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───────────────────────────────── 【609 Studio】メール・マガジン ２０１４・４・２９ No.６５５ ───────────────────────────────── フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上 脩身氏の現代時評、ロシア唯一の韓国語新聞「セ・コリョ」の日本語翻 訳版、ロシアやサハリンの話題編集長のコラムなど多彩な話題満載！ ───────────────────────────────── info＠lapiz あれから３年・・・。Lapizは４月２０日に震災３年の特別号 この号は購読費無料です！！ ダウンロードは下記から・・・。 http://lapiz-international.com/files/140420/index.html ──────────────── LapizNovels はない みほ 著「未来へ」好評発売中 ＜あらすじ＞ 福島第一原子力発電所はメルトダウンをした。原発近隣に住む人々はど うなったか！？同時にテレビ画面上でその出来事を知った人たちは何を考 え、どうしたか？原発事故が日本人に問いかける。言葉とチカラで出来上 がった大人の世界を子どもの純粋な心が、言葉やチカラの枠を外して凝り 固まった大人たちを動かしていく。私たちの未来は何処にあるのでしょう か・・・。 現実とファンタジーが入り交じりながらストーリーは展開していく。 詳しくは http://lapiz-international.com/ Graphic Magazine「Lapiz」 Lapiz２０１４春号好評発売中！ お買い求めは http://lapiz-international.com/ ───────────────────────────────── 書籍紹介 被爆６０年 《ふるさとはポイズンの島 ビキニ被ばくとロンゲラップの人びと》 電子雑誌 Lapizで活躍中の渡辺幸重さんが このほど上梓されました本を紹介します。 渡辺幸重 (著), 島田興生 (写真) 価格： ￥ 1,575- 発行 旬報社 http://www.junposha.com/catalog/product_info.php/products_id/808 ───────────────────────────────── 【著書案内】 「追跡！あるサハリン残留朝鮮人の生涯」 片山通夫 著 日本の植民地統治が生んだ一家離散「二重徴用」「急速転換」「樺太 への逆密航」を語る貴重な証言！！ 凱風社 刊 http://www.gaifu.co.jp/index.html 定価 １９００円＋税 ───────────────────────────────── ◆現代時評「フェリー沈没事故は韓国社会の縮図なのか」：片山通夫 ───────────────────────────────── 【薄給の一年契約船長】 朝鮮日報など韓国のメディアによると、韓国で起こったフェリー・セ ウォル（世界を超越という意味）号沈没事故の船長を始め乗組員のほと んどが「契約社員」だったという。我が国でもそうだが、契約社員の待 遇は決して良くない。船長の場合、一年契約で、給与は270万ウォン（約 27万円）程度だとか。。しかし、船長を15年経験し、現在は水先人をし て22年になる男性（67）は次のように話す。 「普通、仁川−済州間の旅客船船長の月給は400万−500万ウォン（40 −50万円）程度。エリートとされる海洋大学出身者は年間給与1億ウォン （1000万円）以上の外国航路を希望し、沿岸旅客船に乗るのは嫌がる」 あまりにも低い待遇だった。そして、これは推測だが、契約社員の船 長に「船内でどれほどの権力」があったのか不明だ。おそらく「ロート ルの契約船長の命令」など聞かない乗組員が多かったのではないか。つ まり「船長としての統率力」にも問題があったのではないか。あまりに も低い待遇は、意欲を失わせる。セウォル号の船会社の経営にも多くの 問題があろう事は簡単に想像できる。 最近の韓国からの報道では、この事故に関して、単に船長や乗組員そ して船会社の責任を追及するだけでは収まりそうにない様相を帯びてき ている。世論やマスコミの追求の手は船会社のオーナーのみならず、船 舶の検査機関、韓国海運組合、海洋水産部（省に相当）や海洋警察庁幹 部に至るまで、ロビー活動（贈収賄）の有無などにまで範囲を広げてい るようだ。 【従北論という魔物】 分断国家である韓国では、なにか問題が起こると「従北論」が頭をも たげる。北朝鮮の仕業だという論理だ。日本ではあまり報じられていな いが、この従北論の極端な例を挙げよう。以下はハンギョレ新聞の記事 だ。 「セウォル号事故と救助過程で露わになった政府の無能を指摘する市 民に向かって“北傀にあやつられる左派”と規定(セヌリ党ハン・ギホ最 高委員)、「”行方不明者の家族になりすました煽動者”がいる」(セヌ リ党クォン・ウニ議員)などという“従北論”が尋常でない状況だ。与党 議員らの主張はすぐに撤回されたが、これまで極右的視点を見せてきた 現職の中学教師が「(セウォル号の沈没が)北の仕業である可能性あり」 という書き込みをインターネットに掲載するなど、大規模な人命被害が 出たセウォル号惨事までも理念的物差しを突き付けるやり方が繰り返さ れている。」 この現象をみるに、我が国の昨今の嫌韓、それに外国人お断りの張り 紙などの現象を思い浮かべてしまう。それはたとえば、韓国のある中学 教師が「(セウォル号の沈没が)北の仕業である可能性あり」とどのよう な情報を元に判断したのかWebに書いた。こう言う言い方はあまり好き ではないが、現職の中学教師がなぜこの大惨事を北の仕業かもしれない と言えるのか。若しかして「極右」を装った北のスパイ？なのかもしれ ないなんて勘繰ってしまう。また「外部勢力による扇動」説も必ず流布 するという。これはどの国家にもどの組織にも言えることであるが「外 部勢力による扇動」説を唱えることによって「自らの責任の所在を曖昧 にする事が出来る」という卑劣な考え方だと言えよう。特に分断国家・ 韓国の場合、熾烈な歴史を経験してきた為か、「北の扇動」と考える方 が単純で理解されやすいのかもしれない。しかしこれは判断を誤る元と なる。 この海難事故の捜索が懸命に行われている現在、このような流言をま ことしやかに流す輩は厳罰に処すべきだ。ただ当局の恣意的な取り締ま りは、後で禍根を残す危険があることも指摘しておきたいし、これらの 現象が現代の韓国の抱える問題なのだと言えるのではないだろうか。 ───────────────────────────────── ◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版：２０１４年４月１８日号 ───────────────────────────────── 州立美術館が教育センター開設 さる１５日、サハリン州立美術館は教育センターを開設した。１年半 前から準備してきた同事業は、サハリン住民の美的、文化的発展のため に立ち上げられたもので、サンクト・ペテルブルグのロシア美術館と提 携して遠隔講座を行う。 地方自治体の滞納金増加 さる１５日、州政府エネルギー局が会議を招集し、地方自治体の行政 不能を厳しく審問した。昨年、１１９億ルーブルの州予算を割り当てた にもかかわらず、自治体の同部門で赤字を出すなどして批判を浴びてい る。州政府は予算を如何に管理したかについて厳しく問うつもりだ。 教師コンクール、２４人参加 州政府主催の「今年の優秀な教師」コンクールの決選が、１８日ユジ ノサハリンスク市人形劇場で行われる。決選では２４人の教師（男性６ 、女性１８）が競う。彼らの平均年齢は３５歳、最も若い教師は２５歳。 結果発表は２９日。 身の回りのサービス提供 ４月１４日から月末まで、多機能センターが祖国戦争に参戦した年寄 と障害者らを対象に身の回りのサービスを行う。外出のできない彼らの 自宅を訪ね、税金支払いと書類発行申請などの仕事を代行する。これは 勝利の日を迎えての記念行事として考案されたもの。 雪のカーニバル ４月１２日、スキー場「コルヌイ・ヴォスドフ」で５０人余りの人々 が参加して、最後の冬のスポーツを楽しむ催しを開いた。雪を連想させ る多様な衣装で滑るなどで冬を見送るのであった。 ３年後、天文台設置 ユジノサハリンスク青少年会館は改築準備中。１９６７年に建築され た建物はかなり老化し教育機関としての役割を果たすのに無理があると のことで改築が決まった。設計案は今年８月中に、工事は２０１５年に 完成される予定。ここに天文台を設置して学生らの学習を助けるとのこ と。 詩朗読会 さる１０月、韓国語とロシア語で出版された韓国の詩人李・チョンヒ さん（７４歳）の詩朗読会が州立図書館で開かれた。ロシア語翻訳を担 当した詩人ウラジミール・セメンチクさん（ロシア作家同盟員）がロシ ア語で、韓国語を専攻したチェ・ユリヤさんが韓国語で、詩人の詩を朗 読。李詩人は病気のために来島できなかった。 出版記念会 さる１５日、韓人文化センターでトマリに住むチョ・ミョンヴォン（ ６５歳）さんの短編小説「再びチューリップが咲く」の出版記念会があ った。チョさんは現在トマリ市博物館長兼韓国語教師だ。５編の短編が 載っている同出版物は、同郷人で親友の韻律詩人許・ロマンさんの協力 で実現した。以前セコリョ新聞を通じて紹介された作品を纏めたもので もある。 KIN創立１５周年記念フォーラム「解放されていないサハリン韓人問題」 を開催 KIN（Korean International Network）が創立１５周年を迎え、在外同 胞の歴史と人権、統一について議論するフォーラムを開催する。４月１７ 日にはサハリン、韓国、日本の法律家、研究者、当事者らが参加し、サハ リン韓人らの歴史と現況、問題などを多方面から議論する。 ───────────────────────────────── ◆みほの独り言：はないみほ ───────────────────────────────── 今週は休載です。 ───────────────────────────────── ◆「ロシアの声」が伝える「ロシアからみた日本・世界」>>> 引用元 http://japanese.ruvr.ru ───────────────────────────────── ◆日本関連 http://japanese.ruvr.ru/russia_japan/ ◇ジレンマにぶつかった安倍首相 米国のオバマ大統領の日本訪問中の交渉は、どれも中身の濃いものばか りだった。半世紀以上昔の1960年、日米安保条約によって結ばれた同盟 国にとって、それは当然の事かもしれない。議事日程には、日中間の懸 案となっている尖閣（中国名；ジョオユイダオ）諸島の地位に関する調 整や北朝鮮からの脅威、環太平洋戦略的経済連携協定（ＴＰＰ）に関連 した諸問題などがびっしり挙がっていた。また日米両首脳は、ウクライ ナ情勢そして、それをめぐる状況下でのロシアと両国の関係についてに も当然、注意を向けた。 http://japanese.ruvr.ru/2014_04_25/271646985/ ◇ロシア人日本専門家、安倍政策は実を結ぶ 日本ではそろそろ２０１３年度の総括が行なわれる。モスクワ国際関係 大学のドミトリー・ストレリツォフ教授は、総括は安倍首相にとって十 分に納得のいく結果を見せるだろうとの確信を表し、次のように語って いる http://japanese.ruvr.ru/2014_04_24/271593671/ ◇米国の日本防衛義務、尖閣諸島に及ぶ http://japanese.ruvr.ru/news/2014_04_24/271589938/ ◇米国の日韓和解ミッション、未だ遂行ならず 日米首脳会談でオバマ大統領は、日中間において尖閣諸島で紛争が起き た場合、米国は日本を守る義務があるという声明を表した。 http://japanese.ruvr.ru/2014_04_26/271691356/ ◇中国、賠償金支払いのち日本の鉱石運搬船を解放 中国は3900万ドルの賠償金を受け取って、差し押さえた日本船を解放し た。ロイター通信が24日報じた http://japanese.ruvr.ru/news/2014_04_24/271589478/ ◇東京電力 被害者への賠償金として１９１８億円受け取る http://japanese.ruvr.ru/news/2014_04_23/271572454/ ◇ジャスティン・ビーバー氏、靖国で撮影の写真に謝罪 カナダの人気歌手のジャスティン・ビーバーさんは靖国神社への参拝時 に撮影した写真をインターネット上で公開したことに対し、謝罪を行っ た。 http://japanese.ruvr.ru/news/2014_04_23/271569137/ ◆国際─────────────── http://japanese.ruvr.ru/world/ ◇ケリー米国務長官、ラヴロフ外相に対し「ウクライナ東部の緊張緩和 に向けキエフを説得する」と約束 http://japanese.ruvr.ru/news/2014_04_28/271723777/ ◇フィリピン 米国との新軍事協定締結に反対する大規模デモ フィリピンの首都マニラで２７日、米国のオバマ大統領の訪問を前に大 規模な抗議デモが開かれた。 http://japanese.ruvr.ru/news/2014_04_27/271720897/ ◆ロシア国内─────────────── http://japanese.ruvr.ru/russia/ ◇ロシア国内に大油田が見つかる アストラハン州に巨大な油田が見つかった。石油埋蔵量は3億トン。セ ルゲイ・ドンスコイ天然資源相が発表した。 http://japanese.ruvr.ru/news/2014_04_17/271311124/ ◇ロシア、ウクライナ大統領選結果を受け入れるかは未定 http://japanese.ruvr.ru/news/2014_04_26/271701952/ ◇クリミアとシルクロードを一つに結ぶ中国 ロシア政府と中国政府は、クリミアに大型船寄港可能な深さを持った港 湾設備の建設に向けた協力を開始した。 http://japanese.ruvr.ru/2014_04_26/271686308/ ───────────────────────────────── ◆[編集長から] 片山通夫 ───────────────────────────────── 先週２２日のＮＨＫの報道によると、「『はだしのゲン』が１３自治体 に撤去要請」があったようだ。原爆投下後の広島で生きる少年の姿を描い た漫画、「はだしのゲン」を巡っては昨年松江市の一部の小中学校が、自 由に閲覧できない「閉架」の措置を取ったことが表面化していた。 撤去要請された自治体は北海道、札幌市、仙台市、東京都、千代田区、新 宿区、港区、大田区、豊島区、練馬区、文京区、大阪市、鳥取市。また、 撤去を求める意見書などが寄せられたのは、仙台市議会、中野区議会、足 立区議会、神奈川県議会、松江市議会、高知市議会、鹿児島県議会の、７ つの地方議会だという。 一方で、高知県を走る土佐電鉄護憲ＰＲ電車「憲法９条号」「平和憲法 号」が「同社の内規で禁止されている政治的な意見広告だ」として、広告 掲載を取りやめるよう要請があったという。現行憲法の条文やその精神を ＰＲするのが「政治的」だというのは、ひとえに安倍政権の憲法の取り扱 いが原因だと思える。 このふたつの事案を合わせて考えてみた。共通項は「右傾化」であり、 「安倍政権」そして「戦前回帰」、併せて「憲法改悪」・・・。 世の識者が話しているように「立憲主義に基づくなら、憲法は国民を縛 るのではなく、国を縛る」ものでなければならない。その国民の側に立っ ている現行憲法を否定するということの意味がわからない。ましてマスコ ミが、これら、あたかも現行憲法を否定するような現象に「ただつくねん と傍観している」のには、全く理解しがたい。 すでに、戦前の大政翼賛会に迎合した御用マスコミと同様だと断じるも のである。 ───────────────────────────────── 発行 ２０１４年４月２９日 No.６５５ 編集・発行 609studio Michio Katayama 発行 毎週火曜日 購読料無料 FB https://www.facebook.com/michio.katayama.5 配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236 MailuX配信システム ID:MM3E1B97842E020 contact us http://www.609studio.com/html/mailform.html website http://www.609studio.com/ 投稿 http://www3.ezbbs.net/06/609studio/ 購読 解除 http://archive.mag2.com/0000052236/index.html ◇禁・無断転載◇ ───────────────────────────────── |