メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.649 ◆現代時評 「首相の靖国参拝とJリーグ・村井チェアマンの措置」:片山通夫  2014/03/18


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   【609 Studio】メール・マガジン 2014・3・18 No.649
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  フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上
 脩身氏の現代時評、ロシア唯一の韓国語新聞「セ・コリョ」の日本語翻
 訳版、ロシアやサハリンの話題編集長のコラムなど多彩な話題満載!
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<あらすじ>

 福島第一原子力発電所はメルトダウンをした。原発近隣に住む人々はど
うなったか!?同時にテレビ画面上でその出来事を知った人たちは何を考
え、どうしたか?原発事故が日本人に問いかける。言葉とチカラで出来上
がった大人の世界を子どもの純粋な心が、言葉やチカラの枠を外して凝り
固まった大人たちを動かしていく。私たちの未来は何処にあるのでしょう
か・・・。

 現実とファンタジーが入り交じりながらストーリーは展開していく。


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◆現代時評
「首相の靖国参拝とJリーグ・村井チェアマンの措置」:片山通夫
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  3月8日(土)に埼玉スタジアム2002で開催された試合で差別的
行為と受け止められた事案が起こった。浦和レッズのサポーターが
「JAPANESE ONLY」と書かれた横断幕を掲げた。

 村井チェアマンは、この事案に関して、「どの行為が差別的であるか
ということに関しては、さまざまな受け止め方があると思います。しか
し大切なことは、その行為を行った側がどういう考えに基づいていたの
かということではなく、受け手がどのように感じたかということに目を
向けるべきであると思っています」と述べる。

 「行った側がどういう考えに基づいていたのかということではなく、
受け手がどのように感じたか」に目を向けるべきだと実に明確に述べた。

 筆者はこの会見の全文を読んで、昨年末に突然「靖国参拝」を決行し
た安倍首相を思った。安倍首相は「二度と再び戦争の惨禍によって人々
が苦しむことのない時代をつくる不戦の誓いをした」と参拝後に語った。
 「不戦の誓い」をなぜ世界の国々から孤立してまで靖国神社でしなけ
ればならないのか理解に苦しむところだ。

 村井チェアマンと安倍首相の大きな違いがそこにある。つまり、チェ
アマンは、かなり早い対応をとった。つまり危機感の表れである。それ
に比して安倍首相はようやく「河野談話のや村山談話を安倍内閣でも踏
襲する」とほんの2・3日前に国会で述べた。しかしおそらく首相は村
井チェアマン言うところの「受け手がどのように感じたか」に関しては
心底考えていないであろうと思われる。

 来月オバマ大統領が日本や韓国を訪れる。それに合わせた安部首相の
パフォーマンスとしか受け取れないのだが・・・。
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◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2014年3月7日号14日号
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2014年3月7日号

知事と一般市民との会合

 さる3日、ユジノサハリンスク市チェーホフセンターでサハリン州知事
と一般市民との会合が開かれた。席が足りないほど参加者が多かった。ま
ず、州政府の行った事業と事業計画などを説明する映像の上映の後、市民
からの質問に答える時間があった。市民側からは交通問題を含め代表選手
らへの支援、移民者問題、障害者や若い者の住宅問題などについての多く
の質問があった。6時に始まった会合は8時半まで続いた。

「マスレニチャ」−春を迎えるロシア民俗

 2月24日から3月2日まではロシアのマルレニチャ週刊。冬を送り、
春を迎える民俗行事だ。同期間中、市民たちは公園を訪ねてマスレニチャ
の代表「ブルヌイ」を食べながら多様な公演を楽しむ。3月2日には市内
2か所で大規模な祝賀行事が開かれた。1千人を超える市民らが公園を訪
ねたという。

写真展―外国人の目に映ったロシア

 3月1日から一カ月間、州立美術館で「オランダとベルギーの写真家が
みたロシア」という写真展が開かれる。10人のカメラマンが1980年
代終わりから現在まで撮ったロシアの生活が見える。主催は「クラブ・ブ
メラン」、州政府とサハリン21世紀財団が後援。

イゴリ・パルフトジノフ記念マラソン大会

 3月9日、故イゴリ・パルフトジノフ前知事名称の第15回国際サハリ
ンマラソン大会が開催される。午前11時、コルサコフ区域レスノエ村で
出発して終点はサンタホテル付近のスキー場。年令を問わず誰もが参加で
きる。主催者―青少年冬季スポーツ学校は500人ほどが参加すると予測
している。

女性公務員、男性の3.2倍

 サハリン統計局によると、2013年1月1日現在、サハリン州女性人
口は52%で、平均年齢は男性より4.6歳高い40.3歳。大学生数も
男性より女性が多く(55.8%)、仕事をしている女性の学齢も男性よ
り女性が高い。また、公務員の中でも女性が3.2倍も多い。

高校生学術会議―チェーホフに関する

 2月28日、「チェーホフとサハリン」というテーマの高校生学術会議
が開かれた。7人の高校生がチェーホフの生涯や作品の映像、遺産につい
て研究した結果を発表した。

作家との出会いー「サハリン作家の肖像:梁・セルゲイ」

 サハリン州図書館読書センターが主催する「作家との出会い」プロジェ
クトの3月3日の招待作家は同胞の梁・セルゲイ氏。両親の家、父さんの
幻の国、夢でみる故郷など多くのエッセイ集と詩集を出しているサハリン
代表作家の梁氏の愛読者、同僚、研究者などが参加して作家の作品世界に
ついて語り合った。

農産物広報のために来島

 2月26日、韓国慶尚北道ヨンジュ市代表団6人が地元の特産農産物を
紹介するためにサハリンを訪問した。リンゴや梨などの試食会なども開い
て市民らの反応を見るほか輸入関係者らと会って事業展望について話し合
った。

「国際婦人の日を祝う」

 セコリョ紙面を通じて、サハリン州知事をはじめ、韓人社会団体、永住
帰国者らが3月8日の国際婦人の日を迎え、祝賀のメッセージを送る。

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2014年3月14日号

クリミア住民を支持する集会

 3月18日午後4時30分、レーニン広場でウクライナのクリミア住民
を支持する集会が開かれる。主催はサハリン州前未成年者ナチ収容所捕虜
団体「追念」。団体の代表者は「ロシアを全世界が敵に思っているのは不
愉快だ。我々はファッシズムが何かを知っている。ウクライナの悲劇は他
人事ではない。そこには我々の兄弟がいる。国境はあっても私たちは歴史
的、文化的に同じルーツである」と集会の目的を語った。

移民法に関するセミナー開催

 3月21日、ユジノサハリンスク市政府は改正された移民法と外国人労
働者雇用法などに関する無料の公開セミナーを開催する。

労働年金10%引上

 昨年、サハリン州民らの労働年金が10%引き上げられた。また、約9
500人が新たに年金受給対象者となった。14年1月1日現在、年金生
活者人口は16万3384人。しかし、年金生活者の47.7%が働き続
けている。

「今年の女性賞」授賞式

 さる7日、チェーホフセンターで「今年の女性賞」コンクール授賞式が
あった。社会活動、家族を守る、慈善看護師、スポーツの女王など多様な
分野で活躍している女性らが賞を受けた。

「日本文化の日」

 3月16日、ショッピングセンター「シティモール」で日本を紹介する
多様な催しがある。茶道、生け花、日本人形、折り紙の展示の他、日本映
画の上映会もある。主催は駐ユジノサハリンスク日本総領事館。

「家族でみる人形劇」

 サハリン人形劇場は、2020年までの長期プロジェクトの一つとして
家族みんなが楽しめる事業を行う。夕方、大人も楽しめる劇の上演の他、
子供たちが参加して作る人形劇など多様なプログラムを運営するとのこと。

サハリンの植物を紹介する本

 「サハリンの植物世界」という本が出版された。サハリンの川、鳥、海
などサハリンの資源を紹介するシリーズの一環として作られた。さる6日、
州立図書館で出版記念会が開かれたがロシアと英語で書かれており、2千
部が印刷され各地域図書館に配置されるとのこと。

3・8記念行事

 さる8日、韓人文化センターで国際婦人の日を記念しての祝賀公演が開
かれた。100人ほどが集まった中で、センター文化教室に通っている子
供たちが歌や踊りで、母親やお婆さんに感謝の気持ちを伝えるなどして暖
かい雰囲気が漂う催しとなった。

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◆「ロシアの声」が伝える「ロシアからみた日本・世界」>>>
           引用元 http://japanese.ruvr.ru
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■クリミア情勢
http://japanese.ruvr.ru/tag_6635801/

◆日本関連
http://japanese.ruvr.ru/russia_japan/

◇虫歯を塞いでしまう画期的歯磨き 日本人が発明
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_03_15/269433062/

◇日本の科学界、大スキャンダルで炎上
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_03_15/269453576/

◇日本、対露制裁を検討中
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_03_14/269275433/

◇日本、原子炉2基を再稼動
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_03_13/269186896/

◇東京都内の図書館でホロコースト関連の書籍を破いた男 逮捕される
 http://japanese.ruvr.ru/news/2014_03_13/269143209/


◇岸田外相 ロシアに対してウクライナとの直接対話よびかけ
 http://japanese.ruvr.ru/news/2014_03_12/269016532/

◆国際───────────────
http://japanese.ruvr.ru/world/

◇クリミア住民投票、明日に迫る
http://japanese.ruvr.ru/2014_03_15/269429011/

◇クリミアを守るためライオン達も住民の側に
シンフェローポリ近郊のサファリ・パーク「タイガン」では,60頭の
ライオンが飼育されているが、公園の責任者は「もし必要があれば、
トラ達も人々と共に半島を守るため戦う」と約束した。
 http://japanese.ruvr.ru/news/2014_03_15/269454783/

◇ウクライナ国会、クリミア議会を解散
ウクライナの国会はクリミア自治共和国最高評議会の全権を緊急的に
停止することを決定した。
 http://japanese.ruvr.ru/news/2014_03_15/269456247/

◇ワシントン、ソウルのプルトニウム濃縮を許さず
http://japanese.ruvr.ru/2014_03_03/129360321/

◆ロシア国内───────────────
http://japanese.ruvr.ru/russia/

◇クリミア情勢は以下のアドレスで・・・。
http://japanese.ruvr.ru/tag_6635801/
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◆[編集長から]              片山通夫
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 電子雑誌Lapizの仕事で、井上編集長と3年目を迎えた福島と宮城へ出
かけた。周知のように3年を過ぎたにもかかわらず、東京電力福島第一
原発は汚染水が毎日400トンも増え続けている。むろん、メルトダウ
ンした炉心への対応は、その方法すら確立されていない。

 一方、幸いにして(事実かどうかは不明だが)放射能汚染という点か
らは問題がないとされる宮城県・女川町だが、いまだ仮設住宅に住む人
々が多くいる。東京の復興庁へ陳情に出かけたとき、東京オリンピック
のポスターが華々しく貼られていたことに愕然としたという話を聞いた。

 マスメディアも3年目だと言うことでかなりの取材陣をさいて報道し
ていた。しかし残念ながらそれはあくまで「東京目線」でしかなかった
といえるのではないだろうか。

 沖縄の知り合いは「東京目線では何も解決しない」という。今、考え
なければならないのは「目線の位置をずらす」ことではないのか。

 久しぶりに、井上ひさしの「吉里吉里人」を読んでいる。ウイキペデ
ィアから概要の一部を紹介したい。

 ―東北地方の一寒村が日本政府に愛想を尽かし、突如「吉里吉里国」
を名乗り独立を宣言する。当然日本政府は反発、これを阻止すべく策を
講じるが吉里吉里側は食料やエネルギーの自給自足で足元を固め、高度
な医学(当時日本で認められていなかった脳死による臓器移植を含む)
や独自の金本位制、タックス・ヘイヴンといった切り札を世界各国にア
ピールすることで存続をはかる。その攻防を含む1日半の出来事を、全
28章にわたって描写している。また、独立により国語となった「吉里
吉里語」(東北弁、いわゆる「ズーズー弁」)の会話をルビを駆使して
表記するほか、作中『吉里吉里語四時間・吉日、日吉辞典つき』という
「小冊子」に「三時間目」まで紙幅を割くなど、方言・方言論が重要な
役割を占めている作品でもある―

 この小説はむろん架空の話ではある。しかし強烈な「中央批判」であ
る。東北の一寒村が「独立する」という大騒動が、いわゆる「ズーズー
弁」を通じて表現される訳だ。地方の言葉といわゆる共通語(標準語)
のせめぎ合いは、明治の初めから沖縄をはじめ各地で起こった。地方の
言葉、つまり方言は格好が悪いという意識の植付けでもある。それはと
どのつまり、日本文化の圧殺である。
 今、東日本大震災で被害に遭った地域を見ていると「東京と地方」と
いう文化的、経済的格差に呆然としないではおれない。

 JR山田線に吉里吉里駅がある。しかしこの吉里吉里とは違う場所で井
上ひさしの「吉里吉里人」の物語は展開する。この山田線もまだ開通は
していない。
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  発行     2014年3月18日 No.649
  編集・発行  609studio Michio Katayama
   発行     毎週火曜日  購読料無料

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