────── 　　　info＠lapiz 　　　　　　　　Lapiz2014夏号　６月１日発売です！　　　　　　　　　　　　　　　　『主な内容』　　　　　　日本一長い路線バス乗車ルポ！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魑魅魍魎が跋扈する！　　　　　　breath of CITY 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　原発を考える　日和見ぶらり旅　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　サハリン逍遙　　　　　　宿場町を行く　智頭宿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　旅するカメラ ───────────────────────────────── 　あれから３年・・・。Lapizは４月２０日に震災３年の特別号　　　　　　　　　　　　　　この号は購読費無料です！！　　　　　　　　　ダウンロードは下記から・・・。　　　　http://lapiz-international.com/files/140420/index.html 　　　　　　　　 ───────────────────────────────── 　　　　　　　　　　　　　書籍紹介　　　　　　　　　　　　　被爆６０年《ふるさとはポイズンの島ビキニ被ばくとロンゲラップの人びと》電子雑誌　Lapizで活躍中の渡辺幸重さんがこのほど上梓されました本を紹介します。渡辺幸重 (著), 島田興生 (写真) 価格：￥ 1,575- 発行　旬報社 http://www.junposha.com/catalog/product_info.php/products_id/808 　　　 ────────────────────── 　　　　　　　　　　　 LapizNovels 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首相の私的懇談会「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」（安保法制懇）が、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認するよう求める報告書を提出したのを受け、安倍晋三首相は１５日の記者会見で、解釈変更に強い意欲を示した。報道によると、解釈変更の根拠として政府が持ち出したのが１９７２年の政府見解「集団的自衛権と憲法の関係」。７２年見解は「集団的自衛権は必要最小限の自衛の範囲を超え、憲法上許されない」としたのに対し、安倍政権はノーを強引にイエスに読み変えるものだ。軍事国家に向けて、論理無用の暴挙政治がまかり通ろうとしている。　高村正彦・自民党副総裁が砂川事件の最高栽判決を集団的自衛権行使容認の根拠としたことに、「当時、集団的自衛権は全く想定されていなかった」と強い批判が噴出。このため政府は７２年見解新たな根拠とした。　憲法は「武力による威嚇、武力の行使は国際紛争を解決する手段としては永久に放棄する」（９条１項）とうたっている。７２年見解は「必要な自衛の措置は禁じられていない」が、「急迫不正の事態に対処し、国民の権利を守るためにやむを得ない措置として、はじめて容認さるのであるから、その措置は必要最小限にとどまるべきもの」であり、「他国に加えられた武力攻撃を阻止することを内容とする集団的自衛権の行使は憲法上許されない」と結論づけた。（１１日付毎日新聞）　憲法が「自衛のための措置を禁じていない」と解釈することに異論はあるが、ここでは自衛戦争の是非はおく。　７２年見解から想起されるのは刑法の規定だ。刑法は「急迫不正の侵害」と「やむを得ない行為」を正当防衛の要件としている。７２年見解は「国の正当防衛」についても、刑法の規定を念頭に、「急迫不正の侵害」と「やむを得ない行為」を要件としたとみられる。この見解に基づき、自民党政権は以後、一貫して憲法上集団的自衛権の行使はできない、と解釈してきた。　ところが、安倍政権は７２年見解の「必要最小限の措置」だけを取り出し、集団的自衛権を行使できると言い募っている。　安倍首相が記者会見で示した集団自衛権行使の例示は①周辺有事の際に、在外邦人を輸送する米軍艦船の防護②国連平和維持活動（ＰＫＯ）で活動中の自衛隊が離れた場所にいるＮＧＯ職員などを救援する「駆け付け警護」――の２点（同紙）である。いずれも「急迫不正の侵害」で当たらないことは明白だ。　急迫不正の侵害がないのに人を殺せば、正当防衛が認められず殺人罪が適用される。同様に、急迫不正の侵害がない武力行使は正当防衛にはならない。９条をどう拡大解釈しても、憲法上許されない不当な軍事行動になる。　中国や韓国から軍事攻撃を受けたわけでないのに、「国民の生命を守るため」と称して中国大陸や朝鮮半島への侵略戦争をしてきた我が国の過去の歴史を思うと、「急迫不正の侵害」の欠く軍事行動を許容することは、「平和国家」の精神を投げ出し、侵略戦争への道を開くことになろう。安倍首相は７０年前の歴史に学ぶことなく、東アジアのみならず、世界中に脅威を与える「軍事国家」に我が国を導こうとしていると言わざるを得ない。　いま憲法の平和主義はがけっぷちにある。「アベノミクス」という景気ラッパは、実は国民を戦争に巻き込む進軍ラッパなのである。 ───────────────────────────────── ◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版：届いておりません。 ───────────────────────────────── 　翻訳者がモスクワ旅行中です。 ───────────────────────────────── ◆みほの独り言「国会包囲と権力者の方便」：はないみほ ───────────────────────────────── 　「逃げようとする日本人を同盟国である米国が救助で輸送している時、日本近海で攻撃があるかもしれない。このような場合でも、日本人自身が攻撃を受けていなければ日本人が乗っている米国の船を日本の自衛隊は守ることができない。これが憲法の現在の解釈です」と安倍総理が発言した。　その時国会の周りにはたくさんの市民が取り囲み、安倍総理に声を張り上げ抗議した。特別秘密保護法可決の時と同じ熱気が国会を包んだ。その空気にも負けず安倍政権は特別秘密保護法を可決し、公布した。この様子は嘗てにもあった・・・もっと意識高い国民がつぶされた。６０年安保時は、今以上に国会を市民が取り囲み大騒動になった。死者まで出た。機動隊、警察が総動員されて、市民に催涙ガス弾を投げ込まれた。催涙ガスの元は枯れ葉剤に似た成分であったという。その頃の活動を行った学生、市民は後に血の気の多い人々とレッテルを貼られ、政治犯的要素を植え付けられて私達の日常に消えて行った。　私のこどもの頃からの日常は、アイドル、博覧会、テーマパーク、新幹線、宇宙開発、おいしいごちそう、アパレル業界の飛躍的発展、バブル景気で猫も杓子も高級車を乗り回し、乗り換え、溢れ出る物質的豊さに埋もれた。その日常の中に真面目さは毒となり、政治は重いものとなり、政治抜きでも我々はひょうひょうと生きているように錯覚をしていた。しかし、その溢れた欲の泡は、人間の本質をも泡で覆ってしまった。安保時代後自民党はこのような市民革命を恐れ、教育へ手を付けた。それが意志を持たず、産業のために生きる子の育成である。資本主義社会の正しさと、お金絶対主義の社会の形成。徹底的にテレビ、新聞、雑誌の媒体により私達は成長した。常識はテレビから発信された。アイドルに狂う大人に異常を感じつつも、心理統制を大変学んだメディアが企業と国と手を結び、子どもたちから取り込んで大人たちをも連れ込んだ。お祭りの紅白のもちまきのようだ。　戦争で精神と物質を奪われた日本は、物質に生きて行くことに固執した。戦中の思想統制から解放された日本人の意識はさまよい続けた。個がなくなったさまよえる日本人は、示してくれる支持者が欲しかった。依存という生き方を強いられた国民性が選んだ道は、無くなった物質を与えてくれる政党だった。それが自民党。それでも戦争に苦しみ、戦争に異を唱えた正しき日本人はちゃんといた。その日本人をつぶしたのが私が生まれる前の安保時代。奇しくも福島第一原子力発電所が作られ頃のお話。その原発が爆発した。それが答えだ。バブルがはじけ、爆弾もはじけた。えいじゃないかともうお祭り騒ぎで、今まで生きて来た道まで見失った日本国民。アンデルセン童話のヘンデルとグレーテルのよう・・・。道しるべに落としたパンを食べられてしまった感。声を出さなければ埋もれてしまう。声を出さなければ届かない。樹海の森は磁場をも狂わす。じっと目をつむり、耳をそばだて、水の音を聞け！命の元は水。福島原発からの汚染水が福島の地下水を汚染している。昨日の東電の方針は海に汚染水を流す方針という。命の源の水の汚染をしてまでも原発を稼働し、武器をもって他国へ武力行使するとする安倍政権はもはや日本国民側にいない。　それを黙り、流され生きる人々は、どんな未来を想像し生きているのだろうか・・・思想統制の出来上がりとも言えるのかもしれない。思想統制されず生きる方法は、メドゥーサの目を見ないことだ。そして命の水源を探すこと。そこには川がきっとある、そこを道として行くこととしよう！そうすればきっと道が現れる。獣道かもしれないが、これが本当の生きるための道だ。編集部註メドゥーサとはギリシャ神話に出てくる怪物で、メドゥーサの目を見れば石にされてしまうと言われている。 ───────────────────────────────── ◆「ロシアの声」が伝える「ロシアからみた日本・世界」>>> 　　　　　　　　　引用元 http://japanese.ruvr.ru ───────────────────────────────── ◆日本関連 http://japanese.ruvr.ru/russia_japan/ ◇日本が主張するのは　国防それとも戦争、どちらの権利？今週、安倍首相は、自衛隊の権限問題に関する政府の公式的立場を明らかにし、同盟国擁護のため、自衛隊を用いると述べた。安倍政権は、東アジアの情勢は悪化しており、ますます緊迫化し、日本の国益は危機にさらされていると見做している。 http://japanese.ruvr.ru/2014_05_17/272475311/ ◇安倍首相　同盟国を守るために集団的自衛権の行使容認を支持 http://japanese.ruvr.ru/news/2014_05_15/272404995/ ◇安保法制懇　安倍首相に日本の軍事的権限拡大を勧告 15日、安倍首相は、国に「集団的自衛権」を付与する事を勧告する私的諮問機関「安全保障の法的基盤再構築に関する懇談会」の報告書を受け取った。 http://japanese.ruvr.ru/news/2014_05_15/272395094/ ◇進退窮まる日本日本政府は、平和条約問題に関する外務次官級協議の定例ラウンド実施を拒否してはいない。これは12日、日本外務省の斎木昭隆外務事務次官が述べたもので、事務次官は「協議は日本側によって一方的に中止された」とのマスコミ報道を否定した。日本はまさに今、進退窮まった状態にあると言ってよい。一方で協議継続という決定は、ウクライナの政治危機に関連して、米国やＧ7のパートナー国からは不満を呼び起こす可能性があるものの、日本政府にとっては、ロシアとのこれまでの交渉で築き上げた成果を捨てたくないというのが本音だからだ。 http://japanese.ruvr.ru/2014_05_14/272364099/ ◆国際─────────────── http://japanese.ruvr.ru/world/ ◇中国　自国民避難のためベトナムに船艇５隻を派遣中国政府は１８日、ベトナムで騒乱が発生し、中国人２人が死亡したことを受け、自国民避難のため船舶５隻を派遣する計画。新華社通信が中国運輸局の情報を引用して伝えた。 http://japanese.ruvr.ru/news/2014_05_18/chuugoku-betonamu/ ◇行方不明のマレーシア機は撃墜された―書籍の著者行方不明のマレーシア機に関する書籍「MH370：ミステリー」を執筆した Nigel・Kousorn氏は、同機は演習に参加していた米国とタイの戦闘機に撃ち落とされたとの説を提唱した。Daily Mail紙が伝えた http://japanese.ruvr.ru/news/2014_05_18/boeing-777/ ◇キエフ軍兵士の臓器が売られている？ロシアのインターネットでは、ウクライナ南部・東部で活動するキエフ政権に忠実な部隊の負傷兵たちの臓器が欧州で売られているという噂を巡る議論にさらに拍車がかかっている。 http://japanese.ruvr.ru/news/2014_05_18/272513180/ ◇金正恩氏　ユニコーンにまたがって戦いに！？（ＶＩＤＥＯ） http://japanese.ruvr.ru/news/2014_05_16/272435723/ ◆ロシア国内─────────────── http://japanese.ruvr.ru/russia/ ◇「ロシア人宣教師たちに関する事件」- モスクワでの展覧会 http://japanese.ruvr.ru/2014_05_13/272331292/ ◇ラヴロフ外相「ロシアは南米に軍事基地を設けない」 17日ラヴロフ外相は、ロシアＴＶのインタビューに応じた中で「ロシアは、ラテンアメリカに軍事基地を作るつもりはないが、ロシア艦船の技術的サポートのためのポイントをこの地域に設けることには関心を抱いている」と述べた。 http://japanese.ruvr.ru/news/2014_05_17/272482488/ ◇ロシア太平洋艦隊　対馬沖海戦の犠牲者を追悼 16日、ミサイル巡洋艦「ワリャーグ」を旗艦とするロシア太平洋艦隊の船団は、1904年から05年にかけて行われたロ日戦争の際、対馬沖海戦で亡くなったロシア人船員達を追悼した。 http://japanese.ruvr.ru/news/2014_05_16/272440433/ ───────────────────────────────── ◆[編集長から]　　　　　　　　　　　　　　片山通夫 ───────────────────────────────── 　「民主主義国家あるいは法治国家」なのか？よその国のことではない。我が国のことである。このような疑問を持つのは筆者だけではないだろう。秘密保護法、ヘイトスピーチに対する政治の無策、憲法論議を封じようとする行政、歴代の内閣が踏襲してきた憲法解釈を首相の一存で変更しようとする国とそれを黙ってみている司法。挙げかければきりがないのがここ１年あまりの動きだ。　挙げ句の果てには「美味しんぼ」という漫画が描く福島が気に入らないと（しばらくの間だという話だが）休載に追い込んだ。同漫画が、チェルノブイリのことを取り上げたときは、何の反応も見せなかった。　しかるに今度の事を「過剰反応」と感じるのは筆者だけか。　今、自民党の議員や閣僚たちが、美味しんぼバッシングを行っている。中でも、自民党が野党時代、民主党政権を「同じ問題」で激しく追及していた。しかし政権に戻って、当時のその立場はすっかり忘れ去られたようだ。・・・とここまで書いてからふと思う。ばかばかしい政治の世界をかまっていられない。いや、こう言う態度がだめなのだと自戒する。　この繰り返しの日々・・・・。 ──────────────────────────────── 発行　　　　　２０１４年５月２０日　No.６５８編集・発行　　609studio Michio Katayama 発行　　　　　毎週火曜日　　購読料無料　 FB　　https://www.facebook.com/michio.katayama.5 　　配信まぐまぐ配信システム ID:0000052236 MailuX配信システム ID:MM3E1B97842E020 contact us http://www.609studio.com/html/mailform.html website 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